あらすじ
一度は挫折し、方向転換した若者たち。その大胆な選択が成功だったかどうかを、語ることはまだ出来ない。何しろ彼らは、迷いや惑いの青春の真っただ中にいるのだから。自らも不安や悩みの放浪の旅から、自己確立をしたという著者は、職業も種々な11人の若者たちと、夜を徹して語り合う。鮮烈な人間ドキュメント。……あらゆる失敗の可能性を見すえつつ、大胆に生きた人こそ、よく青春を生きたと、言うべきだろう。
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Posted by ブクログ
青春というのは、それが過ぎ去ったときにはじめて、ああ、あれがオレの青春だったのかと気が付くものなのである。p7
青春とは、やがて来るべき「船出」に向けての準備がととのえられる「謎の空白時代」なのだ。そこにおいて最も大切なのは、何ものかを「求めようとする意志」である。それを欠く者は、「謎の空白時代」を無気力と怠惰のうちにすごし、その当然の帰結として「船出」の日も訪れてこない。彼を待っているのは、状況に流されていくだけの人生である。p278