中野京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ルネッサンスの中心地であるフィレンツェに多大なる貢献をしたメディチ家の物語。
文化の中心地であり、絵画作品が多く、描かれている作品から当時やその人々を想像させられる。非常に
興味深い。
メディチ家は商人から出でいて、銀行業に精を出して、自分から納税して権力基盤を作り上げていく。贅沢をして没落したり、狙われていたりとしているが、やはり人間的魅力のある一族であったのだろう。
最後のメディチ家直径子孫の最後の仕事が、全ての財産を新大公に移譲するが、首都フィレンツェにある美術品はひとつとして外へ持ち出してはならない、とした事が素晴らしい。芸術家を愛してきたメディチ家らしではないか。 -
Posted by ブクログ
文字どおりに、西洋絵画において働く人々を紹介・解説しています。
現存する職業(たとえば警官)から現存しない職業(たとえば異端尋問官)まで、そして存在しない職業(たとえば天使)などもカテゴリー化して、多様性を意識して書かれています。
手法としては、ひとつの職業を紹介するのに複数枚(2~3枚)の絵画に言及して、それらでどのように労働が描かれているかを歴史的背景などを考慮しながら読み説いています。類例としては、一つの主題や傾向を述べるのに複数の文学作品に言及しながらエッセイを展開する、柴田元幸さんの手法に近いでしょうか。
読みながら絵画を楽しむことができ、その画家や背景についても知ることができ -
Posted by ブクログ
名画に潜む「怖さ」を扱った一冊で、22枚の絵にそれぞれ短い物語のような解説が添えられています。絵の背景にある歴史や人物の事情が丁寧に示されていて、ただ眺めるだけでは気づけない視点が自然と開けていく感覚がありました。
スペイン王家の血統を守るための近親婚の話など、静かに読んでいても思わず身が引き締まるような内容もあり、絵の印象が一気に変わるのが興味深かったです。
特に印象に残ったのは、表紙にも使われている「レディー・ジェーン・グレイの処刑」。白い衣装の明るさと、これから起こる出来事との落差が強く、しばらく目が離せませんでした。
以前は時々美術館に足を運んでいたのに、最近はすっかり間が空いて -
-
-
Posted by ブクログ
音楽の秘密というほどでもないけどね。楽器や歌手が出てくる絵画をたくさん取り上げていて、それぞれの逸話がなかなか面白い。音楽に限らないが、絵画というのは様々なことが描かれ、さまざまなことを想像させる。
人の暮らしには音楽は欠かせなかったということだろうな。
若いメンデルスゾーンを招いたゲーテが、奏者がくたくたになろうが、次の曲次の曲と、メンデルスゾーンにピアノを弾かせまくったという逸話は知らなかった。音楽ソフトなどない時代では、生演奏は得難いものだったのだ。ましてや名手のものは。
そうそう、カラヴァッジョはその生々しさが好きじゃないのだが、この表紙の「エジプトへの逃避途中の休息」の抒情味は素晴ら -
Posted by ブクログ
ネタバレ印象派とフランスの時代背景についての説明的な本だった。絵がたくさんあってたのしかった。
ドガの「カフェにて」という絵を初めて見たのだけど、女の人すごくつまんなそうな顔しておもしろ〜〜!って思って解説読んだら全然違う意図の表情だった。
絵って全部物語が盛り込まれてると思ってたから、印象派は見たままに描かれててメッセージ性はないから教養を必要とせず楽しめる、みたいなことが書かれててびっくりした。
洪水で水びたしになった村があって舟で移動するしかなかったところを絵に描いてる画家がいて、その人は水面のきらめきが好きだったのらしい。きれいだから描いたそうで、村人の苦労を伝える意図はないのらしい。映え -
Posted by ブクログ
ネタバレいつもの中野先生の御本の感覚に慣れていると、各項目見開き約1ページ半という文章量ではどうにも物足りなさを感じてしまった。
もう少し、もう少し読ませてくれよ!という。
人物でも歴史でもなく、絵画に出てくる「もの」に着目した話としては珍しいし、その点は凄く面白かった。
前述通りの文章量なので、その分紹介されている「もの」は実に多数。
また数が多いからか、先生の解説がキレッキレなときとそうでないときも入り乱れていて、その差がちょっと気になりもした。
あの文章量ならさもありなん。
あとタイトルにある『怖い絵』にもクエスチョンが。
文庫化にあたってタイトルに足されたようだが、怖い絵を目当てで読むと少