立花隆のレビュー一覧
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"立花隆さんと佐藤優さんの「必読の教養書」、ブックガイドです。文藝春秋でも掲載されていたものを新書化したもの。この二人のインプット量が半端ではない。世の中をいろいろな視点から見つめて自ら考え続けるためには、こんな本を読んできたという体験談ともいえる。付録として立花隆さんの実践で役立つ14条というものがあるので、抜粋しておく。
1.金を惜しまず本を買え。本が高くなったといわれるが、基本的には本は安い。一冊の本に含まれている情報を他の手段で入手しようと思ったら、その何十倍、何百倍のコストがかかる。
2.一つのテーマについて、一冊の本で満足せず、必ず類書を何冊か求めよ。類書を読んでみてはじ -
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上下2段組、あとがきを含めると781頁もの大著であるが、いささかもそのボリュームを感じさせないのは、偏に立花隆のインタビュアーとしての卓越した手腕と、それを少しでも多くの読者に知ってもらおうとする彼の筆力に負うこと大である。
武満徹自身が著した著作も含めて、武満徹という人間と、その作曲・創造の原点に迫るものは、この著作の前にすべて色褪せてしまうのではないか。それほどに、この著作は武満徹の人となり、そしてその作曲への姿勢・その根底に流れるコンセプトに迫ろうとしている。
何より、武満徹が自らにストイックとも呼ぶべき厳しい自己規制を課しつつ作曲に向かい合っていたということが心を打つ。それは、武満が専 -
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[下部構造の暴露]主に戦前の日本共産党の歴史を、一次資料や関係者への証言を基に記した作品。その圧倒的な情報量と共産党の組織体制への批判から、特に70年代の中盤から後半にかけ、論壇をはじめとして右派・左派両方からの大反響をもたらし、第1回講談社ノンフィクション賞を受賞した作品です。著者は、『田中角栄記録』でも政界に鋭く切り込んでいった立花隆。
当時の思想的展開やイデオロギーではなく、人物や事件を中心として描かれているため、教科書からはどうしても落ちてしまう昭和の一側面を知る上で、今日的にも十二分に有益な作品かと思います。タイトルにあるように日本共産党のことを知ることができるだけでなく、その組 -
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久し振りに、あまりの内容の濃さに感動を覚えた本。やっぱり立花隆さんってすごい。こう濃厚なことを、音楽専門の研究者ではない人が書けるってすごい。アクティブな脳細胞の個数の桁が凡人とは違うのか? 4000円もする分厚い本(781ページ)だけど、1ページ当たりの情報の濃度もかなりのものだと思う。
武満徹の音楽について、そして現代音楽について、いろいろこの本で初めてリアルに"当時を生きていた人の実感"(肌感覚)として理解できる部分がたくさんある。結局のところ、こういう背景を知らないと楽しめないのが「ゲンダイ音楽」、なのかもしれないなぁ。
武満徹の何がすごいのか今ひとつわからない -
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単行本化されたこのインタビューは『文學界』に連載されていたときの強烈なインパクトは薄れたが、そのかわりに分りやすくなっているように思うのは、気のせいなのだろうか。いずれにしても微妙なテクスチャーにきわめて敏感で、それにとことんこだわる立花隆氏であるからこそ、音を削りに削って無音のなかに音を聴かせようとする作曲家武満徹からこれだけの細部にわたる話が引き出せたのだろう。
武満徹が悪戦苦闘してデビューし、<音楽以前>という酷評を浴びせられた時代は大ヒットした映画<Always 三丁目の夕日>の時代であり、またグレン・グールドが大旋風を巻き起こしていた時代でもあることを思うと、50年代、60年代と -
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いゃあ 読んでいる間 ずっと大興奮でしたね
武満さんの歩んで来られた一歩一歩が実に緻密に
再現されていることに驚きます
「聞き書き」という手法ならではの労作ですね
770ページを超える厚さ、しかも二段組み。
それが、残り少なくなっていくのが惜しいと思うのですから…
友人の琵琶奏者から「ノヴェンバー・ステップス」のことと
谷川さんの「死んだ男の残したモノは」の歌ぐらいのこと
ぐらいしか武満さんに関してのことは知りませんでした
「音楽」はやはりとてつもなく奥が深く、宇宙規模での
広がりを持つものだということを
武満徹さんという一人の稀有な音楽家を通して
さ再認識させてもらえました -
Posted by ブクログ
新聞の書評欄を読み、買い求める。帯に没後二十年とある。もうそんなになるのか。
「僕はこんな本を読んできた」で読んだと記憶するが、著者は作曲した作品を楽譜に書き上げ、友人を驚かせたエピソードがあった。音楽の才能という訳でなく、あくまで作曲の技法を習得しただけとあったが。そんな著者だからこそ、武満音楽の深くまで聞き進めていけたと思う。長期に至るインタビューの追加取材を重ね、家族や周囲への裏付け取材に当時の記録まで漁り、この稀有な作曲者の秘密に迫っている。
例えば、十二音技法は本やレコードやのCDのライナーノーツには全ての音を等価に扱う技法とある。素人にはさっぱり判らない。本書では、数学的にテク -
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がんの発生や転移の仕組みや治療についての詳しくわかりやすい説明の本でした。
がんの浸潤と転移は、マクロファージの役割の1つである傷口修復と同じプログラムで行われていること、また受精卵の胚の中にある、ある部分から別の部分に正常な細胞が移動できるようにする遺伝子とがんの転移の原因となる遺伝子は同じだそうです。
となると、がんを命をおびやかす「憎い相手、手強い相手」とかんがえるより、私たちが誕生⇒成長⇒老化とたどっていく通常の生命現象の1つと考えたほうが自然なのではないかと思いました。
ザリガニのハサミや足を切ると同じものが再生するそうだが、何回も何回も切ると最後は同じものが再生せずに、例えばヒゲと