ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。
N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L
Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数
R :銀河系内において恒星が誕
...続きを読む生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ
ざっくりと言ってしまえば、何種類かの確率の掛け算となっている。
ちなみにこの式は、地球外知的生命体に関しての議論のたたき台として挙げたものだが、いつの間にか、この式だけが一人歩きしてしまったらしい。
この式の中で客観的なデータが取れるのは、R、fp、neのみ。
それでも、fpに関しては、最近になってようやく惑星が観測できるようになってきたので、データの蓄積が必要な項目だ。
本書は、このドレイクの方程式のne、fl、fiに関係するテーマを9人の学者が論じたもの。(確率を計算するわけではない)
生物学のテーマ5つと天文学のテーマ4つから成る。
一般的に生物学者は、地球外生命体には否定的で、物理学者は楽観的な予測をするらしい。
本書の生物学に関するテーマでも触れられるが、光合成のしくみや共生の絶妙さ等を知ると他の惑星でも同じような事が起きるのだろうか、という疑問を持ってしまいがちになる。
が、全体としては(「知的」な地球外生命体に限っていない、ということもあり)かなり高い確率で存在するだろう、という論調になっている。
自分も極限環境生物という類の生き物が存在する以上、同じような環境があれば、姿形はともかく、同じような能力を持つ生き物がいても不思議ではない、と思っている。
本書でも触れられているが、ドレイクの方程式を眺めた時、気になるのは最後の「L」
つまり、「高度な文明が存続する時間の長さ」
地球外知的生命体の発見に一番重要な点は「人類自身の文明が長く続くこと」
お互いを殺しあう道具ばかり作っている場合ではない。