立花隆のレビュー一覧
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2000年に第1刷ということだが、この頃から2014年の現在まで、さまざまな研究がさらに進んだのではないだろうか。脳の研究も進んだと思うが、精神世界についての認識も、より一般化されているような気がする。”臨死体験”ということ自体も、魂の体験ととらえるか否かは別にして、一般的に受け入れられてきているように思う。筆者は脳内現象説が正しいだろうということで終わっているが、現在の筆者はどのように思っているのだろうか。
脳内現象であったとしても、それを認識しているものは何なのだろうか、と考えると、やはり”自分”を形成する肉体以外の存在、”魂”のようなものがあるように思う。
体外離脱できるなら、宇宙のかな -
Posted by ブクログ
立花隆さんのこのシリーズを読むと、本当にこの人は好奇心の塊だと思う。目次を読んでいるだけでもそれが分かる。どうして、これだけの興味を抱けるのか。どうして、何にでも新鮮な気持ちで接することができるのか。もしかしたら、この本から得ているのは、知的好奇心という刺激のエネルギーなのかもしれない。
立花さんの書評はぼくとつだと思う。奇をてらうわけではない。特別に気の利いたこと書くでもない。でも、何にでも興味を示すその姿勢から染み出す言葉が、未知の世界への興味をそそる。そうだなぁ。好奇心を忘れちゃダメだよな。
ボクもこの本に紹介されていた本を何冊か買ってみた。 -
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Posted by ブクログ
読書とは疑似体験であり、着想の助力であり、詰まる所は、ただの言葉である。読み終えた後、何に感銘を受け、どれだけの言葉を拾ったか。ふと判断に迷う時、その言葉を引用できるか。あるいは、感覚として刷り込まれ、受肉されたか。本著はテーマが多岐に渡り、放たれた言葉は多い。しかし、それらを身につけるには至難である。
何気ない会話を記憶しているか。友人の発言で容易に生き方を変えられるか。映画を見たからといって、その体験がリアルに生活へ反映されるか。感受性の強弱はあるにせよ、身につくのは知識であり、知識は暗記であり、着想のヒントとし、知恵と変えるには、反復や咀嚼が必要だろう。
立花隆と佐藤勝、一級の知識人 -
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僕が大学時代に読んだ本の中ではかなり印象に残っているものです。作家・立花隆氏が年齢も職業も種々な11人の若者たちと夜を徹して語り合った人間ドキュメントです。取り上げられている人物が誰もみな鮮烈でした。
本書をはじめて読んだのは、確か大学時代のことで、ここに取り上げられている11人のうち、一番有名な方は現在ソムリエとして数々の栄冠に輝いている田崎真也氏でありますが、そのほかの10人や、何よりも彼らを取材している立花隆氏も、現在のエスタブリッシュメントになる前のギラギラした時期で、それがあいまって、今読んでも非常に「熱い」本だなぁと、これを読みながら改めてそう感じました。
田崎氏のほかにも、 -
Posted by ブクログ
印象に残った文章。
がんとは、細胞の病気です。正常細胞が狂いだして、無限の増殖能を持つがん細胞になってしまう病気です(37ページ)。
がんは、遺伝子の病気、DNAの狂いによってもたらされる病気です(38ページ)。
人間は物質としての同一性は短時間しか保持できないですが、情報(DNAあるいは、脳の中の記憶)の同一性が相当の長期にわたって維持できるので、個体としての同一性も一生保ち続けていると思うのです(40ページ)。
がんがなぜ生まれるかは、まだ十分にわかっていませんが、DNAのコピーミスによる変異の蓄積が最大の要因の一つにちがいないと考えられています(40ページ)。
人間の体は、すべて新陳代謝 -
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ネタバレ著者が東大・教養で3年間教えた経験から間違いなく東大の学生のレベルが低下しているというのです。これは単なるアジテーションではなく、著者が日本の将来を思う真摯な危惧から出たものであることを読みながら痛感します。学生に阿って受験科目を減らし、ゆとり教育を推進し、結果として高校で物理を履修せずに機械工学へ進む学生。同じく高校で生物学を学ばずに医学部、農学部へ進む学生。これが日本の最高峰である東大の実情!!大手前のレベルを言う前に、東大がこれでは日本は一体どうなるのでしょう。著者は東大文卒業であるだけに、素直に読めます。東大法がその中でも、実学の代表として書かれていますが、京大法はそれに対するアンチテ
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この本のエピローグには空海の若き日、「謎の空白時代」について書かれており、桐原書店の高校現代文の教科書にこれをベースにした同名の文章が掲載されている。
実のところ、このエピローグを手元に置いておきたかったというだけの理由でこの本を買ったのであったが、本編のエピソードにも考えさせられる点が多く、空海のようにとまで行かないものの、青春時代に苦悩した人のナマの声が収められた非常に面白い本だった。
青春は何歳までか—「青春」などという言葉を使うのは小恥ずかしい心持もしないではないが、20代後半から30歳ごろまでに自分の進むべき道を見定め、一心に努力を重ねた11人のエピソードを読んで、不肖私もま