あらすじ
日本企業最大の利益を誇るトヨタ自動車。その創業者&ボンボン御曹司(?)の夢と苦難を綴った「奇想天外」経済小説!
第1号市販車は故障で立ち往生続出。
喜一郎は公職追放で会社解体?
労働争議と苦汁の社長辞任。
“タイムリープ”神社で滝行する章男?
「恥を知れ」と罵られながら臨む、米議会公聴会。
最新鋭水素自動車MIRAI遭難事故?
想像も出来なかった涙の再会……
豊田家御曹司・章男少年は曾祖父・佐吉の顕彰祭へ家族と来ていた。いたずら坊主の章男は裏山から転び落ちた拍子に車にはねられてしまう。一方は明治時代、佐吉の息子・喜一郎は「自動車」に乗ってきたというアキオと名乗る不思議な子供と、しばしの友情を育む。そして時代が進むたび喜一郎の前に不思議な人が次々と現れる……彼らはいったい何を伝えに来たのか?
「もっといいクルマをつくろうよ」
おじいさん、あなたの言葉だったのですね。この小説を読んで二度泣いた。-豊田章男
=主人公はこの二人!=
トヨタ自動車創業者 豊田喜一郎
自動織機で世界を席巻し、日本の自動車産業を興しながら、失意の最後を遂げた男
トヨタ自動車会長 豊田章男
喜一郎の孫。ボンボン御曹司と揶揄されながら、世界一の車メーカーを改革した男
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最初読み始めた時は厚みに萎縮していたが読み始めたら本の世界に引き込まれてあっという間に読み切ってしまった
タイムリープと言う手法で祖父と接する章男。
自分もトヨタ車に乗ってはいるがトヨタの歴史など知らなかった詩章男の苦難の人生と共にトヨタの歴史を掻い摘む事ができた。
最後には感動で目頭が熱くなってきた
吉川英梨の作品は海蝶シリーズもそうだが人情物で感情を維持できなくなる
トヨタの子も大変いい作品であった
またいつか再読してみたい
Posted by ブクログ
純粋な経済小説を望んでいる方にとっては肩透かしだったのかもしれない…。
でも、私は読んでいて登場人物の熱さに何度も胸打たれました。
苦悩しながらも人生をかけて突き進む躍動感をこんなにも味わえるなんて、とても良かった。
Posted by ブクログ
トヨタの成り立ちや戦時中の苦悩など、フィクションと判っていてもリアルでした。
ただ、ここまでSFだとは思ってなくて意外でした。
「トヨタの子」は全員車が好きと言うのが共通点で、特に章男が一番熱かったです。祖父の喜一郎もトヨタの創始者で熱いですが、孫の章男のタイムリープしてまでトヨタを守ろうとする熱意が凄かったです。
喜一郎と章男。同じ志を持ってトヨタを愛した二人だからこそ通じる物があったんだと思います。
Posted by ブクログ
認証不正問題も誰かのせいだ!とする話が流れてきたりするけど、この本を読むと ???って、感じがしますね。
ここ数年のトヨタの車は、確かに昔の車とは大きく異なっているよに感じています。結果が見えるってすごいですね。
Posted by ブクログ
『2024年一番の読み応え!』
自動車産業の立ち上げに心血を注ぐトヨタ創業者一族の物語。第一部は実質的創業者の豊田喜一郎、第二部は現会長の豊田章男が主人公。第三部以降はお互いの物語が交差しながら進んでいく。
ジャンルで言えばトヨタ社の史実に基づく経済小説であるが、存命の財界人を登場させながらフィクションも交えて物語色を強くした稀有な作品と言える。とても詳しく社史を調べた様子が文章から伺えるためノンフィクション作品にもできたと思うが、奇想天外な物語にしたことで登場人物たち人柄がよく描かれ、この作品の最大の魅力となっている。
本作を読めば、今では当たり前の国産車の製造が当時どれだけ高いハードルであったかがわかる。戦下では軍用機に改造できる大型トラックを主製品にして儲けることもできたはずだが、「国民を豊かにするために大衆車を作る」という喜一郎氏の一貫した信念にはとても感動した。現代の”当たり前”が古人の奮励努力で成り立っていることを実感する。
モノづくりに傾倒する情熱にあふれた描写はもちろん、トヨタの子としての葛藤を描いた心理描写もとても読み応えがある。「風立ちぬ」や「下町ロケット」のようなロマンを感じる企業経済作品が好きな方はきっと楽しめるだろう。日本を代表するトヨタグループ創業の歴史をぜひ味わってほしい。
Posted by ブクログ
警察関連の物語が多かった作者が伝記とタイムワープを融合させた。最後の方は時系列が混乱するけど、世界のトヨタの苦闘と成長物語として読ませて貰いました。乗ってるのはスバルやけど笑
Posted by ブクログ
なんでトヨタ?
しかも、めっちゃ社史…
おまえに、現会長がタイムリープして過去のいろいろな場面に登場?するという、ぶっ飛んだ設定www
なんでこの小説を書こうと思ったんだか?と思って探してみたらありました、インタビュー。
トヨタ自動車創業者、豊田喜一郎生誕130年の節目に刊行された小説で、吉川さんは講談社から執筆を依頼されたとのこと…なるほどね。
Posted by ブクログ
物語として面白く読めた作品。
トヨタの歴史をベースに経済の出来事をリアルに追いながら、リアルでは絶対にありえないフィクション要素でストーリーを構築していく方法はへぇ〜と思った。
もともとトヨタ車及びモリゾウ選手は好きなこともあり、時間をおいて再読しようかなと思える作品でした。ニュル24耐久のところは読んでてちょっとワクワクだった。
Posted by ブクログ
ただのトヨタの歴史ではなく、タイムトラベルという要素を入れてフィクション仕立てにしてトヨタ社史を面白く読める本だった。
ずっと車はトヨタで、なんとなく応援していたけれど、歴史を知ると感動しました。
大きな時代の流れで生き残ってきた強さを感じました。
Posted by ブクログ
なんとトヨタ自動車Σ(゚Д゚)
なんと600頁に迫る長編Σ(゚Д゚)
なんとタイムリープΣ(゚Д゚)
いやいやヨシエリさんよ、
新機軸が過ぎるだろ!
なにをここに来てひと皮剥けようとしとんねん!っていうね
しっかーし!
ヨシエリさんファンのワタクシとしましては、ただただ応援したい
ただただついていきます
さらにパワーアップした姿を見せてくれると信じてついていきます
やれ昔は好きだったけど今はちょっととか
やれ『雀蜂』以降は買ってないとか
やれ法廷モノは合ってないとか
わーわー言うのは本当のファンと言えるのか!と問いたい
現トヨタ自動車会長の豊田章男氏がタイムリープを繰り返しトヨタ自動車創業者で祖父の豊田章一郎氏の人生の節目節目に現れながら、トヨタ自動車の歴史を振り返るという設定が萎えるとか言うのは本当のファンと言えるのか!と問いたい
実際萎えた
えーと、褒めるところ、褒めるところ探そう
非常に読みやすい文体でした
あ、でも単にわいがヨシエリさんの文体に慣れ過ぎてるだけかも
つかなんでこんなん書いたん?(こんなん言うな)
総合的に判断して★4!(寵愛)
Posted by ブクログ
吉川英梨さんの描くトヨタ社史?に興味を持ちながらも、
『面白くなかったらいつでも放り出そう』というつもりで、580ページというぶ厚い作品に着手。
経済小説なのか?社史なのか?読み進めると、
ファンタジー・・・?となり、ずいぶん時間がかかったが読破。
正直に言うと、無味・・・でした。
Posted by ブクログ
ファンタジー。。。
本の分厚さからもう少し重厚なお仕事小説かと思いきや、早々にファンタジーで、そこに実在の人物が登場するので少々混乱。
期待した、ものづくりにかける先人の思いに触れられるのは良かった。
トヨタの御曹司、持つ者と持たざる者、悩みは遍くあるのだなぁ。
Posted by ブクログ
豊田一族,特に喜一郎と孫の章男の二人を主人公にして,決して出会わないはずの二人を,呪われたエンジンが仲立ちし,章男は喜一郎のいる過去にタイムトラベルする.死体に宿って喜一郎にアドバイスし何度も苦境を救うという,ややこしい展開.
豊田自動車の歴史書でもあり,企業同士のまた社内人事などお仕事小説でもあり,SFでも友情の物語でもある.
Posted by ブクログ
作者が講談社から依頼されたという以上の背景は不明だが、なかなか着手できなかったという作者の苦労が偲ばれる。
創業者喜一郎の孫である章男にタイムリープさせる設定により、よくある企業ものとは違う作品の形が見えたのだろうか。
今でこそ世界一の自動車メーカーとなったトヨタだが、その創業期は厳しいものだった。
戦後本田技研を興した本田宗一郎は名経営者として謳われるが、喜一郎の軌跡もそれに近い。
(自動車修理工から叩き上げた宗一郎と、家業の資産を使えた喜一郎とでは環境は大きく違うが)
純然たる御曹司である章男が社内で味わった孤独感は、本書に書かれたものに近かったのかもしれない。
社長就任直後に米国で起きたトヨタ叩きはリアルタイムて見ていたが、全くの言いがかりでひどいものだった。
自らテストドライバーを務め、「もっといい車を作ろうよ」という章男の言葉が今のトヨタの強さに繋がっているのだろう。
それにしても喜一郎と章男に挟まれた章一郎は影が薄い。
Posted by ブクログ
2024年 44冊目
戦争を乗り越えトヨタを築き上げた喜一郎と、御曹司というレッテルを常にはられながらも、トヨタを一躍トップ企業まで押し上げた章男にまつわる物語。それぞれの物語は忠実で文献もかなり調べられたことがわかる内容で非常に面白かったが、タイムリープという要素が少しくどかったように思う。ボリュームもなかなかで、読むのにかなり時間がかかった。