中野京子のレビュー一覧
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先日読んだ「フェルメールとオランダ黄金時代」を本屋で探してたら、それは見つからなかったんだけど、こちらを見つけたので購入。
表紙のインパクトがいい。
大きめシルプル明朝体フォントの赤字タイトルとマッチしてて、なんか得体の知れない怖さを感じる。
22の西洋絵画とその描かれた背景、画家の情報を、わかりやすく、時にドラマチックに教えてくれる絵画鑑賞の入門書みたいな本。
怖い、というのは直接的に怖い、というだけでなく、それが描かれた背景や画家の心理を探るうちに見えて来る怖さ、というのも含んでいる。
私が1番印象の残ったのは6作品目のブリューゲル「絞首台の上のかささぎ」
たぶんこれを美術館で観ても素通りしちゃいそうだな、と…それぐらい、不穏なタイトル以外にはあまりわたしの目を惹く要素はないんだけど、これが描かれた時代、一見楽しそうにパレードする人々、絞首台、そしてヨーロッパにおけるかささぎの意味など、効果的に開示される情報によって、わたしにとっても忘れられない「怖い絵」になった。
ほかの21作品もそれぞれに見応え、読み応えがあり、西洋絵画の沼が手招きしてくる一冊。
シリーズ本みたいなので、またしても読みたい本に出会う楽しみが増えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「画家とモデル」と言われると、あとがきや解説にもあった通り、男性画家と美人モデルを想像しがちだが、それだけに留まらないのが中野先生。
勿論、妻に隠したまま愛人を描き続けたなんていう某有名画家の話もあるが、個人的に印象的だったのは、ある女性画家の話。
多毛症の少女をあんなに愛くるしく、そして慈愛に満ちた視線で描いた絵に持っていかれた。
彼女に対する当時の世間での価値観や評価をものともせずに。
絵の背景を知った方がよりその絵に入り込めるのは、確かにその通りだとは思うが、説明されなくても伝わってくるものも確かにあると思う。
この絵はまさに、そうだと思う。
説明不要の愛。
他にも画家とその絵のモデルに関する様々なエピソードが盛りだくさん。
ベタなものから、変わったものまで。
中野先生節は今回も健在で、読みやすく勉強にもなる一冊でした。
本編中には実物が掲載されていない絵のエピソードも多数出てくるので、ぜひ画像検索しながら読むといいかと。 -
Posted by ブクログ
1 )サージェント
2 )ゴヤ
3 )ベルト・モリゾ
4 )ベラスケス
5 )タマラ・ド・レンピッカ
6 )ギュスターヴ・モロー
7 )メンツェル
8 )ロートレック
9 )ホルバイン
10)シャガール
11)フォンターナ
12)ピエロ・デラ・フランチェスカ
13)モディリアーニ
14)クノップフ
15)クラーナハ
16)レンブラント
17)ヴァラドン
18)ワイエス
18人の画家の人生が分かる本。
ひとつひとつが短く、絵の写真も載っているので読みやすいです。
好きな主要画家の表を作りたくなりました。時代と国とその時の世界情勢をまとめて一目で分かる感じの。
ヴァラドン(シュザンヌことマリー=クレマンティーヌ・ヴァラドン)がユトリロの母親と初めて知りました。そもそも彼女のことを知りませんでした。ユトリロは大大大好きだったのに!!
ヴァラドンの絵は確かにちょっとユトリロとタッチが似ていて、ユトリロが人物を描かず寒色の静に対してヴァラドンは人物を描き暖色の動という正反対なところが興味深いなぁと思いました。
クラーナハの、絵でルターを拡めた話も興味深かったし、詳しく知らない人が楽しめる本です。
長年絵に携わる仕事をしているのに詳しくない有名画家も多々いるので、半数のエピソードを興味深く読めました。