【感想・ネタバレ】地球外生命 9の論点 存在可能性を最新研究から考えるのレビュー

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Posted by ブクログ 2012年09月15日

ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。

N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L

Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数

R :銀河系内において恒星が誕...続きを読む生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ

ざっくりと言ってしまえば、何種類かの確率の掛け算となっている。
ちなみにこの式は、地球外知的生命体に関しての議論のたたき台として挙げたものだが、いつの間にか、この式だけが一人歩きしてしまったらしい。

この式の中で客観的なデータが取れるのは、R、fp、neのみ。
それでも、fpに関しては、最近になってようやく惑星が観測できるようになってきたので、データの蓄積が必要な項目だ。

本書は、このドレイクの方程式のne、fl、fiに関係するテーマを9人の学者が論じたもの。(確率を計算するわけではない)
生物学のテーマ5つと天文学のテーマ4つから成る。

一般的に生物学者は、地球外生命体には否定的で、物理学者は楽観的な予測をするらしい。
本書の生物学に関するテーマでも触れられるが、光合成のしくみや共生の絶妙さ等を知ると他の惑星でも同じような事が起きるのだろうか、という疑問を持ってしまいがちになる。

が、全体としては(「知的」な地球外生命体に限っていない、ということもあり)かなり高い確率で存在するだろう、という論調になっている。
自分も極限環境生物という類の生き物が存在する以上、同じような環境があれば、姿形はともかく、同じような能力を持つ生き物がいても不思議ではない、と思っている。

本書でも触れられているが、ドレイクの方程式を眺めた時、気になるのは最後の「L」
つまり、「高度な文明が存続する時間の長さ」
地球外知的生命体の発見に一番重要な点は「人類自身の文明が長く続くこと」

お互いを殺しあう道具ばかり作っている場合ではない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月09日

9つの論点(観点)から地球外生命はいるのか、そもそも生命が誕生するとはどういうことか、地球上での不思議な生物や進化について書かれた本。個人的に、宇宙人はあまり信用ならないが、微生物や、原生生物のようなものなら宇宙に広くいるような気がする。
自分の専門の生物系の話以外では、星間分子の話が一番好きやった...続きを読む
「酢酸」が見つかっているってなかなかすごい。スペクトル見ながら、「お!酢酸やん」ってなってる様子がわくわくする。
この本で唯一気になったのは、地下生命圏に微生物はいるが、動植物は0という表現。植物は0かもしれんが、センチュウは動物やし、地下深くにもいるはず。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

地球外に生命が存在するか?それを考える上での論点をここのつにまとめて最新の知見を入れてまとめられたもの。地球型惑星が今までより多く存在することが分かってきて、生命が存在する可能性があると考える研究者が多くなってきているとのこと。でも、それはあくまでも微生物などの原始的な生命を想定していて、知的生命の...続きを読む存在にはまだまだ疑問符がついているようだ。

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Posted by ブクログ 2015年07月13日

既に天体観測技術の進歩によって、推定まで含めて約3000の太陽系外惑星の存在が確認されているらしい。
 地球外生命というと、下手をすると地球外文明≒宇宙人≒チャネリング≒スピリチュアルなんとかみたいな胡散臭い筋に突入してしまうものも少なくはないのだが、この本で論じられていることはあくまで地球外「生...続きを読む命」であって、地球外「文明」ではない。
 主要な論点として極限生物、RNAワールド説、星間物質の検出、太陽系外惑星の観測など、現状の研究から飛躍の無い範囲で考えていく、非常に興味深い本である。
 地球外生命はSFとして非常に興味深くて面白くなるテーマであるのだが、SFじゃない現実の可能性としてもマトモな議論の対象になりえる時代になったということなのだろう。

 とはいえ、現状での研究は地球外生命の存在可能性である。残念ながら地球外文明の存在可能性については、残念ながらまだまだ時期尚早の話題なのだろう…。セーガンの「コンタクト」みたいな話などは面白いとは思うのだが…。

まあ、そういうオレはUFOとか大好きだけどなーwww

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年03月13日

研究の最先端をいく研究者が分野を越えて集まった本です。
往往にしてこの手の本は、
章ごとに著者がバラバラなため、
全体の結びつきが弱くなってしまいがちですが、
この本はシンポジウムの講演を元に書かれているためか、
そのようなきらいはありませんでした。

ただ、生命科学、生物学の分野はちょっととっつき...続きを読むにくかったです。
なんか妙に専門性が高いというか…。

アストロバイオロジーの最新のトピックを知りつつ、
全体をある程度見渡せる本としては、
適していると思います。

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Posted by ブクログ 2014年01月05日

色んな分野で活躍する科学者が、それぞれの視点から地球外生命を語る。ちょっと生物学の知識がいるところもあるけど、それでもワクワクさせてくれる。この手の本が読み飽きた人も楽しめると思う。

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Posted by ブクログ 2013年01月05日

地球外生命体の存在につき生物学者は否定的に天文学者は積極的に確率を計算。ドレイク方程式がこんなに使われる式だとは。。

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Posted by ブクログ 2012年07月01日

天文学者や物理学者は、宇宙のあまりのスケールに存在を疑う特別な理由を見出さず、一方生物学者は生命の神秘さに魅了されるあまり存在を疑う。
かつては口にだすのも躊躇うようなアヤシイものだったのが、現在では地球外生命を科学的な対象として扱うのにタブーとはされなくなった。
私自身は、実感すら持てない途方も無...続きを読むい宇宙のスケール的に、敢えて否定的になる理由を持てないので、多分いるだろうと思っているが、やはりちゃんとしたデータと推論で議論できるようになってきたのが面白い。まぁプリミティブなカタチでの生命はどこかにはまずいるんじゃなかろうか。
問題は、知的な生命がいたとして、わざわざ膨大な労力(エネルギー)を使ってまで我々に会いに来るかというところか。地球の価値観で考えるのは間違っているのかもしれないが、それにしても経済的じゃないのかなと。
本書では概ね肯定的な考えばかりだったが、それもデータの裏付けが少しづつとれるようになったからかな。内容的にはそれほど目新しいものが無かったのが残念。

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Posted by ブクログ 2012年06月24日

まあ、こんなもんかな?
あんまりは期待していなかったけど、そのとおりであった。
共生とコモノートは比較的良かった。

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Posted by ブクログ 2019年10月06日

9人の最先端な科学者が、それぞれの専門領域から地球外生命あるやなしやを論じてくれる一冊。

「SFの世界でのお話に過ぎないと思われがちだった地球外生命は、いまや科学の最先端にある重要なテーマとなっています。」

光合成の成り立ちを延々と書いて地球外生命の話はちょっとだったり、
アミノ酸が非人為的にど...続きを読むうやって合成され得るかを延々と書いてみたり、
地球の極限環境の生命についてだったり、
色んな観点で、いないと思うよとか、いやいるよとか話を聞かせてくれる。

一見、地球外生命の話としては回りくどいようにも思えるけど、その実すっごく直接的に生命発生についての話になっていて、つまりすっごく面白い。

科学系ノンフィクションは、SFを読むのと同じ感じの楽しさがあるけど、これが本当にこの世界の話だっていうところが興奮ポイントですね。
事実は小説より奇なり、を、最先端科学ほどに地で行く分野もなかなかないと思います。

10年以上前に笹本祐一が、太陽系の外の惑星を望遠鏡で見つけた!っていうネタだけで一冊出していたけど、まさにそれと全く同じことがリアルタイムで起きているこの現状はエキサイティングです。
宇宙には、地球そっくりの惑星がたくさんあることがほぼ確かになってきたのです。
SF者の基礎知識、ドレイク方程式のいくつかの要素が埋まりつつあるのです。わー!

ここ3年(2012年基準)の系外惑星発見ラッシュで、

「かつては、まっとうなサイエンティストなら、『地球生物以外の宇宙生命体はない』と考える人の方が圧倒的に多かったろうが、(中略)宇宙のどこかに存在しても不思議ではない』と考える人が、むしろ多数派になりつつある。」

なんて面白い状況だと思いませんか?

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Posted by ブクログ 2019年09月15日

代謝・自己複製が生命とは何かを考えるためのキーワードになる。さらには外界との境界・進化するということもその特色である。
高度に知的な生物はわざわざここに自分がいるということを外に対して知らせないのではないかとうことと、宇宙人に会いたかったらまずわれわれが滅びるなという2点はおもしろい視点だと思った。

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Posted by ブクログ 2018年11月05日

生物学者や天文学者が集まったシンポジウムを土台にしたアンソロジー。「9の論点」とあるが、論点がはっきり9つあるんじゃなくて9人集まったから「9の論点」にしたみたい。

どちらかといえば物理学者に地球外生命肯定派が多くて、生物学者に否定派が多いらしい。しかし系外惑星が次々と発見されたり、太陽系内でも生...続きを読む命が存在しうる環境が見つかったりする中で、徐々に肯定的な見方が増えてきて、学問として成立するようになった。でも、まだ知的生命の存在までは簡単には考えられない。

フェルミのパラドックス:広大な宇宙には知的生命が他にもいそうなのに、誰も人類にコンタクトしてきていないのは何故か?
電波で何光年もの距離を通信するのはとんでもない大出力がいるので、電波以外の手段を使うのでは(by大石先生)

平凡原理:わたしたちは特殊な存在ではないと考える。他にも知的生命がいると考えるのが素直。

ドレイクの方程式:地球外に知的生命体がどれだけいるかを推定する。系外惑星の発見で、少しオッズが上がった。

生命の定義・・・定説はないが、、、
 1.境界をもつ
 2.複製をする
 3.代謝をする

最初の生命はどんなものであったか?
DNA/RNAがないとたんぱく質をコードできないし、たんぱく質がないとDNA/RNAを作れないし。。。ニワトリ・卵問題
RNAワールド仮説:最初の生物は、RNAで体を作り、RNAで自身を複製したいたのではないか。
そんなことができるRNAを人工的に作る方向で研究が進む
RNAは反応性が高いので情報を保存するには不向き。ある程度高度な生命のデザインまで進化した時点で、うまいデザインを保存できるDNA生物にスイッチしたのではないか。

アミノ酸を熱すると出来るプロテノイドが、膜を作って生命にとっての境界になったとする説。そこからRNAワールドへ進む。

スタンリー・ミラーの実験。メタンやアンモニアがあれば放電で簡単にアミノ酸が生成される。化学進化。しかし、原始地球にはメタンやアンモニアがそんなに豊富には存在しなかった可能性が高いと判明。スターダスト(メタン、アンモニア、一酸化炭素、メタノール)に宇宙線があたると、アミノ酸の前駆体ができると判明。前駆体は分子量が大きくて安定してる。これが地球に降り注いで、加水分解されて酸で煮られてアミノ酸へ。

ホモキラリティ。宇宙空間で円偏光にあたって左手型が増えたのでは。

電波望遠鏡で星間物質にアミノ酸を探す研究も。糖とかの有機分子はけっこう見つかっている。

系外惑星の探し方。ドップラー法→トランジット法。人工衛星ケプラーにより2009年以降続々と見つかっている。ハビタブルゾーンにも。

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Posted by ブクログ 2016年07月09日

いきなりチューブワームが来て、極限生物の話がありながら、その次の話が「光合成ができなきゃ」みたいな意見を持ってくるってどうなの?と思った。
まあ全体的に興味深い話ばかり。地球外生命の話は実に夢があってよろしい。

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Posted by ブクログ 2013年03月12日

地球外生命の存在を9の視点からまじめに論じられたもの。もうSFではないという序文が印象深い。地球での生命誕生は偶然ではなく必然なのか?通信技術の違いなのか?もしくは、他に興味がないのか?知性のある生命体には出会えないかも・・・

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Posted by ブクログ 2012年09月20日

この宇宙には生命が充満しているのだろうか。それとも、生命は地球という奇跡の上にしか存在しないのだろうか。
水が液体で存在するためには、太陽に近すぎても遠すぎてもいけない。地球はこの絶妙な位置にある。そして、生物の進化を知れば知るほど、人類のような知的生命が育まれる確率は低いという。それゆえ、生物学者...続きを読むの多くは、地球外生命の存在に否定的である。
しかし、物理学者の視点は異なる。コペルニクスが地動説で、地球が特異な存在ではないことを主張したように、地球がこの宇宙で唯一の生命を育む得意な惑星とは考えない。地球に生命が存在する以上、地球外生命が存在するはずだと説く。
全ての生命のルーツはどこから来たのだろうか。地球で誕生したという説と、宇宙からやってきたという説がある。後者はとっぴなアイデアのように思われがちだが、そうではない。ホイルやウィクラマシンゲらが唱える「パンスペルミア説」がそれだ。
地球外生命の可能性を探究するには、生物学、物理学、地球科学、惑星科学など、様々な分野の知を統合する必要がある。各分野の研究が進み、最近、ようやくこの議論ができるようになったが、結論はまだまだ見えない。

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Posted by ブクログ 2012年07月17日

地球外生命に関する最新の情報と可能性をコンパクトにした本。一般向けの公開シンポジウムが元になっている。共生と星間アミノ酸以外、個人的には新たに得るものが少なかった。まだまだ各分野で研究が始まって、点にはなっているが、それそれがつながって、面はおろか、線にもなっていないことが分かった。

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