立花隆のレビュー一覧
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単行本は上下2冊で1994年刊。いま読んでも、読みごたえがある。
上巻は臨死体験とはどういうものか。本書、下巻は臨死体験をどう説明するか、こちらが本丸。体外離脱、感覚遮断実験など、そして脳の話が展開する。
科学的なエビデンスだけからいえば、結論はほぼ予想がつく。しかし、哲学好み・神秘好きの立花隆はそこで躊躇する。聡明であった頃のペンフィールドの脳の刺激実験(臨死体験に似た体験を起こさせる部位の発見)を紹介しておきながら、最後では、晩年の耄碌したペンフィールドの脳≠心の考え方を採用する。一元論から二元論への乗り換え。なにごとも、ミスティカルなものを残しておいたほうがよいという作戦なのか。 -
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見当識。医学用語で、自分の置かれている状況を客観的に正しく把握する能力をいう。
著者は人間たしての見当識を得たい。と書いている。
世界の広がりを知る上で、何より大切なのは、人間の多様性について知ることである。フィジカルな存在としての多様性について知ることも大切だが、それ以上にメンタルな存在としての人間の多様性について知ることが最も大事。
人間は関係性の中にある。
人間に美徳もあることを否定するものではないが、それと同じだけ悪徳の天性があることを忘れてはなるまい。
わからなくても良い、がむしゃらであれ。
動かないことには、心理はつかめない。
仲間を呼ぶには夢を語ることが必要。
人の幸せは、やりた -
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宇宙飛行士が宇宙に行った前後で、人間の内面的な部分に関してどのような変化が生じたのかをインタビューを元にまとめた本。宇宙飛行士の内面に迫る本はこの本を除くとほとんど無いのではなかろうか。
様々な宗教的感覚と結びついて宗教への信仰心が深まったり、考え方が180°変化したりなど、宇宙空間での体験が個人の内面に与える影響はとても大きなものであることが本書からわかる。特に印象的なのは「宇宙から見た地球には国境のような境界線など存在せず、民族間の戦いや、民族間の考え方の違いなどちっぽけな違いだと思い知らされた」という記述が何度か登場したことである。地球人が宇宙へ進出することで、民族を超えた「地球人」とし -
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・「生きている」状態の定義について、「膜により外部と内部を隔てている」状態とする考え方が面白かった。たしかに死ぬと外部世界との境界がなくなり、腐敗して土に還ることになる。また、この定義を拡張していくと、地球という一つの星も、大気や磁場により宇宙から隔てられているため、ひとつの生命であるとも言える。
・「精神圏(バイオスフィア)」という概念も面白かった。人類の動物とのしての進化(脳機能を含む)は万年単位でそれほどないものの、人類の進化は、知識や技術を種全体として蓄積し、社会的進化というステージに変異しているとのこと。それはやがて種としてのひとつの精神圏を作るだろうというSF的発想だった。しかし、 -
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激しい知的興奮を感じたとても刺激的な一冊!
圧倒的な読書量を誇るお二人だけあって、名著にまつわる対話を聞いているだけで教養が身に付いた気がしてしまいます。
特に第三章「ニセものに騙されないために」と第四章「真の教養は解毒剤になる」は面白かった。
興味深いポイントを何点か列記すると…
・日本人に欠けている最大の教養はゲオポリティクス(地政学)であり、これが分からぬゆえ、大戦中に「欧州の天地は複雑怪奇」ということで総理が辞職してしまう。
・人間のダークサイドに関する情報が現代の教養教育に徹底的に欠けている。虚偽とは何か、詭弁とは何かについて学んでおくべき。
・いざ大変なことが起こると、日本の官僚 -
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2005年の講義を書籍にしたもの。
会話をそのまま文字に起こしたような文体で臨場感がありますが、文中にもあるように、その場でしか伝わらないものもあったのかなと思います。
2005年当時、まだスマホが出る前の講義ですが、すでに谷川俊太郎が
あまりに複雑で巨大すぎて、俯瞰する能力を失うのが怖いというのはちょっとありますね。そのときに俯瞰できる能力は何かというと、それは一種の、実際に生きてきた、一人ひとりの人間の経験による知恵みたいなものではないかと思います。その知恵的なものを信頼していないと、知識的なものをコントロールできないと言えばいいのか、そんな感じがします。知恵はいったいどうやって自分の -
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興味深く読んだ。さすが共産党。異常者の群れであることがよく分かる。著者の考え(思想を取り締まるべきではない。民主国家なんだから行動を取り締まるべき)はそれはそう思うが、しかし自由に革命運動させて全国各地で一斉蜂起されたらどうするの? それからおっとり刀で駆け付けても間に合わない、しかも警察内部や軍部に赤に染まった人間が多数いたら抑えることができるのか? 革命なったら「思想の自由」など消し飛んでしまう。だって国家が『下々の人民を共産主義的人間に再教育』するというのだから。色々な思想の内、共産主義思想はイケナイ、というのと共産主義以外の思想はイケナイ、とは太陽と冥王星ほどの隔たりがある。少なくとも
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環境破壊、地球温暖化そして人口の爆発的増加など人類が立ち向かわざるを得ない問題は数多く存在する。何故なら勢い止まず、このまま将来に渡り継続するなら、いつかは人類の生存環境として存在し得なくなる事は容易に想像がつくからだ。近年昆虫食が静かに身近にも近づいている。虫嫌いな私は当然ショッピングモールなどで開催されるイベントで試食を勧めらても中々手が出ないし、生きている姿を見て食えと言われたら、とてもじゃないが飢え死にした方が良いとさえ思ってしまう。人口の急激な増加は食料不足を引き起こすのは間違いなく、加えてそうした地域は発展途上にある事が多いため、エネルギー不足や工業化に伴う環境汚染を助長する可能性
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実際に宇宙に行った宇宙飛行士のその後を取材したルポ。宇宙飛行士の心境や価値観、神への考え方の変容などが丁寧に書かれている。
ここでは14人の宇宙飛行士がそれぞれの体験を語っているけど、地球軌道を周回した人、宇宙遊泳した人、月の軌道を回った人、そして月の上に立った人でもまた体験は異なっている。ただ、それぞれ異なることを言ってようで、本質的には繋がることを語っているのかなと思ったり。
この本の結びで、著者は宇宙飛行士の意見をまとめようと試みたけど断念したと書いてたけど、その気持ちはわかる。なんか壮大すぎて下手にまとめると間違って伝わりそう。なので、科学に興味ある人はぜひ読んでほしい本ですね。
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宇宙体験をした飛行士が、地球に帰ってきた後、神が隣にいるようだとか、導かれた感覚など、地球ではあり得ない体験をするらしい。ただ、こういう体験をするかどうかはいくつかの条件が揃うことが必要で、単にロケットで飛行するだけでなく、宇宙空間で浮遊したり、地球軌道を外れて月まで到達したり、数分から数十分の考える時間があったり。簡単に言ってしまえば、究極の非日常体験と沈思黙考がトリガーになっているようである。これ、宇宙飛行士でなくても、人が変わるきっかけとしての共通点だと思うので、いろいろ取り入れられるかも。立花隆氏のノンフィクションは本当に面白い。幅広く深い知識を持っているからこそ、鋭いインタビューがで
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今から10年程前、今の夫と出会って二回目にこの本を渡された。彼のポケットから出てきた本だった。この当時、彼はなぜかこの本を何冊か買い、事あるごとに、人に渡していた。
私はちょうどその時、大手企業で寝る間もなく働き、自分のやりたい事など忘れてしまい、なんとなく周りの人間に遜色なく生きることに精一杯で、同時にどこかに違和感を覚えながら苦しんでいたときだった。彼はなんとなく手渡した本だったのかもしれないが、私にとっては人生にとって私という人間が生きる上で何をしたいのかを気付かせてくれる本になったことは間違いない。そして彼もまた、この本と出合ったことで、自身の仕事をリスペクトし、その意義を再確認しなが -
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政治的視点、宗教的視点、ビジネス、科学、感情、、、様々な視点の考え方を一読できて、何度も読み返したい1冊。
感覚として捉えられるのは目の前のものだけであるけれど、
宇宙という(現在分かっている限りで)果てしない空間で実際に感覚として捉えた先人たちのおかげで視点はいくらでも変えられると思った。
同時に、人間はあらゆる体験からその視点の広げ方を得ることができて、だからこそ有神論や宗教が生まれたのだろうなと感じた。
また無神論についてもおなじ。
上には上があり、下には下がある。
何でも限界があるといえばあるし、無いといえば無い。
無限♾️、、、
今持っている語彙でまとめるのが難しい…
ひ