中野京子のレビュー一覧

  • マリー・アントワネット 下

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    下巻はヴァレンヌ逃亡のあたりからアントワネットの最期まで。
    つまり、暗く辛い。
    1年間かけて、他の本を読む合間に読み、ようやく読破。

    愚鈍なルイ十六世、平凡すぎた王妃、そして愛に生きたフェルゼン。
    ルイ十六世の愚かさを詳細に記しており、アントワネットが最期に見せた聡明さと対比があざやか。
    ツヴァイクの描写を読んでいると、アントワネットがフェルゼンに惹かれたのもとてもよく分かる気がした。

    自業自得とは言い切れない、アントワネットの悲劇。
    どこまでも平凡な女性が、非凡な運命をたどった皮肉をツヴァイクはたびたび指摘する。
    ただ、それだけが原因ではなく、革命というまさに非凡なエネルギーが、ちっぽけな人間たちを飲み込んでいったのだと思った。

    アントワネットの子どもたちの末路は、読むに耐えない。
    何かが変わることは何かが滅びること。
    滅びの内実を考えさせられた。

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    2014年01月13日
  • マリー・アントワネット 下

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    普通の女性が王妃としての威厳に目覚めたのは革命でした。彼女がマリー・アントワネットでなかったとしても、フランスは王家の打倒に向けて走り出していたのです。

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    2013年12月08日
  • マリー・アントワネット 上

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    子どものままフランス王妃となった彼女。たしなめることのできる大人も周囲にいない中で、その贅沢を責めることはできるでしょうか。

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    2013年12月08日
  • マリー・アントワネット 上

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    上下巻、前半。
    とはいえ上巻までで彼女の人生のうちかなりの部分を描いている。
    ヴァレンヌ逃亡事件の前までが上巻。

    岩波文庫の訳で読んだときはルイ16世との結婚が本当の意味でなかなか成立しないというあたりで挫折したのだが、
    中野京子氏の訳は大変読みやすく、最後まで読むことができた。
    自身もマリー・アントワネットに関する本を出版しているだけあり、
    装飾的な文体をきちんと訳しつつも、肝心な事はすっと頭に入るよう訳されている。

    むろん、ツヴァイクの書いたものにそれだけの内容が詰まっていることを抜きにして名訳は成り立たない。
    上巻ではアントワネットがなぜ浪費に走ったのか、また、国民の反感をかうようになった具体的な行動、フェルゼンに惹かれてゆきつつも心の中だけにそれを留めているところ、母とのやりとりなど、
    1人の女性としての苦悩と王妃としての生活がアンバランスに展開されていたことが語られる。
    小説のようでもあり、史料のようでもあり、中途半端といえばその限りだが、
    「歴史好き」レベルには最適だと思う。

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    2013年10月19日
  • はじめてのルーヴル

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    絵画だけでも7,500点もの作品が収められるパリはルーブル美術館。
    著者の視点から、有名かつ必ず押さえるべき作品を、
    関連作品、関連作者を交えながら、詳細な解説をしている内容。
    カラー写真満載で見所も多い。

    ルーブルに直接足を運びたくなるのはもちろんのこと。
    改めて、キリスト教・ヨーロッパの歴史について勉強したくなる本。
    ルーブルへ行くことを考えている方はマストの本。

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    2013年09月09日
  • 危険な世界史 血族結婚篇

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    中世ヨーロッパの貴族や偉人達を
    少しワイドショー的要素を踏まえつつ
    笑えるものから笑えないものまで
    色んなエピソードを紹介した一冊。
    全体の構成は、マリー・アントワネットを時間軸のセンターに添えながら、時代をいったり来たり。
    ヨーロッパの歴史を彩ってきた人々をざっくり知れる
    ある種のインデックス的な一冊です。

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    2013年08月12日
  • 怖い絵

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    ブリューゲル『絞首台の上のかささぎ』ゴヤ『我が子を喰らうサトゥルヌス』…etc。ここに取り上げられている20点の絵画。絵の中にこめられた凄惨・残酷・非情・無惨、そして甘美を味わって頂ければ…。





    ビジネス書ばかり読んでいるとついこういうものを読みたくなって手にとって読んでいました。前にNHKでこの本がテレビ番組化されたものを一度だけ見たことがありますが、本格的に筆者の著作を読んだのはこれが初めてになります。

    ここで紹介されているのは誰でも知っているような名画が実はこんな恐るべき意味を含んだものであることを紹介するというコンセプトで執筆されたもので、ムンク『思春期』やティントレット『受胎告知』などの一見『何でこの絵が!?』というものから『黒い絵』で知られる一連の連作で知られるゴヤの『我が子を喰らうサトゥルヌス』などの『言わずもがな』という作品まで20点の絵が紹介されておりまして、絵の中にこめられている人間、もしくは神々の中にある『ダークサイド』に見事なまでに光を当ててあって、1ページ1ページをめくりながら、底知れぬ怖さを持ってしまいました。

    例えばブロンツィーノの描く『愛の寓意』という絵は中央で唇を交わす男女が実は…。であったり、さらに女性側の唇を見てみるといわゆる『オトナのチッス』だったりと後から考えると恐ろしいものがあったり、ブリューゲルの『絞首台の上のかささぎ』は一見、のどかな田園風景の中にこめられている濃密なまでの『死』のイメージなどここまでのことが描かれているのかと。

    さらには宮廷画家のダヴィッドがスケッチした『マリー・アントワネット最後の肖像』にいたっては作者のこめた『悪意』など、詳細に解説されてあって、非常に楽しく読むことが出来ました。いい刺激になったと思います。

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    2025年01月12日
  • はじめてのルーヴル

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    まるでその場にいて見てきた様+ちょっぴり雑学(後で披露すれば知識人を気どれそう)の魅力でサクサク面白く読める。これを参考にルーブル美術館に行くというのにはちと物足りないかも。

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    2013年07月25日
  • はじめてのルーヴル

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    次学期修学旅行に行く(私は行かない)ために事前学習にルーブル調べをするらしい。そのネタに。


    中野さんは買う。買ってしまう。

    でも、そろそろ卒業せねばと思ってる。
    いや、買うよ。でもこれだけではだめだ。もっと本物とか原書とか読まなきゃダメだ。


    と思っているのですが、ひさっしぶりに本を買い、読める機会でしたので、軽く読めるものから読みました。


    読書解禁。楽しむぞ。

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    2013年07月17日
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語

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    絵画、名画を通してフランスブルボン王朝について語られる本作は、姉妹作のハプスブルク家とは縦糸と横糸のように絡み合いながら結び付いている。
    著者自身が書いてるように前作では項目にすらなっているスペインのカルロス4世が、本作では端役であったり、ヨーロッパ大陸の複雑な血縁外交関係が、透かして見える。
    また、本作で扱われている絵画の多くはルーブル所蔵だが、同じ作者、ゴヤやルーベンスの作品は前作の作品が所蔵されるプラドでも見れるところも、敵であったり味方であったりしながらも、密接な関係があったことを窺わせてくれる。

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    2013年06月09日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    ネタバレ

    印象派で近代を読むとのことでとてもわかりやすい時代・絵画説明がされています。この本を読んで、絵画だけでなく印象派を形成した時代背景についても知りたくなりました。
    フランスとアメリカの片思いの関係や日本の浮世絵が印象派に与えた印象など読んでいてもっと知りたいと思うことがたくさんありました。
    ただ、テーマが「印象派で近代を読む」なので大まかな説明しかありません。(それでもわかりやすくて好きですが)フランス文化に詳しい方には少し物足りない一冊なのではないかと思います。反面、これから印象派、ひいてはフランス美術界について学んでいこうという方にはおすすめです。

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    2013年05月14日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    たしかにアメリカの美術館の名前を冠した展覧会では、印象派作品が目玉扱いになっているな。日本史専攻だったから、欧米の歴史がすっぽ抜けている、ということをうっすら思い知らされた。印象派に思想はないかもしれないけれど、時代の空気を今に伝えるし、画家の魂は変わらず絵画のなかにある。

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    2013年04月26日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    印象派が誕生する社会的な背景や、当時の市井の人々の暮らしぶりなど興味深い内容。ひとつのテーマについて深く掘り下げるというよりも、時代を概観する本として良いと思います。
    地の文で「です・ます」と「だ」が混在しているのは、敢えてそうしたのだろうと思いますが(校正漏れにしては多すぎるので)、正直に言って成功しているとは思えません。中野京子さんの本は好きなのですが、言葉のリズム感が合わないなぁと思うことが時々あります。
    また、広重は「歌川広重」と表記すべきではないでしょうか?

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    2013年03月29日
  • マリー・アントワネット 下

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    透徹した冷静な目で、それまでのマリー・アントワネット像に左右されず、膨大な資料を元に描かれた評伝の古典として最高峰。ファルゼンとの恋や、靴職人や革命家などへ「凡庸」だとか「教養がない」だとかいう差別的で上から目線の表現があるとはいえ、面白い。俯瞰とロールプレーイングのバランスが絶妙で、おそらく訳も素晴らしいので、「今更マリー・アントワネットかよ」とはいわず目を通してもらいたい作品。

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    2012年10月08日
  • マリー・アントワネット 上

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    どうせ説教臭い昔のインテリ野郎が書いた伝記物だろうと、期待0で読み始めたのに、「はじめに」で示された視点/観点に吸い込まれてしまった。ツヴァイクは「こうとらえ てこのように描写する」と丁寧に、ほどよくあらかじめ断って進める。読み手はそれにたいしてみずからの態度をその都度決定することを意識化できるので、読みやすい。ファルゼンに愛されることに救いを見いだすのを、許してあげよう。

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    2012年10月06日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    「です・ます」調に統一されていない文体に、微妙にペースを崩されます。
    絵は言われれば分かる程馴染み深いのに、生前売れなかった画家が多いイメージがある印象派の成立から、当時の評価が低かった理由などが良く分かります。

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    2012年07月30日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    多数の名画を紹介しながら、
    印象派の時代の移り変わりを読み解く。
    現代とは全く違う価値観や、そのとき起こった大きな変化がわかる。

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    2012年05月11日
  • 恐怖と愛の映画102

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    久々にゆったり映画をみたくなる映画エッセイ
    新旧おりまぜてのジャンルに偏らない紹介作品の
    選択がむしろ魅力的でした。

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    2012年02月15日
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ

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    さすが 中野京子さんの本

    多角的に絵を読ませてくれる

    今回は、社会や当時の環境について が焦点かな

    マネの『オランピア』や『草上の昼食』が、それぞれ
    ティツィアーノ『ウルビノのヴィーナス』『田園の奏楽』の
    女神や神話上の人物を 生身の人間にした絵
    というのには驚いた

    そうだったんだ!!

    しかし、一番最初に 『草上の昼食』を見た時の衝撃は
    忘れられない。

    びっちりと礼装した男性と 森の木漏れ陽の下
    ピクニックしているのは 全裸の女性!
    (うわ、何なんだ、コレ?! ・・・だった)

    中野さんは これは現在を見越した未来図だったかも
    なんて 書いてる
    ヌーディストビーチのピクニックね。

    そう見ると、なんか笑える

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    2011年12月16日
  • 危険な世界史 血族結婚篇

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    帯「普通そんなことする!?」
    A. 「確かに普通はそんなことしないでしょうが、彼ら王族なので"普通"ではないかと」
    それこそ普通にそう思いました。どうでもいいですが。

    さて、感想。
    ・野次馬ゲーテ
    ・マリアテレジアとフリードリヒ大帝が結婚してたら…!でも確かフリードリヒ大帝って同性愛者だったから破局しますよね…。
    ・ナポレオンの兄妹の災難
    ・ナポレオンいなかったらアンデルセンも
    ・「ハプスブルク家唯一の男」と呼ばれたゾフィ大公妃(エリザベートの姑さん)
    ・「女の腐ったような奴」と言われ続けたプロイセンのフリードリヒ大帝。長じてからは「悪魔」「モンスター」「シュレージエン泥棒」と(主にマリア・テレジアに)呼ばれるように。長宗我部元親のスケール大きい版?ちなみにフルートも吹けます。
    ・そんなにマリア・テレジアに嫌われていたのに彼女の息子はフリードリヒのファン。ファンが多かったらしくロシアのピョートル3世には窮地を救われる(おかげで妻のエカテリーナ女帝にピョートル3世殺される羽目に)
    ・五代目ピョートルの兵士のフリしたヨーロッパ旅行。バレバレ。
    ・結構極悪非道だったのに最期は兵士助けて死亡ピョートル大帝
    ・ヨーロッパの水戸黄門、ヨーゼフ2世。決めゼリフが笑える。
    ・「死んでいるように見えますが、死んでいません」アンデルセン。
    ・教育論も書いたルソーは自分の子供全部棄てている
    ・ナポレオンは恋愛小説書いたことが(未完)
    ・ギロチンがフランスで最後に使われたのは1981年。かなり最近。
    ・ホワイトハウスの幽霊よりロンドン塔の幽霊の方が大迫力(当たり前)

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    2011年11月20日