他のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレクリスティーの個性あふれる短編をご賞味あれ。
表題作はマン島の観光客誘致のために書かれた懸賞小説とのこと。当時は新しい手法だったかもしれないが現代では割とポピュラーなイベントとも取れるだろう。しかしクリスティーが参戦するとは豪華だ。ほかにもバラエティに富んだ短編が収められている。ポアロもあればクィン氏も。
「崖っぷち」や「壁の中」にはメアリ・ウェストマコット名義の作品群に通じる静かな狂気を感じる。「愛犬の死」は愛犬家なら共感するのだろうか。「クリスマスの冒険」は若者たちとポアロの交流も微笑ましい活劇風。「名演技」は劇作家の面が強く出た作品で、ちょっと誰かに演じてもらいたくなる。 -
Posted by ブクログ
聖書について、10人の研究者や作家たちの解説やインタヴュー記事をまとめた本です。
本書の中心になっているのは、新約聖書学者である田川建三へのインタヴューで、やく三分の一のページ数を占めています。インタヴュアーを務めるのは湯川豊で、主に田川の来歴について尋ねながら、彼がどのような経緯で聖書の研究にたずさわり、どのような同時代的な問題関心のもとで聖書を研究する新たな視角を見いだしてきたのかといった話を引き出しています。
田川のインタヴューにくらべると短いものですが、吉本隆明も本書のなかで聖書とのかかわりを語っています。こちらでは、軍国主義少年だった吉本が、敗戦に直面した日本人のすがたと、聖書に -
Posted by ブクログ
ネタバレ前半は「事故物件とは?」から始まり、事例や事故物件に関連しての話が取り上げられている。怪談話もあるものの、孤独死やゴミ屋敷といった話が生々しくインパクトがある。
後半は短編怪談が収録されているが、どれもゾワッとさせてくれる上質なもので面白かった。
ただ大島てる氏の話は非常に不愉快。てる氏の運営する事故物件サイトに掲載されたものはその内容が事実でない場合を除いて掲載削除依頼に対応しない、依頼に応じて掲載を削除していくとサイトの公平性・信憑性がなくなるという。その主張には一理あると思うが、娘を自殺で亡くした遺族である物件所有者(しかも賃貸ではなく所有物件だが、将来売却される可能性がある等の理由か -
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Posted by ブクログ
お笑いファン的には「蹴ってみ?」からの「殺すぞ!」もしくはハリウッドザコシショウのタイガーステップでお馴染み佐山聡をUWF関係者の証言から解き明かそうと試みた一冊。特に新事実は出てこないし、そもそも証言の信憑性(記憶の正確さ)も絶対真実とは言い切れない年月の経過は大前提としてある。それでも佐山が天才だというのは揺るがない事実だと思う。微妙に食い違う証言を積み重ねて二次創作的に妄想するプロレス的な楽しみ方の出来る人にはオススメ。真実は一つではない。東京五輪が閉会したタイミングで読んだので藤原組長の「どんなスポーツだって本物は素人が見ても美しいと分かる」の言葉も印象に残った。
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Posted by ブクログ
クリスティ好きの友人との会話で出てきたので私も真似して読んでみる。
ポアロの阿房宮のように、クリスティ死後に編まれた作品だとのこと。
一作目でびっくり。
ミステリではなく、怪奇小説というか、ポーやヘンリー・ジェームズみたいな雰囲気。
ええー、ミステリより怖いやつ、と怯んだけど、読み進めるうちにいろんな作品があったのでほっとした。
全体に三角関係男女の話が多いかな。
クリスマスは、のちに長編になおされたやつ。
シェイクスピアがヒントになっている話があったけど、オセロのイアーゴと、この巻に収録されたバグダッドの大櫃(スペイン櫃の原型)の犯人ややり口は似ている気がする。
印象に残ったのは、
崖っぷ
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