立花隆のレビュー一覧
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がんの発生や転移の仕組みや治療についての詳しくわかりやすい説明の本でした。
がんの浸潤と転移は、マクロファージの役割の1つである傷口修復と同じプログラムで行われていること、また受精卵の胚の中にある、ある部分から別の部分に正常な細胞が移動できるようにする遺伝子とがんの転移の原因となる遺伝子は同じだそうです。
となると、がんを命をおびやかす「憎い相手、手強い相手」とかんがえるより、私たちが誕生⇒成長⇒老化とたどっていく通常の生命現象の1つと考えたほうが自然なのではないかと思いました。
ザリガニのハサミや足を切ると同じものが再生するそうだが、何回も何回も切ると最後は同じものが再生せずに、例えばヒゲとかそういう違うものが再生する、ということを何かで読んだことがある。
がんも同じようなものではないだろうか?
修復プログラムがカバーできないことが長期間続くとがん化してしまうのかもしれない。
人から聞いた話だが、
がんの手術が終わり「がんがなくなりましたよ」と医者に言われた人が「これで元の生活に戻れますね」と言ったら、「元の生活をしたらまたがんになりますよ」と医者に言われたそうだ。
確かに! -
Posted by ブクログ
ネタバレ河合栄治郎、矢内原忠雄、大内兵衛、土方成美ら東大経済の俊英たちが、昭和10年代に次々に東大を去り、東大経済が崩壊の危機にあった時代! 東大に対するイメージが随分目が開かれたように思います。京大の滝川事件に相当する大学自治を巡る政府との衝突はむしろ東大の方が多そうです。法学部においても美濃部達吉、蝋山政道、田中耕太郎、南原繁らの系譜は凄いです。田中耕太郎が平賀譲軍艦総長の右腕として河合栄治郎処分の黒幕として活躍したという話しは意外でややがっかりでしたが。そして戦後、南原総長がフィヒテの「ドイツ国民に告ぐ」に匹敵する東大での演説が国民全てにとって明るい希望になった!一方、文学部の皇国史観の権威・平泉澄を初めとした日本、軍部を煽った学者たちも多くいた事には残念です。立花が最後に近いところで、「国民は騙されていたわけではなく、今の時代の我々が想像する以上に軍国主義的な考え方を心から信じていた」という言葉は確かに重いものがあります。北朝鮮を笑うことはできないですし、日本の現在の方向を示唆しています。
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Posted by ブクログ
ネタバレ題名とは内容が少し乖離しているようです。明治に東大が誕生した経緯、私学の雄として発足した兄貴分・慶応、そして東大の分家とも言うべき経緯の早稲田との関係。一橋だけでけではなく、全国の高商に頭が上がらなかった東大経済学部。大学が法学部を中心として発達してきた歴史も面白いです。東大の場合には経済は法⇒文⇒法と移った後、独立したというのは面白いです。そして、日露戦争のときの7博士の征露強硬論、特に戸水寛人教授の荒唐無稽ともいうべきバイカル進撃論など、それが政府の干渉により教授休職に追い込まれたときが最初の学問の自治の経緯であったというのも、今にして思えば皮肉を感じます。強硬論へ日本を煽るのは昨今の情勢も全く同じ危険を感じるからです。京大にも詳しく、沢柳総長による7教授首切り事件、河上肇の共産党との関係などは新鮮でした。大学制度が発足して僅かの間に教授会の自治などの考えが確立していたことも驚きです。そして美濃部達吉、森戸辰男などへの迫害を経て、日本が右傾化していき、東大にも右翼学生が跋扈する時代の記述が圧倒的になります。血盟団事件へ到る経緯が詳しいです。ここら辺りになると、昭和史そのものですね。なんと782頁の大作で、著者のバイタリティには感心します。