立花隆のレビュー一覧
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口述筆記なんだろうな。その分読みやすい。
小学校の時に「現代科学物語」を読んで、物質が原始からできていることを知って強烈な印象を受けた。また、1949年に湯川秀樹がノーベル物理学賞を受賞したことの影響が大きく、理系に進んで素粒子物理学をやりたかったが、高校の進路指導の先生に「色弱だから理科には行けない」と言われたため、文科II類(文学)を選んだ。
学生時代の後半にアルバイトで技術文献の翻訳をやったことで、その後の取材の下準備として英語の学術論文や文献を山のように読む下地ができた。
大学までは小説ばかり読んでいて、大江健三郎に憧れて物書きになろうとしていたが、文芸春秋に入社し、筑摩書房の世界ノンフィクション全集を読み始めてから、ノンフィクションの世界にのめり込んでいった。
文芸春秋は2年半で退職し、東大の哲学科に学士入学したが、1969年の東大闘争が激化して授業がなくなったため退学。その頃、文芸春秋が「諸君!」を創刊したため、いろいろな頼まれ仕事をするようになった。この時に、資料を山のように並べて、あちこち取材した上、たくさんの図表も制作して記事の中にはさみ込む手法を身に付けた。事前の準備をどれだけするかによって、一流の学者に話を聞きに行った時に引き出せる話の質も量も全然違うことを学んだ。
1972年、イスラエル政府から招待ジャーナリストに選ばれた講談社の編集長が行けなくなり、代わりに行くことになった。キリスト教は、生まれた土地から周辺の文化圏に広がり伝播していく過程で、その土地に古くからある別の宗教思想と影響しあい、変わっていった。日本の真言宗も、仏教と日本土着の宗教がつながって成立した点でキリスト教と似ている。特に、密教部分の核を形成している護摩木を焚いたり、真言を唱えたりする儀式的要素は土着宗教の要素。
80年代、90年代は、角栄スクールが実質的に日本の政治を牽引した。角栄が幹事長として采配を振るった昭和44年の選挙の当選組には、羽田孜、小沢一郎などがいる。橋本龍太郎、小渕恵三はずっと田中派で、竹下登は角栄スクールの番頭格だった。
2010年発行の「がん 生と死の謎に挑む」の第1章は、NHKスペシャルのメイキング・オブになっている。この頃から、がんゲノムプロジェクトで得られた知見に基づいて、患者特有の遺伝子変異を踏まえた個別化医療の方向に向かっている。がんの理解の仕方として、主流ではなかったがん幹細胞説が正しいと認められ、各種のがんで幹細胞が次々に発見され、幹細胞説に基づく新しい治療法の導入が進んでいる。
人の寿命に一番関係を持つファクターは、両親の生きた年齢。 -
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『田中角栄研究』と並び、おそらく立花隆氏の代表的著作の一つだろう。
本書の中心は、戦前における日本共産党の歴史である。また本書が書かれた1970年代の日本共産党が戦前と比較してどうであるかについて、筆者が論考を行っている。
一見すると、立花氏は共産党に対して批判的な立場に立っているように見える。だが読んでいくと、立花氏は共産党に対して必ずしも批判的な立場にあるわけではなく、中立的な立場から論考を加えている。
まだ第1巻しか読んでいないのでなんとも言えないが、字面をそのまま受け入れるのではなく、自分の頭で考えながら批判的に読むべきであるという、読書と思考の基本が本書を読むとよく理解できる。 -
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今読んでる途中。
腰巻きの写真やカバーの裏表紙側の折り返しの写真を見ると、立花さんも老けたなと言う感じはする。
少しお腹も出てるし、大丈夫かな。
養老孟司さんの方が、最近の映像を見ても、若く感じる。
まるロスを克服するのは大変だろうと思うけど・・・。
閑話休題
本書は、立花隆版の私の履歴書だと思う。
多分、日本経済新聞の看板記事の一つである
「私の履歴書」
にはまだ書かれていなかっと思う。
よって本書は、そのスタンスで読むべきで、
一気に読むのもいいが、一章単位で読んでいっても良いだろう。
立花さんといえば、猫ビルを連想する。
色々な媒体でと紹介された。
臨死体験などはNHKなどでも、特集番組を組んでいた。
あの頃が一番油の乗り切った時期だったかも知れない。
本書では、立花さんの生い立ち、自慢話?も一緒に楽しみましょう。
まゆっくり読みます。
第2章までは読みましたよ。
第12章まであるので、おいおいと。
本書は、2020年1月に発売されているので、コロナ禍の洗礼は受けていない。
【追記】
6月23日、立花隆さんが4月30日に亡くなっていたことが、報道された。
本書は何となく立花隆さんの遺書のような趣がある。
さういう気持ちで本書の続きを読むのを始めよう。
合掌
本書を読んで立花隆は、身の回りの女性差別・軽視というか、女性に対してクール、冷たいという様な印象を得た。
色んな女性と同棲してきたし、何回か離婚再婚した様な記述もある。
別の媒体で、我々世代は女性差別が当たり前とも言っているので、実際そうなんだろう。
本書を読んで残念だったのは、そこら辺だ。
Wikipediaにはそこら辺記述がない。 -
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ネタバレ立花隆が自身の人生を振り返った自伝。私の人生にも大きな影響を与えてくれた著者が、どのような人生を歩んできたのかは非常に興味があった。
最初に著者の作品と出会ったのは高校時代に病気で入院して落ち込んでいた時に、仲の良かった先生から借りた「宇宙からの帰還」であった。天文学を志望していたこともあり、本書によってさらにその気持ちが高まり、病気に負けずに受験に立ち向かうことができ、このタイミングで入院となってしまった自分の人生を恨んでいたが、人生観をも考え直すきっかけを与えてくれた。
その後も著者の作品をいくつか手に取ってきたが、正直なぜ多岐に渡るジャンルの本を書いているのか疑問に思ったこともあった。
しかし、本書を読むことで著者の中では大きな流れの中で、それらの作品は繋がっており、さらに一つの作品を作り上げるのに膨大な情報を収集していることに今更ながらに驚かされた。
まさに「知の巨人」の名にふさわしい人物であり、未だに新たな作品への取り組みを構想していることに驚かされた。
以下は本書で特に気になった個所の抜粋である。
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・「ドストエフスキーの世界観」は、ベルジャーエフがドストエフスキーを、小説家というよりも「偉大な思想家、偉大な予言者、ロシア最大の形而上学者」ととらえ、「その精神の底を極める」ことを目指して書いた本で、それ自体が一つの哲学書でした。(中略)ベルジャーエフを知ったことで、物事を考えるスケールが全く変わりました。
・人間の知的な営みについてひとこといっておくと、人間は全て実体験というものが先なんです。これは何だろうという驚きがまずあって、それを理解したいから、本を読んだり、考えたりするんです。ひとつの文化体系を本で読むことだけで勉強しようとしても、基本的には無理なんです。それはとても勉強しきれるものではない。ある文化体系を理解しようと思ったら、そこに飛び込んでその中に身を置いてしまうしかないんです。
・読まないと文章は書けない。まず消費者にならないと、ちゃんとした生産者にはなれない。それから、文が鵜を経ないで精神形成をした人は、どうしても物の見方が浅い。物事の理解が図式的になりがちなんじゃないかな。文学というのは、最初に表に見えたものが、裏返すと違うように見えてきて、もう一回裏返すとまた違って見えてくるという世界でしょう。表面だけでは見えないものを見ていくのが文学ですから。
・小説ばかりでなくノンフィクションも読む必要がある。「世界ノンフィクション全集(全50巻)」はノンフィクションの歴史に残る傑作中の傑作が多い。
・人間の肉体は、結局、その人が過去に食べたもので構成されているように、人間の知性は、その人の脳が過去に食べた知的食物によって構成されているのだし、人間の感性は、その人のハートが過去に食べた感性の食べ物によって構成されているのです。全ての人の現在は、結局、その人が過去に経験したことの集大成としてある。
・人間存在をこのようなものとしてとらえるとき、その人の全ての形成要因として旅の持つ意味の大きさが分かってきます。
・旅は日常性からの脱却そのものだから、その過程で得られた全ての刺激がノヴェルティ(新奇さ)の要素を持ち、記憶されると同時に、その人の個性と知情意のシステムにユニークな刻印を刻んでいきます。旅で経験する全てのことがその人を変えていく。その人を作り直していく。旅の前と旅の後では、その人は同じ人ではありえないのです。
・いい言論にも悪い言論にもおなじような存在価値があります。だから言論の自由は無差別に守られる必要がある。これが言論の自由を守る意義の根幹にある真理なのです。 -
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評論家の立花隆氏が、様々な(当時)新しい分野のフロンティアとして試行錯誤しながら奮闘する人々を取材する。この本は1985年に出版されたのでもう35年前のインタビューだ。その後彼らの多くはまさにその分野での第一人者となっているか。ソムリエの田崎氏、料理人の斎藤氏や猿回しの村崎氏は、私ですら知っている有名人である。彼らが駆け出しのころに、どんな失敗・苦労をしてきたか、どうして前例がほとんどない分野に挑戦しようと思ったのか、が書かれている。
彼らは当時22歳~36歳である。彼らに共通するのは、学校や会社で落ちこぼれだったりし、その後興味が持てる(情熱をもって努力するに値する)分野を見出し、才能を発揮していくところである。その分野に踏み出してからも、相手にされなかったり、投げ出したくなるような苦労は続く。
猿まわしの村崎氏や、鷹匠の松原氏の章が面白かった。猿の調教の仕方や、鷹をどう慣らしてしつけていくのか、など初めて知った。ソムリエの田崎氏も、今は面白いオジサンになっているが、若いころフランスへ飛んで、ワイナリーを歩いて訪ねたとあり、感心した。やはり若さのエネルギーは無限大なのだ。 -
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「知の巨人」本人による立花隆を巡るブックガイド。サブタイトル「3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと」にあるように、どんな本をインプットし、どんな本をアウトプットして来たかが濃厚に豊饒に怒涛に語られています。本の本ではありますが思索だけではなく行動の本でもあります。大量の本を読むだけではなくて、お仕着せではない旅に行くこと、徹底的に人に会うことが立花隆を作って来のだと感得。知的好奇心が駆動して来た人生。大学の卒論が「我意欲す故に我在り」と言ったメーヌ・ド・ビランと明かしていますが、まさに意欲の凄さが立花隆の凄さ、だと思いました。「知情意」と言いますが「知の巨人」というより「意の巨人」であるところが突出していると思いました。他者の価値観に寄りかからず自分の意志で道を作って来た人生がこのコンパクトな新書にまとめられていました。それにしてもその意欲に方法論を与えた雑誌の編集文化ってもっともっと顕在化してもいいのに…と思いました。