中野京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ルーヴル美術館所蔵の絵画を中心に、硬軟おり交ぜてわかりやすく美術史、世界史の知識を得られてとてもお得な1冊です。
ルーヴル美術館所蔵作品の中でも特に有名なのが、表紙にもなっている、
「モナ・リザ」ですが、
この世界一有名と言ってもいい絵画について、中野先生は何を語られるのかな、と興味津々でしたが、
レオナルド・ダ・ヴィンチファンで平均よりは少し知識を付けているレベルの私が読んでも充分面白いものでした。
中野先生の著作を読んで面白いと感じた人なら、
この本も間違いなくオススメできると思います。
余談ですが、この本のカバーも、モナ・リザの顔の向かって左半分が表、右半分が裏になっており、
共に折り返しの部分にもう半分の顔があるのですが、
これは右半分は微笑み、左半分は悲しみの表情であるという説に基づいて
デザインされているのだと思いました。
個人的ですが、この本の1番気に入っているところだったりします。 -
Posted by ブクログ
後輩ちゃんとの読書サークルにて、シュテファン・ツヴァイクがお題になったので、迷わずこの一作を選びました。とはいえ後輩ちゃんに教えてもらって初めてシュテファン・ツヴァイクを知ったんだけど。
女性の生き方を描いた作品は好きなのですが、どんな女性の物語でも好きなわけではないなあと思ってて。マリー・アントワネットは中でもすごく好きな歴史人物なので上巻だけでもすごく面白かったです。
傲慢な女王ではなく、純粋な王妃。分別とか自制心とか必要ないろんなものが足りなかったのは確かだけど、そうではなく、意志の強さや純粋さや気を許した相手への無邪気な優しさや、彼女の美点のいくつかがもうすこし足りなければ、こんなに大きな悲劇に祭り上げられなかったのに、と思います。擬人化しないと気づかないっていう下りはすごく染みた。社会や時代や民衆や、そういう漠然としたものが間違った方向に進んでても、中の人間は気づかない。マリー・アントワネットという、あの時代そのものが宿った美しい人形が、人々の熱狂の明確な対象になったんだなと思いました。
シュテファン・ツヴァイクも、訳者の方もすごいなあ。現代の日本のわたしたちが読んでもぐさっとくるような、社会への批判や解釈や、人間関係の描写に引き込まれます。下巻も単なる伝記みたいにはならないだろうから楽しみ。 -
Posted by ブクログ
下巻はヴァレンヌ逃亡のあたりからアントワネットの最期まで。
つまり、暗く辛い。
1年間かけて、他の本を読む合間に読み、ようやく読破。
愚鈍なルイ十六世、平凡すぎた王妃、そして愛に生きたフェルゼン。
ルイ十六世の愚かさを詳細に記しており、アントワネットが最期に見せた聡明さと対比があざやか。
ツヴァイクの描写を読んでいると、アントワネットがフェルゼンに惹かれたのもとてもよく分かる気がした。
自業自得とは言い切れない、アントワネットの悲劇。
どこまでも平凡な女性が、非凡な運命をたどった皮肉をツヴァイクはたびたび指摘する。
ただ、それだけが原因ではなく、革命というまさに非凡なエネルギーが、ちっぽけな人間たちを飲み込んでいったのだと思った。
アントワネットの子どもたちの末路は、読むに耐えない。
何かが変わることは何かが滅びること。
滅びの内実を考えさせられた。