【感想・ネタバレ】立花隆 最後に語り伝えたいこと 大江健三郎との対話と長崎大学の講演のレビュー

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ネタバレ

核兵器を禁止すべき理由が書いてある。なるほど、そういうことだったのかと思った。大陸からの引揚げのことも、こういう視点があるのだということを教えられた。巻末の保阪さんの解説もよかった。

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2022年02月16日

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本書の巻頭の前書きは、菊入直代(立花隆の実妹)が書いている。

本書で一番読みたかったのは、実は保阪正康の解説だった。
時代に生き、万象の深部を見る と題されている。

文字通りの追悼文だ。

立花隆の追悼番組にこの人が出演していて、的確な話をしていたので関心を持っていた。

左翼の論客的なイメージだったのだが、少し違っていた。

保阪あるいは保坂という別人(いるとして)と混同していたのかもしれない。

でこの解説文を読んでこの人の立花隆、更には立花隆の一族についての考えが理解できたので、良かったと思う。

本編に関しては、ウクライナがロシアに侵攻されている現実を見て、2022年3月12日現在、とても読む気にはなれない。

現実は動いている。

参考

女は戦争の顔をしていない

の作者は、両親がそれぞれウクライナとベラルーシの出身だそうだ。
彼女は現状をどう見ているのだろうか。

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2022年03月12日

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今年亡くなった立花隆、若い頃から田中角栄研究で、センセーショナルを起こしたジャーナリストの作品、かなり刺激されて読んだ。
一族も知性的で、思考が深い人々だと読んでわかった。
読みごたえのある作品を次々と上梓し、精力的に生きた人。意志的に生きる、かなり難しいことを
問われた内容だった。

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2021年09月28日

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2021.4.30に永眠された立花隆さん。彼の戦争の記憶を後世に引き継ぐという思い、大江健三郎さんとの対談での、環境問題、核拡散など地球規模での危機についての警笛が主に著されている。(保阪正康さんによりまとめられている。
「赤い屍体、黒い屍体」という話が印象的だった。赤い屍体は、満州引き上げの際、満洲人により皮を引き裂かれ真っ赤になった日本人の死体。黒い屍体とは、原爆により黒焦げになり亡くなった日本人の死体。前者は加害者として、後者は被害者としての視点。
日本人は黒い屍体(被害者)としての視点で戦争を語りがち。しかし、赤い屍体として戦争を語らないと、真の反戦運動にはならない。
もう一点、大江さんとの対談は、1991年に行われたもの。その際に語られた環境問題について、今も同じことを問題視して、何も対策を講じていない(進展がない)ということが、この問題の難しさなのか、取り組む姿勢が低いからなのか・・・。彼のやり残したことは多々あると思う。それは彼の残した課題なのかもしれない。

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2021年09月13日

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戦争について深い。
加害者被害者では終わらない。絡み合う話。
赤い死体と黒い死体
抑圧された者からの暴力。引き揚げの悲哀。

吉田茂の自問 小倉和夫
シベリア鎮魂歌 立花隆
ヒロシマ・モナムール マルグリッド デュラス

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2024年04月01日

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本書の「まえがき」にあたる部分を、立花隆の実の妹である菊入直代さんという方が書かれている。それによると、本書の発行意図は下記の通りである。
【引用】
2021年4月30日に兄・立花隆が亡くなり、80日あまりが経った。
本書は、時代を担う人々に、兄がどうしても伝えたいと切望したラストメッセージを、講演録や対談など書籍未収録だった「肉声」を中心に編んだものである。
【引用終わり】
そして、具体的な中身としては、第一部は、立花隆が2015年1月に長崎大学で行った講演「被爆者なき時代に向けて」を中心に構成されており、第二部は大江健三郎との2日にわたる対談を中心に構成されている。さらに、最後に保坂正康が追悼的な文章を書いている。

第一部・第二部で語られているテーマは、核兵器・戦争・地球環境などといった問題である。それを、立花隆は、「現在」「将来」の問題として、提起している。メッセージは、若い世代に向けたもの。
立花隆は、数多くのテーマを著作にしているが、若い世代に伝えたかったことの中心は、こういうことだったのか、と理解した。

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2024年03月15日

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