徳間文庫作品一覧

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  • けものの眠り(電子復刻版)
    -
    定年で香港から帰国した父を迎えた啓子は、なぜかその姿に暗い予感を覚える。果たしてある日、父は退職金を持ったまま突然姿を消した……。新聞記者の笠井は、啓子の父の消息をたどるうちに奇妙な事件に遭遇する。ラブホテルの情死事件、麻薬担当官の事故死……その背景に浮ぶ密輸業者。愛する女の破滅を遠望するしかない男は独白する――「誰でもけものを胸の中に飼っている」

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  • ガンも自分 いのちを生ききる(電子復刻版)
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    大腸のポリープ十二個を内視鏡で摘出。胃に前ガン症状が二か所みつかり、やはり内視鏡にて一個を摘出。さらに残り一個も摘出。胃に新たに直径一・八センチ大の前ガン症状が発見され摘出。舌のつけ根に白斑が発見され、直径三センチを切り取る。作家・笹沢左保は平成四年から平成五年にかけて、五回の手術を体験した。ガン闘病を通して語る、「生きることの価値、死ぬことの意味」。勇気を与えてくれるメッセージ。

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  • カルカッタ大真珠ホテル(電子復刻版)
    4.5
    埃っぽくて薄暗い、カルカッタの大真珠ホテル。この最下級の木賃宿(ゲストハウス)には、インドを陸路で渡る旅人が集まる。作家の加田、噂好きの小田黒教授、若冠二十歳の幸丸くん、肝炎に臥せるプロちゃん、傲岸不遜の狂犬病氏、精霊と話すエスメラルダ……。一握りの金持の裏側の貧困。不可蝕民(ハリジャン)がたむろし、様々な病のはびこる混沌の国に、日本とは異なる時の流れや活力を見出した人々の生き様を鮮やかに描く傑作長篇。

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  • おんな用心棒(電子復刻版)
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    鈴姫は旗本・神保弥十郎の娘。だが、その可憐な容姿からは想像できないもうひとつの顔を持っていた。小太刀の名人にして、五連発短銃を懐中に秘め、要人の警護にあたる用心棒なのだ。時は幕末、尊攘運動が高まり、志士たちは弾圧を受けはじめていた。彼らを匿い、水戸へ逃がすために鈴姫が練った秘策とは……騒擾の世に咲く花一輪。正義の銃声が江戸の空に響く! 長篇痛快活劇。

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  • いつになく過去に涙を(電子復刻版)
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    大学出のくせに自由を求めて労務者暮らしをつづける魂の叛逆者・千波哲也は飯場で事故にあい、九死に一生を得る。そのとき、彼の身替りになって死んで行ったのが《東大出の新さん》だった。新さんは今はの際に「父親を殺した犯人を捜してくれ」と頼んだ。犯人は札幌に立ち寄ったらしい。新さんの形見の文鳥を掌に、千歳空港に降りたった千波を待っていたのは、5千万円強盗犯に対する警備陣だった……。

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  • いちろべが憎い(電子復刻版)
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    明治二十七年晩秋、愛媛県の山奥、三郎谷にほど近い粟畑に、乞食姿の老人が行き倒れていた。老人は介護する里人に、九年前、三郎谷の芒の原で村人に撃ち殺された息子が、今も埋められているという。二日後「いちろべが憎い」といって老人は息を引きとった。『いちろべ』は息子の名だった。死の間際にも息子を呪う老人の見たものとは!?(表題作)。人間と業と犯罪を描き続ける著者、衝撃の作品集。

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  • イエス・キリストの謎(電子復刻版)
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    〈象〉(エレファンタ)という謎の言葉を残して一人の男が消えた。そして伊豆の別荘では全裸の美人が十字架にかけられて死んでいた……。謎は現代日本から古代ユダヤへとさかのぼり、イエスとは何者か? イエスは何をしたのか? という命題につきあたるが、その鍵を握っていたのが青森県新郷村に現存する「キリストの墓」だった。――かつて『新約聖書』を愛読書とした斎藤栄がキリストの謎に取り組んだ本格推理。

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  • アルプス殺人舞台(電子復刻版)
    -
    サラ金業者に勤める国井菊子は、親友の多加枝と登った燕岳で桑島と出会った。一流大学を卒業し、総合商社に勤めている桑島は輝いて見えた。「また山でお会いできるといいですね」そう言って桑島は菊子に一枚の名刺を残した。一年後、菊子は燕岳で再会を果たす。想いはつのるが、桑島のことを知れば知るほど、彼との差を感じる菊子。そしてある事件が、彼女の運命を変えた(「晩夏の気流」)。他、自選傑作五篇。

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  • アリバイ地獄(電子復刻版)
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    99パーセント犯人と目される男には、100パーセントのアリバイがあった!? 仙台市内の不動産会社の営業部長とその妻が殺された。容疑者として、日頃から仲が悪かった横浜に住む兄が浮かんだ。だが、彼はその日の夕方、自宅近くで起きたガケ崩れで生き埋めになり、救出された後、ただちに入院したという。県警は容疑者のアリバイ崩しに挑むが……。表題作ほか秀作ミステリー五篇を収録。

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  • アイヒマンの遺産(電子復刻版)
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    収容所生き残りのユダヤ人の調査をする大学講師石津荘介は、意外な情報を得た。ナチ敗北前夜、アイヒマンは軍用トラックに鉄箱を満載してプラハに逃亡したという。だが彼を処刑したイスラエル当局に、その調書はなかった。真相を追った石津は、秘密の鍵を握るアイヒマンの部下ビュルガーの死と、西独調査員の殺害を知らされた。箱の中身は? その行方は?(表題作)。ドキュメンタリー・ミステリー三篇。

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  • 61年目の謀殺(電子復刻版)
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    昭和四年、駐華公使の佐分利貞男が箱根富士屋ホテルで謎の死を遂げた。自殺か、殺人か? 謎を残したまま歳月は流れていったが、六十一年後、事件は予期せぬ形で再び姿を現した~。ノンフィクション作家・柏木が殺害され、書き上げたはずの原稿が盗まれたのだ。彼が掴んだ佐分利事件の真相とは? 事件を追う刑事・倉原真樹の前に、埋もれていた日中戦争の謀略が浮かび上がる……。長篇歴史ミステリー。

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  • 北海道殺人紀行〈新装版〉
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    ハマナシ、リンドウ、リラ・・・。可憐な花に秘められた殺意!北海道を舞台に、花にまつわる事件が続く。「ハマナシの花ある死体」以下、四つの短編集。 神奈川県警を退職した星月源吾は、妻の冴子、養女の千里と釧路郊外でオートキャンプを楽しんでいた。そこで偶然再会した高校時代の友人・駒子から、千里は奇妙な相談を持ちかけられた。英会話学校の女性講師・江美から、ストーカー的行為を受けているというのだ。札幌に戻った千里は駒子とともに江美の自宅を訪れ、なんと彼女の絞殺死体を発見する。ところが間もなく死体が消え、そこにはハマナシの花が…。 ハマナシの花ある死体 雷電岬の告発 リラの美談 ドクゼリの花の女※本作品は『北海道殺人紀行』を加筆修正した新装版です。
  • 蒼い月の女〈新装版〉
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    被害者の胸に残されたキスマークは何を語るのか 素人画家・友田めぐみは、マンションの自室で見知らぬ外国人の全裸他殺死体を発見した。被害者は中近東・セイラム王国の反体制派政党員。折りから“こころ探偵事務所”の江戸川探偵長に、宮務庁より内密の依頼が来る。セイラム王国の王子が病気治療のため、王妃らとともに極秘来日するので、警護をしてほしいというのだ。その矢先に王子が失踪、江戸川の決死の追跡が始まるが…。※本作品は『蒼い月の女』を加筆修正した新装版です。
  • 横浜―沖縄殺人連鎖〈新装版〉
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    「お受験」進学塾で起こった密室殺人。ハブ酒の謎を追い江戸川探偵長、沖縄へ! “軽井沢こころ探偵事務所”の江戸川は、いわゆる“お受験”のための予備校、横浜の「戸塚進学塾」のオーナー夫妻を調査することになった。有名小学校に入学させるという名目で、親たちから多額の金を詐取しているというのだ。さっそく内偵を始めた矢先、オーナー夫人が密室で毒物死しているのを発見される。その死因となった毒が沖縄産の限定ハブ酒の壜にしこまれていたことから、江戸川は那覇へ飛ぶ…。※本作品は『横浜―沖縄殺人連鎖』を加筆修正した新装版です。
  • 東京ー秋田殺人連鎖〈新装版〉
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    1巻565円 (税込)
    江戸川探偵長、みちのくを駆ける!本格長編推理小説 渋谷に開店する京料理店のオープニング・セレモニーのさなか、小説家・中西山彦がトイレで変死した。間もなく、そこに出席していた和菓子店主夫妻が、秋田新幹線こまちで旅行すると息子夫婦に告げたまま失踪する。二つの事件の関係を追って“こころ探貞事務所”の江戸川探偵長はさっそく秋田へ。調査が進むうち、中西が同人誌に書いた小説に驚くべき秘密が隠されていることがわかるが…。※本作品は『東京ー秋田殺人連鎖』を加筆修正した新装版です。
  • みちのく三内丸山殺人旅行〈新装版〉
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    1巻565円 (税込)
    特急「はつかり」が運んだ死の便り! 警察庁鉄道警察隊特捜隊の江戸川警部は、盛岡―青森間を走る特急「はつかり」内で続発するカップル車内盗の逮捕にみちのくへ向かう。同行するのは婦警の柿本波留。収穫がないまま立ち寄った青森の三内丸山遺跡で、二人は新進女流作家・風見奈保の絞殺死体に出くわす。任務のかたわら、独自の調査を始める江戸川。※本作品は『みちのく三内丸山殺人旅行』を加筆修正した新装版です。
  • 鎌倉湘南殺人ワールド〈新装版〉
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    1巻565円 (税込)
    エレベーターの中の密室殺人。容疑者は六人の女! 関東新聞の記者・渡辺公一は、取材で訪れたテーマパークで毒を塗ったボールを何者かにぶつけられ意識不明に陥る。同行していた柏木太陽が渡辺を鶴来総合病院に運び込み、彼のいとこで院長の柏木陽一の適切な処置で一命をとりとめる。太陽は陽一の手を借りて犯人捜しを始めるが、プレイボーイの渡辺に恨みを抱く容疑者が六人も浮上。そこで六人の女性が一堂に会する機会を作るのだが、再び惨劇が! 第一章 シネマの国 第二章 アメリカの毒(その一) 第三章 共通の女 第四章 未婚の見舞客 第五章 退院後 第六章 ホテルの殺人 第七章 アメリカの毒(その二) 第八章 六つの証言 第九章 毒は何処から 第十章 古き寺にて 第十一章 将棋大会 第十二章 絵の奥の真実※本作品は『鎌倉湘南殺人ワールド』を加筆修正した新装版です。
  • 四国綾歌殺人ワールド〈新装版〉
    -
    1巻565円 (税込)
    タロット日美子が目撃した二つの殺人。 二階堂日美子は、急成長したゲーム会社・TTO社の社長、田中総一郎から香川県のリゾート、レオマワールドに招待される。折りしも常務の高山薫には「123 4567」という数字だけの奇妙な手紙が届いていた・<死しかない>という隠し言葉にもとれるのだが・・・・・・。不審な出来事の続く旅の中で、ついに日美子は遊覧船から突き落とされる男を目撃する。しかし犯人も死体も消え失せてしまう・・・・・・。 第一章 開幕 第二章 殺人その一 第三章 消えた死体 第四章 捜査! 第五章 殺人その二 第六章 ウェルカムプラザ 第七章捜査2 第八章 殺人その三 第九章 交通事故 第十章 捜査3 第11章 フィナーレ 第12章 閉幕※本作品は『四国綾歌殺人ワールド』を加筆修正した新装版です。
  • 北都殺人事件 柏木院長の逆転推理〈新装版〉
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    札幌を震撼させた凶悪犯罪!若き実業家の秘められた過去。 結婚退職した鶴木総合病院の元ナース・神谷奈々の招きで、札幌へやってきた脳外科医・柏木陽一は、不可思議な事件に遭遇する。企業の御曹司である奈々の夫・知明が趣味の絵画の制作中にアトリエで狙撃されたのだ。目撃者のヌードモデル・柴山美紀の証言から、犯人は総会屋がらみの暴力団員・冬野と目された。命に別状はなかったものの、冬野の影におびえる知明に発信人不明の脅迫状が届く !長編本格推理 プロローグ 第一章 銃声 第二章 入院 第三章 冬野敏郎 第四章 謎の手紙 第五章日輪の遺書 第六章見合いの日 第七章雄猫ムーミン 第八章消えた女 第九章告白 エピローグ※本作品は『北都殺人事件 柏木院長の逆転推理』を加筆修正した新装版です。
  • 死角形の遺産
    3.3
    ベストセラー作家の原点となる傑作ハードボイルド! 誤配された一通の封筒が若き総会屋・井田を事件に巻き込んだ。配達人は殺され、本来の受取人は謎の自殺を遂げていた。友人と共に封筒を開くと、凶弾に倒れた世界的ミュージシャンの歌が録音されたたテープが。そして綾乃と名乗る女が現れ……。
  • 殺人の単位<新装版>
    -
    震える学窓、江戸川探偵長の驚愕! 全国から金持ちの子女が集まる東北の全寮制学校、愛生会高校。その校内のどこかに巨額の財宝が隠されているという。副校長に極秘捜査を依頼された江戸川は調査を始めるが、学内ではセックス、密猟、そして殺人と驚くべき単位の取得が…。本作品は「殺人の単位」を加筆修正した新装版です。
  • しまなみ海道殺人旅行<新装版>
    -
    恐るべき子供たちの名門高校襲撃計画・・・! 軽井沢にある〈こころ探偵事務所〉の江戸川探偵長に、奇妙な依頼が舞い込んだ。水木京子の一人娘・あずまは都内の有名進学校の一年生。校内で書類ケースを取り違えたところ、中から学園を襲撃する計画を記したファイルが出てきたというのだ。校内では不穏な動きがあり、あずまは不安に駆られて何も手につかない状態だという。江戸川はさっそく調査に乗り出すが、少女にはすでに魔の手が…。傑作長篇推理。本作品は「しまなみ海道殺人旅行」を加筆修正した新装版です。
  • 襲撃
    2.8
    空手選手としての生命を断たれ、杖をつき、整体院を経営する私は、深夜突然何者かに襲われた。患者のひとり劉昌輝に紹介された空手選手・星野を施術した帰りだった。翌日、警視庁捜査一課の部長刑事・赤城がやって来た。劉の手下が殺害されたという。劉は横浜に本拠地を持つ中華レストランのオーナーだが、裏社会の大物でもある。前夜の襲撃と関係があるのか?見えない敵に向かう男の孤独な闘い。
  • 共犯マジック
    3.6
    人の不幸のみを予言する謎の占い書《フォーチュンブック》。偶然入手した七人の男女は、運命の黒い糸に絡めとられたかのように、それぞれの犯罪に手を染める。錯綜する物語は、やがて驚愕の最終話へ。連作ミステリーの到達点を示す傑作長篇。
  • 日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか
    3.7
    絶対に謝らない中国人、ウリナラ起源自慢の韓国人……理解不能な中韓のメンタリティ・考え方に、日本人はどう対処すべきか? 「中国人の6割が中国人をやめたいと思っている」「韓流の歴史ドラマは見栄っ張りのウソだらけ」「古代から中国人は日本を理想と思っていた」「韓国人は日本人よりも中国人が嫌い」など、日本人に教えたい中国人、韓国人の不都合な真実が満載!
  • 虹に向って走れ
    3.0
    水浜啓子は中堅スター・剣崎隼人のしっかりものの付き人。剣崎は、人はいいが女性にルーズでトラブルが絶えない。ロケの宿泊先に現われた美少女・永谷聡子は、親友が暴行を受けて自殺に追いやられたと彼を追及、啓子は聡子の誤解を解き、一緒に真犯人を捜すことを提案する。そんなとき、監督の目にとまった聡子は映画に出演、一躍スターへ駆け上るが……。芸能界を舞台に描く青春ミステリー。

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  • 異星の人
    NEW
    -
    謎の大型爬虫類捜査のため中央アフリカの奥地へ向ったアメリカの生物学調査隊が突然、消息を絶った。当地で、内乱が起ったのだ。救出隊が組織され、私も現地へ飛ぶが、そこで自称フリー・ジャーナリストのジョン・エナリーに出会う。中肉中背で人種はあいまい。黒い髪と瞳、彫りの深い顔立ち。人間のすべての属性を見抜く鋭い観察眼を持つエナリーに、私は興味を持ち始めるが……。叙情あふれるSF連作。
  • ザ・サイキック 1
    続巻入荷
    -
    西鎌倉の高台に建つ篠田家。二階にある十二歳の少女・真由の部屋では、家鳴りや不気味な唸り声が続いていた。天井に近い空間からは、輝く水しぶきが滝のように降りかかる。巨大な心霊(サイキック)エネルギーが惹き起こすポルターガイスト現象が、少女を襲っているのだ。やがて少女の口から母親の忌まわしい情事の光景が語られた。除霊師(エクソシスト)・千夏響と竜造寺悟は平手打ちで少女を覚醒させたが……。長篇異次元アドベンチャー。
  • 魔の氷山
    NEW
    -
    師・竜造寺悟とともにネパールで超常能力の啓発に励む千夏響は、凶兆を得て竜造寺ら五人の超越者(スーパー・エリート)と南へ向かった。そのころ、遥か南の海上では、石油王国ダハールの依頼で南氷洋の大氷山をペルシャ湾まで曳航し、砂漠での淡水供給源にする巨大プロジェクトが進められていたが、調査の結果、その氷山の氷核(コア)に異常があることが判明した。氷山から解き放たれた災厄の翼をひろげる邪悪の正体は? 傑作長篇。
  • 魔犬
    NEW
    -
    肩高八十センチ、体重五十キロ、今や犢ほどの巨犬に成長したアローは、みほと呼ばれる人間の少女との絆を断ち切った。信州の別荘地へ連れて来られた夜、野犬の遠吠えに、体の中を流れる”狼の血”が呼び醒まされたのだ。彼は野生に戻った。野犬の首領となり、妻を得、仔を成した。しかし、それはまた生存をめぐる、人間との仮借なき闘いの始まりでもあった……。少女と犬の愛の交流を描く長篇冒険小説。
  • 風葬の街
    NEW
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    若い頃、透視能力をもっていた千代木梢は、成人するとともにその能力が消失し安堵していた。が、微生物工学研究所に勤める兄弓彦が山奥のダムに車ごと転落する悪夢を一万キロ離れたニュージランドでみたとき、その能力が甦っているのを知った。急遽、帰国した梢は、弓彦が企業秘密を極秘裡に持ち出していたことを知らされた。弓彦は何を持ち出していたのか? 梢の質問に答える研究所長の話はあまりにも………。
  • 悪霊の街
    NEW
    -
    あたしは千夏響、自分でいうのも何だが、ピュリツァー賞でも狙おうかという、新進気鋭のカメラマンだ。ある日、東洋TVがハイチから招いた魔教ブーズー教の女司祭の記者会見場で、竜造寺悟と名乗る黒衣の男から声をかけられた。数日後、竜造寺に指定された場所へ出かけると、何と蹌踉と現われたのは、航空機疑惑がらみで自殺した男の“生ける屍(ゾンビー)”だった。エクソシスト探偵いよいよ登場!
  • 十七歳
    NEW
    3.5
    「歌舞伎町に住んでいる理由? 消えた同級生を探したいので」人気エッセイストとなった林あや美には、痛い思い出がある。もう十二年も前、一緒に夜遊びしていた歌舞伎町で、女子高生の友達が突然消え失せたのだった。そんなあや美の前に、一人また一人現れる奇怪な男女。血塗れの首の女、連続殺人鬼に酷似したストーカー……それが恐怖の始まり、地獄の一丁目だった。
  • 真珠湾、遙かなり 零戦隊血風録
    NEW
    -
    昭和十六年十二月八日。若き飛行兵たちを通して描く、長く短い真珠湾攻撃の一日。海軍鹿児島基地での猛特訓。ハワイ空襲部隊旗艦『赤城』より出撃する九七式艦上攻撃機他。目を眩むような昂ぶりとたとえようのない恐怖……。渾身の長篇大作!
  • 棘
    NEW

    -
    1巻605円 (税込)
    昼間は男子中学生の好奇の目に晒され、夜はデート嬢として大人の男のあらゆる欲望を満たす。国語教師麻生里久、三十歳。心の裡にぽっかり空いた隙間を埋めるように、男たちの慰みものに。心の闇、癒し、愛、そして容赦ない暴力を描いた衝撃作
  • 死の谷から来た女
    3.5
    高知県の鉱山で起こった爆発事故で家族を亡くした北村恵は、東京・赤坂にある高級サウナで働くことになった。そこで知り合った巨額の資産をもつ相庭宇吉郎に気に入られ、養女にという話が浮上したのだ!その本当の狙いは何か…?〈シンデレラの夢〉の背後にうごめく黒い影。得体の知れない恐怖をスリリングに描いた会心の長編サスペンス!
  • 死なれては困る
    -
    ゴルフ場で倒れ、そのまま植物状態となった会社社長の病室に何者かが忍び込み殺害を図るが、発見されて逃亡。警察の執拗な捜査にもかかわらず、“死なれては困る”者はいても、“死んでもらいたい”者は皆無なのだ!意表をつく結末の傑作集。
  • 卍の女 下北―上高地二重アリバイ
    -
    江戸川探偵長のもとに横浜、総得寺の貫首の長女・花女から、行方不明になった寺宝を探して欲しいと依頼がくる。事の真相を解明した江戸川は花女の信頼を得、彼女の妹・乙女―通称卍の息子で高校生の弓夫の教育係を頼まれる。弓夫の父は民自党党首・河山善助の長男、善太郎。将来を嘱望されていた弓夫に、東大寺放火事件の嫌疑がかかる中、善助の妻・よね子の他殺体も発見されるが…!?会心の長篇推理。
  • 関西周遊殺人事件
    -
    由利桂介が約束のホテルの部屋に入ると、待ち受けていたのは青井美保子の全裸死体だった。座卓が部屋の隅に押しやられ、煌煌たる明りの下に美保子は太腿を開いたまま横たわっている。はたして、由利は罠に陥ちたのか? 傷害の前科をもつ由利が、奈良県警の捜査線上に有力な容疑者として浮かび上がっていたのだ。由利と美人スリ桐子のコンビの推理が冴える周遊シリーズ3部作完結!
  • 九州周遊殺人事件
    -
    横浜に銀行強盗事件発生!一味と思われる男の死体が新幹線の中で発見された。由利桂介は一匹狼の私立探偵だが、奇妙な依頼を受け、指定された新幹線に乗るが、依頼者はあらわれず、殺人の被疑者にされてしまった。一方美人スリの桐子は遠山産業の社長に接近、新婚気取りで九州周遊に旅立つが、その遠山がやがて怪死をとげる。桐子と旧知の桂介は、真犯人を求め、長崎―熊本―大分へと、逃亡と追跡の活劇推理。
  • 四国周遊殺人事件
    -
    凍てつくような寒夜、全身麻痺を訴える患者が救急病院に運び込まれ、当直医は精神的ストレスと断定したが、翌日、なぜか患者はある決意を告げて退院してしまった。数カ月後、横浜埠頭に荷揚げされた燻蒸中のバナナの山から死体が発見された。警察は傷害の前科をもつ由利桂介に疑いをかけたが、彼は自らの再生を賭けて荷役会社社長の娘との四国周遊の婚前旅行から帰ったばかりだった。そして意外にも……。
  • 摩周湖 黒衣の女
    -
    美しい人妻から、夫を探す依頼を受けた私立探偵・岩波は、神秘の湖と呼ばれる摩周湖へ飛んだ。地道な調査により、黒づくめの服装の女と一緒であったことをつかんだが、男は遺体となって発見された。黒を纏う女は誰か。どこへ消えたのか―。
  • 夜叉の断崖
    -
    岩波淳哉は一匹狼の私立探偵。全国各地で未発見の巨木を見つけようという巨木探しグループの“組長”でもある。今回の目的地は八ヶ岳山麓の蓼科高原。別荘に着いた一行は管理人夫婦と出会うが、数日後、警察らしい人間が管理棟を張り込んでいるのに気づく。やがて二人は岩波にボストンバッグを預け、別荘地から姿を消した。訪ねてきた刑事から、男が自分の妻殺しの容疑者として追われていることを知り…。
  • 松江・出雲 密室殺人事件
    -
    出雲に嫁いだ一人娘の雪路を連れ戻してほしい―一匹狼の調査員・岩波惇哉の許に、松平と名乗る男から依頼があった。浮気性の夫と別れたいが、相手が承知しないという。前金は100万円。岩波は、彼を「組長」と呼んで慕う巨木探索グループの一員・20歳の真那津と共に出雲へ飛んだ。雪路を訪ねたが彼女は留守。そしてその家で女性の絞殺死体が発見された!警察に疑われる岩波。無実を証明できるのか。
  • 白神山地殺人事件
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    世界遺産に登録された白神山地の秋は美しい。調査員の岩波惇哉をリーダーとする一行は、日本一のブナを求めて原生林を歩く予定だった。出発前夜、東京に降った黒い雨。それは不吉な事件の前兆だった!赤石川と滝川の合流地点で、一行は女性の死体を発見した。軽装だったことから、岩波は同行者の存在を疑う。被害者は東京の資産家の娘。しかも父親も二年前に行方不明になっているという…。長篇山岳推理。
  • 星砂の島殺人事件
    -
    私立探偵・岩波をリーダーとする探検グループに西表島行きの話がもちあがった。そんな折、メンバーのひとり真那津が、阪神大震災で被災し身寄りのない少女・花を連れて神戸から帰京した。花の出奔中の父親が石垣島にいることがわかり、岩波達は沖縄へ飛ぶ。しかし、父親は三年前から再び行方不明だった。グループは西表の密林で謎の死体を発見する。遺体は花の父なのか、彼の過去には何が…書下し長篇推理。
  • 立山連峰殺人事件
    -
    上高地から岳沢へ登攀中、雪洞に貯蔵していた食糧を口にした三人パーティの一人が急死した。青酸毒であった。半年後、またメンバーの一人が立山で墜落死した。彼らは十五年来の岳友だという。豊科署刑事道原伝吉は、二つの事件を結ぶ糸を探ったが、徒労に終わった。そしてさらに半年、今度は冬の剣岳で、メンバーの長男が遭難するに及んで、道原の脳裏には意想外の仮説が浮かんでいた。長篇山岳サスペンス。
  • 黒部殺人源流
    -
    黒部・餓鬼山で、二年前に行方不明となった平塚晃一のザックと破れた羽毛服が発見された。平塚はチョモランマ登頂に成功した世界的なクライマーだった。しかも現場近くで、のこぎりで切断されたらしい女性の頭部と腰骨が見つかり、事件は奇怪な様相を見せ始めた。長野県警諏訪署の道原伝吉が捜査を開始。女性の身元をつきとめるが、その矢先、平塚の山仲間の遺体が八ヶ岳で発見される…。長篇山岳推理。
  • 谷川岳 霧の殺意
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    道原伝吉四十六歳―長野県警諏訪署のベテラン刑事が、妻子と共に遅い夏休みをすごした三日後、事件は起った。一家が泊った八ヶ岳高原のホテルに同宿していた一人旅の美貌の女性が、下諏訪町の鷲ヶ峰で絞殺死体となって発見されたのだ。さらに同日未明、東京の彼女の自宅では、夫が放火による焼死体となって発見されていた。殺された夫婦の身辺を洗うため、若い貞松刑事をつれて上京した道原だったが―。
  • 木曾御岳殺人事件
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    八ヶ岳の岩場から、絞殺された若い女が投げ込まれた。被害者は東京のOL西岡万沙子。事件を追う諏訪署の道原刑事は、同じころ万沙子の親友の塩谷涼子が、木曽川で水死体で発見されたことを突き止めた。しかもその前年、涼子の弟勝史までが木曽御岳で遭難死していたのだ。3つの事件に関連はないのか。だが3人につながる人物には、鉄壁のアリバイがあった。長篇山岳ミステリー。
  • 中央アルプス空木岳殺人事件
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    中央アルプス山麓・菅ノ平駐車場に車を放置したまま、東京の加古川奈未が失踪した。同じ頃、空木岳では小竹達三の他殺死体が発見される。駒ヶ根署から派遣された刑事・道原伝吉は、小竹のアパートで奈未の写真と2千万円の預金のある通帳を見つけ、2つの事件が結びついたかに見えた。が、半年前に起きた槍ヶ岳落石事故との関りが浮上し、事件は予想外の展開をみせ始めた…。会心の長篇山岳ミステリー。
  • 槍ヶ岳 白い凶器
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    高校生の一人娘・比呂子が東京で若い女を刺した―。知らせを受けた長野県警豊科署の道原伝吉刑事は、急遽、麻布署へ飛んだ。被害者は中田邦子。邦子に連れそっていた男は姿を消すが、二週間前槍ヶ岳で出会った男に似ていると比呂子はいう。犯罪の臭いをかぎとった道原は槍ヶ岳を捜索し、若い男の遺体を発見する。娘の無実は証明されるのか。雄大なスケールで描く長篇山岳ミステリー。
  • 八ヶ岳 石の血痕
    -
    長野県諏訪市で轢き逃げ事件が起った。目の不自由な母親の杖代りになっていた五歳の少女がはねられ、重態だという。諏訪署の刑事・道原伝吉が捜査にあたるが、単身東京で暮らす父親は休暇中で連絡がとれず、道原は不吉な予感を覚える。が、三日後に父親が現れ、北アルプス・白馬から唐松を縦走していたという。一方八ヶ岳・硫黄岳で男の遺体が発見され、事件は意外な方向へ……。長篇山岳ミステリー。
  • 街道の牙
    -
    材木問屋の主が斬り殺された。半壊した橋の修築を落札、工事を終えたばかりだった。 怨みの筋と判断した定町廻りの左門は探索を開始。 が、思うように捗らず、鏡心明智流の剣友、清四郎に助力を頼む。 旗本次男坊の“お控えさま”が必殺の剣を揮う! 書下ろし長篇。
  • 鳥見役影御用 闇の華
    -
    鷹狩りの用立てのほか、隠密も兼ねる鳥見役の乾清右衛門が何者かに斬殺された。 探索に動く気配のない道中方や宿場役人に業を煮やし、真相を探りはじめた独り息子の兵庫は、金品を後ろ楯にした田沼の権勢にまとわりつく陰謀を突き止め……。
  • 江戸城御金蔵破り
    -
    徳川の城を盗んだのだ― 一介の素浪人は腹の中で昂然とつぶやいた。 厳重な警備をくぐり抜けて江戸城に忍びこみ、二百五十余年、一度も破られることのなかった御金蔵を破って、まんまと二千両箱二つを盗み出した漢、藤岡藤十郎を痛快に描く。
  • 死神幻十郎 冥府の刺客
    4.0
    南町奉行同心神山源十郎は三河の代からの直参で、源十郎の代で九代目を数えた。 阿片密売組織の罠にはまり、妻を凌辱されたばかりか、自身小伝馬町の揚屋に収監された。 奉行の沙汰が下り、斬罪の裁決が決まった。 しかし、男は死罪所で死ななかった。身代わりの罪人が死に、地獄の底から舞い戻ったのだ。 一度死んだ男、死神幻十郎は楽翁と呼ばれる老人に迎えられ、闇の剣を疾らせるのだった。
  • はぐれ柳生殺人剣
    -
    八代将軍・徳川吉宗の母、浄円院の逝去により、にわかに動き出した『お庭番』たち。 薬込役の筆頭格、風間家の新之助が失踪した。 佐賀鍋島藩を脱藩した刀弥平八郎や尾張の松平通春の命をうけた尾張柳生の使い手星野藤馬が奔る。 江戸市中では、雲霧仁左衛門が暗躍する。 徳川政権の謎に挑み、柳生の剣が煌めく。
  • 花の証言 弁護士 朝吹里矢子
    -
    藪原法律事務所の居候弁護士になって三年目、朝吹里矢子は同じ事務所内ながらも独立をはたした。一か月後、最初の依頼人が訪れた。兄が自宅で死亡し、嫂が過失致死容疑で逮捕されたという。過ってブロンズ彫刻が本棚から落ちたらしい。残された一人息子を案じて、嫂の処分軽減を求めてきたのだ。里矢子には、投げやりな被疑者の態度と言葉が信じきれない。が、共働きの家庭環境の裏に事件の真相は潜んでいた。本格推理集。
  • 狼でもなく
    3.0
    東京近郊にある共同農場の農場長・尾関譲に、ベトナム人ロアンから電話があった。ウォーリスに狙われているので助けてほしい、という。ベトナム戦争当時、三人はCIAの現地工作員として知り合った。尾関は、指定された都心のホテルに向かった―。何かを忘れ、何かをそらして生きてきたこの十年間を振り返りながら。過去を忘却の淵に沈めてきた男が、今再び過酷で非情な世界に舞い戻る。本格ハードボイルド。
  • 文学賞殺人事件
    -
    新人作家の登竜門といわれる文学賞を受賞し、一躍、人気作家の仲間入りをした小高省吾には、人には言えない秘密があった。手中にした名声を一挙に崩壊させるような男の存在が、彼を不安にさせるのだ。それは、昔の同人誌仲間、松江俊吉で、文学賞受賞に絡む“密約”によるものだった。松江が身を持ち崩すに至り、小高の胸に激しい殺意が兆す。事故死を装った完全犯罪のはずだったが…(表題作)。本格推理集。
  • 虎落笛(もがりぶえ)
    -
    死刑執行の立会検事・郷名は処刑直前、死刑囚・北岡の無実を確信した。だが時はすでに遅かった。幼時、人買いに売られ奴隷生活を送った北岡は“風が――冬の風が”ということばを遺して絞首台に逝った。職を辞し、北岡の過去を求めて探索行に出た郷名は、北岡の就籍地宮崎で、なぜか暴漢に襲われた。北岡の生い立ちに、いったい何が隠されているのか――!? 巨匠が描く傑作ハード・ロマンの白眉!
  • 死人狩り
    3.0
    西伊豆海岸を北上中のバスが、突然、凶弾を撃ち込まれ、乗客27人もろとも海中に没した。県警警部補・浦上の妻子も、そのバスの乗客だった。犯人は一体、27人のうちの誰を、何の目的で狙ったのか? 犯人をいぶりだすには犠牲者を1人ずつ洗う“死人狩り”しか手段はない。愛する者を奪われた、たぎるような怨念が、浦上を執拗な捜査行に駈りたてるのだった……。大量殺人の謎に挑む本格長篇推理!
  • 妖魔
    -
    建設省のキャリア組・梶谷の経堂の家が鴉の群れに襲われた。そしてなぜか執拗に梶谷だけが狙われた。TVニュースで事件を知った匠淳之助は、群れを率いているのが、匠が餌を与えている鵜のクロであるのを確認した。現場で知り合った警視庁の徳田刑事が数日後、匠を訪ね、五年ほど前に陵辱されて殺された母娘がクロという名の鵜を飼っていたと告げた(「妖魔」)。人間の狂気と滅びを描く西村文学作品集。
  • 魔性の誘惑
    3.0
    男を飽きさせない肉体をもつ亜衣子は、事業家の夫に愛され、幸せな日々を送っていたが、それもうたかたに過ぎなかった。ある日、未知の男が訪れ、半年後に須佐原が出所するという凶報をもたらしたのだ。須佐原──過去に亜衣子が同棲したことのあるヤクザで、殺人傷害を起こし、当分は服役中のはずだった。彼女にとって、まさに忌まわしい過去を白日にさらすパンドラの箱というべき男が出現したのだ……。
  • 女は月曜日に泣く
    -
    美容院を経営する若き未亡人の大倉真由子が自宅のマンションに帰ってみると、見知らぬ男が待っていた。十日前にグァムへ旅行した時に知り合い、かろうじて一線は越えなかったものの、泥酔した果てに、部屋の鍵を渡して再会を約したのではないか、というのだ。しかも男は、二年ほど前、真由子の夫が妊娠五カ月の愛人とともに惨殺された事件に関心を持っているようなのだ。意想外の結末があなたを待つ! 女の業の深淵を描くミステリー。
  • 幻戯(めくらまし)
    -
    東南アジアで軍隊やラマ教の怪妖僧と死闘を繰り広げ帰国した宮田雷四郎は、思案の末、深山幽谷で仙道修行に入る。賭場荒らしで飯を喰ってきた彼は全国の暴力団から命を狙われており、平穏な居場所はないのだ。玄道聖人を名乗り、仄暗い奥の院で女性信者を己れの男根に奉仕させることを夢見つつ苦行に耐えること七カ月。男根を徹底的に鍛え房中術を会得した雷四郎は下山し、女陰征服のたびに出る。痛快長編!
  • 轍が弔うお前の恨み
    -
    小平市のタクシー運転手・宮原が刺殺され、車ごと黒焦げ死体で発見された。宮原と親しかった同僚の小関は、実直な宮原の死に不審を抱いた。怨恨の線は考えられない。強盗の犯行か……。四十九日の前日、府中まで客を乗せた小関は、前方に同じ会社の車がドアを半開きにして停っているのを見た。やがて小柄な女がドアに向かって歩いてきたが、女は実家に帰っているはずの未亡人・直美だった。傑作サスペンス。
  • 扉の中の祝宴
    -
    1巻605円 (税込)
    ここもと御覧に入れまするは、かの勝目梓がペンの至芸によって織りなす女たちの妖かしの姿態──電車の車内以外にはオーガズムを感じない女、夫よりもスプーンを好む異物愛玩症の女、被視姦願望の女、恥ずかしくて行為に至れない赤面恐怖症の女……百花繚乱、天下泰平、女百態噺。
  • 夜を真昼に
    -
    まあ聞いてくれ、タクシー強盗をやられた上に殺人容疑をかけられて――こんなひどい目にあって、犯人逮捕を刑事なんかにまかせておけるものか! 沖島雄一が解きはじめたパズルは、迷宮入り犯罪の絡むビッグゲームだった。闇に閉ざされた夜を、太陽の真昼に――荒々しい男と甘美な女の情念が絡み合い、やがて時間に埋もれた謎の事件へと連動し、華麗に展開する勝目梓の世界!
  • 闇に光る肌
    -
    八木秀一の車が、銀座で森沢洋子のアルファロメオに追突した。森沢洋子は事故の被害をベッドでの奉仕で支払えと要求した。八木は洋子の指令で女優のタマゴを相手にすることになった。が、マンションに出向いた八木を待っていたのは、中年男の死体だった。殺人容疑を受けた八木はきわどくアリバイが証明され釈放された。洋子の仕掛けた罠に落ちたのだ。洋子とは何者なのか!? 背後に政界大物の影がちらつく――。
  • 墓碑銘は炎で刻め
    -
    ショットガンをたずさえて社長室に乗り込み、人質10人を全裸にして屈辱的な行為を強要する戸室。誘拐した女をペットのように飼育し、卑猥なポーズをカメラに収める柴崎。強姦されかかった女を救い、彼女を相棒に荒っぽい復讐計画を練る岡田。見るからに疲れた中年男だが、報復のためには大胆かつ巧妙な久保寺。……邪悪な情念を描き、人間の魔性を見事に抉り出した勝目世界の男の群像。
  • 薄紅天女[上]
    3.8
    東の坂東の地で、阿高と、同い年の叔父藤太は双子のように十七まで育った。だがある夜、蝦夷たちが来て阿高に告げた……あなたは私たちの巫女、火の女神チキサニの生まれ変わりだ、と。母の面影に惹かれ蝦夷の地へ去った阿高を追う藤太たちが見たものは…?〈闇〉の女神が地上に残した最後の勾玉を受け継いだ少年の数奇な運命を描く、日本のファンタジーの金字塔「勾玉三部作」第三巻。
  • 欲望銀行殺人事件
    -
    旧国鉄が売り出した貨車を購入、内部を改造して住居とした多門竜二のもとを、ジュエリー・デザイナーの綾小路京子が訪れた。父親が殺され、ダイヤ販売人の多門から預かった2.5カラットのブルーホワイト・ダイヤも盗られてしまったというのだ。殺された父親のメモを手がかりに、ダイヤの行方を追う多門は、やがて、銀行支店長夫人をリーダーとする秘密組織《薔薇同盟》を探り当てる……!? 長篇官能サスペンス。

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  • 香港殺人旅行
    -
    旅行会社の募集した東南アジア観光旅行に参加した谷口拓郎は、帰国後、空港からのタクシーの中で急死した。妹の礼子は兄の死に疑惑を持った。一方、その旅行には神奈川県警の水田警部補もハネムーンを兼ねて参加していた。水田は帰国後、境川シアン汚染を調べていくうちに、谷口拓郎の死との関連に行き当たる。事件は奇怪な様相をみせはじめた。

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  • 毒 poison
    4.0
    東京郊外にある病院の脳神経外科病棟で、入院患者が殺された。死因は筋弛緩剤の投与。事件直前、院内で同じ薬のアンプルが盗まれていた。殺されたのは、妻には暴力を振るい、看護師にはわいせつ行為を働き、他の患者には暴言を吐くという問題人物で、周囲の誰にも殺害の動機はあった。事件を調べ始めた看護師の柳麻衣子がたどりついた真実とは? 本格推理の名手が読者に挑戦した衝撃作!

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  • 鷲の啼く北回帰線
    4.0
    死神シリーズ第2弾。首相の娘・根岸志津子がチューリッヒで失踪し、志津子の行方を追った外事警察捜査員・朱野能子も『北回帰線に鷲が啼いている』という謎のメッセージを残して消えた。二人は欧州全域にまたがる人売り組織に拉致され、買主の男たちに仕える凌辱の日々を送っていたのだ……。代表作『往きてまた還らず』で死闘を演じた伊能と中郷両警視正が再び欧州を舞台に、秘密組織に挑む長篇アクション。

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  • 中途採用捜査官 上 “敵の手の内”読めるやつ
    3.3
    1~4巻605~1,375円 (税込)
    コンパクト社勤務の結城はシリコンバレー特派員という朗報にだまされて、上機嫌で出社すると、なんと人事部からの解雇通知。エンジニア解雇は慎重にしなければという会社側の罠だった。夜、自分のアパートに帰った結城は警視庁捜査二課の家宅捜索に出くわす。コンパクト社の不正アクセス事件の容疑者としてノートパソコンを押収され逮補される。

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  • 順送りの恋人
    -
    新入社員歓迎会の夜、河野啓一は先輩の森山から同じ課の今西紀代子を紹介された。夜更けまで飲んだ二人はホテルで関係を結ぶ。翌朝、気まずい思いで出社すると、森山は笑って言った。「彼女、なかなか達者なもんやろ。きみに引き継いでもらうわ」―若い河野は魅力的な紀代子と性の快楽を貪る。しかし、紀代子が代々先輩から引き継がれていたことを知り、暗然とする。表題作ほか全十篇のオフィスラブ集。

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  • 修羅の群れ(上)《怒涛篇》(電子復刻版)
    5.0
    稲原龍二が任侠の世界に身を投じたのは、日本が大陸へ触手をのばし始めた昭和八年、十九歳の時であった。以来、博徒としての厳しい修行を重ね、打ち続く出入りの中で男をあげた龍二は、敗戦後、三十五歳の若さで熱海に一家を構え、持ち前の大器量で、当時京浜地区に勢力を張っていたモロッコの辰をはじめ生きのいい若衆たちを次々に糾合、東海道に睨みをきかせるまでになるのだが……。迫真の任侠群像。

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  • 異常者(電子復刻版)
    -
    事もあろうに、自分の妹が〈残虐魔〉の第五の被害者になろうとは! 絞殺された死体に赤ペンキが噴きつけられ、局所には現場附近の木の葉が押し込まれていた。そして、それは新進弁護士・波多野丈二の妻が何者かに暴行されかかり、自殺した日と同じ日であったが、果してそれは偶然なのか? 波多野の苦悩をよそに〈残虐魔〉は第六、第七の犯行を重ねてゆく。笹沢左保が贈る猟奇ミステリー巨篇!

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  • ブルートレイン北へ還る(電子復刻版)
    -
    家出常習の少年鉄道マニア。失業して郷里に帰るダイナマイトを抱いた青年。老大学講師夫婦。正体不明の大金持ち。詩人とその妻そして何故か警部。ブルートレインはさまざまな人々を乗せて走る。ご存知新進旅行作家・瓜生慎は雑誌社の依頼で日本最東端駅・東根室に出かける。今回はブルートレインだ。だが、慎を追う恋人真由子の二人が出合うのはまたしても死体。好評慎と真由子の長篇ユーモア推理。

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  • 二人の武蔵(上)(電子復刻版)
    -
    武辺に生きる奥義を「五輪書」に託し、巷説、幾多の決闘譚を生んだ剣豪・二天宮本武蔵。真筆の襖絵は今日も墨痕鮮やかだが、その生涯に謎は多い。足利将軍家指南・吉岡憲法を蓮台野に屠り、洛東一乗寺村下り松で吉岡一門の挑戦を一蹴した“武蔵”像に、二つの若き影が重なる。播州浪人・岡本武蔵、作州浪人・平田武蔵。二人の剣客の交錯するところ、“武蔵”の足跡が記されていった。五味剣豪小説の代表的名作。

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  • 暗殺剣(上) 陰謀(電子復刻版)
    -
    家康の覇権獲得に尽力した伊賀忍者集団服部家。だが偉大なる父初代半蔵に較べ、二代目半蔵は頭領としての資質に欠けていた。家康はやむなく服部家の家名を断絶。関ヶ原の合戦後、もはや隠密は不要と思われたが、幕府の本意は別にあった。豊臣方の有力大名を暗殺せよ――戸隠忍者を擁し、いまだ不穏な動きを見せる豊臣方に対し、幕府は伊賀忍者に秘密裡の指令を下したのだ。二代目半蔵の作戦は。時代巨篇。

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  • 暗殺剣(下) 決戦(電子復刻版)
    -
    徳川幕府と豊臣家。表面上は平穏を保っていたが、その裏では伊賀、戸隠の隠密たちによる攻防が繰り広げられていた。真田昌幸、加藤清正ら豊臣家ゆかりの大名が次々と討ち取られ、形勢は伊賀組有利と思えた。追い詰められた戸隠忍者は、再び家康の命を狙う。戸隠忍者の頭領は昌幸の息子・幸村。父の仇討ちに執念を燃やす幸村は、鷹狩りに出かけた家康を忍術でおびき寄せる……。天下分け目の戦いの行方は!?

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  • 時効成立〈全完結〉
    -
    昭和43年12月10日、強窃盗犯罪史上最高額の事件が起った――府中3億円強奪事件。警察官を装い、白バイに乗った若い男が、府中刑務所裏でボーナスを積んだ現金輸送車を止め、まんまと強奪したのだ。1年間に投入した捜査員延べ7万人。調べた容疑者1万2300人。多くの遺留品を残しながら、ついに犯人が挙がらないまま時効が成立した……。犯人に最も迫った清水一行衝撃の問題作! 全完結篇。

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  • 涯の鷲
    -
    死神シリーズ第6弾。伊造組長が朝日岳で人妻との青空性交(セックス)を愉しんでいるさなか、飛来したヘリから狙撃され、わけもわからず伊造は逃げた。だが理由はあった。登山道で男とすれちがった。その男が、伊造のザックにマイクロフィルムをしのばせたのだ。フィルムを争奪する陸幕の二つの工作チーム。背後には大国の諜報組織がからむ。伊能と中郷の死神コンビが動きだし、死屍累々の殺戮戦の幕は切って落とされた。ハードロマン巨篇。

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  • 鷲の巣(電子復刻版)
    4.5
    死神シリーズ第4弾。警視庁公安特科隊長だった中郷広秋と伊能紀之は、国際テロ組織を殲滅すること三度、死神の異名をとったが、警察の報酬違約に辞表を叩きつけ、クルーザーで全国を巡る水上酒場を思いたった。焼津沖で若い女を売買する暴力団と外国貨物船に殴りこんだ頃、警察庁長官が二人を訪れ、大西洋上でシージャックされた超豪華客船の奪還を依頼してきた。報酬は三億……。バイオレンス巨篇。

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  • 薄化粧(電子復刻版)
    -
    浮気がばれて夫婦喧嘩のあげく妻を殺した坂根藤吉は、「かあちゃんのところへ行け」と子供まで殺してしまった。以来、八年にわたる逃亡生活。全国十一県を股にかけ、主として山中深い工事現場を渡り歩く。眉をひき、薄い化粧に過去を隠して、地を這うように逃げ回る男の胸に去来するものは何か? 犯罪小説の名手が、ふとしたキッカケから入手した資料をもとに描く渾身の力作巨篇。

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  • 警視庁記者クラブ(電子復刻版)
    -
    府中競馬・関東青葉賞レースで本命が落馬、大穴の出た日、新宿のバーのホステス・文枝が投身自殺した。日報の警察回り記者・山崎は文枝のホステス仲間から意外な情報を入手、青葉賞レースは八百長で、文枝の死とつながりがあるというのだ。そして文枝は身の危険を感じて手紙を書き遺したらしい(第一話)。殺人、麻薬、八百長……都会の暗部に挑む若き事件記者たちを描く傑作連作集。

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  • 九頭の龍(電子復刻版)
    3.0
    十九世紀末、フランス統治下のベトナム。政府は民族独立を掲げる神出鬼没のゲリラ〈九頭の龍〉に手を焼いていた。彼ら一味を殲滅せんとする仏大佐メニュリーは作戦「オペラシオンU」を計画、伝説的な工作員モンギランを起用する。“U”とは一体何を意味するのか? 一方、日本帝国海軍は新鋭巡洋艦「畝傍(うねび)」を仏造船所に発注、軍備増強を目論む。それを阻止せんとする清国工作員……。長篇海洋冒険小説。

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  • 0時間の男(電子復刻版)
    -
    電話の中から甘い声が囁いた。「小関博士がどうかされるらしいのよ」小関健太郎は在日米軍医療班細菌主任、混血の若い妻と美しい娘がいるという。奇妙な電話を受けた国際刑事警察機構ICPO東京秘密駐在員である刈谷三郎には過去も未来もなかった。ただ与えられた任務を遂行するために現在に生き、0時間に命を賭けるだけなのである。巨匠が放つアクション長篇推理!

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  • けものたちの祝宴
    2.7
    大道寺明子は、芸能界を引退した後、美貌を利用して銀座のクラブのママになった。明子のパトロンである製薬会社社長・村上は、秘書の矢崎に彼女の秘密を探るよう命令する。動き始めた矢崎の周囲で次々と起こる殺人事件。そして矢崎にも罠が!

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  • 激流[上]
    3.7
    1~2巻605~660円 (税込)
    京都。修学旅行でグループ行動をしていた七人の中学三年生。知恩院に向かうバスで、その中の一人の女生徒・小野寺冬葉が忽然と消息を絶った―。二十年後。三十五歳となった六人に、突然、失踪した冬葉からメールが送られてくる。「わたしを憶えていますか?」運命に導かれて再会した同級生たちに、次々と不可解な事件が襲いかかる…。

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  • 遙かなる海嘯(電子復刻版)
    -
    北九州地検の平泉検事正が官舎で殺害された。針金が首に食い込み、レンゲの花粉が現場に付着していた。わずか1ヵ月前、平泉と同期の島田検事正が同じ手口で殺されている。16年前、彼ら研修生仲間は大型クルーザー・海嶺号で釣り会を催し、壱岐へ行った。その釣り行に連続殺人の動機が秘められているのではないか!? 警察庁は捜査への全力投球を指令し、鹿児島県警刑事局長・清村一守が捜査の第一線に立った。

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  • 蝮のようなレディ(電子復刻版)
    -
    診察の合間にヌードを撮影するのが趣味であった本郷産婦人科病院院長・本郷重久が、病院の一角に自ら作ったスタジオ内で死体となっているのを発見された。脱税容疑などで捜査中であった院長の自殺なのか? スタジオは内側から掛け金がかけられた状態の完全な密室であったのだ。しかし、院長とバスルームを使用したと思われるヌードモデルの行方がわからない――。長篇本格推理。

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  • 蜃気楼(電子復刻版)
    -
    昭和42年6月、暴風に見舞われた大阪郊外の街で警邏中の巡査が刺殺された。府警あげての大捜査網にもかかわらず、強盗・強姦、そして殺人事件が17件も連発する。昭和46年11月、犯人逆木は広島県警によって逮捕された。が、事件は終結したわけではない。取調べる者、取調べられる者の虚々実々のかけひきが始まり、前代未聞の大事件も白昼夢に終ろうとしていた……。大阪府警の必死の捜査を描く犯罪小説。

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  • 旅は道づれ湯はなさけ(電子復刻版)
    -
    旅の極意は出発から帰ってくるまで、全工程をまるごと楽しんでしまうこと。早く目的地に着いて大騒ぎするのも結構だが、乗物を楽しみ、自然を愛で、土地の人情と味に触れる……この旺盛な探究心が旅の楽しさを二倍にも三倍にもふくらますノウハウなのだ。日本全国から台湾まで、秘湯・名湯・大露天風呂を訪ね、名旅館・ひなの宿と味をサービスを吟味する、温泉と乗物のマニアが贈る“旅のミシュラン”

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  • 竜馬暗殺異聞(電子復刻版)
    -
    坂本竜馬を斬ったのは誰か? 歴史の謎に挑戦する記者の前に、次第に新しい事実が浮かび上がってきた。『歴史とは、事実や記録の集積ではなくて、それに対する解釈であろう』と考える著者が、坂本竜馬暗殺事件に果敢に挑戦、ミステリー手法を駆使して歴史の暗部を照射、ついに暗殺者を突きとめる……。新境地を拓いた表題作ほか、傑作歴史ミステリー三篇を収録。

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  • 裸の冬(電子復刻版)
    -
    白骨紅、奇妙な姓をもつ警視庁刑事拝郷樺介の妻が、全裸のまま自宅から何者かに拉致された。『無月夜抄』にわずかに記された幻の錦繍織りに関係があるという。紀元前、シルクロードを東へ逃げた一族があった。幻の古代染色錦繍織りを伝える紅の遥かな祖先だといわれる。そして、紅は性交の絶頂時のみ、右掌に血の葉脈紋様が浮かぶ。拝郷は妻の行方と謎を追って欧州へ飛ぶ。鮮烈ハードロマン。

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