橋本長道のレビュー一覧

  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

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    ネタバレ

     私は将棋は小学校4年で覚え、囲碁は20歳過ぎに覚えました。プロの先生に指導を受けたのは、20代半ば囲碁で星目(9子)置いて3目負け。40代後半将棋で女流棋士に飛車落ちで完敗。囲碁のほんの少しの勝ちにするプロの技。将棋での飛車落ちはまだまだと言う完膚なきまでのご指導。共に忘れられない教訓です。橋本長道「奨励会」、2018.6発行。古稀過ぎた今、藤井五冠、羽生九段の指し手に魅了され、将棋の観戦を楽しんでいます。将棋のプロへの道は本当に厳しいものと存じます。藤井五冠は強い上に、指し手に「華」がありますね!

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    2022年11月10日
  • 覇王の譜(新潮文庫)

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    将棋をテーマにした小説にまた忘れられない作品が現れた。
    18歳でプロ棋士になり、真っ直ぐに攻めて最短で勝つという将棋を求めながら、ここぞという一番でことごとく負け7年間もC級2組で燻っている直江大。才能がありながら壁を突き抜けられない主人公が、天才少年拓未との出会い、女流棋士との関わり、四冠棋士との研究会、師匠との対局などを通じて成長していく姿を描く物語。

    脇役たちのキャラが際立っているのも魅力だし、AIが棋界にもたらすもの、タイトルとスポンサーの関係、日本将棋連盟の棋界政治というものの存在など、今までにない切り口も新鮮。

    圧巻は元奨励会員ならではの緊張感あふれる対局シーンの描写で、今まで

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    2022年10月16日
  • サラの柔らかな香車

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    将棋の事はほとんど知らないけど、すごく胸が熱くなった本だった。
    何かに全てをかけて打ち込むことがすごくかっこ良く思える。一方で夢が破れた先の現実にも向かい合う必要がある。この両方が体験できる本だった。

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    2022年07月26日
  • サラの柔らかな香車

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    不思議な感じがする小説だった。でもグングン読み進められた。ヒカルの碁を彷彿とさせる内容で、みたくなった。探してみようかな。もっともっと続きが読みたくなる本だった。続編があったらいいな

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    2021年08月12日
  • サラは銀の涙を探しに

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    「サラの柔らかな香車」の続編。
    将棋ソフトとの戦いが物語の一つの筋となっている。本書は、2014年の発行であり、まだ、将棋ソフトとプロ棋士は、プロ棋士側が比較的健闘していた時期だったと思う。また、この物語も、そういった力関係が、ある意味で前提となっている。
    将棋ソフトとプロ棋士が公の場で戦う棋戦、叡王戦は2017年以降開催されていない。将棋ファン的には、そこの勝負は既についたものと考えるのが一般的な理解だと思う。従って、小説を成立させていた前提は既に存在しないわけで、今となっては、小説自体が成立しない状況となってしまったわけである。
    物語としては、かなり面白いものではあるが、全面的には没頭出来

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    2021年05月23日
  • サラの柔らかな香車

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    筆者の橋本長道は、元奨励会員。将棋の奨励会は、プロ棋士を目指す人間の集まり。多くの人間は小学生の頃に入会し、同じ奨励会員との将棋の勝負を繰り返していく。好成績をあげるとルールに沿って昇級・昇段をしていく。好成績をあげる者がいるということは、そうではない者もいるということで、昇級・昇段できない者、更には降級していく者もいるということだ。
    プロ棋士とは、4段以上の者のことを言う。4段になるためには、奨励会での3段リーグを勝ち抜く必要がある。奨励会の3段リーグは、年に2回の開催であり、各回の上位2名、従って年に4名のみがプロ棋士になれる。前期の3段リーグ参加者は36名、その内の上位2名に入ることは、

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    2021年05月16日
  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

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    奨励会と聞いて将棋を思い浮かべる人は、結構な将棋好きの人だろう。
    将棋のプロ棋士とは、四段以上の者をいう。奨励会とは、プロ棋士養成所、6級から三段のプロ棋士を目指す者たちが、戦い続ける場である。21歳までに初段、26歳までに四段、すなわちプロ棋士になれない場合には退会という厳しい規定がある。
    筆者は、一時期、奨励会に属していたが、プロ棋士にはなれずに退会したという経験を持つ。
    自らの奨励会での経験などをベースに、奨励会ばかりではなく、広い意味での将棋界について語った書。
    奨励会経験者でないと語れないことも書かれており、読み物として面白い。

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    2020年03月27日
  • サラの柔らかな香車

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    ネタバレ

    夏場になると出版各社が行うフェアが本屋を賑わす
    なかなか読書の進まぬ日々にあっても結構気になるんですよね
    で、今回手に取ったのがタイトルに惹かれた本作品です
    第24回小説すばる新人賞作品とのこと
    さて、感想は

    面白い!
    将棋に懸ける幾多の才能、勝負の世界に生きる者の努力と感性が描かれた青春小説でした
    才能に焦がれ、夢に届かず足掻くものも、また美しいと感じさせます
    孤高の女流名人・萩原塔子、感性の申し子・護池サラ、二人の才を追う者たち...
    それぞれの葛藤、苦悩が紡ぐ物語の結末に人間の強さとしなやかさを、明日を期待せずにはいられません

    もっと、より良く描けたのでは?とも感じさせられる処もある

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    2019年03月29日
  • サラは銀の涙を探しに

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    ネタバレ

    前作『サラの柔らかな香車』が面白かったので購入

    さて感想
    あれ?主役は七海なのだろうか、鍵谷なのだろうか
    天才棋士のサラは何処でお出ましになるのだろうかとヤキモキしつつ読み進めました

    意外な展開と「ヒカルの碁」や今話題の棋界スマホ不正問題なんかも想起して楽しめたね

    何より、やっぱり私が好きな 己を削りながらも高見を目指し、挑む者を描いてるし...

    しかし、結末は切ない
    鍵谷はあれで本当に幸せなんだろうか
    せめて、サラには探しに行った銀の涙を見つけてもらいたい

    星は★★★★(4点です)
    若者向けの作品として前作ともにお奨めかな

    向こう側に行ってしまうことは幸せなのか、一緒に居ること

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    2019年04月28日
  • サラの柔らかな香車

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    あまり作品が多いとは言えないジャンル、将棋小説/ 奨励会を抜けられなかったという元天才児たちの憂鬱/ 才能とはなにか、天才とはなにか/ とても面白いし、胸に刺さるものもある/ しかし、個人的にはサラはもう少しコミュニケートできる方が面白いんじゃないかという気がする/ ほとんどファンタジーになってしまう/ 「――プロになったら一緒に暮らして毎日将棋を指して過ごさないか」というくだりがとても良い/ 将棋以外は不器用な二人にそんな素敵な生活があればいいのにと本当に思ってしまう/ しかし、結末は秒速五センチメートルほども悲しい/

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    2018年10月08日
  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

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    奨励会について、元奨励会の橋本長道が書いた一冊。

    これまでの本と比べて客観性があり、かつ当事者でないとわかりえないことが書いてあり、とても参考になった。
    もし今後、子供を奨励会に入れたいと思う親にとっては必読の一冊。

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    2018年10月05日
  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

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    奨励会員のリアルな日常が分かる。棋士になるためにはどんな努力が必要なのか、どの程度の才能を基盤に頑張っているのか。才能とは何か?将棋の勉強法はどうあるべきか?
    「井上門下の兄弟弟子の中には、奨励会退会後、まだ一度も井上先生に顔を合わせることができていない者もいる。彼は井上先生に強い恩義を感じているのだが、なんとなく合わせる顔がない。会うことを先送り、先送りして、師匠に顔を見せることが人生の宿題になりつつある。井上先生も彼には愛着を持っており、なんとかしてやりたいと思っているようだが強く踏み込めずにいる。両思いなのにお互いの距離感が分からず、なかなかくっつかないカップルを見ているようでやきもきす

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    2018年09月05日
  • サラは銀の涙を探しに

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    ネタバレ

    前作「柔らかな香車」は読んだのですが、内容が思い出せなかったのでどうしようかと不安に思いながら読み始めたのですが・・・。

    結果は、香車のようにきれいに読み進めることが出来る物語で心地よい後読感が残りました。棋士vsコンピューター、将棋の新たな世界観の期待など、作者の将棋愛が伝わる物語でもあると思います。将棋好きには間違いなくおススメです!

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    2016年11月23日
  • サラの柔らかな香車

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    将棋関連小説ということでジャケ買い
    文庫版解説にあるように柔らかい香車ってどういうこっとゃ?と思った。

    将棋の深さはハチワンやライオンのような表現もあるがやはり文字だけの方がより深く感じられる。

    大阪へ向かう新幹線より

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    2015年08月16日
  • サラの柔らかな香車

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    将棋を題材にした青春小説は初めてですが、一気に読みました。三人の主人公はいずれも女性棋士ですが、彼女らをサポートする棋士崩れの男性陣が、実は影の主人公で、良い味出してます。

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    2015年04月04日
  • サラの柔らかな香車

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    小説すばる新人賞受賞作の文庫化。将棋小説です。面白かった。女性陣の才能の争いもよかったけど、男性陣の挫折がせつない。続編も出てるらしいので、文庫化したらたぶん読みます。

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    2015年02月04日
  • サラの柔らかな香車

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    主人公・サラを取り巻く人たちの視点で物語がコロコロ切り替わるけど、読みやすく面白かった。
    将棋の知識は全くなく、ひたすら黙々と静かな中で指していくイメージしか持っていなかったけど、読みながら色とりどりの鮮やかな世界が広がっていくようだった。サラが盤上に見ている景色を見てみたい。続編も読みたい。

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    2014年11月21日
  • サラの柔らかな香車

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    喋らない彼女に喋りかける将棋。
    香車の氷が溶け出したとき
    彼女の将棋は生まれ変わる。

    時間軸や語り手が複数ある(いる)ものの
    ストーリーが追いやすかった。
    それに物語の中心となるサラが語り手にならないのは面白い。
    彼女が何を考え、感じているのかは読者に委ねられているのかもしれない。

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    2014年10月15日
  • 奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~

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    努力すれば必ず報われるわけじゃないけど、成功した人はみんな努力してるってやつだなーと。
    常に順位付けられる世界に向いてる人、向いてない人も当然いる。

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    2025年11月13日
  • もの語る一手

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    将棋にまつわるアンソロジーとは知らず、青山美智子さんの名前を見つけ早速読んでみると1話目からジーンと来る。将棋が全くわからなくても一話一話引き込まれていく。もし将棋に詳しかったらもっとワクワクできるのかもしれない。
    実は貴志祐介さんのお話のオチが良くわからなくて解説が欲しかったが、ちょっと探しただけでは見つからなかった。
    「お前レベルの話はしていない」は大島版のみなので、芝版もあとで読んでみたい。

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    2025年11月13日