橋本長道のレビュー一覧
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ネタバレ将棋がテーマのアンソロジー。
お気に入りは青山さん「授かり物」
有名な棋士と、同じ年で同じ誕生日の息子を持つ松原芳枝。シングルマザーとして息子を育てていたが、20歳になった歳に漫画家のアシスタントになると言い出し…
ひょんなことから出会った将棋を指す老人と出会い、将棋の奥深さにハマっていく芳枝。これまでの人生と将棋を掛けた描写にじんわりきました。
綾崎さんの「女の戰い」
あくまで棋士を目指す朱莉。女流棋士とは違い狭き門で、保険で東大へ入学できるのも凄いです。
ライバルだけど、友達以上恋人未満な関係の京介が心地よく、認めてくれる人がいるだけで強くなれる関係がまた更に朱莉を上へ連れてって -
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『テーマ小説の旨味が凝縮された至極の一冊』
将棋にまつわる8話のアンソロジー。総じて良かった。特に将棋の細かいルールがわからなくとも読めるのが良い。全体的に夢を諦めない姿勢と将来の不安に対する心の葛藤を描いた作品が多く、勝負師たちの手に汗握る緊迫感が伝わってくる。奨励会の描写は「ヒカルの碁」を思い出した。
●授かり物 青山美智子
親子の優しい物語、ブラマンが出てくるのは青山ファンに嬉しい
●マルチンゲールの罠 葉真中顕
賭け将棋師の物語、真剣勝負に手に汗握る
●誰も読めない 白井智之
本格ミステリー、アリバイ崩しのトリックと将棋の先読みを掛けた白井先生らしい作品
●なれなかった人 橋 -
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将棋モノには目がないため、本屋で見かけて即購入。
シンプルながらも迫力ある作品名と、重厚感漂う表紙のイラスト。押し寄せる期待のままにページを捲り始めた。
将棋を題材にした作品はいくつか読んできたが、その中でも驚異的な熱量を感じた作品だった。
特に棋譜や図面がないにもかかわらず、ここまで対局者の心象や局面の難解さを表現できるのは単純に凄い。盤上のせめぎ合いでは喉元に切っ先を突きつけられたような、常にはらはらとした気持ちで読み進めることとなった。
才能人ながらもここ一番で力を出せないプロ棋士・直江大と、直江と同年代でありながらすでにタイトルホルダーの若き天才・剛力英明。その他にも天才小学生・高遠 -
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だいぶ前の新聞広告に『WEB本の雑誌「オリジナル文庫大賞」』とあったのを見て「読みたい」に入れていた将棋のお話。
AIの進化は将棋を観るハードルを劇的に下げましたよね。
私のような素人でも、AIが示す最善手を見ながら次の一手を待ち、優劣も知れ戦況を楽しむことが出来るようになった。
ひと月前の棋王戦第三局など、互いに一分将棋にもつれ込む中、一手ごとに評価値が激しく揺れ動き、竜王のまさかの詰みの見落としまで重なる劇的な展開に、終局後はしばらくこちらまで放心してしまった。
5日からは名人戦七番勝負が始まるが、どのような勝負が繰り広げられるか、今から楽しみ。
さて物語はと言えば、かつては将来を嘱望