【感想・ネタバレ】ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一のレビュー

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Posted by ブクログ

「十三階の女」に感銘を受け、著者作品を読む。
オレオレ詐欺をよく調べられており迫力ある。味田の背景描写が今ひとつだし、本城と息子の関係性描写も弱いと思ったが、養成所での針谷の講義の場面をはじめとするオレオレ詐欺の犯罪に向かう圧倒的な熱量と、複雑すぎずかつ嘘臭くない丁度良い程度のプロットが全体を引き締め、最後まで楽しめた。エンディングはもう少し違った形がよかったかな。

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2018年02月05日

Posted by ブクログ

オレオレ詐欺ってなんか幼稚なイメージを持っていたけど、プロが組織化をして運営していることがリアルに描替えれていた。エンターテイメントとして楽しめた。

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2017年01月21日

Posted by ブクログ

著者は不思議な名前だな、と思った。
警察小説の著者は オトコだと思いこんでいた。
途中まで読んで、なんか 雰囲気が違うので、おかしいなぁと思った。
それで、ネットで調べたら 女子だった。

女子の警察小説は、独特の陰が存在している。
と言っても、初めて読むのだから すべてをくくるわけにはいかないが。
全部読み終わった後に、ちっとも 気分が良くならない。
問題は、すこしも 解決していないのだ。
読後、爽快感がなく、思いっきり 残尿感がある。
ハイエナが だれなのかも 見えない。
『悪』は、薄ら笑いをして 終っている。

ここでの主題は パンセ。
『権力なき正義は無効なり。正義なき権力は横暴なり。』

定年を間近にして、キャリアで 知能犯のベテラン刑事 本城仁一。
警視庁2課で、復興庁審議官大平雄也の汚職事件を追いかけていた。
それで、タイに飛び、追っかけ対象は タイからカンボジアに逃げる。
追いつめたが 地雷の埋めてある野原で 自殺をする。
そのことで、本城は、非難を受ける。
一方で 息子は ノンキャリのエリート。
管理官として、おれおれ詐欺を 追いかけている。

この息子、出世欲が強く、清濁合わせ飲むこともでき、
キャリアの父親の捜査能力は買っているが バカにしている。
本城仁一の妻は、夫の無能を非難していることが、
息子にも反映しているのか。

その息子が 睡眠強盗に会い 『警察手帳』を盗まれたと
父親 本城仁一に打ち明けるが、父親は 正直に上司に報告しろと
いっていたが、その警察手帳を取り戻すことで物語は展開していく。
本城仁一は なぜそうしたのか?

おれおれ詐欺の仕組みが
金主ー番頭ー架け子ー受取など、非常に機能が分担化している。
警察は 架け子をつかまえるので、精一杯。
おれおれ詐欺の被害が 2014年で560億円にも上ると言う。
それだけの 大きな市場を形成している。

架け子の教育が 素晴らしい。格差に対して怒りを誘導して
税金の不公平、そして一躍 金持ちになると言う物語で洗脳する。

警察手帳がぬすませたボスが 味田と言われる。
これが、意外と不気味な存在感を持っている。
そして、引き際が 実にしっかりしている。
味田という名前は、家族5人殺された、食堂の名前だった。

夫婦の関係、老人介護、親子の関係、が 様々な形で出てくるが
どうも、希薄で、うまくいっていない。
その軋みが 噴出する。それぞれの思惑がある。
『めぐみ』という存在も、不気味だった。
本城仁一は、何のために 刑事をするのか?
そして その息子は 警察官僚の中で 出世できるのだろうか?
気持ち的には、出世してほしくないなぁ。

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2016年08月27日

Posted by ブクログ

4月-10。3.0点。
警視庁捜査二課の主人公。息子はキャリア警察官。
汚職捜査で情報屋が海外逃亡。追跡するも失敗。同時期に息子が不祥事。息子に頼まれ、捜査する父。

オレオレ詐欺の最前線がわかるが、うーん、終わり方がどうもなーー。
主人公の名を冠にしているが、シリーズ化するのかな。。。

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2019年04月10日

Posted by ブクログ

最後まで着地点が見えません。
予想を反した展開です。
ワクワクして読み進めます!

【本文より】
 「さっき、息子さんに泣きつかれて潜入捜査に踏み切ったけど、違うよね」。
 「あなたを最終的に突き動かしたのは息子さんじゃない。あなたの自尊心では」。
 「あたたはすることがなかったのよ。あしたからも。

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2019年02月01日

Posted by ブクログ

本書に書いてある通り、オレオレ詐欺は技術的にも組織的にもどんどん高度化しているであろうことは、事件報道からも想像に難くない。
そしてその巨額の利益はロクな経路を流れていないだろうことも然り。
ただ、若きエリート官僚があまりにも卑小に描かれていることが、犯人側の緊張感ある描写と対比され、面白さよりも興醒めに繋がってしまったかも。

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2018年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリが好きなのは、勧善懲悪で論理的にコトが片付くから。法則通りに物事が並べられるのが好きなのよ。なのに、あにはからんや読後感が異様に悪い物語を読んでしまった。登場人物の中に善人がひとりもいない(笑)! 主人公は一応、正義のひとだけれど、彼が死に追いやった人間の数を考えたらそれほどでもない。息子のクズっぷりといったらもう。それにしても、やはりこの作者が描く人物はもひとつ浅い。続編があるようなので、まあ、読むんだけど。(2018-01-07L)(2018-01-28L)(2018-09-15L) 追記;勘違いをしていました。どうやら続編は、今のところ出ていないようです。本城氏があまりに可哀想なので、なんとか救われる話を書いて欲しい…

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2018年09月30日

Posted by ブクログ

アゲハシリーズの作者のシリーズ以外の作品を初めて読んでみた。主人公はナンバーと呼ばれる知能班のチーフだったが、渡航先でSを死なせてしまい、閑職へ追いやられる。辞職を迫られながら、有給休暇を消化している中、警察官僚の息子の相談に乗り、オレオレ詐欺の潜入捜査に・・・登場人物が多い上に、すべて繋がっていると言う、お腹いっぱいな内容。アゲハシリーズを読みなれていると、ハードボイルド感が力み過ぎな感じもするが、詐欺の番頭と本城の駆け引きは面白かった。本当にぎりぎりのところで、二課に踏みとどまった本城の次作があるのか・・・かなり気になる。

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2016年07月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警察官僚の息子のため、振り込め詐欺グループに潜入捜査する父親警察官の物語。

2003ころから認知され始めた振り込め詐欺も今や産業化されており金主ー番頭ー架け子ー受け子というヒエラルキーがはっきりできている。特にトレーニングも不要な受け子はよく捕まっているが、番頭から上が逮捕されることはほとんどない。名簿も非常に大事な要素で、家族構成などの細かい情報も入っているものは一件数万円で取引されているそうだ。

伏線のはり方も無理がなく、小説としてもテンポがよい

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2016年07月03日

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