立花隆のレビュー一覧

  • 臨死体験(上)

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    私は、『臨死体験研究読本―脳内幻覚説を徹底検証』を書くにあたって立花隆氏のこの本から、とくにその豊富なデータから多くを学んだ。その意味で、この本 が出版されていなければ、私自身が自分の研究をまとめることができたかどうか疑 わしいと思うほどだ。

    立花氏の本を読んで何よりも感銘を受けたのは、「脳内現象」説にも「死後生命」 説にも偏らず、ジャーナリストの目で両者の説をあくまでも公平に、事実に即して 徹底的に追っていく姿勢だった。多くの研究者は、どちらかの説に傾いて、その立場に有利な事実や理論を集めて、不利な事実や理論は無視したり歪めたりする。こ れは人間の性(さが)だろう。  

    しかし立花氏のこ

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    2009年10月04日
  • 東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論

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    文字通り東大生(特に法学部生)を「バカ」だと言い切る著者。では何を持って「バカ」だと断じているのか。それは「教養がないから」だと言う。では「教養」とは何なのか、そしてなぜ「教養」と身につけなければいけないのか。現代社会を生きていくために必要な能力は、試験問題のように与えられた課題にこなすことではない。自分で問題を発見し、自分で調べ、自分で表現・発信する力が必要なのだ。単に東大法学部を叩いて面白がっている本ではない。これは日本式受験勉強に染まった我々全員に当てはまることなのだ。知的亡国論を唱え、日本の将来を真剣に憂える筆者渾身の「教養論」。まずは「調べて・書く」ことから始めよう。

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    2009年10月04日
  • 東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論

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    100冊目の更新が終わったので今の自分に大きな影響を与えた1冊を。いわゆるターニングポイントになった出会いです。

    大学入試が終わった2004年3月の春休みにふと本屋でタイトルに惹かれて買ったのが本書でした。当時は立花隆さんがどんな人かも知りませんでした。

    読んで驚いたのは今、教養というものが大学の場から崩壊しているだけでなく人々からも失われつつあるということ。そして自分がいかにものを知らずにここまで来たのかということを思い知ることになりました。立花さんは教養というのを次世代に受け継いでいくべき知の総体という風に定義していました。

    この本は自体は2001年に単行本としてだされていたの

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    2009年10月04日
  • 解読「地獄の黙示録」

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    すごい、の一言です。名前通り、コッポラ監督の「地獄の黙示録」の解説本です。これを読んでやっとどんな映画なのかが分かった。それくらい「地獄の黙示録」という難解な映画を、主人公のセリフや、翻訳の仕方まで細かく分かりやすく解説しています。やっぱり立花さんはすごい人。

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    2009年10月04日
  • ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊

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     立花さんが、入社してから現在までに読んだ本を大量に紹介している本。しかも凄く読みやすい。この中に自分が読みたい本が必ず見つかるはず。
     ノンフィクションしか読まないという著者。私も殆どがノンフィクション中心なので、その点は共通している。しかし違う点は、私は千円台の本に対して、本書で紹介している本は三千円台の本が殆どを占めている。
     はやりこれからは、内容のあるきちんとした本を読み、知恵をつけなくてはいけないと感じた。この本をきっかけに、私が読む本の方向性が少し変わってくるのではないか。いやそうなりたい。

    本書の中で、まず読んでみたいと思った本は、
     ・『ヒトラー・コード』
     ・『

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    2009年10月04日
  • 東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論

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    東大なんて私には足元にも及びませんが、その東大生(特に法学部生)が無教養なバカになっていると立花氏は指摘します。自分から自発的に学べない詰め込み秀才はいつの時代も少数派だったが、現在ではそのような人間が多数派になっている、教養がなくては近視眼的なものの見方しかできなくなる。と、この国のゆく末を憂います。「教養というものは、別にひけらかさなくても、その有無が、ほんのちょっとした発言とか会話のレスポンス、日常の何気ない行動などの中に自然ににじみ出すようにしてあらわれてしまうものなのである。…教養は付け焼刃で身につけることはできないということを文科?類生は肝に銘じて欲しい。それは学校の成績にも、国家

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    2009年10月04日
  • 中核VS革マル(上)

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    おばちゃん顔だよね、立花隆って。大学にいた90年代中ごろ。世の中では学生運動とか極左とかもう昔の話になっていた。でも私がいた大学は革マル派の総本山だった。未だにこんなことやっている人がいるんだなあと思って彼らのことを見ていたが、ちょっと興味があって読んでみたのがこの本。日本の極左を二分する中核派と革マル派、それぞれの思想・主張がよく整理されていて分かりやすい。マルクス・レーニン主義が如何にして暴力の是認、果ては内ゲバに発展したのか非常によく分かる。極左ウォッチャー必読の書。

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    2009年10月04日
  • 立花隆 最後に語り伝えたいこと 大江健三郎との対話と長崎大学の講演

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    立花隆が亡くなってから編集された本。長崎に生まれた著者は戦争の恐ろしさを身をもって実感しており、また大江健三郎は中国からの引揚げ者であり、同様の体験をしている二人には通じ合うものがあった。
    保阪正康の解説も良かった。

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    2024年06月22日
  • 立花隆 最後に語り伝えたいこと 大江健三郎との対話と長崎大学の講演

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    2015年に行われた長崎大学の講演と作家、大江健三郎氏との1992年の対談を再構成した本。
    前半は、被爆者、核の脅威について。これからこの体験をどう伝えていくか、自分の経験も含めて語る。後半は、大江健三郎氏との対話。約30年前のソ連崩壊の頃の対談だが、その後の環境問題や人口減、移民、格差の問題、戦争の話について語っており、2人の先見の明を感じた。
    立花隆は、若者に対して、有効性を求めすぎてはいけないこと(コスパ,タイパの風潮)、大衆運動は99.9%は負け戦なのだから負け続けること、継続こそ力であり、自分の意思を持ち続けることが大事という。またメディアに対しては、視覚メディアと言語メディアでは性

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    2024年05月22日
  • 自分史の書き方

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    ・自分史の"書き方"というよりは自分史の"すすめ"だと思った。実際に書かれた自分史を覗きながら、その魅力を立花氏の視点から語られている。こういった記録は読者である第三者としては、一つの歴史小説として読めて面白いと感じた。

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    2024年05月12日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    40年以上前に書かれたものが、形を変え版を重ね今に読み続けられている良書。
    当時より宇宙は身近になっているものの、古さを感じないのは素晴らしい。
    宇宙飛行士を目指す人は皆読んでいるというが、宇宙に行くことが宇宙飛行士にとってその人生を一変させるほどのインパクトを持っていることがよくわかる。神を感じるなどはアメリカ人の宗教観にも沿ったものだろう。

    人間が宇宙で生きていけないのは、気圧がないためという事は初めて知ることができた。宇宙服が与圧のためということで高額になるのはとても理解できる。宇宙を知る意味でとても参考になる。

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    2024年03月28日
  • 日本共産党の研究(二)

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     第二巻では、1930年代以降の活動に焦点を当てる。この時期、共産党にとって大打撃を受けたことがいくつかある。そのうちの一つが、党の主軸にスパイがいたことである。スパイMと呼ばれた男は、当時の共産党にとって、活動を続けるのに必要不可欠な存在であった。ところが、実際は警察側の人物であった。スパイは信頼と裏切りの連続で、通常の人間にとって精神的に耐えきれないが、スパイMは強靭なメンタルを備えたためか、両方の活動を難なくこなした。それ故に、この人物は日本共産党の歴史を語るうえで避けて通れない。
     また、佐野学と鍋山貞親の転向も党にとって衝撃を与えた。佐野は親鸞を、鍋山中世の武士の思想に関心を持つよう

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    2024年02月17日
  • 日本共産党の研究(三)

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     最終巻では、リンチ共産党事件から党壊滅および軍部独裁の時代まで、またリンチ事件と復権問題に関する付録と資料が収録されている。第二巻の終わりで、佐野学と鍋山貞親、さらに河上肇が転向したことに触れた。それだけではない。スパイMをきっかけにスパイ査問が広がり、体制側による大量検挙、党にまつわるスキャンダルと、立て続けに打撃を与えた。これらの原因が合わさったことで、組織の足場を失ってしまい、これまでのような党の再建は厳しくなった。この頃まで、人民戦線運動が活発であったが、1936年〜38年に共産党系、労農系ともに、弾圧されてしまう。これにより、ファシズム体制が形成される。それ以降は第2次世界大戦が終

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    2024年02月17日
  • 日本共産党の研究(一)

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     現存の政党で唯一、戦前から存在する日本共産党。日本で全体主義が台頭した時代、最後まで戦争に反対した政党と言われるが、本書は、そんな長い歴史を誇る政党の結成から戦後の日本共産党のあり方を考察する。
     共産党の核となるのが、マルクス・レーニン主義(正統派)で、さらに分かれて教条主義と修正主義がある。共産党側としては教条主義が絶対で、修正派は党の規約に反すると見なす(修正派は社会民主党へと流れた)。著者は、この規約というのが共産党の特異性だという。レーニン主義の要素、すなわち暴力革命、プロレタリアート独裁、民主集中制の3つのうち、民主集中制が特に重要である。これは、民主主義と中央集権が合わさった体

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    2024年02月17日
  • サピエンスの未来

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    この本で書かれている進化についての考え方は、初めて知りました。とても興味深く読めました。
    そして、この本が1996年の大学の講義録であることやその考え方を提示したテイヤール・ドシャルダンが20世紀前半の人であることに驚きました。

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    2023年10月28日
  • 宇宙からの帰還 新版

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    宇宙空間にある地球、その中の生命体としての人間の存在。それを体験・実感出来るのは勿論宇宙に行った人だけだ。その頃迄に地球外に行った宇宙飛行士から詳しくインタビューをした作品で、とても面白かった。神の存在や精神活動の変化等、興味深い事ばかり。
    また、この本を読んで実際宇宙飛行士を目指すきっかけを与えているというのも素晴らしい。
    細かく読み解けばその度に深さを増すだろう。

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    2023年05月20日
  • 東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義

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    立花隆は21年4月に逝去。享年80歳。タイトルに最終講義とあるが、死期迫るタイミングでの著作。死についても心情を吐露するが、弱音を吐かない所は本音なのかよく分からない。あとがきに編集者。もう一度お目にかかってお礼が言いたいと。人間の知の力とは何なのかと、知の巨人に思う。好きなところに出かけ気になる事を掘り下げる立花イズム。死はこれまでの経験から想定される範囲の出来事として始まり、終わるはずだと。

    死について。好奇心との向き合い方。考えることについて。本は100冊読んで初めて1冊簡単な書を書けるが、読むに値する本を1冊書くには1000冊は読む必要がある。剽窃を防ぐにも既存の知識を把握する必要が

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    2023年05月18日
  • 青春漂流

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    ちょっと特異なキャリアの方ばかりに紹介が偏っていると思う。普通のサラリーマンにだって何かに悩みながら挑戦して道を切り拓いている人がたくさんいると思った。
    けど、紹介されている方々の挑戦事例はどれもエネルギーに満ちていて、自分も頑張ってみようと思わせてもらえた。1988年?に書かれた本だから、紹介されている方々のその後や現在はどうなのだろうと調べる楽しさがあるのも良かった。
    著者のこと、まだよく存じ上げないが、おそらく「青春」関連が主戦場の人ではなさそう。なぜこの本を著そうとされたのかについても興味を持った。

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    2023年04月25日
  • いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか

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    頭の良い人の代表のような意味で「知の巨人」と思っていたが、もの凄い知的好奇心、探究心ゆえに知の巨人と言われていると理解を改めた。
    橘氏の過去の著作のダイジェストと言う感じに編集されており、価値があると感じている。
    橘氏の知的探究心は、人間とは何か、死とは何か、そしてやがて死ぬのに何のために生きるのかという問いに向かい、多方面に行動、思索している。
    特に死についての考察は深く考えさせられるものがある。死は恐ろしいと感じるのはなぜか、我々が漫然と考えている不安を「自分が消える不安」「苦痛への不安」「死後の世界の不安」に分類。特に死んだらどうなるのかわからない不安に対して、橘氏自身考えだしたら止まら

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    2023年04月07日
  • いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか

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    果てしない知識の海を漂うような読後感。いくら考えても答えのないテーマであるからこそ興味が湧き立つ。知の巨人、立花隆さんのお話を直に聴いているような、そんな贅沢な読書時間でした。

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    2023年04月02日