立花隆のレビュー一覧

  • 「戦争」を語る

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    戦争といえばニュースで知るウクライナ戦争やイラン戦争、歴史の教科書の情報しか知らなかったです。
    戦争終結後の食料不足や戦争孤児などの話を見ると心が痛みました。その他、現在ノミやシラミに悩まされないのはこの時代のおかげなんですね。感謝しかないです。
    戦争を生き延びた方々のためにも戦争は絶対起こしてはならないです。

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    2026年09月05日
  • 青春漂流

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    [共感した/手が止まった文章]
    ・恥なしの青春、失敗なしの青春など、青春の名に値しない
    ・いずれも、自分の人生を大胆に選択して生きようとしている男たちである。〜だが少なくとも、自分自身の人生を生きているぞという実感は持っているにちがいない男たちである。
    ・ああ、オレの青春は終わったなと自覚した。それは自分の生き方に対する迷いからふっ切れたことを自覚した時だったと思う。〜自分の生き方を模索している間が青春なのである。
    ・はじめから老成してしまっていて、青春など全く持たない人も、必ずしも珍しくはない。どういうわけか、最近その手の若者が増えているような気がする。肉体は若く、精神は老いぼれた青年である。〜そう言う人の人生は、精神的には墓場まで一直線の人生である。
    ・孔子は「四十にして惑わず」といった。〜迷いと惑いが制すyんの特徴であり特権でもある。それだけに、恥も多く、失敗も多い。〜自分に忠実に、しかも大胆に生きようと思うほど、恥も失敗もより多くなるのが通例である。
    ・また、あらゆる失敗の可能性を忘れている人は、いかに大胆に生きようと、無謀に生きたいというだけである。あらゆる失敗の可能性を見すえつつ大胆に生きた人こそよく青春を生きたというべきだろう。
    ・〜このまま誰にも知られずに死んでしまうのではないかと思ったことも一度ならずある。しかし、不思議なことに、そんなときでも悔恨はなかった。人生がそこで終わったとして、それも仕方がないと、妙にさめたあきらめの気持ちがあった。それまで自分が好きなように生きてきて、ことここにいたったのだという思いがあったからだろう。人生における最大の悔恨は、自分が生きたいように自分の人生を生きなかったときに生じる。〜それが自分の思い通りの選択の結果として招来されたものであれば、満足はできないが、あきらめはつくものである。
    ・しかし、ほんとうの人生論は語るべき対象というよりは、実践すべき対象なのだ。自分の人生を語ることが、論を何も立てなくとも、そっくりそのまま人生論になるような人生

    ・人は変装したつもりでも変装したものになってしまう。それを逃れるためには、一切の変装を拒否しなければならない。ありのままの自分でありつづけなければならない。だが、それは言うは易く、行なうは難い。
    ・〜口先だけで社会を批判したって何も変わらない。それより、どんなに小さくてもよいから、自分たちの手で自分たちがほしいものを作っていく。こうしたいと思うことを自分たちの手で実現する。そういう実践の積み重ねこそが、社会をほんとに変えていくんだと思ったわけです。
    ・なにか、都会の中にいると、自分が追い詰められていくような気がした。〜熱い雑然とした街が冷たい整然とした街に変えられていく。その中で、あの時代の熱さをかかえたまま都会から脱出したいと思ったんです。
    ・「労働の外にユートピアを求めるな。労働の中にユートピアを求めよ」
    ・我慢してやる労働は疎外された労働で、もちろんその中にはユートピアはない。しかし、そうではなくて、遊びのような労働がある。誰かに強いられてするものではなくて、自由に自分の発意でする労働、何かしらの欲求を抑圧しながらする労働ではなく、欲求を満足させるための労働、自分の能力を発見できることに喜びを感じられる労働、そういう遊びか労働かわからないような自由な労働の中にユートピアがあるというんです。

    ・腕が上がれば上がるほど、自分の腕をきびしく見ることができるようになる。
    ・〜ほんの短期間だったが、古川の将来に決定的な影響を与えてしまっていた。
    (・人間、三十歳を過ぎたら、人生の将来設計もたてられずに、職業をあれこれ変えてウロウロすべきではない。しかし三十歳までは人生の試行錯誤期間なのだから、少しウロウロしてみたほうがいいのではないか。
    ・「自分はどうなってもかまわないから、あなたがやりたいことをやってくださいといってくれたんです。男の人が好きなことに打ちこんでいるのを見るのが好きだ。」
    ・「安易にやる方法はいくらでもあるんですが、安易てのがきらいなんです。それに、安易てのは妥協を含むんです。妥協がきらいなんです。」妥協を排した人生は楽ではない。楽ではないが、楽しみは多いという。

    ・「結局、こりゃ、とにかく行かねば駄目だと。これというあてはないけど、行けばなんとかなるだろうと。とにかく行ってみて、行きあたりバッタリ試してみようと思ったわけです。当たってくだけろですね。ぼくはだいたい、人間というのは信念をもってやれば、まず不可能なことはないと思ってるんです。一旦不可能なことでも、一生懸命何か道はないか、どこかに道があるはずだと、信念を持って求めていけば、何でも何とかなるもんですよ。ぼくはいつもそう思って人生を切り抜けてきたんです」

    ・ここで生来の負けん気が頭をもたげた。自分もこの道で一流のプロになりたいと思ったのである。

    ・「石の上にも三年というから、三年だけは我慢してみよう。三年たったらやめよう。こんなところにいても料理なんか覚えられっこない」

    ・「人に教えるとなると、こちらも一生懸命勉強せざるをえませんから、それでずいぶんぼく自身が学びました。」「毎日が新しい発見の連続で、驚きと喜びの日々でした。」

    ・「〜やはり、自分が日本人であることから逃れきれないということではないかと思いますけどね」日本に帰ってきたものの、まだ、経済的には楽ではない。しかし、精神的には充実している。

    ・「〜そんなことをしたら、まだ二十代なのに守りの人生に入ってしまうと思って、思い切ってこれを全部使ってしまおうと決心したんです」

    ・〜通常のコースをフォローする能力に欠けていたから落ちこぼれたのではなく、そうしたくなかったから落ちこぼれたのである。落ちこぼれつつ、自分の情熱をかけるべき対象を追い求めていたのである。そして、それをいったん発見するや、彼らは落ちこぼれ人間から、とてつもない努力家に変身する。それまての彼が落ちこぼれであったとはとても信じられないくらい、精進を重ねて、一つの道をまっしぐらに進む。そしてただ自分と自分の意志と情熱のみを信じて、新しい人生を切り開くのである。

    ・「謎の空白時代」は、空海の青春である。〜「謎の空白時代」は、彼に、自分に対する自信を与えていた。自分に対する自信があったから、空海は自分に賭けた。自分の人生を自分に賭けたのである。未知の大海の中で自分が切り開いていくであろう状況に賭けたのである。

    ・自分の人生を自分に賭けられるようになるまでは、それにふさわしい自分を作るために、自分を鍛えぬくプロセスが必要なのだ。それは必ずしも将来の「船出」を前提としての、意識的な行為ではない。自分が求めるものをどこまで求めようとする強い意志が存在すれば、自然に自分で自分を鍛えていくものなのだ。そしてまた、その求めるとする意志が十分に強ければ、やがて「船出」を決意する日がやってくる。そのとき、その「船出」を無謀な冒険とするか、それとも果敢な冒険とするかは、「謎の空白時代」の蓄積だけが決めることなのだ。

    ・青春とは、やがて来るべき「船出」へ向けての準備がととのえられる「謎の空白時代」なのだ。そこにおいて最も大切なのは、何ものかを「求めんとする意志」である。〜彼を待っているのは、状況に流されていくだけの人生である。



    [読書中の突発メモ]
    ・プロローグが良すぎるな、全部メモしたい。エピローグも同様。
    ・日本の伝統について大学生の頃から想いがあった、今思い出した
    ・マルクーゼ
    ・どこまで本気でやり切れるか。没頭できるか。悔しさを覚えられるか。その本気度とリアルに持ってくる力の強さ。現実になるまで止めない強さが何かしら必要。それを根性と呼ぶのか、負けず嫌いと呼ぶのかわからないが、そのような粘り強さと執念が共有点なのでは。周りなんぞ関係ない。
    ・仕事と生きる方向を揃えるとは何と素晴らしいか。

    ・私は何で負けず嫌いなのか。原動力になるくらいの悔しさを覚えられるのか。要origin回帰。

    ・「石の上にも三年」というが、これまで自分はそこまでの辛い環境にいたことはないな。ただ耐えるだけでも苦しいような。何かしら学びを獲得できる環境としてとても優良なものだった。まだまだ甘いと感じる。もう26歳になるというのに、こんな甘ちゃんで良いのだろうか。時間がない。もっと切り詰めて密度高く人として生き切る日々を送りたい。仕事というものにおいて、散々な苦労をまだ味わってない。感覚的に、学生までと社会人をフェーズとして切り分けすぎているのかもしれない。人生は連続しているのに。

    ・無理矢理にでもアウトプットを出す、場を設定することをしなければ言語化や伝わる形への翻訳など不可。周囲に止められるくらいの狂気性や寝食忘れる夢中を爆発させたい。

    ・快感を覚えること、というのは、向いてることなのかもしれない。今まで理由なく好きなものが本気で好きであるもの、としてコトを探してきたが、追加。情熱をかけられること、も。キーワードは、感激・驚き・発見・喜びとする。

    ・自信を持てる、自分ならなんとか出来るやれる、と思えるコトを見つけたい。もしくは獲得する。

    ・おそらく自分は、学歴社会で、一般的な社会で、どう評価されるかが重要であるという思想が価値観として髄まで叩き込まれている。が、これは必要十分の観点からすると間違っている。あくまでも人生を豊かに生きるための一つの手段であり目的化されるものではない。取捨選択の一部として当たり前に扱われて良いもののはずだ。前提にすべきでない。

    ・この本に登場する方々の人選はどう行ったのだろうか、どうやって見つけたのか。過程が気になる。

    ・人生で自信を持って行動した瞬間などあったか。自分を信じられるまで、これ以上できることはなかったから結果がどうであれ受け止められる。と思えたのは、恐らく高校入試と宝塚受験と記憶障害後の大学受験だけ。あとは人の船に乗ってなあなあに来てしまったように思える。ただ、せっかく記憶を無くして人生が0になったのだから、あの時日本から飛び出して終えばよかったかもしれない。

    ・この本は人生における、特に40になるまでの間のバイブルになるものだと思う。出会えてよかった。とても。



    [徒然草]

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    2026年09月27日
  • ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊

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    ネタバレ

    巨匠立花隆の読書歴は興味深かった。

    ブチハイエナのメスの話しか頭に残ってないけど、
    知の巨匠である。

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    2026年08月16日
  • サピエンスの未来

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    テイヤール ド シャルダンの思想を軸に、人類の進化が物理的進化から精神的進化の領域に達し、さらに、右往左往しなが、オメガ点を迎え、超人間化する未来を描く。進化というと、ダーウィンの進化論のように生物の物理的な進化ばかりに目が行ってしまうが、その果てに生まれたホモサピエンスの精神的進化に言及しているところが秀逸。立花氏は、AI全盛の夜明け前に亡くなってしまったが、現代のAIはサピエンスの進化と捉えるだろうか、退化と捉えるだろうか。

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    2026年08月12日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    宇宙飛行士へのインタビュー集ではあるがその切り口がおもしろく、宇宙飛行体験そのものではなく宇宙飛行後の人生観などへの影響を聞いていくという内容
    インタビュー中の立花隆の質問もなかなか鋭くて良い、率直に自分の感じたことを聞いてるし相手の考えに矛盾を感じればすぐそこを掘り下げるあたりも態度としてある意味真摯だと思う
    一方で自分の考えを本書でそこまで述べていないとも思う、あくまで宇宙飛行士たちの様々な考え(人によって全く正反対の意見や人生観もある)をそのまま載せてそれでも見えてくる宇宙飛行体験による共通する精神的作用を読者たちに汲み取らせようとする姿勢も好き、間違いなく名著

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    2026年08月05日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    宇宙へ行き、帰ってきた後の宇宙飛行士の方々のことを知ることができる貴重な書籍でした。

    大きなことを成し遂げた後、人生をどう生きるか。

    華やかさだけではない、人が生きていくことの深みを感じられた読書体験でした。

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    2026年05月18日
  • いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか

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    哲学的なタイトルであり、本書がカバーする内容は、途轍もなく広いものであると感じた。
    大好きだった筆者の遺作には、自ずと力が入った
    気がする。


    本書は、全部で6章から構成されている。
    人間や死について言及し、人が生きる理由等の
    考察もあり、予想に違わない広範囲な内容を扱っている。

    筆者は、本書のタイトルに付した問いに対しては、あまり多く語っていない印象だ。

    しかし、筆者が遺した地球文明の枠を超えたレベルの思考が必要である旨の記載からも、子孫繁栄のためにも私たちには、未来に向けて脈々と知的財産を含めた地球力を伝承していく義務があると考える。

    それゆえに、一意的に今を生きることを考えたい。


    本書を通じて、今一度自己を見つめ直すことを含めて、根本的な問いに対して考察することができた。

    個人的には、『読書14カ条』が参考になった。

    『注釈を読みとばすな。注釈には、しばしば本文以上の情報が含まれている。』

    身に沁みるこの言葉をいつまでもこの身に刻んで
    おきたい。

    余談だが、約15年前に母校にて特別講義を実施したことを知った。文化系理科系を問わず縦横無尽に活動されていた故立花氏に、ここに改めて敬意を
    表したい。

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    2026年03月31日
  • 臨死体験(下)

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    単行本は上下2冊で1994年刊。いま読んでも、読みごたえがある。
    上巻は臨死体験とはどういうものか。本書、下巻は臨死体験をどう説明するか、こちらが本丸。体外離脱、感覚遮断実験など、そして脳の話が展開する。
    科学的なエビデンスだけからいえば、結論はほぼ予想がつく。しかし、哲学好み・神秘好きの立花隆はそこで躊躇する。聡明であった頃のペンフィールドの脳の刺激実験(臨死体験に似た体験を起こさせる部位の発見)を紹介しておきながら、最後では、晩年の耄碌したペンフィールドの脳≠心の考え方を採用する。一元論から二元論への乗り換え。なにごとも、ミスティカルなものを残しておいたほうがよいという作戦なのか。

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    2026年03月12日
  • 臨死体験(上)

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    単行本は1994年刊。大反響を呼んだNHKスペシャルの立花隆の「臨死体験」がOAされたのは91年3月。その内容をさらに深めて、『文藝春秋』に2年8カ月にわたって連載したのが本書。
    上・下巻、全29章。上巻は、臨死体験とはどういうものか。下巻は、臨死体験をどう説明するか。章の構成が驚くほどよく練られている。
    立花隆はすでに『宇宙からの帰還』や『脳死』といったテーマを扱っていたので、「臨死体験」に行き着いたのは必然。その流れで読むのが自然かもしれない。
    出版から32年後のいま読んでも、圧巻。ルポライターの面目躍如というところ。

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    2026年03月12日
  • いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか

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    見当識。医学用語で、自分の置かれている状況を客観的に正しく把握する能力をいう。
    著者は人間たしての見当識を得たい。と書いている。
    世界の広がりを知る上で、何より大切なのは、人間の多様性について知ることである。フィジカルな存在としての多様性について知ることも大切だが、それ以上にメンタルな存在としての人間の多様性について知ることが最も大事。
    人間は関係性の中にある。
    人間に美徳もあることを否定するものではないが、それと同じだけ悪徳の天性があることを忘れてはなるまい。
    わからなくても良い、がむしゃらであれ。
    動かないことには、心理はつかめない。
    仲間を呼ぶには夢を語ることが必要。
    人の幸せは、やりたいことをやりたいようにやると言う1点に尽きるというのが著者の考え。勝ち負け生きるな。
    二者択一で考えてはいけない。あれかこれかではなく、人がやっている事は、全てあれもこれもなのである。
    非常に刺激される本であった。
    著者が泣き今、やはり本文字に残っているものが強いと思った。

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    2026年01月31日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    宇宙飛行士が宇宙に行った前後で、人間の内面的な部分に関してどのような変化が生じたのかをインタビューを元にまとめた本。宇宙飛行士の内面に迫る本はこの本を除くとほとんど無いのではなかろうか。
    様々な宗教的感覚と結びついて宗教への信仰心が深まったり、考え方が180°変化したりなど、宇宙空間での体験が個人の内面に与える影響はとても大きなものであることが本書からわかる。特に印象的なのは「宇宙から見た地球には国境のような境界線など存在せず、民族間の戦いや、民族間の考え方の違いなどちっぽけな違いだと思い知らされた」という記述が何度か登場したことである。地球人が宇宙へ進出することで、民族を超えた「地球人」としての自覚が生まれる。そんな感覚が生まれるようだ。是非とも我が身で経験してみたいものである。
    一方で、宇宙での経験に限らず、いかなる取り組みにおいてもその経験から何か内面的な変化を起こすためには「暇」が必要なのだなと感じた。本書においては、どの宇宙飛行士も暇な時間に悟りを開くことが多かったようである。どれだけ神秘的な体験をしても「暇」が無ければ内面はあまり変わらない。そんなことも本書から感じられた。
    今までは、他人に「宇宙に行きたいか」と問われた時に、怖いという理由で「行きたくない」と答えてきた。一方でこの本の中で主張されている内面的な変化は是非とも経験してみたいものとして非常に魅力的に感じた。僕のような一般市民でも気軽に宇宙に行けるような時代がいつか来てほしいものである。

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    2025年12月21日
  • サピエンスの未来

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    ・「生きている」状態の定義について、「膜により外部と内部を隔てている」状態とする考え方が面白かった。たしかに死ぬと外部世界との境界がなくなり、腐敗して土に還ることになる。また、この定義を拡張していくと、地球という一つの星も、大気や磁場により宇宙から隔てられているため、ひとつの生命であるとも言える。
    ・「精神圏(バイオスフィア)」という概念も面白かった。人類の動物とのしての進化(脳機能を含む)は万年単位でそれほどないものの、人類の進化は、知識や技術を種全体として蓄積し、社会的進化というステージに変異しているとのこと。それはやがて種としてのひとつの精神圏を作るだろうというSF的発想だった。しかし、昨今の人工知能の爆発的進化のことを思うと、この書の予言通りの未来が進行中なのではないかと思ったりした。
    人類の進化の先に何が待っているのか。ディストピアでないことを祈りたい。

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    2025年10月29日
  • ぼくらの頭脳の鍛え方 必読の教養書400冊

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    激しい知的興奮を感じたとても刺激的な一冊!
    圧倒的な読書量を誇るお二人だけあって、名著にまつわる対話を聞いているだけで教養が身に付いた気がしてしまいます。
    特に第三章「ニセものに騙されないために」と第四章「真の教養は解毒剤になる」は面白かった。
    興味深いポイントを何点か列記すると…

    ・日本人に欠けている最大の教養はゲオポリティクス(地政学)であり、これが分からぬゆえ、大戦中に「欧州の天地は複雑怪奇」ということで総理が辞職してしまう。
    ・人間のダークサイドに関する情報が現代の教養教育に徹底的に欠けている。虚偽とは何か、詭弁とは何かについて学んでおくべき。
    ・いざ大変なことが起こると、日本の官僚組織では、ただ「うまくやれ」というとんでもない指示が上から来る。最終的に失敗したら、「何できちんと報告しないんだ」と部下に責任を押しつける。
    ・ニセ科学の破壊力はかつてないほど大きくなっている。検証すべき情報が厖大であると、とりあえず識者が言っていることを事実として受け止めてしまう。テレビのコメンテーターが説明していることを確かだろうと受け入れる。これが怖い。
    ・教養の定義は「人間活動全般を含むこの世界の全体像についての幅の広い知識」というようなことになる。
    などなど…

    お二人は200冊ずつ計400冊を本書の中で紹介していますが、単なるブックガイドにとどまらず、読み物としてもとても深い内容の一冊でした。
    脳に刺激の欲しい方に強くオススメします。

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    2025年09月09日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    素晴らしい読書体験。
    地球人。宇宙ホタル。
    地球上での国家間の領土争いや宗教間のイデオロギーの対立の無意味さ、馬鹿馬鹿しさ、滑稽さ。
    グローバル化とダイバーシティのジレンマ。種としての弱体化。
    人間は変われるのだろうか?

    2025.3.12

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    2025年03月12日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    知的好奇心をくすぐりまくる内容!宇宙飛行士たちの語り口から、宇宙体験の興奮がビシビシと伝わってくる。宇宙に行ってみたいと本当に思わせてくれる本。めちゃくちゃ好きでした。

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    2024年12月20日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    良い本を読んだ後は余韻が響いて暫く何も読みたくなくなる感じに襲われる。そんな本だった。めちゃくちゃ好き。

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    2024年08月31日
  • 読む力・聴く力

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    2005年の講義を書籍にしたもの。
    会話をそのまま文字に起こしたような文体で臨場感がありますが、文中にもあるように、その場でしか伝わらないものもあったのかなと思います。

    2005年当時、まだスマホが出る前の講義ですが、すでに谷川俊太郎が

    あまりに複雑で巨大すぎて、俯瞰する能力を失うのが怖いというのはちょっとありますね。そのときに俯瞰できる能力は何かというと、それは一種の、実際に生きてきた、一人ひとりの人間の経験による知恵みたいなものではないかと思います。その知恵的なものを信頼していないと、知識的なものをコントロールできないと言えばいいのか、そんな感じがします。知恵はいったいどうやって自分の中で育んでいけるのかということは結構大きな問題としてあると思います。(谷川俊太郎)

    というように、インターネットを介しての情報の氾濫について、個人のリテラシーが問われるというような警鐘を鳴らしています。

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    2024年07月06日
  • 日本共産党の研究(一)

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    興味深く読んだ。さすが共産党。異常者の群れであることがよく分かる。著者の考え(思想を取り締まるべきではない。民主国家なんだから行動を取り締まるべき)はそれはそう思うが、しかし自由に革命運動させて全国各地で一斉蜂起されたらどうするの? それからおっとり刀で駆け付けても間に合わない、しかも警察内部や軍部に赤に染まった人間が多数いたら抑えることができるのか? 革命なったら「思想の自由」など消し飛んでしまう。だって国家が『下々の人民を共産主義的人間に再教育』するというのだから。色々な思想の内、共産主義思想はイケナイ、というのと共産主義以外の思想はイケナイ、とは太陽と冥王星ほどの隔たりがある。少なくとも監視対象とすべき思想だと思う。オウムと何ら違いはない。

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    2024年06月27日
  • 新装版 思考の技術 エコロジー的発想のすすめ

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    環境破壊、地球温暖化そして人口の爆発的増加など人類が立ち向かわざるを得ない問題は数多く存在する。何故なら勢い止まず、このまま将来に渡り継続するなら、いつかは人類の生存環境として存在し得なくなる事は容易に想像がつくからだ。近年昆虫食が静かに身近にも近づいている。虫嫌いな私は当然ショッピングモールなどで開催されるイベントで試食を勧めらても中々手が出ないし、生きている姿を見て食えと言われたら、とてもじゃないが飢え死にした方が良いとさえ思ってしまう。人口の急激な増加は食料不足を引き起こすのは間違いなく、加えてそうした地域は発展途上にある事が多いため、エネルギー不足や工業化に伴う環境汚染を助長する可能性も高い。益々地球は温暖化し、南北両極上空のオゾン層破壊により、皮膚がんの増加なども引き起こす。近年、持続可能な開発目標を立てて環境を守ることを高々に宣言した世界であるが、こうした団結が生まれてくるあたり、いよいよ地球の危機も目前に迫ってきた事を証明しているかのようだ。
    本書は1970年ごろの著者立花隆氏の処女作であるから、ゆうに50年以上前のものではあるが、既に現在の地球規模的課題を先読みしたかの如く、想定したリスクはほぼ現実のもとなっている。当時はまだまだ日本が急激な成長を続けている最中であり、社会は大きく変異していたであろうから、その中に違和感を見出して将来に向けて警鐘を鳴らした様に思える。人類よ自分たちだけが地球を棲家にしているのではない、と言う声が聞こえてくる様だ。立花氏はその様な状況に於いて、人々が地球と共存し、深い関係性の中にいる事にもっと目を向けて考えよ、といってくれている。人間の存在や営みは地球上の凡ゆる生物の活動と関係があり、人類がひとたび自分たちの利益のみを優先しようとするなら、それは関係性を部分的に破壊し、結果的に自分達へのしっぺ返しとして戻ってくる。地球上の食物連鎖も、植物の光合成も、宇宙線から我々を守る大気の存在も、それら全てが微妙かつ複雑に絡み合う事で、今の地球がある。それぞれの持つサブシステム同士が接続され地球というトータルシステムが成り立っているのだ。
    生態学を考える時、この凡ゆるものの関係性を少しずつ調査解明していく手段が用いられるが、科学物理の様な明確な解は見当たらない。何故なら地球上には我々人類が到達できていない地、発見されていない生物種、この瞬間にも環境変化にうまく対応し進化を遂げる新たな種が生まれている可能性さえある。だからあくまで知り得た知識の中から、より関係性の深い事象を並べ繋ぎ合わせていく事で、新たな解を作り上げる。この流れは普段我々が何か事を起こそうとした時、成し遂げようとした時に自然と頭の中で実施している思考の技術に近い。筆者は更に関係性を維持していくためには、この複雑に絡み合う生態系を維持する事をメインに据えて思考すべきと訴えているようだ。過剰・極端が生み出す人々の行為は前述の様な生態系の破壊や、現代の地球課題の多くに繋がっていくのではないだろうか。
    一方ではモノが溢れ手に入れては棄てる事を繰り返す先進国。その一方で1日1ドル以下で生活せざるを得ない貧困国。戦争とは無関係にソファに寝転がってスマホゲームに興じる人々。ミサイルの爆風に窓ガラスが吹き飛ばされ、身体中に傷を負いながら寒さに震える戦禍の人々。人類の間でさえ関係性を希薄なものに置き換えてしまう思考回路。自分さえ良ければ良いと言った考え方は、やがて自分達の首を強く締め上げる事になりそうだ。そうなる前に氏曰くエコロジー的発想で物事を思考していく技術を身につけ、それを磨き続けることが重要だ。

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    2024年06月09日
  • 新装版 思考の技術 エコロジー的発想のすすめ

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    立花隆氏の処女作。
    文系理系関係なく、上流から下流まで大局的な視点で物事を捉える事の大切さを感じさせる。

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    2024年05月03日