立花隆のレビュー一覧
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ネタバレ古本市場で購入。
立花隆氏の著書を読むのは2冊目だった。著者自身、2度も東大を卒業している立場であり母校への愛情を込めた叱咤激励のようにも見えた。
日本の大学は専門教育に力を入れ、教養教育(著者のいうリベラル・アーツ)は壊滅状態であるが、大学というところは本来、教養や自己学習の方法(これも教養のうち)を身につける場であると、指摘している。
もっとも大学時代には遊んでばかりで、本書に記載の内容レベルにぜんぜん至っていない生活を送っていた私にとっては、耳の痛い話が多い。社会人になってからは、いろいろなことを知りたいと思い、読書をする機会が学生時代より多くなったので、著者のいってることに同調できるこ -
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Posted by ブクログ
天文学者や物理学者は、宇宙のあまりのスケールに存在を疑う特別な理由を見出さず、一方生物学者は生命の神秘さに魅了されるあまり存在を疑う。
かつては口にだすのも躊躇うようなアヤシイものだったのが、現在では地球外生命を科学的な対象として扱うのにタブーとはされなくなった。
私自身は、実感すら持てない途方も無い宇宙のスケール的に、敢えて否定的になる理由を持てないので、多分いるだろうと思っているが、やはりちゃんとしたデータと推論で議論できるようになってきたのが面白い。まぁプリミティブなカタチでの生命はどこかにはまずいるんじゃなかろうか。
問題は、知的な生命がいたとして、わざわざ膨大な労力(エネルギー)を使 -
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ネタバレ臨死体験者へのインタビューと,様々な研究者へのインタビューを基に,臨死体験という現象に迫る。体外離脱,トンネル体験,神々しい光や,死んだ人たちとの出会い。そのような要素体験で構成される臨死体験は,脳内で起きている現象なのか,それとも現実に体験していることなのか。その解釈をめぐって,膨大な資料とインタビューから,吟味を重ねていく。時には現実体験説を擁護し,時には脳内体験説を支持する。最初から結論があったり,自らの信念や思想に沿うよう物語が構成されていたりはしないので,読み進める中で筆者の思索を追体験できるのが面白い。
さて,そのような思索を重ねた末に筆者が出した結論は,現時点では,脳内体験説に -
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大学論や教育論と絡めながら,教養とは何ぞや,と読者に鋭く語りかける良書。
本書を読むと,いかに自分の受けてきた教育が偏ったものであったかを思い知る。教養を高めることをないがしろにする教育システムは,将来の日本国民の知的水準を押し下げ,ひいては国際競争に勝てなくなる,そしてそうした教育方針を現場に押しつける文科省が存在し続けていることに恥すら覚える,というのが立花氏の見解だ。
私自身の大学学部時代を思い起こすと,立花氏が糾弾の対象とする無教養な学生像に当てはまってしまい,後ろめたい気持ちもしたが,何より本書が素晴らしいのは,人類の知的資産の相続人たるべき「教養人」を目指すモチベーションを与え -
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ネタバレいやー、長かった。上下巻。読み終わりました。
一番感動したのは、立花隆さんの執念ですね。この本の中にも書かれていましたが、知的好奇心が止まらない方のようです。ものすごい取材と研究と勉強・・・。この本だけじゃないですが、いろんなテーマでこのような本を出されています。私もまとまった本を書いてみたいと思ってましたが、私自身も知的好奇心が止まらないタイプなので、出来ることなら、立花さんのように何かにはまりまくって研究して、それを本にするというようなことをしてみたいなぁ・・・。しかし、仕事をしながら片手間でやるのは無理・・・とは言いませんが、なかなか辛そうです。
で、臨死体験についてですが、立花さん -
Posted by ブクログ
タイトル通り臨死体験を検証した本。
内容としては上下ともに充実しており、様々な角度から論じられている。体験者からのインタビューに始まり脳神経学の見解、または擬似臨死体験を著者の立花隆氏自身が体験するといった形で多岐に渡っている。
著者自身は最終的に臨死体験とは脳内現象といったほうが無難で、ただ科学で証明できないようなことも存在するという立場で結論づけている。
私自身読後の感想としては、おもしろいという一言につきそうだ。本文にもあるが、やはり現在の科学ではまだまだ人体の神秘や脳の複雑なメカニズムははっきりとわかっておらず、臨死体験は脳内現象であるとはっきりいえない。わからないからおもしろいという -
Posted by ブクログ
政治や国際関係、官僚の裏話などがおもしろかった。取調室で検事を助けてやりたい気持ちになるという話は、恐ろしい。
2人がお互いに相手の話を引き出そうとしている雰囲気が伝わってくる。対談の本も意外に面白いと思えた。
<読んだ本>
古代文明と気候大変動(ブライアン・フェイガン)
<関心をもった本>
断る力(勝間 和代)
読書について(ショウペンハウエル)
打ちのめされるようなすごい本(米原 万里)
入門!論理学(野矢 茂樹)
宇宙をかき乱すべきか(F. ダイソン)
パワーズ オブ テン(フィリス・モリソン、フィリップ・モリソン)
元素111の新知識(桜井 弘)
生命を捉えなおす(清水 博)
二重 -
Posted by ブクログ
知的好奇心を刺激する作品
情報量といい、内容といい立花さんの本のなかでも読みやすい作品であると思います。
・もっとも洞察が深いのは序論です。
立花さん独特の視点で、現在という時を超えて、過去の膨大な人類の歴史と情報を俯瞰したうえで、今と未来を分析している視点が、独特の説得力を持っています。
ある組織の成功要因が、時がたてば衰退要因となるというのは、いまや定説的ですが、1976年の段階で、文明においてさえ適応されるということを説いています。
・第3章以降は、いくつかの内容を並列的に記載しており、統合した分析をしているという形式ではないので、序論ほどの面白みにはかけます。