中野京子のレビュー一覧
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はじめに
第1章 愛欲
復讐するは我にあり ドラクロワ「怒れるメディア」
驚きの理由 ジェローム「フリュネ」
清らかな乙女の死 ミレイ「オフィーリア」
白蛇のごとく アングル「グランド・オダリスク」
スキャンダルの嵐 ピアズリー「踊り手の褒美」
裏切者はどこに? ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」
第2章 知的欲求
才女を妻に持てば ラ・トゥール「ポンパドゥール夫人」
ホモルーデンスたち ブリューゲル「子どもの遊び」
美の規範 ラファエロ「サン・シストの聖母」
グランド・ツアーで教養を ゾファニー「ウフィツィ美術館のトリブーナ」
第3章 生存本能
ヴォルガ川で船を曳く レーピン「ヴォルガの船曳き」
眠りと死は兄弟 ゲラン「モルフェウスとイリス」
家を背負った橋 ラグーネ「ノートルダム橋の槍試合」
死にゆく子を抱きしめて カリエール「病気の子ども」
第4章 物欲
いとも豪華な新年祝宴
ランブール三兄弟「ベリー公のいとも華麗なる時祷書」
二人の関係は? エッグ「旅の道連れ」
両替商を否定? マセイス「両替商とその妻」
ベートーヴェン讃歌
クリムト「ベートーヴェン・フリーズ 敵対する勢力」
謎めいたフェルメール フェルメール「真珠の首飾りの女」
強欲すぎると ボス「守銭奴の死」
第5章 権力欲
テューダー朝の大スター ホルバイン(子)「ヘンリー八世」
革命の高揚感 ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
我に祈れ ファン・エイク「宰相ロランの聖母」
ロココ時代のモンスター
メンツェル「フリードリヒ大王のフルートコンサート」
笑える絵画 ルソー「フットボールをする人々」
欲望の果てに
地獄はすり鉢 ボッティチェリ「地獄の見取り図」 -
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序章 災厄を呼ぶ神々の
一章 大洪水と方舟(旧約聖書時代)
二章 古代の戦争 絵画に込めた願い
三章 古代の天変地異 神の怒りと跡形もなく消えた町
四章 中世の疫病 パンデミックと「死の舞踏」
五章 三十年戦争 最大最後の宗教戦争
六章 大火と絵画、西洋人が描いた「江戸の華」
七章 ペストの波状攻撃
八章 梅毒の猛威、疫病が照らす社会の暗部
久章 戦争のアレゴリー(寓意画)
十章 天然痘の恐怖とワクチン騒動
十一章 洪水、そして名画の数奇な運命
十二章 ナポレオンという災い
十三章 コレラの惨禍 死をもたらす神の使い
十四章 アイルランドのジャガイモ飢饉
十五章 結核のロマンティシズムと現実
十六章 第一次世界大戦とスペイン風邪
掲載作品一覧 -
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怖い絵シリーズで人気の中野京子さんの著作の中でも最初期の本。
帯の絵はハプスブルク家が繰り返していた近親婚の影響で病弱な王子の肖像。ただのかわいい子どもの絵ではない。悪魔が幼い王子の命を奪わないように(王子だとわからないように)女の子の服を着せられている。要するにそれだけ、幼くして死んでしまう男系の皇位継承者が多かったということ。日本でも明治時代の女の子にクマとかシカとか名前を付けていたのも魔除けだし、昔は死んでしまう子どもが多かったんだろうね。一昔前にワイドショーで、子どもに悪魔と付けた裁判が話題になったことがあるけど、呪術という面では理解できなくもない。社会性に問題はあるけど。 -
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絵画を見るときにその背景にどのような事情があるかを想像するのは凄く面白い。作家の背景や状況もそうだし、モデルの背景、どの様な人間関係かを考えると、また違った視点で絵が話しかけてくるような気がする。単純に色使いや構図、モデル自体の美しさは言うまでもないが、そのレベルで単に綺麗で終わらせるのとは奥深さが全く変わってくる。音楽もそうだし、芸術全般に言えることかもしれないが、作り手(クリエイターと呼ぶべきか)の心のうちを表現しているようで、自分に置き換えたら、心を覗かれているようで恥ずかしくなることさえある。因みに若い頃に作詞をした事があるが、明らかに当時の恋愛や友人との人間関係の悩みが詩にそのまま出ていたのを記憶している。
本書はタイトル「美貌のひと」にあるように、絵画の中の美しい人たちを24人取り上げている。画家の性格や育ちなどにも触れているから、概ねどの様な心持ちで描いていたか、読者と一緒に探しに行く様な内容だ。絵には単純にモデルを描くだけでなく、所々に謎めいた物品や背景を取り入れて、物語性を表現するものが多い。そうした謎解きに近い形で読み進められるのと主題である絵の組み合わせで、普通に1時間もあれば読めてしまうのだが、敢えて立ち止まって一緒に深く考えた方がより楽しめる。 -
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たぶん<怖い絵>を読まないと中野京子さんの本質は分からないのだろうが、<怖い絵>は苦手なのでスルーしてた。
本書は表紙の絵(フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』)が奇麗なので手に取ってみた。
だが、ページを捲ると最初の作品が殺害された死人の絵。次が娼婦と男の絵。
3番目が、表紙の絵。
アモル(Amor)とはキューピッドのローマ名。ギリシャ名だとエロス(Eros)。
キューピッドとエンジェルは全くの別ものだということを知った。
というか、両者の違いなんて考えたことがなかった。
この絵はローマ神話の一場面なので、この場面の前後のストーリーが解説になっている。
ヴィーナスが意地の悪い性格だったことも知った。
絵画は説明がないと何を表現しているのか分からない。
中野京子さんの説明は読み易く、絵画を鑑賞するのに大いに助けになる。
絵はその時代の文化や思想や世相を表していて、建築や医療・科学技術などもうかがい知ることができる歴史の一コマということか。
「ルネサンス」「バロック」「ロココ」「新古典主義」「ロマン主義」「写実主義」「印象派」「世紀末象徴派」
などの表現方法については一生理解できなさそう(理解する気がないので)。