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家庭を顧みずに仕事に没頭してきた叩き上げの刑事・本城が、警察官僚として出世争いの渦中にいる息子から懇願される。出向中に詐欺組織に盗まれた警察手帳を内密に奪還してほしいというのだ。親の務めを果たしてこなかった慙愧(ざんき)の念から、息子の隠匿(いんとく)に手を貸すことを決める本城。手帳に迫る過程で掴んだのは、殺人も厭(いと)わない詐欺組織の実態だった。
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Posted by ブクログ
フィルターです フィルターってのはろ過する機能を持ったモノの総称なんですが、本書『ハイエナ』もフィルターの一種と言えますね はい、吉川英梨さんコンプリーターへの道をゆくひまわりめろんさんです そして、また訳わからんことを言い出したとお思いでしょう?でも安心して下さい!履いてますよ! (訳わからん...続きを読むことを言い出したことと履いていることに関連性がないため安心できない) ファンになった作家さんの過去作品を読み漁るみたいなことって、読書人なら誰しもあると思うんですが、その過程でこういうフィルターにぶち当たるとなんだか嬉しくなっちゃいますよね そういう経験ありませんか? いやもういい加減フィルターを説明しなさいよ! はいはい、今します 吉川英梨さん、デビューは2008年『私の結婚に関する予言38』になるんでが、こちらはちょっと不思議な設定の恋愛小説なんですね で、次は2011年に『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』というかなーりぶっ飛んだ警察小説を発表します この3年の間にちょこちょこ短編を書きながら、自分でシフトしたのか、編集者の助言があったのか分かりませんが、かなり多作な警察小説作家に生まれ変わってるんです でね、今現在はもう多作の上に多彩な作家さんでもあって、見事に様々な小説を書き分けてるんですわ すごいの 中でもわいの好きな作品に『雨に消えた向日葵』って作品があるんですが、これはもうめちゃくちゃ硬派な警察小説なんですね お遊びなし で、『ハイエナ』です これもね、話の筋としては硬派なんですが、ところどころにぶっ飛んだ感じが残ってるのよ ちょっと破綻してる部分もありーのなの 硬派と破綻は食い合わせ悪いのよ でもね、この作品があるから『雨に消えた向日葵』が生まれたんじゃないかな?と思えるんです ぶっ飛んだ設定の『原麻希シリーズ』の中にもある硬派な部分を『ハイエナ』で丁寧にろ過して硬派だけを抽出すると『雨に消えた向日葵』が出来あがるみたいな そんなフィルター作品に出会う僥倖ね この作品単体で見ると、どっちつかずでヨシエリさんの魅力がそがれてるな〜って思うんだけど、作品群全体で見ると、あれこれってもしかして転機の一冊じゃね?って作品 うーん、「気付いちゃいました」って感じがファン心理をくすぐるのよね〜
吉川英梨さんの作品は、原麻希シリーズと雨に消えた向日葵を読んでいました。 今回は、刑事一筋で家庭は顧みない本城さんが、息子のために操作をする物語。 刑事としてのプライドと親としての姿、自分の良心の呵責。全部の気持ちがごちゃ混ぜになったなかで真実にたどり着いていく物語。 最後には踏みとどまってくれてよ...続きを読むかった。
吉川英梨さんの著書を読んだのは「雨に消えた向日葵」が最初でその1冊で好きになり、「ハイエナ」が2冊目でした。 家庭を顧みず仕事一筋で、その仕事上の失敗から今までの地位を失った刑事が詐欺集団に潜入して捜査することになるのですが、ここまでやるか?と思うほどの入れ込みようでした。 仕事人間と家庭人間...続きを読むは両立できないものかもしれませんね。特に警察組織の最前線で戦っている方たちは。 この本で詐欺集団の構成や役割分担、リスク管理の周到さを知り、怖さについても改めて思い知らされました。 高齢者がターゲットになりやすく、騙されないように注意喚起や広報を目にする機会が増えましたが、それでも毎日のように被害が報道されています。 老後の少ない生活資金を失うことがないように抜本的な対策を実行してほしいと切に願います。
「十三階の女」に感銘を受け、著者作品を読む。 オレオレ詐欺をよく調べられており迫力ある。味田の背景描写が今ひとつだし、本城と息子の関係性描写も弱いと思ったが、養成所での針谷の講義の場面をはじめとするオレオレ詐欺の犯罪に向かう圧倒的な熱量と、複雑すぎずかつ嘘臭くない丁度良い程度のプロットが全体を引き締...続きを読むめ、最後まで楽しめた。エンディングはもう少し違った形がよかったかな。
オレオレ詐欺ってなんか幼稚なイメージを持っていたけど、プロが組織化をして運営していることがリアルに描替えれていた。エンターテイメントとして楽しめた。
著者は不思議な名前だな、と思った。 警察小説の著者は オトコだと思いこんでいた。 途中まで読んで、なんか 雰囲気が違うので、おかしいなぁと思った。 それで、ネットで調べたら 女子だった。 女子の警察小説は、独特の陰が存在している。 と言っても、初めて読むのだから すべてをくくるわけにはいかないが。...続きを読む 全部読み終わった後に、ちっとも 気分が良くならない。 問題は、すこしも 解決していないのだ。 読後、爽快感がなく、思いっきり 残尿感がある。 ハイエナが だれなのかも 見えない。 『悪』は、薄ら笑いをして 終っている。 ここでの主題は パンセ。 『権力なき正義は無効なり。正義なき権力は横暴なり。』 定年を間近にして、キャリアで 知能犯のベテラン刑事 本城仁一。 警視庁2課で、復興庁審議官大平雄也の汚職事件を追いかけていた。 それで、タイに飛び、追っかけ対象は タイからカンボジアに逃げる。 追いつめたが 地雷の埋めてある野原で 自殺をする。 そのことで、本城は、非難を受ける。 一方で 息子は ノンキャリのエリート。 管理官として、おれおれ詐欺を 追いかけている。 この息子、出世欲が強く、清濁合わせ飲むこともでき、 キャリアの父親の捜査能力は買っているが バカにしている。 本城仁一の妻は、夫の無能を非難していることが、 息子にも反映しているのか。 その息子が 睡眠強盗に会い 『警察手帳』を盗まれたと 父親 本城仁一に打ち明けるが、父親は 正直に上司に報告しろと いっていたが、その警察手帳を取り戻すことで物語は展開していく。 本城仁一は なぜそうしたのか? おれおれ詐欺の仕組みが 金主ー番頭ー架け子ー受取など、非常に機能が分担化している。 警察は 架け子をつかまえるので、精一杯。 おれおれ詐欺の被害が 2014年で560億円にも上ると言う。 それだけの 大きな市場を形成している。 架け子の教育が 素晴らしい。格差に対して怒りを誘導して 税金の不公平、そして一躍 金持ちになると言う物語で洗脳する。 警察手帳がぬすませたボスが 味田と言われる。 これが、意外と不気味な存在感を持っている。 そして、引き際が 実にしっかりしている。 味田という名前は、家族5人殺された、食堂の名前だった。 夫婦の関係、老人介護、親子の関係、が 様々な形で出てくるが どうも、希薄で、うまくいっていない。 その軋みが 噴出する。それぞれの思惑がある。 『めぐみ』という存在も、不気味だった。 本城仁一は、何のために 刑事をするのか? そして その息子は 警察官僚の中で 出世できるのだろうか? 気持ち的には、出世してほしくないなぁ。
4月-10。3.0点。 警視庁捜査二課の主人公。息子はキャリア警察官。 汚職捜査で情報屋が海外逃亡。追跡するも失敗。同時期に息子が不祥事。息子に頼まれ、捜査する父。 オレオレ詐欺の最前線がわかるが、うーん、終わり方がどうもなーー。 主人公の名を冠にしているが、シリーズ化するのかな。。。
最後まで着地点が見えません。 予想を反した展開です。 ワクワクして読み進めます! 【本文より】 「さっき、息子さんに泣きつかれて潜入捜査に踏み切ったけど、違うよね」。 「あなたを最終的に突き動かしたのは息子さんじゃない。あなたの自尊心では」。 「あたたはすることがなかったのよ。あしたからも。...続きを読む」
本書に書いてある通り、オレオレ詐欺は技術的にも組織的にもどんどん高度化しているであろうことは、事件報道からも想像に難くない。 そしてその巨額の利益はロクな経路を流れていないだろうことも然り。 ただ、若きエリート官僚があまりにも卑小に描かれていることが、犯人側の緊張感ある描写と対比され、面白さよりも興...続きを読む醒めに繋がってしまったかも。
アゲハシリーズの作者のシリーズ以外の作品を初めて読んでみた。主人公はナンバーと呼ばれる知能班のチーフだったが、渡航先でSを死なせてしまい、閑職へ追いやられる。辞職を迫られながら、有給休暇を消化している中、警察官僚の息子の相談に乗り、オレオレ詐欺の潜入捜査に・・・登場人物が多い上に、すべて繋がっている...続きを読むと言う、お腹いっぱいな内容。アゲハシリーズを読みなれていると、ハードボイルド感が力み過ぎな感じもするが、詐欺の番頭と本城の駆け引きは面白かった。本当にぎりぎりのところで、二課に踏みとどまった本城の次作があるのか・・・かなり気になる。
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ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一
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吉川英梨
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