中野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
下巻はヴァレンヌ逃亡のあたりからアントワネットの最期まで。
つまり、暗く辛い。
1年間かけて、他の本を読む合間に読み、ようやく読破。
愚鈍なルイ十六世、平凡すぎた王妃、そして愛に生きたフェルゼン。
ルイ十六世の愚かさを詳細に記しており、アントワネットが最期に見せた聡明さと対比があざやか。
ツヴァイクの描写を読んでいると、アントワネットがフェルゼンに惹かれたのもとてもよく分かる気がした。
自業自得とは言い切れない、アントワネットの悲劇。
どこまでも平凡な女性が、非凡な運命をたどった皮肉をツヴァイクはたびたび指摘する。
ただ、それだけが原因ではなく、革命というまさに非凡なエネルギーが、ちっぽけな人間たちを飲み込んでいったのだと思った。
アントワネットの子どもたちの末路は、読むに耐えない。
何かが変わることは何かが滅びること。
滅びの内実を考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
上下巻、前半。
とはいえ上巻までで彼女の人生のうちかなりの部分を描いている。
ヴァレンヌ逃亡事件の前までが上巻。
岩波文庫の訳で読んだときはルイ16世との結婚が本当の意味でなかなか成立しないというあたりで挫折したのだが、
中野京子氏の訳は大変読みやすく、最後まで読むことができた。
自身もマリー・アントワネットに関する本を出版しているだけあり、
装飾的な文体をきちんと訳しつつも、肝心な事はすっと頭に入るよう訳されている。
むろん、ツヴァイクの書いたものにそれだけの内容が詰まっていることを抜きにして名訳は成り立たない。
上巻ではアントワネットがなぜ浪費に走ったのか、また、国民の反感をかうようになった具体的な行動、フェルゼンに惹かれてゆきつつも心の中だけにそれを留めているところ、母とのやりとりなど、
1人の女性としての苦悩と王妃としての生活がアンバランスに展開されていたことが語られる。
小説のようでもあり、史料のようでもあり、中途半端といえばその限りだが、
「歴史好き」レベルには最適だと思う。 -
Posted by ブクログ
ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』…etc。ここに取り上げられている20点の絵画。絵の中にこめられた凄惨・残酷・非情・無惨、そして甘美を味わって頂ければ…。
ビジネス書ばかり読んでいるとついこういうものを読みたくなって手にとって読んでいました。前にNHKでこの本がテレビ番組化されたものを一度だけ見たことがありますが、本格的に筆者の著作を読んだのはこれが初めてになります。
ここで紹介されているのは誰でも知っているような名画が実はこんな恐るべき意味を含んだものであることを紹介するというコンセプトで執筆されたもので、ムンク『思春期』やティントレット『受胎告知』などの一見『何でこの絵が!?』というものから『黒い絵』で知られる一連の連作で知られるゴヤの『我が子を喰らうサトゥルヌス』などの『言わずもがな』という作品まで20点の絵が紹介されておりまして、絵の中にこめられている人間、もしくは神々の中にある『ダークサイド』に見事なまでに光を当ててあって、1ページ1ページをめくりながら、底知れぬ怖さを持ってしまいました。
例えばブロンツィーノの描く『愛の寓意』という絵は中央で唇を交わす男女が実は…。であったり、さらに女性側の唇を見てみるといわゆる『オトナのチッス』だったりと後から考えると恐ろしいものがあったり、ブリューゲルの『絞首台の上のかささぎ』は一見、のどかな田園風景の中にこめられている濃密なまでの『死』のイメージなどここまでのことが描かれているのかと。
さらには宮廷画家のダヴィッドがスケッチした『マリー・アントワネット最後の肖像』にいたっては作者のこめた『悪意』など、詳細に解説されてあって、非常に楽しく読むことが出来ました。いい刺激になったと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ印象派で近代を読むとのことでとてもわかりやすい時代・絵画説明がされています。この本を読んで、絵画だけでなく印象派を形成した時代背景についても知りたくなりました。
フランスとアメリカの片思いの関係や日本の浮世絵が印象派に与えた印象など読んでいてもっと知りたいと思うことがたくさんありました。
ただ、テーマが「印象派で近代を読む」なので大まかな説明しかありません。(それでもわかりやすくて好きですが)フランス文化に詳しい方には少し物足りない一冊なのではないかと思います。反面、これから印象派、ひいてはフランス美術界について学んでいこうという方にはおすすめです。 -
Posted by ブクログ
さすが 中野京子さんの本
多角的に絵を読ませてくれる
今回は、社会や当時の環境について が焦点かな
マネの『オランピア』や『草上の昼食』が、それぞれ
ティツィアーノ『ウルビノのヴィーナス』『田園の奏楽』の
女神や神話上の人物を 生身の人間にした絵
というのには驚いた
そうだったんだ!!
しかし、一番最初に 『草上の昼食』を見た時の衝撃は
忘れられない。
びっちりと礼装した男性と 森の木漏れ陽の下
ピクニックしているのは 全裸の女性!
(うわ、何なんだ、コレ?! ・・・だった)
中野さんは これは現在を見越した未来図だったかも
なんて 書いてる
ヌーディストビーチのピクニックね。
そう見ると、なんか笑える -
Posted by ブクログ
帯「普通そんなことする!?」
A. 「確かに普通はそんなことしないでしょうが、彼ら王族なので"普通"ではないかと」
それこそ普通にそう思いました。どうでもいいですが。
さて、感想。
・野次馬ゲーテ
・マリアテレジアとフリードリヒ大帝が結婚してたら…!でも確かフリードリヒ大帝って同性愛者だったから破局しますよね…。
・ナポレオンの兄妹の災難
・ナポレオンいなかったらアンデルセンも
・「ハプスブルク家唯一の男」と呼ばれたゾフィ大公妃(エリザベートの姑さん)
・「女の腐ったような奴」と言われ続けたプロイセンのフリードリヒ大帝。長じてからは「悪魔」「モンスター」「シュレージエン泥棒」と(主にマリア・テレジアに)呼ばれるように。長宗我部元親のスケール大きい版?ちなみにフルートも吹けます。
・そんなにマリア・テレジアに嫌われていたのに彼女の息子はフリードリヒのファン。ファンが多かったらしくロシアのピョートル3世には窮地を救われる(おかげで妻のエカテリーナ女帝にピョートル3世殺される羽目に)
・五代目ピョートルの兵士のフリしたヨーロッパ旅行。バレバレ。
・結構極悪非道だったのに最期は兵士助けて死亡ピョートル大帝
・ヨーロッパの水戸黄門、ヨーゼフ2世。決めゼリフが笑える。
・「死んでいるように見えますが、死んでいません」アンデルセン。
・教育論も書いたルソーは自分の子供全部棄てている
・ナポレオンは恋愛小説書いたことが(未完)
・ギロチンがフランスで最後に使われたのは1981年。かなり最近。
・ホワイトハウスの幽霊よりロンドン塔の幽霊の方が大迫力(当たり前)