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北の文学2021
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2021年の北海道新聞文学賞などの受賞作をまとめた1冊。創作・評論部門の佳作小説「白鹿」(原雪絵さん)、詩部門の佳作「亡骸のクロニクル」(二条千河さん)と「芭露の森」(本田初美さん)、短歌賞の受賞歌集「崖にて」(北山あさひさん))、佳作作品集「父の言伝」(高取剛さん)、俳句賞の佳作句集「露浄土」(生出紅南さん)「佳作作品集「黙契」(齊藤まさしさん)を収録。選評や受賞者のインタビューも掲載しています。今回から電子書籍とオンデマンド印刷本のみとしました。 -
P+D BOOKS せきれい
ピアノの音色に乗せて庄野ワールドが展開。 「函館みやげ」「せきれい」「胚芽パン」「ハーモニカ」「玄関の花」「夏の思い出」……。晩年を迎えた作者夫婦の日常を、テンポよく場面を転換しながら綴る日記エッセイ風長編小説。 ピアノのレッスンに通う作者の妻がブルグミュラーの練習曲「せきれい」に手間取っていること、お土産にもらった缶のカレーがおいしかったこと、作者が毎晩吹いているハーモニカの話、庭に埋めた肥料を猫が掘り起こして食べようとしていたので懲らしめようと思ったが逃げられたこと、子どもや孫たちとの交流などなど、きわめてささやかな話題が、庄野作品らしい温かいタッチで丹念に描かれる。 -
立証〈新装版〉
事件を操る指揮者(コンダクター)は誰だ!? 二つの事件が結びついたとき、衝撃の真実が浮かび上がる! 本書読了後には、目次を読み返して戴きたいし、このカバーもじっくりと眺めてみて欲しい。 〝よくできたミステリ〟であることが、なお一層理解できるだろう。 四半世紀に及ぶ作家活動で培った技と知見を注ぎ込んだ一冊がこの『立証』である。 最後の最後のエピソードまで堪能されたい。 ――ミステリ書評家・村上貴史氏(解説より) 大学教授の針生田がタイ人留学生ヤンに対する強姦未遂容疑で逮捕された。 針生田はヤンに誘われたと反論、結果は不起訴となった。 ヤンから相談を受けた弁護士の香月佳美は、針生田に対する民事訴訟の準備を進める。 その後、埼玉で起きた放火殺人の被害者女性に針生田が二百万円を 振り込んでいたことが判明。だが事件直後、針生田は何者かに殺害され……。 〈目次〉 第1章 華やかな開演(オープニング) 第2章 疑惑 第3章 焼殺 第4章 反撃 第5章 脅迫 第6章 展開 第7章 鮮やかな終曲(フィナーレ) 第8章 アンコール -
愛のように焼き尽くせ
友田泰行は大学野球の才能あるピッチャー。 坂口陽太郎は両親を早くに亡くし、親戚の家で働きながら住まわせてもらっている。 佐知花はグランドの陰から泰行を覗き見ていたところを、八田に咎められるが治そうとしない。 泰行と陽太郎は旧友として再会し飲みに行くが、泰行のストーカーである佐知花がついてきてしまう。 飲み屋から逃げだした泰行を追いかけてきた陽太郎は、その姿に自分の人生への苛立ちも含めて怒りをぶつけた。 その夜、泰行は事件に遭い死亡してしまった。 三人は警察の捜査に誰もしゃべらず、事件は未解決のまま。 陽太郎はその後、親戚の工場を乗っ取り、経営を成功させたあと佐知花と偶然再会する。 佐知花の母と娘の四人で、ドライブと食事のデートをする。 家族と間違われて、陽太郎は幸福を実感していた。 後日待ち合わせた二人は流れのままに結ばれた。 陽太郎は結婚を申し込むが、佐知花の心にはまだ泰行がいた。 佐知花は泰行の事件のことを真剣に調べようと八田を呼び出す。 手がかりはなかったものの、八田が連れてきた真理と後日、二人だけで会うと彼女のヒプノセラピーによって、心に封印していた真実を知った。 どうやって死んだのか、そしてなぜ誰も警察にしゃべらなかったのか。 真理は八田と別れ、知った真実をネタに陽太郎に金の無心に行くが、彼に一目惚れして結婚を要求した。 陽太郎は真理と結婚し、年を取っていく佐知花を遠くから見守っていた。 思うようにいかない人生の中、陽太郎は愛する佐知花の秘密を守り抜いたことで、満足して死んでいった。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆春日 寛:文章 -
血…薫
中山薫は美術大学に通いながら、日常にモヤモヤしていた。 母のさゆみと死別した父との馴れ初めは、聞いた話が本当のようには思えない。 卒業してからの将来に不安を覚え、友人の柚菜と冴えない日々を送っていた。 柚菜からアルバイトを紹介され、画廊のオーナー佐川守と知り合う。 佐川はたびたび薫を夕食に誘い、フランス遊学の楽しかった思い出を語った。 次第に薫は佐川に惹かれていった。 絵のモデルを務めた時、薫は画家の小竹に襲われる。薫は何とか逃げ出すが、そのことで佐川を疑って八つ当たりする。 感情的になった薫は好きという気持ちを佐川にぶつけ、二人は結ばれる。 佐川の子を身ごもった薫は大阪の真下直美の元に身を寄せる。 やがて子供を出産した後、養子に出した。 出版社で編集をしているさゆみのベストセラーのお祝いに二人が料亭で飲んでいると佐川と遭遇する。 酔ったさゆみは昔、佐川と自分が付き合っていたこと。結婚直前まで行ったこと、そして薫の本当の父親が守であることを打ち明ける。 薫は自分の出産を隠したまま、逃げるようにフランスに画家修行に行く。 フランスで貧乏に打ちのめされて帰ってきた薫は、真下の喫茶店を手伝いながら居候する。 そこに新人アルバイトとして幸子と名乗る少女が来る。 薫は名前と生年月日から我が子と疑い、その証拠を探す。 だが、ふらりと現れた佐川の息子雄太と幸子の仲が深まるのを恐れた薫は、幸子を喫茶店から追い出し、雄太を連れて誰も来ない場所に移り住む。 そこに、すっかり年老いた佐川が現れる。 ◆ さら・シリウス:あらすじ ◆ 春日 寛:文章 -
空一杯カラフルに・他短編集
◆空一杯カラフルに 加奈は下積みのイラストレーターをしていた。 加奈は、オリジナリティが皆無なのだと言われる。だんだん、加奈に回される仕事は減ってきて、ついに加奈は職場をクビにされる。 どん底だった加奈はその後恋愛にも失敗して、更に絶望の淵に立たされる。 そんな中、彼女は岩次郎という名の青年と出会う事になり、やがて……。 ◆アフリカ 武司は大学時代からアフリカの貧困地域に向かい、留学を重ねていた。 武司の彼女である鶴代は夢見がちな性格で、ニューヨークで武司と一緒に暮らしたいと告げる。武司はアフリカの貧困層を助けるボランティア活動に強い使命感があったので、鶴代とは袂を分かって、アフリカに向かう事を決意するが。 ◆セロリの幸せ 良太と佐和子は相思相愛で付き合っていたのだが、佐和子の父親は卸問屋の社長で相当な金持ちだった。良太は平凡な一般市民。良太は佐和子の父親からの嫌がらせに参っていた。佐和子はそんな状況を打破する為に一人東京へと向かい、タレントにスカウトされて……。 ◆魔法の石 みのるは観光船の船長をしていた。 みのるが部屋で静かに読書をしていると、突如、小さな女の子が現れる。彼女は自分の事を“妖精”と名乗り、このままだとみのるの片思いの女性が亡くなるのだと告げられて……。 ◆海花大のアイドル 美也子は普通高に通っているが、彼女には将来のプランが無かった。 幼馴染である浩は船長になりたいと言う。美也子は女だてらに船乗りになる為に浩と同じ海花大を受験することになり……。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆朧塚 :文章 -
夜のパスポート
婚約者に裏切られ、国際見本市アフリカ隊の一行に加わってモロッコにやって来た、羽仁生節子。眠れぬ夜、睡眠薬を飲んで床に着こうとしていた節子を、隊員のひとり、一の瀬が訪れた。翌朝、同じベッドに横たわる男の醜悪な体を発見して、節子は絶望する。スキャンダルは広がった。砂漠の古都・フェズで節子に求愛した若い大使館員・北沢も、噂を知ると冷たくなった。傷ついた節子の行手に待つものは……。異国の空の下、孤独な男女に忍びよる危険と誘惑、行きずりの愛、歪んだセックスを描いて、現代人の心の傷をユニークなタッチで抉る異色作。 -
突っかけ侍
肥前唐津藩の元御馬廻役・松村金太郎は、今では突っかけ草履の小粋な兄さん、人呼んで「わざくれ橋の金さん」だ。武士稼業はすっぱりやめてはいるけれど、実は、主君・小笠原長行の内命を受けて、ひそかに藩のため働いている……。ある春宵、将監橋の上、唐津藩の内紛で長行の反対派にまわり、藩侯の里方・信州松本藩と手を結んで、藩論を朝廷方に傾けようと企む奸人で、義兄の仇でもある周施方・長谷川番作をバッサリ。ーー粋でいなせな金さんが、同じ脱藩・小南敬助らと協力、小笠原長行を扶けて東奔西走の活躍。剣雲、侠気、哀恋が織りなす、子母澤寛会心の幕末傑作長編! <全3巻> -
深い失速
《私》は、大学病院の若い精神科医。患者の丹野明夫は、人妻殺しを《私》に告白し、フミコという名に激しい心理的な反応をみせた。が、被害者であるはずの大和田緋那子は、健在なのだ。彼女は、美貌のパイロット夫人だった……。《私》は、患者の告白の謎を追わねばならない。丹野の恩師・宮川教授を訪れると、教授はフミコの名に動揺をみせた。《何かがある?》……。一方、緋那子の夫・大和田は、失速・墜落の幻想に悩みつづけているという。冷えた夫婦の陰影が漂っていた。 やがて、丹野の水死、ジェット機の炎上と事件は続発する。《私》の前にも白い靄がかかった……。 -
仮装行列
旧華族との交渉を懸念する父のすすめで、滝沢一郎と婚約した田所真木子。真木子の義父・憲介は、東洋美術館長で、重要文化財審議会の委員をしている。旧華族の東照寺公一は、徳之内元伯爵家の相続人・摂子とブルー・セックスに耽っているが、真木子の婚約を知ると、掌中の珠を失う思いに悩む。二人の結婚に執念を燃やすのは、元伯爵夫人・徳之内津留で、一郎の父・滝沢代議士は、大名華族の元家令である。この政略結婚のかげには、徳之内家所蔵の国宝絵巻屏風をめぐる、母娘の醜い争いが隠されていた……。真木子をめぐる、仮装行列さながらの上流社会の虚偽と性の腐爛を描いた大作。 -
SUPER RICH
完全オリジナル脚本 実力派人気女優江口のりこがゴールデン・プライム帯ドラマ初主演の話題のドラマを完全ノベライズ! お金はあっても愛に飢えた孤独な女社長と 愛はあってもお金がない貧乏専門学生。 真逆のふたりが、困難を次々と乗り越えていく! 裕福な家庭に生まれた氷河衛は、幼い頃に両親を亡くしたが、潤沢な遺産があったため、大学時代に知り合った一ノ瀬亮とベンチャー企業「スリースターブックス」を立ち上げた。 経営は瞬く間に軌道に乗り、衛が“プラチナ・ウーマン・オブ・ザ・イヤー”大賞を受賞するほどの急成長を遂げ、インターンシップを実施するまでに。 順風満帆と思われたが、亮がとあるアプリ会社への出資を提案したことがきっかけで、一気に経営難へと追い込まれていく。 そんななか、インターンの選考会に出席しようとしたものの、会場に向かう途中でトラブルに見舞われて出席できなかった専門学生の春野優が、採算、衛の前に現れて……。 幸せのカタチ=“スーパーリッチ”を追い求めるキャリアウーマンの波乱に満ちた半生を描く! -
電脳クエスト
(概要) 2019年に発売された長編小説「げえむの王様~復活を賭ける弱小ゲーム会社に未来は訪れるのか?~」(銀河企画)に加筆・修正を加え、表紙イラストや組版などを変更し、改題した新装電子書籍版。 華やかでエネルギッシュなイメージをまとう日本のコンピュータゲーム産業を題材に、知られざる「舞台裏」や「闇の部分」にスポットを当て、困難な企業再生の道のりを描く経済エンターテインメント作品です。 かつてジャパニーズドリームの代名詞とも評され、世界を席巻した日本の家庭用コンピュータゲーム。飛ぶ鳥落とす勢いだった巨大市場がスマートフォン用ゲームアプリや動画配信サービスなどの勢いに押され、凋落に拍車をかけつつあった2012年、倒産の危機に瀕する弱小ゲームメーカーが、数々の障害に直面しながら復活を目指す再生の物語。 (あらすじ) 新宿・神楽坂に本社ビルを持つ中堅の家庭用ゲームソフトメーカー「スクルドソフト」は、創業者であり社長だった大村晋一郎の急死によって、唯一の肉親である27歳の実弟・晋二が勤め先の新聞社を辞めて後を継いだ。ところが、会社の経営実態は火の車で、起死回生の切り札と期待されていた新作ソフトはほとんど買い手がなく、多額の借入金を抱えて新規融資の見込みも立たず、銀行口座の残高は底を突きつつあった。 責任の擦り合いをしていた役員たちは子飼の社員を引き連れて次々と会社を去り、残されたのは晋二と、やる気のない営業事務の若手社員・高杉万裕美の2人だけ。肉親であるという義務感から会社を継ぎ、未知の世界に飛び込んだものの、ゲーム業界の知識や経験に乏しく、特殊な商習慣に戸惑い、八方塞がりで打開策を見出せない晋二には、もう倒産という選択肢しか残されていない……はずだった。 そんな彼を叱咤し、スクルドソフトにまだ残されている希望の光を示したのは、ブラック社員にしか見えなかった万裕美。彼女は会社の悪弊を役員に直言して左遷させられていた元クリエイターでもあった。家庭でのコミュニケーションをコンセプトに万裕美が温めてきた企画を聞かされ、晋二は大きな可能性を感じると共に、そのゲームソフトを世に出すことで会社の再生を図ろうと決意する。しかし、先立つものがまるっきりなく、たった二人のゲームメーカーがどうやってソフトを作り、流通ルートに乗せ、全国に販売すればよいのだろう……。晋二と万裕美は常識外れの戦略を立て、再起へ向けての大勝負に出る。 -
日本政府へのSignpost「2030年編」
我々の双肩にはこの国の運命が懸かっている。このプロジェクトにはそれぞれ政治生命を賭す心算で臨んでほしい。 日本経済を再建するため、国家戦略対策を任された副総理大臣の橘。国家戦略の主軸となる自動車産業において、「電気自動車EV」、そして「水素カーFCV」のどちらに日本の未来を懸けるけるのか、その重要な判断を迫られていた――。児童虐待、日本の自衛権に関する「憲法9条2項」の改正、そしてコロナ対策。昨今の日本が抱える「答えの出ない」諸問題に最前線で立ち向かう人々の姿を描く、渾身の政治小説。 〈著者紹介〉 利根川尊徳(とねがわ・たかのり) 1955年新潟県生まれ。大学卒業後衆議院議員秘書を経験した後、生命保険会社へ入社勤続25年目、早期退職して地元新潟へ帰り、20代の頃から書いていた執筆活動に専念し、政治小説を始めとして、恋愛小説、推理小説、業界物、近未来ホラー小説等ジャンルを問わず執筆中で作品数は50作を超える。 -
南風が吹く場所で
親子の関係、そして家族の絆を繊細に綴った 心温まるエンターテインメント小説。 四国の小さな町でみかん農家の娘として生まれ、大酒飲みの父親と優しい母のもとで育ったお調子者の実里。 おいしいみかんを作る父だったが、大学進学をきっかけに実里が町を離れたあとも相変わらず酒癖が悪く、家族は困り果てていた。 月日は流れ、結婚や出産で実家に帰ると、実里はいつも「お酒は、一日一日はほどほどに、この先長ーくね」と声をかけ、父も頷き小指を立てるのだった。 しかし、ある大雨の日、父が膵臓がんにおかされているという事実を知り――。 親子の関係、そして家族の絆を繊細に綴った心温まるエンターテインメント小説。 〈著者紹介〉 愛澤みずき(あいざわ みずき) 神戸市外国語大学、国際関係学科卒業。国際紛争・貧困を解決したいという志を抱き、国際機関の職員を目指すが、在学中に参加した中米・グアテマラでのボランティア活動がきっかけで断念。その後、会社員になることを選択するも、国際問題、社会問題に関心を向け続け、2021年、一作目となる「南風が吹く場所で」の発表に至る。 <目次> 第一章 大自然の中で 第二章 大自然から描いていた未来 第三章 大自然にかえる -
残滓
表題作「残滓」ほか、怪しくも美しい11篇を収録。 「私と結ばれたいのだろう? さぁ、お前さんが望むように愛し合おうではないか」 かつて山奥に祀られていた神と、病に冒され孤独に生きる人間。 死を待つふたりが迎える結末は――。 表題作「残滓」ほか、怪しくも美しい11篇を収録。 <著者紹介> 水無飛沫(みな しぶき) 明治大学文学部を卒業。 Webやイベントなどで小説の発表をしつつ、脚本の提供などを行う。 学生時代より各国の神話や海外文学を好んで読む。 民話に興味があり、各地方をフィールドワークしながら図書館に入り浸ることもしばしば。 異類婚姻譚など、幻想的な題材を情緒豊かに表現することを得意とする。 <目次> 天気雨 蛇恋 孤蝶 太陽と鳥と 虎 真夏の雪女 あさきゆめみし 雉恋 黒無垢 館 前編 館 後編 残滓 -
ライフスワップゲーム
クルーズ船『はるかぜ』に乗り込んだ大河朔空と芦田涼の卒業旅行(4泊5日)は西日本横断クルーズツアーと称され、神戸港を出るところから始まった。ツアーの参加者は全部で12人。女性同士や夫婦の旅、子ども連れのファミリー旅行と目的はそれぞれだ。心踊らせて乗船した大河と芦田、参加者だったがツアーはその日のうちに不穏な空気に包まれていく。ツアーの責任者・鬼ノ内の誘導で命の交換ゲーム(ライフスワップゲーム)のアプリをDLさせられ12人全員に残りの寿命時間が与えられた。「寿命を交換って? ゲームだよね……?」とゲームを始めた参加者だったが1日目の3月20日、午後7時、参加者の一人である長谷みどりが突然倒れて亡くなった。このゲームを操る鬼ノ内は何者なのか……。果たして朔空と涼は生き残れるのか? -
星まとう君に約束を
ロマンスの女王、ファンタジー三部作第二弾! 竜と魔法の異世界タラム 授かった力と向き合うとき作家として歩みだし、日々の鍛錬のなかで自信を深めてゆくブリーンに試練が迫る! アイルランドで小説家として歩みだしたブリーン。彼女は迷い込んだ異世界タラムで 自らが魔女の祖母と暗黒神の祖父の血を受け継ぐ、強大な魔力を備えた存在であることを知る。 そんななかいったん帰国したアメリカから、迎えに来た族長のキーガンとタラムへ戻ろうとした際、 彼女の身を案じた親友のマルコまでがついてきてしまう。 はじめは異世界の勝手にとまどいながらもキーガンたちに温かく受け入れられ、次第になじんでゆくマルコ。 それはブリーンにとっても新たなる日々の始まりだった……。 -
女神出奔
あまり人のいかないハイキング・コースの途中で病気になった楠田は、一軒の草深い古別荘に犬と住む由緒ありげな女に、一夜介抱された。その妖しい魅力にひかれ再び訪ねた楠田と、女は「お茶でものむように」交わる。一方、楠田の恋人・順子は、片貝助教授を知り、その家柄や名声に酔わされる。片貝を取り巻く女性は多い。彼は、財界に名の通った湯浅社長の娘・治子を選び、結婚式を挙げるが、新婚初夜を待たずに、治子は伊豆の別荘から恋人・昭夫と脱走する。そのとき、片貝がそこで幽霊のように見たのは、教え子の楠田に付添われて立つ古別荘の女であった。俗物への諷刺をこめて、愛と真実を追求する長編小説。 -
女ひとり
夫の帰還を待ちわびながら、女代議士としてヒロポン絶滅を叫び、社会悪と闘う香川文江の姿を通し、人生の哀歓を訴える傑作。 -
ぜったい多数
暁子は、手術直後の苦痛に歪む秋山の唇に、しずかに自分の唇を重ねた。秋山の胃ガンが絶望的な状態になっていることを知った彼女は、そうすることだけが、友だちとしての祈りであり、励ましであると信じたからだ。彼女自身も、郷里の家の束縛を逃れた東京での彷徨によって、心に深い傷を負っていたのだが……。暁子の冒険にみちた経験をカメラ・アイとして青麦のように、あざやかな色とむんむんする匂いを持つ、折れやすい若者たちの愛と真実を捉えたこの作品は、人生の地層を流れる清冽なものを、多彩な手法で探った、青春文学の名篇である。 -
雇っていない幽霊・他短編集
◆雇っていない幽霊 下級藩士の妻、琴絵は近所の繕い物を代行する仕事をしている。 ある日、仕立て直した着物を届けに行った琴絵は、強盗殺人の容疑者として役人に捕らえられてしまった。 真犯人を突き止めた夫の悠太郎の考えた自首させるための作戦は、果たしてうまくいくのか。 ◆首のおみやげ 唄と舞の名手である桜は、隣国の殿様に気に入られて大金を手にした。 その金で弟妹のために御殿を建てたのだが、どうにも妹のくめとは相性が悪くて……。 ◆古井戸 ひさしぶりに東京から帰ってきた恋人が、女と赤子を連れていた。 ショックを受けた夕子だが、説得により恋人は女と赤子を捨てて夕子を選んでくれた。 幸せの絶頂にいたある日、夫の不審な行動に気付いた夕子がこっそりと後をつけると。 ◆くの字の坂道 ゆかりは毎日、祖母を待っていた。 家の前にある、くの字に曲がった坂の中腹にある電信柱の傍で。 けれどある日、祖母が帰ってこなくなってしまう。 ◆気持ちいい誤解 佐代子は母の再婚を期に家を出たが、甘え癖が抜けずにたびたび夕食を食べに行っていた。 そんなある日、酒に酔ってそのまま泊まった佐代子の部屋に、男が忍んで来る。 義弟の信也に違いない、と佐代子は思ったが、酒の勢いに負けて体を許してしまう。 その日から、暗闇の中での秘密の逢引がはじまった。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆鉢本杏梨:文章 -
真っ正直な殺人
◆ 真っ正直な殺人:閑静な住宅街で、一家の惨殺死体が見つかった。刑事の角田大樹とその相棒の牛山裕は聞き込みを始める。ただ、殺された一家はその全員が殺されても仕方のないような人物だった。そんな中、被害者が過去に死亡事故を起こしていることが判明するのだった。 ◆ 巡る悲劇:賀茂川のほとりに有名割烹がある。そこの女将が殺された。被害者は小谷貴恵。刑事の増田健吾は怨恨の線を疑っていたが、貴恵に殺される理由はなかった。貴恵の過去を洗うために増田は飛び回ることになる。帰ってきた増田のところに、溝口凛が気になる情報を持ってきて……。 ◆ むしり取られた幸せ:有名アパレルメーカーの倉庫で、男の死体が見つかった。被害者は友田勇作。そのアパレルメーカーの社長だった。評判が悪く、誰が殺してもおかしくない状況だった。そんな中、刑事の矢口謙三は先代の社長夫人との噂を耳にするのだった。 ◆ あの頃に戻れたなら:松本雪子は都会に出て、女優になる夢を持っていた。ただ、恋人である山田康太はそれを許さない。束縛が激しい恋人のことを友達の真山佐知子と田中良治に愚痴っていた。でも、そんな毎日が楽しかった。ある日、地元でミスコンが開催されることになり……。 ◆ 許せない笑顔:富裕層ばかりの高層マンションの一室で、殺人事件が起こった。被害者はケーキ屋をやっている山岡優子。優子はその昔、スナックのママをしていた。その常連客の澄川真奈美は優子を慕っていたが、気づいたときには優子によって人生を狂わされていた。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆妖精社:文章 -
不貞な貞女
加奈子が地方の素封家に縁づいて、もう5年。夫・浩介は、長い病床にふせったままだ。看病に明け暮れる加奈子も、いつか貞女の幻を心にえがいていた。が、そんな妻に、夫は画廊勤めを勧める。《きみのからだの外のにおいが、僕には爽かな刺激になる……》ーー勤めに出た加奈子は、青年建築家・植木との恋におちた。女心の飢えをみたす、背徳の愛に、加奈子はおののく。が、夫はすべてを知っていたのだ。やがて、臨終の枕もとに妻をよんで、心の葛藤を告げる浩介。美貌の妻に、くらい喪の季節が訪れた……。という表題作など、全10編。 -
忍ぶ糸
伊賀・上野は、鈴鹿山脈の麓にある城下町で、組紐の町でもある。千賀は、ここの忍町で生れた、人もうらやむ美しい娘だった。紅い椿の咲く頃、千賀は、組紐屋のしにせ「増住」に織子として雇われたが、そこで増住の一人息子・洋三を知った。これがヒロイン・千賀の愛の始まりであった。やがて、千賀と洋三は、将来をひそかに約束しあうが、家柄が違うことを理由に、洋三の父・大二郎は、下請けの「藤浪」の息子・良作との縁談をすすめた。愛する人との仲を裂かれて、千賀が良作の許に嫁いだ日、花嫁姿の彼女を見た近所の人々は、花が咲いたようだとささやき合った。千賀の悲しい一生の始まりだった。 -
忍ぶ橋
母の残した背徳の傷痕ゆえに、愛をも捨て、憎悪と怨念の石礫を浴びて、贖罪にのみ生きねばならぬ、哀しくも美しい女のさだめ――中桐晶子は、淡路島へ向う船に、傷心をゆだねていた。若い男と蒸発し、淡路島の小料理屋で働いていたらしい母の宮子が、ゆきずりの客を情交後に腰紐で絞殺、睡眠薬自殺を遂げた。客は、奈良の一刀彫り美術商・宗方春之と判り、ゆきずりの無理心中とみられた。宗方春之の妻・志津は激怒した。詫びる晶子に、ちぎった数珠を投げつけ、母親・宮子の罪をつぐなえと叫んだ。そして、晶子は、母の贖罪のために、宗方家の長男・知之の嫁として、志津の前にさらされることになった……。女の憎悪と怨念の石礫を浴びせる志津、女の愛も捨て贖罪にのみ生きる晶子の、哀しくも美しい日々を描く。 -
情報銘柄
正確な株式銘柄情報に、自分の誇りを感じている佐川にとって、最近は、憂鬱の連続であった。勤め先である<週刊東京情報>に書いている彼の推奨銘柄が、外れ続けているのだ。失意の佐川は、しかしある日、耳寄りな情報を得た。河松製作所に中共から、大量のブルドーザーの発注があったという。佐川はこの情報に、情報屋としての誇りの全てを賭けた。推奨原稿を書く一方、借金して河松を20万株買い込んだのである。……兜町に生きる男の栄光と悲哀を描く標題作のほか、苛烈なビジネス戦争の実態を生々しく描く異色企業小説3篇を収録。 -
女優
この女! きらい! パパをいじめて、きらい……。死の床に横たわった父の身体の下に隠された、美しい女の写真は、幼ない未来子に、生まれて初めて人を憎む気持を教えた。あれから、何年の歳月が、流れたことだろうか。あの女、演劇界の女王といわれる鳳しのぶの一人娘として、映画界入りした未来子は、たちまちスターの座についたのだった……。華やかな日々、肉体を通りすぎた何人もの男たち……。いつしか母と似た道を歩むようになった未来子の心は、だが、いつもひえびえと孤独だった。硝子細工のような繊細華麗な女体に、妖しく燃える炎を秘める、ひとりの女優の愛と性を描く。 -
砂糖菓子が壊れるとき
映画スター・千坂京子は、無名だった頃、お金のためにヌードを撮らせたことがあった。教育のない彼女は、人一倍知的なものに憧れたのに、世間はその1枚のヌード写真のために、彼女に肉体女優の烙印を押した。京子は、あるときは烙印の痛みから逃がれるために、あるときは自分が高められると信じて、つぎつぎに、男の胸の中に顔をうずめた。男たちは、それぞれに、彼女の中に光を放っている純粋さを知っていた。しかし、京子の魂は、どの男によっても、安らぐことができなかった。……幸福を空しく追い求める美貌の女の短い生涯を、乾いた叙情で歌いあげた名作! -
火山列島
大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン! -
河内山宗俊
練塀小路の河内山宗俊、天下の直参、お数寄屋勤めのお坊主である。ばくちは打つ、ゆすりはする、悪い野郎の肩は持つ、病気と届けて城へも登らず、肝っ玉の太さは天下一品。11代将軍・家斉の治世、賄賂が物言い、奸臣のさばる腐った巷で、悪には悪を、弱い者には情けをと、直参の威光を利用して、胸がすくようなやりたい放題。子母沢寛の名調子が心地よい、痛快時代小説。 -
キャンパス110番
芳土女子大学の学生である佐藤ノミエの綽名は、キャンパス110番という。キャンパスは、校庭の意味。事ある所には、彼女がいつもパトロール・カーのように現れて、あざやかに事件を解決していくからだ。粋で、おしゃれで、冒険好き、行きずりの男の子とのキッスなんかへいちゃらで、適当に正義派で人情家で、気はやさしくて合気道の達人というノミエが、東北出の重タンクを思わせる松子と組んで、手当たり次第に演じるボーイ・ハントのアバンチュール、笑いと涙のタッグ・マッチとは……。青春の息吹にむせる、生きのいい現代娘のスカっと胸のすくような無責任行状記。 -
モンスターハンター ストーリーズ2 ~破滅の翼~公式ヴィジュアルブック
紡がれし絆の記憶……。 『モンスターハンター』の世界で描かれる王道RPG第2弾『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』のヴィジュアルを余すことなく詰め込んだ1冊。主人公や破滅レウスをはじめ、登場するキャラクターやモンスターたちのヴィジュアルや設定を開発スタッフのコメントとともに掲載。 その世界観の設定画、あの迫力満点のムービーの絵コンテなど、設定資料ももりだくさん。さらに! 描き下ろしイラストまで収録したファンなら必携のヴィジュアルブックです。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
中卒の指揮者
家田鉄平は子供の頃にテレビで見たオーケストラの指揮者に憧れた。とはいえ家は貧乏で、中学を卒業すると同時に工場に働きに出ることになった。 居酒屋で働く美しい里美と出会い、テレビ番組の企画でドイツへの指揮留学が実現する。 教育者アトマンの家にホームステイしながら、同世代の天才スティーブとともに指揮の練習に励む。青春の情熱を指揮の向上させることに使い、最後には見事オーケストラを指揮して、ラベルの「ボレロ」を振り切った。 しかし日本に帰ってくると、音楽とは無縁の貧乏生活に戻ってしまった。 アルバイト生活しながらもオーケストラの雑用係になると、指揮者のアシスタントになった。時にオーケストラから意地悪されたりしながらも、鉄平は成長していく自分を感じていた。 指揮者の田中巧が引退する際、鉄平は後継指名を受けがその条件は、巧の娘と結婚することだった。巧の娘の面倒を見る代わりにオーケストラを譲るというのだ。そしてそのことを知らないはずの里美が失踪してしまう。見つからない里美を諦め、鉄平はクミとの事実婚関係になる。 テレビで自分を切り売りしてオーケストラのチケットを売ろうとする鉄平だったが、世コンサートマスターに端本恵美子を招聘し、人気は落ち、アトマンの死や、クミとの関係解消が重なることでうつ状態に陥る。 数年後、鉄平は路上生活者となるが再び運命のドアが開く。旧友や里美との再会、鉄平はもう一度指揮台に立つ。 さら・シリウス:あらすじ 春日 寛:文章 -
夜獣
ふと魅かれた女のせいで殺人事件に巻き込まれたゴルフ練習場の食堂のボーイ、彼を容疑者として追う警察、新聞記者が、それぞれ事件を追う! 天下の名宝である30カラットのダイヤを巡る連続殺人と、深まる謎。本格ミステリー。 -
魔婦の足跡
贋札造り、偽装化石師、偽真珠造りという3人の前に、突然姿を現し、そして消える可愛い魔婦。秘密の島に逃れる3人に、死の影が迫る! ゴジラ原作者による傑作サスペンス。 -
毒薬と宰相
青年宰相の名で知られ、戦後、謎の自殺を遂げ悲劇の主人公となった、ある公爵の死因の秘密を描く、ミステリー・タッチの表題作など、全9編の傑作短編集。 -
中年女
小ぎれいで素人くさく、何となく御しやすい感じを男に与えるトキは、39歳の未亡人である。村の男たちは、トキの女を意識して蝟集する。彼女の噂は消えることがないが、噂の実体を掴んだものはいない。村人は、未亡人という名に拘束を与えることに、満足があるようだった。しかし、トキは、女であることを十二分に生かして生き泳いでゆく。愛欲のむなしい絆を描いた、巨匠の珠玉長編小説。 -
染められた感情
熱海の温泉旅館に勤める聖子を自活させようとする勝又の愛と、勝又にすがる聖子の愛。相克を繰り返す愛、巨匠円熟の筆。傑作恋愛小説。 -
樹影
布施学園理事長の布施英之は、布施家へ養子に入る前、実家の女中・雪子に子供を生ませる。英男である。英男は、別府の愛育園で育つ。20年目に再会した時、雪子と英男は浦和にいたが、雪子が前夫と関係を続けているのを知り、英男は家出して別府に戻る。折も折、英之の妻はガンで死亡。反対派の策謀により学園を追われた英之は、布施家を去る決意をして、英男を別府に訪ねる……。豪壮な邸宅に住む裕福な人々も、逆境に耐えていきる貧しい人々も、みな三尺の影をひきずって生きている。その孤独な影を、哀調豊かに描いた話題の長編小説。 -
情熱の市
清純で穢れを知らぬ娘・マリ子は、母の友人の一人息子で、現在は家を飛び出して麻薬密売業者の手先になっている青年・多賀一郎に会って、深い愛着を覚え、彼に自首をすすめて、更生の道へ導こうとするが、ふとした行き違いから、麻薬をもっていたマリ子だけが疑われて、留置されてしまい、一郎は逆に、密売業者の手で大阪へつれさられる。警察を出たマリ子は、家に戻らず、ストリッパーになってまで一郎を救おうとするが、麻薬業者たちの泥沼は、いよいよ深く一郎を引きこんでいく....…。清純な愛で愛する男を救わんとする乙女を襲う、激しい運命の起伏を描く、炎のロマン。 -
女拓物語
堂堀不動産の独身社長・堂堀進六は、男盛りの36歳。生まれは群馬県の貧農の六男坊だが、中学卒後、すぐ上京。兜町の証券会社の小僧をふりだしに、たちまち株で2億円のボロ儲けをして独立した。金には強いが滅法女にヨワイ進六は、自ら「風俗研究科」と称して、女の拓本蒐集を男子一生の悲願とする。東名高速をぶっとばす車の中でのホステスとのカーセックス、全共斗女子大生との同志的「結合」、さては、ガラスの床に座って用をたす女を見上げる猟奇的女研究など……。一盗二卑に徹することを色道修行の信条として、進六は今日も変った女めざして夜の街に出陣する……。 -
朱乙家の人々
夫の面前で何人もの男を転々とする妻、それでも平然と微笑する夫、そんな異常な環境の中で幸福をつかむ妹……。異色の愛欲文学。 -
黒の魅惑
裕福な家庭の子女が多く通う、一貫校の名門大学の中にあって、田辺信男は、大学から入った上京組だった。大原陽子は、学内でも有名な才色兼備の人だが、彼女が付き合い始めた有坂淳は、どこか陰のあるプレーボーイでよくない噂がある。ある日、陽子の落としたイアリングを信男が拾ったところから、3人の愛が絡みはじめる……。日本が高度成長期に入る時代の、ハイソサエティーな学生生活を活写した傑作。 -
午後の微笑
神保羊子は、雑誌の編集の仕事をしている。取材で知り合った作曲家・郷雪生の、芸術家ぶらないナイーヴであたたかな人柄に魅かれ、病気で寝込んだ郷を放っておけずに、徹夜で看病する。その夜以来、郷の胸のなかにも、羊子の姿が強く灼きついて、お互いに愛しあうようになる。そして、結婚の約束をしたふたりの前に、郷が貧乏な留学生であった昔の恋人の密石麗華が、今は実業家の国分夫人となって出現する……。虚偽を許さない若い娘の心に写った「傷ついた世代」の苦悩を通じて、つねに裏切り合いながら救いを求めている、人間の魂の深部とさまざまな愛の想いを、鮮やかに、綿密画のように描きあげた長編小説。 -
侠骨一代
関東大震災の翌々年に入隊した、飛田二等兵。2日目にはもう、二年兵たちを相手に大立ち回りをやらかした。除隊後は、宿無しとなったところから這い上がり、あらくれ者を束ね、労働者として教育し、やがて、国家事業を請け負うようになる。昭和のフィクサーで、任侠映画「唐獅子牡丹」シリーズのモデルとなった人物、飛田勝造(東山)の波乱万丈の半生を描く! 高倉健主演の同題映画の原作小説。 -
乾いた湖
大学生の卓也は左翼運動崩れ、女子大生を相手に怪しげな闇斡旋をしている。一方、財閥の御曹司・道彦は、怠惰な生活を送っている。汚職の責任を取らされる自殺した父を持つ葉子は、世の中を見返すために、女優として成功するも、道彦が運転する自動車で事故死してしまう……。卓也が相手をする女たち、ゲイ・バーのジャニー、クラブのマダム・文枝など、多彩な人物が登場する、長篇風俗小説。 -
海の蝶
柿本精器の社長夫人・羊子は生来、その美貌に加え、奔放な性格の女性だった。結婚前からすでに男関係があり、結婚後もやまなかった。夫の礼介はこれを知ると激怒し、以来、妻に復讐するかのように隠れて放蕩する。そして、10余年が過ぎた。だが、羊子の乱行はやまなかった。息子の章は、自然にうとんじられた。章にとって心の結びつきは、家庭教師である22歳の青年だけになる。青年と秘かに愛し合っていた女中の喜久乃が、主人の欲望によって犯され、動顛し泣き喚く姿を、少年の章は不安そうに眺めていた……。愛欲の中に潜む人間の業を捉えた、力作長編。 -
炎の氷河
高校の仲良し3人の女性がたどる、それぞれの波乱の人生と恋と、そして株をめぐる復讐の物語。なにか重苦しい情念に突き動かされる! -
悪の公式
赤石定造は、香港で人を買った。定価1円。彼はその男に500ポンドの保険をかけ、阿片を吸わせ女を抱かせることによって彼の精力を涸らし、1週間めに殺すことに成功した。保険金で定造は教会を建て、カトリック信者を装いながら、教会を阿片と売春の巣窟に作りあげた。こうして手始めの「銭」を掴んだ定造は、貿易商社を設立して帰朝し、KK赤石を造りあげ、悪の公式、つまり殺人・脱税・不正輸出などなどによって、あくなき「銭」への欲望を果していく。しかし「悪の公式」は、やはり万能の公式ではない……。「銭」を得るために手段を選ばぬ資本主義の公式を鋭くあばく、長編悪漢小説。 -
愛と悲しみの時
期待とおそれに充ちた新婚の宿で、千江子は夫の庄一郎から、彼が戦傷のため男性の機能を喪失していることを打ちあけられた。しかし千江子は、肉体の結びつきよりも精神の交流にこそ真の愛があると信じ、結婚生活をつづけることを誓う。だが、庄一郎の肉体の欠陥は、精神の歪みをも招いていて、夫のいわれのない嫉妬に彼女は苦しめられる。そして、みたされない不自然な夫婦生活の渇きから、千江子は、彼女に言い寄る夫の下僚のプレイボーイ・石川に次第にひかれてゆく……。結婚生活における肉体の占める意味を抉り、奔放な現代愛欲図を描いた長編小説。 -
ファッション・モデル
戦後10年、夏のモードに選ばれ、ドレスに身をまとい、ステージを歩く美女たち……。新時代の職業=ファッション・モデルを中心に、現代社会風俗を著者独特の犀利な筆で描いた興味深い力作。 -
信長の血涙
チーム信長の成功譚。 そこから見えてくるのは、信長のリーダーシップだ。 ――作家 伊東潤氏、推薦! 生き馬の目を抜く戦国の世――国は荒み、民百姓は飢えていた。 「俺に力を貸せ! この地獄の世を、新しき天下に変えるのだ」 天下静謐の理想に燃える大うつけの信長だが、常に国境を敵に脅かされ、その貧弱な兵力では尾張統一すらままならない。小豪族の集合体である尾張は、重石となっていた信秀の死後、力の均衡が崩れて無法地帯になりかかっていた。 やがて織田弾正忠家の家督を巡り弟・信勝が謀反との報せが届くが……。 涙もろく情に厚い、若き日のまったく新しい織田信長を描く傑作歴史長編。 -
P+D BOOKS 若い詩人の肖像
詩人の懊悩と成長を描いた青春の記録。 「『若い詩人の肖像』は著者の青年時代を描いた自伝小説である。多少伏せたところや作ったところもあり、人名も仮りの名にしたものがあるが、大部分は事実に即している。」(著者あとがきより) 詩人や小説家として活躍し、数々の名作を世に送り出した伊藤整。その小樽高等商業学校時代から、卒業して中学の英語教師になり、東京商科大学(一橋大学の前身)に入学する頃までの、恋愛、同人誌創刊、詩作、若い作家たちとの交流などを生き生きと描写した一冊。 小林多喜二、川崎愛(左川ちか)、北川冬彦、梶井基次郎らが実名で登場し、著者の詩にかける意気込みとともに、当時の詩壇の様子が垣間見える好著。 -
P+D BOOKS 好きな女の胸飾り
若き妻と大学生をあえて近づける屈折した夫。 「森男を蒔子に近づける。……二人は現在でも抑制しつつ愛し合っている。その抑制を或る程度外してやれば、二人は近接し、密着し、融けあうだろう。」 学生の岩永森男は、父の代から杉原産業の庇護を受けており、当主・康方とは親戚同然の間柄だった。しかし森男は、康方の若い妻・蒔子が気になって仕方がない。蒔子も森男を憎からず思っているらしい。 一方で蒔子は、康方の先妻の存在に心を痛めていた。そこで康方は、蒔子を苦しめた自分への罰として、森男と蒔子の接近を甘受しようとする……。 屈折し倒錯した三人の心理劇を見事に描き切った、第20回野間文芸賞受賞作品。 -
哀色の海(あいいろのうみ)
最近、若者も注目する「昭和」を舞台に、若い男女の揺れる心情を哀愁に満ちた文体で描く恋愛小説。 「海の女と山の男」「脱けだせない女と帰れない男」「自己のルーツを意識した人間」「心の娼婦と体の娼婦」などをサブテーマにしたという著者が、長年温めたストーリーを硬質な文体でまとめた本格的な純文学作品。宝島社主催「日本ラブストーリー大賞」で高く評価された内容を、さらに加筆・推敲して格調高い仕上がりになっている。 目次 第一章 波の記憶 第二章 ふたつの再会 第三章 ふたりの娼婦 第四章 記憶との邂逅(かいこう) 第五章 透明な壁 第六章 海の異郷と山の異郷 第七章 様々な旅立ち 第八章 真実の反逆 第九章 海へ帰る曰 -
海を殺した女
とあることから社会のアウトサイダーとなった著者が、バイオレンスとドラッグにまみれて堕ちていった過去と決別すべく、ひとつの区切りとして書いた半自伝的小説。 父性の否定と他者とのかかわりへのニヒリズム、人を愛することへの希求と諦観、そして何よりも自分という存在への絶望を描く。ある時代を投影する「個」の存在を書きつくした秀作である。正統派の作家性をもった新たな書き手の登場。 -
世界で勝てない日本企業 壊れた同盟
【カルロス・ゴーン、衝撃の脱走後、初の著書】 日産の問題は、日本の問題。 カルロス・ゴーン事件が投げかけたのは、実は日本企業の本質を深く抉ったものだった。 日本の本質的な問題は太平洋戦争のときから何も変わっていないー。 なぜ日本企業は世界で勝てないのか? なぜ同盟関係は壊れてしまったのか? 本書で明かされる日産の陰謀・人質司法・サディズムな裁判官…。 「地獄にいた私は決行することにした。もし作戦が成功すれば人生を取り戻すことができる」 序章 第1章 一一月一九日 第2章 冷たい地獄のような小菅 第3章 "日本版"モスクワ裁判 第4章 なぜ? 第5章 譲歩 第6章 アライアンスのふたつのビジョン 第7章 龍と舞い、熊と踊る 第8章 アメリカン・ドリーム 第9章 なんとしてもグローバリゼーション 第10章 どうやって世界一になるか? 第11章 人的資本 第12章 偉大な経営者たちの市場 第13章 明日 エピローグ(現在のところは) -
幸せ運び犬クレオ
書店員のさとみは、平凡な日々に少しの忙しさを感じながら生きている普通の女性だった。そんなある日、同棲している恋人の優太がなんの相談もなしに大きなラブラドールを買ってきた。 相談もなく飼うと言う彼と喧嘩になり、優太が仲直りの為にさとみの大好物を買いに行く途中で事故に遭ってしまう。 それからクレオとの生活が始まったさとみは、とりあえず散歩から始めようと出かける。しかし喧嘩の原因であるクレオの散歩は苦痛なものだった。そんな散歩途中にさとみはクレオに命を救われる。 さとみは命を救ってくれたクレオに愛情を持つようになった。 そして散歩途中に出会ったのは、買い物カートが壊れてしまったおばあさんだった。 おばあさんを助けたことで、さとみと優太の夢である居酒屋をオープンにこぎつけることが出来たが……。 さら・シリウス:あらすじ 仮名:文章 -
妖蝶記
はるかゴビ砂漠の発掘現場から、ひとりの男が古生物学者・曾根の館を訪れた。男はいわくありげに巨大で薄汚れた1匹の瀕死の蝶を差し出すが、曾根はすぐに打ち捨ててしまう。しかし蝶は、館の温室に隠れ棲み、やがて美しい少女に姿を変えて、曾根の前に姿を現した。化身の妖しい魅力の虜となった曾根だが、少女の目的はただ一つだった……。映画「ゴジラ」の原作者として知られる小説家が、異形と異能のものたちの蠱惑的な姿を流麗な筆致で描く、4編の幻想譚集。 -
密航
川口と有賀は、予科練上りの米軍通訳という経歴も同じだったし、年齢・性格も似かよっていた。粗暴な米軍人に対する共通した反感が惹き起したある事件を契機に芽生えた友情は、お互いの体内に欝積していく若さと可能性の残滓を確認しあうことで、さらに強固なものとなっていった。二人の若者にとって、未知の可能性はアメリカにしかないもののようであった。綿密な計画がたてられ豪華船に忍び込んだ二人は、満月のハワイ沖で、デッキから相次いで海中に身を躍らせた……。既成社会のモラルの中で、なお若者のエネルギーの純粋性を主張する、著者の野心作5篇を収録。 -
瓢庵先生捕物帖
町医者を営む瓢庵先生が大活躍! 人情あり、喧嘩あり、殺しありの時代小説。横溝正史が生んだ人形佐七も登場し、本格探偵小説としての読み応えも充分! -
地球喪失
生物化学研究所の若き学究・宮原は、街の暗がりで焦っていた。手に持つスーツケースには、たとえようもない邪悪なものの幼生が収まっていたから。追っ手をかわし、早くこれを処分しなければ、人類に明日という日はなくなる。しかし、それはあまりに巨大な力へのはかない抵抗にすぎなかった……。映画「ゴジラ」の原案を担い、怪獣という存在を生み落とした怪奇小説家が、遊星から来た圧倒的な恐怖にあらがう人々を、ミステリータッチで描き出す。 -
青年の樹
東大に入学した坂木武馬は、さまざまな人生を背負った友人たちを持った。赤坂の有名な料亭の娘で、母親が汚職事件に巻き込まれている明子。やくざの大親分の長男として、跡目相続を迫られている和久。高校野球のヒーローだったのに、なぜかマウンドを踏もうとしない杉。見えない糸が彼らを結びつけ、青春の地図は苦悩と友情とで、複雑に彩られて行く。「本当の青年になれ、そしていつまでも青年であれ――」という父の希望を、若い樹の養分として、冒険を恐れずに生きる武馬を通して、行動派作家の思想を見事に昇華し、さまざまな苦悩に満ちた人生を歩む若者たちの、友情と恋と冒険を爽やかに描く青春ロマン。東宝で映画化された傑作。 -
女人の館
禁男の館に集った世代の違う女性たちが、封建社会に抗して奔放に生き、様々の人生劇を展開する、現代恋愛白書。読売新聞に連載され、三國連太郎・北原三枝で映画化もされた傑作長編。 -
禁猟区
情痴と愛欲の渦の中に、絢爛と咲き誇るあだ花にも似た女性の姿を、心憎いばかりに描破した、巨匠快心の力作長編――美貌で男を狂わせる女・虹子は一代で成り上がった醜い顔形の実業家・百武達郎の世話になりながら、菓子会社の宣伝マン・薬王寺温と交際、温の二度目の妻を追い出して,憧れの結婚にまで持ち込み、子まで成すが、まったく妻としてのことができず、薬王寺家では浮いた存在になる。浮き上がった虹子は、旧知の小村雪が経営する銀座の「クラブ雪」で働き出し……。普通の価値観で生きることができない魔性の女と、その周辺で悪戦苦闘する男たちを描く。<上下巻> -
還らぬ海
下田・葉山間のヨットレースで3隻のヨットが遭難し、一瞬のうちに、津田は弟と古い友人の秋吉を失った。彼は、1年前、秋吉の妻・昌子と背徳の関係にあった。複雑な感情を胸に秘めて遺体を捜索する津田と昌子……。そして、一周忌を過ぎた大潮の夜、海で死んだ人々の姿が現われるという白浜の漁村の伝説をたよりに、秋吉の母親と津田と昌子は邂逅する。しかし、微妙な愛憎の襞も、喪われたものを悼む感傷も、灰色の海は呑みこんでいく。――男性的叙情の世界を描いて他に比類ない、石原文学の傑作「還らぬ海」のほかに、「貧しい海」「獅子の倒れた夜」「白い小さな焔」「灰波」を収録。 -
海の地図
晶子は、啓介と、若く物憂い逸楽の夏を、海浜で過していた。ある夕方、残照の中を、喪の半旗を掲げたヨットが、入江に入った。渚へおりた晶子は、初老の船長・外村に出会い、なぜか全身に戦慄を感じた。やがて晶子は、父と外村が、今は亡き母をそれぞれ愛し、叔母もまた外村を愛していた、という隠された過去を知る。ある日、ヨットで沖へ出た啓介と晶子は、突然の嵐で遭難し、偶然、外村のヨットに救われる。外村は、かつて愛した女の遺児との邂逅に運命の手を感じ、晶子もますます、外村に魅かれていった。二人はかたく唇を交すのだが・・・・・・。長編ロマン小説。 -
汚れた夜
雨の井ノ頭公園の池に車が落ち、その中で女が死んでいた。残された男もののライターから、婚約者の秋月という男が浮かびあがったが、彼にはアリバイがあった。罠のにおいがした。そのにおいを頼りに、ひとりの刑事が動き始めた。すると、秋月のシロを証明した女が殺され、つづいてその女の部屋で、もうひとり中年の男の屍体が発見された。行方をくらました秋月は、いったい被害者なのか、加害者なのか? ……手さぐりで事件の核心に迫ろうとする刑事の行動の軌跡によって、戦争の傷痕と政治の腐臭とを、生き生きと描き出した、本格的な社会推理小説である。 -
雲の白い日に
静岡・清水港が見える斜面に腰を下ろし景色を眺めている、3人の女子高生。といっても卒業式は昨日終わっていて、一人はお見合い結婚が決まっていた……。彼女たちの恋愛と成長を描いた表題作と、「永遠の横顔」を収録。 -
やどかりの詩
人工授精に使用する精子を提供するアルバイトをする神立晋の精子で、性交なしに妊娠する、看護師のレン。自分の産んだ子が神立晋の子と分かった、名門家庭の妻・三鈴。そして、レンを愛するようになる晋の友人で路上でヤドカリを売る佐治、三鈴の夫・加瀬、医師・四宮……。彼ら彼女らが織りなす愛憎のドラマと、それを横目で見ている小説家・信夫倫太郎は……。力作感あふれる長篇小説。 -
おゝい、雲!
健哉、三和子、十郎の3人の大きな子供たちを抱えてやもめ暮しの西條健吾は、秀れた才能を持つ建築家だが、純粋さの故に世に容れられない。子供たちは、ふとしたことから三島家の美しい2姉妹と知り合い、姉妹の母で未亡人の建築雑誌社社長・房子と父親との恋愛を嗅ぎつける。しかし、房子に横恋慕する評論家・江見は、スポーツランド設計に情熱を燃やす健吾を卑劣に中傷する……。それに対して、両家の子供たちは、その友人たちと協力して陰謀に立ち向い、親たちの婚約を実現させようと活躍する……。恋と夢にあふれたエネルギッシュな若者と理解ある親たちとの、明るいパンチのきいた長篇。
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