【感想・ネタバレ】青春漂流のレビュー

あらすじ

一度は挫折し、方向転換した若者たち。その大胆な選択が成功だったかどうかを、語ることはまだ出来ない。何しろ彼らは、迷いや惑いの青春の真っただ中にいるのだから。自らも不安や悩みの放浪の旅から、自己確立をしたという著者は、職業も種々な11人の若者たちと、夜を徹して語り合う。鮮烈な人間ドキュメント。……あらゆる失敗の可能性を見すえつつ、大胆に生きた人こそ、よく青春を生きたと、言うべきだろう。

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Posted by ブクログ

今から10年程前、今の夫と出会って二回目にこの本を渡された。彼のポケットから出てきた本だった。この当時、彼はなぜかこの本を何冊か買い、事あるごとに、人に渡していた。
私はちょうどその時、大手企業で寝る間もなく働き、自分のやりたい事など忘れてしまい、なんとなく周りの人間に遜色なく生きることに精一杯で、同時にどこかに違和感を覚えながら苦しんでいたときだった。彼はなんとなく手渡した本だったのかもしれないが、私にとっては人生にとって私という人間が生きる上で何をしたいのかを気付かせてくれる本になったことは間違いない。そして彼もまた、この本と出合ったことで、自身の仕事をリスペクトし、その意義を再確認しながら突き進んでいたのだろう、と思う。

この本の中では特に、猿回しやレコーディングミキサーという職業が印象深い。そのような職業に明るくなかった、もしくは考えたこともなかったからだ。それぞれの人生で何を極めるか、それはそれぞれの環境に影響されもちろん多種多様である。何も考えなければ私のようになんとなく大手企業に入り、なんとなく親が安心するのであろう人生を歩めば良い。それで違和感なく生きられるのならそれで良い。ただ私には、早朝に半分眠りながら始発で電車に揺られ、同じように疲弊した人間たちとずらずらと就業場所まで向かい、同じ服を着て、決められた時間に昼食を取らされ、また終電まで仕事をする、この日常は死んでいるに等しい期間だった。私である必要があるのだろうか、というような疑念がずっと私の中にはあった。

この本と出合い、転職をした。この後、何度も転職を重ねることになる。日本の社会では転職を重ねることはあまり好ましくないとされる。あれから私は模索を続け、もがきながらも見えない何かに向かっていた。かなり遠回りをしたが、今思えば、この本と出合った時に、行き着きたいゴールは私の中ではすでに見えていたようにも思う。そのゴールは、今となってはやっと辿り着いた私のスタート地点となった。遜色なく生きることなんて、なんとも無意味なことで、シンプルに自分の気持ちの通りに生きること、ただそれだけだった。

人生の岐路に立った時にこの本を読みたいと思う。何度読んでも良い。器用な生き方は私にはできない。だからこそ、人生の岐路に立つのは一回じゃなくて良い。一つ進んで、また新たな岐路に立ち、この本を読むとまた違う道が見えてくる、そのように思う。

そして今またこの本を読みたいと思える。自分はこの本を読み直すことで、新たなフェーズに進めたんだなと感じることができる。

あの時、私の状況や心境を彼が知っていたとは思えない。自分自身もまだ、気付いていなかった。ただなんとなく渡さなければならない気がしたのだろう、と思うようにしている。

私も同じように、人にこの本を手渡すことがある。もし感じるものがあればと思った時に、同じようになんとなく手渡すようにしている。ある人は影響を受け、ある人は退屈に思う。それはその人の状況にもよるかもしれない。ただそのタイミングが一致した時に、何か見出すことができたらいいなと願う。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

当時の若者たちの、果敢な挑戦を取材したもの。
立花隆の文章がとても読みやすく、生き生きと
イメージが立ち上がってくる。

有名ソムリエの田崎真也さんを始めとして、
自分が強烈に惹きつけられたことに対して
貧乏も厭わず突き進んで、最高レベルの技術を
習得する様がかっこいい。

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2021年07月09日

Posted by ブクログ


非常に読み応えのある一冊で、一人一人のストーリーが面白かった。

空海の謎の空白期間。
それを立花隆は、『青春の謎の期間』と位置付ける。青春とは、立花隆にとって社会で活躍する前の準備期間としている。

ガムシャラに働き、ガムシャラに悩み、それでも自分の信じる方向性を追い求める。

空海は、無名の私度僧だったけど、結果的に今の日本の仏教の基礎を作った。

自分も今はそんな青春の真っ只中にいるのかもしれない。だから、ガムシャラに悩んで、ガムシャラに頑張ればいい。

恋愛も仕事も分からないから、ガムシャラにやれば良いんだ。そう思う。

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2019年05月24日

Posted by ブクログ

就活中の大学4年生の時にこの本に出会いました。
特に何かやりたい事がない人、やることが明確にある人
それぞれ読んだ時に心の内側に熱いモノを感じ、何か行動をしたくなるそんな素晴らしい本だと思います。

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2019年06月03日

Posted by ブクログ

20〜40代で取り上げられた若者たちが、今、皆それなりに大成していて、筆者に投資家としての才覚を感じざるを得ない。。

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2015年09月27日

Posted by ブクログ

心に何かメラメラしたものを感じさせる1冊であった。
本著で出てくる11人の若者は、自ら情熱をかけるものを見つけ、それに死に物狂いで取り組んでいる。
その生き様に大変刺激を受けた。
また、何より先んじて重要なのは、学歴やスキルではなく「情熱」であると感じた。
己が強い情熱かけられる何かを見つけるために、これからもリスクを取って、いろんなことに挑戦したい。
そして死に物狂いで「青春」を終えたい。
この本は私自身にまだ「青春」にすら至ってないということを突き付けてくれた良著であった。

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2015年02月21日

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今の自分の生き方に対して、頬をピシャリと叩かれた感覚。
自分のやり方はまだまだだな・・と思わせてもらえる実在の登場人物達の生き様といったらそれはもう。世の中凄い人達は沢山いるものです。各々ジャンルは違えども、「突き詰め方」の教科書だと思います。

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2015年01月31日

Posted by ブクログ

皆、挫折の果てに、何ものかを見つける。ここに載ってる人たちは、本当にすごいと思う25年位前?経った今、どうしてるか分からないけど、偉人と呼ばれている人達も自分の側に賭けて飛び込み、自分の世界を切り拓いていったのだと思う。

自分も、何ものかを見つけ、「船出」の時を迎え、自分に賭けれる自信を持って挑みたい。そう思う。

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2014年12月27日

Posted by ブクログ

最高、知の巨人の洞察力と登場人物の圧倒的な行動力に感服。
登場人物のその後の活躍を見ると、あらためて筆者の凄さを感じる。

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2014年09月24日

Posted by ブクログ

すごくすごくすごくおもしろかった。一つの道を極めた人たちの話。自分の人生を自分以外の何物かではなく自分自身に賭ける生き様はとてもかっこいい。

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2014年03月21日

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ネタバレ

自分なりの道を模索し歩んでいる若者たちのドキュメント。
ちょっと昔の本だけど現代に通じるものがあるし、すごい刺激になる。

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2012年12月07日

Posted by ブクログ

職選び、人生の歩み方に参考になる本。

平凡な職業を選ばず、自分の選択で手に特別な技術を身につけた人たちが紹介されている。紹介されている人たちに共通する点は、発想が非凡で、それを開花させるべく突き進んでいる点である。その道を極めようと思ったら、その道の最も優れた人や土地を訪ねている。その過程には、経済的なハングリー精神が見られる。

<エピローグより>
自分の人生を自分以外の何者かに賭けてしまう人がどれほど多いことか。他者の側に自分の人生を賭ける人が世の大半である。

自分の人生を自分に賭けられるようになるまでは、それに相応しい自分を作るために、自分を鍛えぬくプロセスが必要なのだ。それは必ずしも将来の船出を前提としての意識的行為ではない。自分が求めるものをどこまでも求めようとする強い意志が存在すれば、自然に自分で自分を鍛えていくものなのだ。そしてまた、その求めんとする意志が十分に強ければ、やがて船出を決意する日がやってくる。その時、その船出を無謀な冒険とするか、それとも果敢な冒険とするかは、謎の空白時代の蓄積が決めることなのだ。

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2018年10月31日

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⚫︎久しぶりの地の巨人!何より文体が洗練されていて非常に読みやすい。
⚫︎様々な癖強な職業紹介、たいていドロップアウトからの逆転でその道の第一人者的な存在の彼等。しかも若い。
⚫︎やっぱり職人系多め。過酷な状況でも彼女やら妻がいるのは、やっぱりワイルド系は魅力があるのか…ただのサラリーマンはダメなんかな…
⚫︎しかし、一番は猿調教師だね。猿に下に見られないように半殺しにしないといけないとか、愛護団体が聞いたら卒倒する内容。まあね、そこは動物の世界だからね、情じゃないわな。
⚫︎今の時代なら、今をときめくYouTuberか、 ITエンジニアになるんかな?
⚫︎なんとなく、音楽系の職人の方が汗の匂いがしないだけ、シュッとした印象がありますね。
⚫︎あ〜、ふわっしたこと言って会議が回せるような、それでいて高給取りな仕事してえなあ笑

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

ちょっと特異なキャリアの方ばかりに紹介が偏っていると思う。普通のサラリーマンにだって何かに悩みながら挑戦して道を切り拓いている人がたくさんいると思った。
けど、紹介されている方々の挑戦事例はどれもエネルギーに満ちていて、自分も頑張ってみようと思わせてもらえた。1988年?に書かれた本だから、紹介されている方々のその後や現在はどうなのだろうと調べる楽しさがあるのも良かった。
著者のこと、まだよく存じ上げないが、おそらく「青春」関連が主戦場の人ではなさそう。なぜこの本を著そうとされたのかについても興味を持った。

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2023年04月25日

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本書に登場する人々に共通するのは、自分の仕事にとことん熱中していることだ。写真家の方の章などを読んでいると、その働き方は完全に人間の限界を超えているとしか思えない。が、仕事に対する熱意がそれを可能にしているのだろう。
 好きなことが大事だとか学歴なんか関係ないとか無理やり一般論を導こうとする議論はどうでもいいとして、彼らの仕事ぶりを一つの事実として知ることが大切だと感じた。そこからこんなのは嫌だとかかっこいいとか思うことが個々人であるだろう。
ちなみに、私はかっこいいと思った。彼らの底知れない熱意に憧れた。
また、筆者のあとがきが非常に秀逸である。

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2022年08月27日

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評論家の立花隆氏が、様々な(当時)新しい分野のフロンティアとして試行錯誤しながら奮闘する人々を取材する。この本は1985年に出版されたのでもう35年前のインタビューだ。その後彼らの多くはまさにその分野での第一人者となっているか。ソムリエの田崎氏、料理人の斎藤氏や猿回しの村崎氏は、私ですら知っている有名人である。彼らが駆け出しのころに、どんな失敗・苦労をしてきたか、どうして前例がほとんどない分野に挑戦しようと思ったのか、が書かれている。
彼らは当時22歳~36歳である。彼らに共通するのは、学校や会社で落ちこぼれだったりし、その後興味が持てる(情熱をもって努力するに値する)分野を見出し、才能を発揮していくところである。その分野に踏み出してからも、相手にされなかったり、投げ出したくなるような苦労は続く。
猿まわしの村崎氏や、鷹匠の松原氏の章が面白かった。猿の調教の仕方や、鷹をどう慣らしてしつけていくのか、など初めて知った。ソムリエの田崎氏も、今は面白いオジサンになっているが、若いころフランスへ飛んで、ワイナリーを歩いて訪ねたとあり、感心した。やはり若さのエネルギーは無限大なのだ。

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2020年07月20日

Posted by ブクログ

青春とは...?

著者の言葉を借りると「あらゆるの失敗の可能性を見すえつつ大胆に生きること」

それが青春であるかどうかなど考えるゆとりもなく、精一杯生きることに熱中してるうちに過ぎ去ってしまうのである。

遮二無二がんばって、ある日ふと過ぎ去った青春に気づくものなのかもしれない。

「恥なしの青春、失敗なしの青春など、青春の名に値しない。」

この言葉が特にジーンときた。

何者でもない自分という存在に苦悩し、生きる意味を必死で追い求め続けた若者達がどのような道を選んだのか。

精一杯生きようとする人にとって何らかの道しるべとなってくれる本だと思う。

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2019年03月14日

Posted by ブクログ

あと10年早く読んでいれば、なにかしらの運命が変わっていたであろう。
冒頭に書いている通り、ふと我が人生を振り返れば、青春時代などとうの昔に通り過ぎていた。

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2018年05月28日

Posted by ブクログ

学生の時に友人が貸してくれた本。この本でブーム前のソムリエ田崎真也さんを知った。

やりたいことに貪欲。青春に翻弄されながら自分を確立していく強さはなんとも強さとしなやかさを感じる。

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2018年05月05日

Posted by ブクログ

僕が大学時代に読んだ本の中ではかなり印象に残っているものです。作家・立花隆氏が年齢も職業も種々な11人の若者たちと夜を徹して語り合った人間ドキュメントです。取り上げられている人物が誰もみな鮮烈でした。

本書をはじめて読んだのは、確か大学時代のことで、ここに取り上げられている11人のうち、一番有名な方は現在ソムリエとして数々の栄冠に輝いている田崎真也氏でありますが、そのほかの10人や、何よりも彼らを取材している立花隆氏も、現在のエスタブリッシュメントになる前のギラギラした時期で、それがあいまって、今読んでも非常に「熱い」本だなぁと、これを読みながら改めてそう感じました。

田崎氏のほかにも、それぞれ活躍している人間の「その後」はインターネットなどで名前を検索していただければわかりますが、その中でも森安常義氏のことはこれを読んだあとでも気になっていて、検索をかけると現在は独立して精肉店を営んでいるそうで、氏のたどった波乱万丈の青春を思うと、とても感慨深いものがありました。本書に取り上げられている方の人生をたどっていると、かなりの割合で一度は「落伍」した経験があったり、大きな挫折があったりと、本当にドラマチックで、そこから自分の道を見つけるや否や、圧倒的な独学や努力を重ねてその職業でひとかどの存在になっていく…。そのプロセスは本当に勇気付けられました。

思えば自分にも大学に入学したはいいけれど、何も目標を見出せずに、周りはやれ教職試験だ就職だ、公務員試験だと(僕が行った大学は地方公務員や教員を輩出することで有名であった)勉強にいそしむその傍らで本書をむさぼり読んでいたことを思い出し、それからはずいぶん遠いところまできて、今はいったいどこにいるのかなぁと、そんなことを考えながらこの文章をしたためておりました。ただ、彼らのようにどんな状況になっても「何か」を探し続ける。その努力だけはしてきたつもりだと、現在は胸を張ってそういうことができます。

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2013年10月29日

Posted by ブクログ

memo:船出を無謀な冒険とするか、それとも果敢な冒険とするかは、 船出前の「謎の空白時代」の蓄積だけが決めることだ。 青春とは、やがて来たるべき「船出」へ向けての準備がととのえられる「謎の空白時代」なのだ。そこにおいて最も大切なのは、何ものかを「求めんとする意志」である。

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2013年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

青春というのは、それが過ぎ去ったときにはじめて、ああ、あれがオレの青春だったのかと気が付くものなのである。p7

青春とは、やがて来るべき「船出」に向けての準備がととのえられる「謎の空白時代」なのだ。そこにおいて最も大切なのは、何ものかを「求めようとする意志」である。それを欠く者は、「謎の空白時代」を無気力と怠惰のうちにすごし、その当然の帰結として「船出」の日も訪れてこない。彼を待っているのは、状況に流されていくだけの人生である。p278

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2014年04月25日

Posted by ブクログ

自分の生きる道を自分で切り開いている11人の男達の話。立花氏の言葉を借りれば、自分を自分に賭けた人達である。私は自分の人生を他人に任せてはいないだろうか、考えさせられる。

時代が変われば必要とされる職業も変わってくる。しかしどんな時代でも、その道を切り開いていくのは、その職業に自分を賭けた人、青春を過ごす事が出来た人だ。

苦労も多いが幸せだろう。嫉妬しながらページを捲る自分がいた。

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2013年04月28日

Posted by ブクログ

 この本のエピローグには空海の若き日、「謎の空白時代」について書かれており、桐原書店の高校現代文の教科書にこれをベースにした同名の文章が掲載されている。
 実のところ、このエピローグを手元に置いておきたかったというだけの理由でこの本を買ったのであったが、本編のエピソードにも考えさせられる点が多く、空海のようにとまで行かないものの、青春時代に苦悩した人のナマの声が収められた非常に面白い本だった。

 青春は何歳までか—「青春」などという言葉を使うのは小恥ずかしい心持もしないではないが、20代後半から30歳ごろまでに自分の進むべき道を見定め、一心に努力を重ねた11人のエピソードを読んで、不肖私もまだ青春期にいると言っていいのだと思ったと同時に、背中を押されたような気持ちになった。

 ひとつ悔やまれるのは、(期せずしてこうなったと筆者は言うが)「落ちこぼれ」だった過去を持つ人が多く取りあげられたことである。一度落ちこぼれた人がそこから這い上がっていく、ということは多いかもしれないが、なにも落ちこぼれだけが人生の道を切り拓くという訳ではないのだから、もっとさまざまな苦悩のかたちを載せて欲しかったとも思う。

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2013年04月04日

Posted by ブクログ

<本の紹介>
1度は挫折し方向転換した若者たち。その大胆な選択が成功だったかどうかを語ることはまだ出来ない。何しろ彼らは、迷いや惑いの青春の真っただ中にいるのだから。自らも不安や悩みの放浪の旅から自己確立をしたという著者は、職業も種々な11人の若者たちと夜を徹して語り合う。鮮烈な人間ドキュメント。
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この本もR+Bつながりの39さんに「前書きとあとがきが(中身は?笑)すごくいいから読んでみて欲しい」って紹介されて読んでみた本なんですけど、自分としては中身も含めてすごく良かったです。

なんつーか、俺も頑張ろうって思いました。

インタビューを読むのって面白いですね。
「こんな人がいるんだ」っていう新鮮な驚きもあるし、「インタビュアーは何故この人にインタビューしたんだろ」ってその人の考え方と、インタビューされた側の魅力とを文章の中から探っていくような。それと、その人の魅力を引き出す為の質問というか、聞き方というか、相手を否定していたらきっと相手はそんなに喋らない。突っ込んだことを喋ってもらおうと思ったら、こっちもある程度それについて知識や経験がないと話してもらえない。
多岐に渡って知識があって、それもその使い方をちゃんと知ってて、深さもそれなりにある。著者の立花隆って、そういう人だったのかなぁと思いました。

あと、自分の中で一番心に残った部分は前書きでもあとがきでもなかったんですが、「道具が自分の体の一部になる感覚」を基本ができてきた段階というか、基本のきみたいに捉えて話してる人が多かった、共通点なんじゃないかな、って思ったとこでした。
「自分の手がその道具を使う」んじゃなく、「その道具が体の一部になる」感覚。

これ、すごいわかりました。
読んではじめて気づいたけど、その領域を目指してるってときは多いかもしれないと思った。デジカメにしろ、スノボにしろ、チャリにしろ、パワポにしろ。
自分は「シンクロ率が大事」ってまるでエヴァみたいな言い方で表現をしているけど(苦笑)、目指してるのは同じ。自分の意識じゃなく、意識しなくても反射に近い反応レベルでこうしたいと思ったと同時に使いたい道具が思い通りに使えるレベルにまで、その道具を使えるようになること。

いろんなところがまだまだだぜって感じだけど、とりあえず目指すべきレベルはそこなんだろなぁ、と思いました。
とりあえずPCと携帯と、マインドマップと料理についてはそのレベルにいきたいなぁ。本当は掃除とかも。。。

このインタビューに出てくる人たちが、どんなに必死に血のにじむような努力をしてきたかわからないけど、その道で頭角を現すには絶対にそういった努力が必要で、たくさん失敗もしてきたし我慢もしてきたんじゃないかなって思います。それでも自分の信じる道を貫き通して、今そこにいる。
それだけの我慢や努力ができるかな。俺にはそこまで固執できるような強い信念てあるんだろうか。比較ができないのが残念だけど、まだまだ甘いんだろうなと思わされて、頑張んなきゃって励まされた本でした。

これで500円なんて、絶対安すぎる。
いい本なんでよかったらぜひ読んでみて欲しいです。

あきらめたら、そこで試合終了だよ。

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2020年01月12日

Posted by ブクログ

テーマは「謎の空白期間」
著者の立花隆氏があとがきで書いているように、各分野の第一人者である彼らが、向こう見ずにも後先考えずに(と見える)大跳躍を遂げるそれまでの「謎の空白期間」を明らかにする試みのインタビュー。

さすがに、ちょっと人とは違った生き方を選んだ剛の者たちなので、その人生観や信念はとても興味深く、面白い読み物だった。

85年刊行だから35年も前のはなしだが、決して古臭くないし、むしろ新鮮でもある。

しかしあのソムリエの田崎真也氏を若者、ととらえたインタビューなんだからそりゃもう、ね。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

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自分の人生を自分に賭けられるようになるまでには、それにふさわしい自分を作るために、自分を鍛え抜くプロセスが必要なのだ。それは必ずしも将来の「船出」を前提としての、意識的な行為ではない。自分の求めるものをどこまでも求めようとする強い意志が存在すれば、自然に自分で自分を鍛えていくものなのだ。そしてまた、その求めんとする意思が十分に強ければ、やがて「船出」を決意する日がやってくる。
(p227 エピローグ)
```

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2020年03月29日

Posted by ブクログ

自分のやりたいことを貫くこと。
どんなに苦しくても、そうせざるを得ない何かが、心の中から涌き出てくる。
成功するかしないかは、関係ない。

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2018年04月03日

Posted by ブクログ

11人の若者たちへのインタービュー集。

紹介されている若者たちは皆一度は人生で挫折し、一寸先は闇という状況になるけれど、それぞれの目指す道が決まるとその道をただひたすらに進んで行き、その道の達人になっていく。

そのひたむきさに一種の感動を覚えました。
でも自分自身の状態とは違った道を歩んだ人たちなので、その人たちとの違いに焦りを感じたりはしないです。

なんかいつもの立花節がなくてちょっと物足りないカンジ。

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2013年10月23日

Posted by ブクログ

たしかにこの下済み時代を
青春だとその当時から
言えた人はいないだろうと思う。
恵まれた環境の人もいるが
その環境も、自分で手に入れている。
努力していない人はいないと思うし、
本にはならないと思う。
それに才能というのもあるが、
この本の人たちは
「努力の人」だ。

でもこの本を読んだから、
頑張ろうと思えるか。
というと、全く自身はない。

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2013年09月09日

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