【感想・ネタバレ】中核VS革マル(上)のレビュー

あらすじ

血で血を洗う殺戮戦争を続ける学生や労働者たち。その覆面の下には、どんな素顔が隠されていたのか。高い理想と正義感から生まれたはずの"革命"運動が、両党派間の内ゲバ殺人に転化していった悲惨な歴史の逆説。いま困難な時代の転換期にあって、先行世代の軌跡を見詰めなおす綿密なドキュメント。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

おばちゃん顔だよね、立花隆って。大学にいた90年代中ごろ。世の中では学生運動とか極左とかもう昔の話になっていた。でも私がいた大学は革マル派の総本山だった。未だにこんなことやっている人がいるんだなあと思って彼らのことを見ていたが、ちょっと興味があって読んでみたのがこの本。日本の極左を二分する中核派と革マル派、それぞれの思想・主張がよく整理されていて分かりやすい。マルクス・レーニン主義が如何にして暴力の是認、果ては内ゲバに発展したのか非常によく分かる。極左ウォッチャー必読の書。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

彼らによりすぎ/批判的すぎる立場の記述が多すぎて、70年代の壮絶なまでの内ゲバの正体はなかなか見えてこない。連合赤軍に比べて、関連書籍も明らかに少ない。

そんな中、歴史的経緯を踏まえ、情報を精査し、極めて客観的な視点で革マル•中核派の歴史を素描する本著は他に類を見ない優れた歴史書であり、彼らの正体を捉える上でこれ以上の記述はないのではないかと思う。

なぜ「革命」という一点では同じなはずの彼らが血で血を洗う構想に辿り着くのか。
不可避であったようにも、避けられたようにも思う絶妙なところを突き進み続ける力学に、社会活動を志す自分も自己批判を強いられる。

0
2022年05月29日

Posted by ブクログ

新左翼のなかで、たがいに激しく対立して凄惨な内ゲバをくり返した「中核派」と「革マル派」についてのレポートです。

両派とも自分たちに都合のいい情報のみを機関誌を通じて喧伝し、相手を罵っていますが、著者はそれらの資料をていねいに検証して事実にせまるとともに、両派の抗争スタイルのちがいについても考察を展開しています。中核派は、米軍基地反対闘争や在日コリアン、被爆者の権利回復運動、ウーマンリブといったさまざまな大衆運動と連帯するのに対し、革マル派はそれを「大衆運動埋没主義」と非難し、自治会や労働組合でのヘゲモニーを獲得することに力を入れてきたという整理がなされており、革命についての異なる考えかたをもっていたとされています。著者は、このような理論および実践における考えかたのちがいが、たがいへの憎しみをエスカレートさせていくことになった経緯を詳細にたどっています。

著者は、こうした両者の抗争が「信仰」の対立にもとづくとして、そのために正義の名における殺人の正当化がなされているとします。そして、「人命尊重」「暴力反対」といった市民の論理では両派の抗争は理解できないとして、和解のむずかしさを指摘しています。

0
2021年03月31日

Posted by ブクログ

新左翼運動の流れ、中核派・革マル派の考え方、分裂したのはなぜか、について詳しく書かれていた。
両派の抗争は1972年まで(下巻へ続く)。

0
2018年11月18日

Posted by ブクログ

上下巻、かなり難しいですが。そこんとこどうなってるの?何があったの?聞いたことあるけどあの人たちって結局なんだったの?と気になる人は一度読んでみてください。2003年8月読

0
2011年07月16日

Posted by ブクログ

興味本位で上下巻読んじゃいました。疲れた〜〜。知らない単語目白押しで、いちいちWikiりながら読んだので疲労度も3倍くらい。お陰さまで現在新左翼系異様に知識がついております。この本は1975年の本なんですが、その後中核vs革マルが一体どう転んでいったのか知りたいけど誰か教えてくれないかしらん。多分自然に衰退していったのだろうとは思いますが、今でも中核/革マル共に存在してますし、この本の校了時にはまだまだ中核の激しいテロが続いていた様なのですが・・・どう落ち着いていったんだろうか。気になる。

0
2014年08月08日

Posted by ブクログ

 中核と革マルはともに新左翼の運動から派生された組織で、一見すると左翼側の活動家だと思いがちだが、実際はいくつかの点で異なった見解をもつ。本書はその違いを具体的にあげて左翼の内ゲバの実態を暴く。中核と革マルは元々「革共同」と呼ばれる組織が源流で、ゆえにマルクス・レーニン主義、革命などいくつかの共通点はある。しかし例をあげると、革マルは大衆を重視する一方で中核は大衆を蔑視する、また一人のカリスマ的指導者が特徴的な革マルに対して集団指導体制をとる中核など、細かなところで二者は対立している。

0
2024年10月20日

Posted by ブクログ

新左翼のろくでもない人でなしたちが起こした最悪の事件は、あさま山荘事件とよど号事件や渋谷での放火殺人事件などいろいろあるけれど、こんなに日常的に、月に一人くらいの間隔で人をリンチにかけていた時期があったのか…まだ30ページも読んでいないのに、血も凍りそうな蛮行が次々と出てくる。こんな犯罪に加担した人たちは警察に取り締まってもらいたいわ。この場合は公安か?

0
2022年04月04日

Posted by ブクログ

中核派と革マル派の抗争を描いたドキュメントですが、戦後にも関わらず、ほんの50年前に、東京で暴力が日常茶飯事であったという事実に今更ながら驚きを感じます。

0
2021年05月23日

Posted by ブクログ

戦後でも凄惨なリンチ・殺人があったことに衝撃を受けた。それにしても立花隆は良く調べたなあと感心した。

0
2021年08月08日

Posted by ブクログ

最近はイロイロアレな立花隆が35歳の時に書き上げた渾身の一冊。
ちゃんと丁寧に取材して、全体を俯瞰して見せており、この当時までのルポとしてこれ一冊でもう十分。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

マルクス・レーニン主義が確固たるイデオロギーであり、信奉者を多数擁していた時代の記録。近親憎悪的内ゲバは、宗教的狂信と何ら変わるところが無い。

0
2009年10月07日

「ノンフィクション」ランキング