ブロンズ
レビュアー
  • ミステリと言う勿れ 1
    購入済み

    整くん、いい味出してる

    面白い‼︎こんな話、大好き。殺人事件の容疑者にされる大学生が、取調室にいながら真相を暴いてしまう。ミステリー好きのために、ちょっとした大逆転の要素もあり、なかなか深い。主人公の整くんは、格好良くもないし、本人も格好つけようとも思っていなくて、とっても些細なことに気づいてただ話すだけなのだが、その淡々とした様子が小気味いい。人生相談みたいになっちゃう場面もあるが、その人や社会の固定観念や気付かなかったことを説得力ある論理と知識で打ち破り、救ってあげている。ページ数以上に中身の濃いマンガで、続きも是非読みたいと思う。新しい事件も起こり、整くんらしさを発揮しながら、どう解決するのか楽しみだ。

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    2020年10月08日
  • 星の王子さま
    購入済み

    この翻訳は好き

    原文はフランス語なので、当然日本語で読むには、翻訳者を介することになる。こんなにも多くの人が翻訳し、出版されていることに驚いた。この本は、語尾がですます調で書かれてあり、全体にとても優しく透明感のある柔らかな雰囲気が漂う。原文の厳密な直訳ではない分、とてもわかりやすい。何度も読んだ話で内容は知っているが、手元に置いておきたくて買い求めた。1つ残念なことは、葉祥明の絵をもっと堪能できるかと思ったが、電子版だからなのか編集の仕方が悪く期待外れだった。

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    2020年10月06日
  • 水車館の殺人〈新装改訂版〉
    ネタバレ 購入済み

    館シリーズの始まり

    推理小説ファンなら、大まかなトリックは予想がつくかもしれない。しかし、それでは細かなところで矛盾が生じる。ピッタリ合うピースを見つけるための推理が楽しかった。最後まで期待したような大どんでん返しは無かったが、それでも引き込まれるように読み進めることができた。普通は禁じ手の隠し通路や隠し部屋が、どのように絡んでくるのかもこのシリーズの楽しみかもしれない。

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    2020年10月01日
  • 猫のお寺の知恩さん 1
    購入済み

    のんびりしたい時に

    なんとも言えない空気が流れている。私の中の、これまで忘れていた記憶がくすぐられるような感覚。主人公の同居人となった知念さんへの一方的なラブコメっぽいけど、そこにおばあちゃんや近所の同級生も加わって、今後の展開がとても楽しみ。

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    2020年09月30日
  • すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
    購入済み

    1996年発行

    普通、このようなテクノロジーを扱う小説や映画は、年が経つと滑稽に思えるものもあるが、これは違った。ノスタルジーを感じる小物はあるが、大枠の設定やトリックは違和感を覚えず、20年以上も前に発行されていたなんて信じられない。犯人のトリックは、誰かが言っていた「不可能を取り除き残ったものが、どんなに信じられなくてもそれが真実だ」という本格的なものであり、タイトルにもなっている謎の言葉の意味も、説明されれば、なるほどと思える。キャラクターたちにも大変、好感が持てる。おもしろかった。

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    2020年09月24日
  • 迷路館の殺人〈新装改訂版〉
    購入済み

    楽しめた

    推理小説好きには、たまらない要素がてんこ盛り、といった感じ。展開もテンポ良く、一気に読み進めた。事件解決後も、更に驚きの仕掛けがあり、大満足で読み終えた。

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    2020年09月11日
  • どんどん橋、落ちた〈新装改訂版〉
    購入済み

    本格推理小説のフェアの裏をかく

    本格推理小説のフェアを上手く使いながら、その裏をかいてくる綾辻さんとの駆け引きを楽しめた。ストーリー自体は後味いいとは言えないドロドロしたものであるが、明るくスッキリよりは推理小説ファンには心地いいいかもしれない。肩肘張らずに読むといい。電気のない山小屋か別荘の暖炉の火の前で、大好きな叔父さんから、面白い話を聞いているような気持ちになれる。

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    2020年09月08日
  • イニシエーション・ラブ
    購入済み

    ミステリーなのかな

    ミステリーと思わないで読むことをおすすめする。私は「おすすめミステリー」として目にする作品だったので読んでしまった。「2度読みたくなる」という言葉がこの作品についてまわっているため、私は途中で何が起こっているかわかってしまった。なので、衝撃はなかった。しかし「2度読みたくなる」という言葉があったので、最後に何かあるのだろうと思って読み進めることができた。(でないと、きっと読むのをやめていたと思う。)後味は悪くないし軽く読めるので、そういうのが好きな人は、どうぞ。

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    2020年09月07日
  • 葉桜の季節に君を想うということ
    購入済み

    初読は絶対にネタバレなしで

    1度読み終えた後で、すぐにもう1度読み返したくなった。そして、そうした。1冊で2度美味しいとはこの本のことだ。どこで自分がミスリードされたかを見つけるのも楽しいし、何しろ物語の風景そのものが別のものになる。マジックを好むように、人間は正々堂々と騙されることに快感を感じるのかもしれない。この本も、一流のマジシャンのように上手く私を騙してくれた。もちろん内容も面白く、一気に読めた。思えば、内容と似つかわしくない題名の雰囲気も伏線だったのだろう。

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    2020年08月17日
  • ハサミ男
    購入済み

    そうきたか

    叙述トリックの傑作として、題名だけはずっと知っていた。何となくファンタジーっぽい題なので後回しにしていたが、ついに手にとった。読み手を惑わすトリックがあることはわかっていたので、意識しながら読んでいたにも関わらず、全く作者の思惑通りにやられてしまった。描写も巧みで、街や室内の空気まで感じ取れるほど、その世界に入り込むことができた。気持ちよく騙されたいミステリー好きの人は、読んでおくことをお勧めする。

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    2020年08月17日
  • 三毛猫ホームズの推理
    購入済み

    エンターテイメントとして

    読後の感覚としては舞台の演劇を見た後に似ている。そういう意味で、エンターテイメントとして十分に楽しめた。トリックや人間模様、驚き、ドキドキ感、コミカルな笑いなど、しっかりと読者をひきつける要素が満載である。三毛猫ホームズが一番いい味出していることは、期待を裏切られなかった。主人公にも好感が持てるし、人気があるのも納得した。
    この作品では多くの人が亡くなり悲劇もあるが、以上の読了感から後味の悪さはない。「ひと時の非日常を体験できた」「亡くなる役の人も、打ち上げではカラオケ歌っているのではないかしら」と思えるほどの大胆なエンターテイメント性は流石である。

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    2020年08月10日
  • 「好き」を力にする NBAプレーヤーになるために僕が続けてきたこと
    購入済み

    特に小学高学年から高校生に

    私も彼と同じく,香川県出身でアメリカにいる。
    お椀をひっくり返したような山を見ると,地元に帰ってきた実感を抱き,うどんは私のソウルフードだ。そんな意味で,とても親しみを持ちながら読んだ。
    特に,この本は小学高学年から高校生に読んで欲しいと思った。飾らない言葉は,先輩からのメッセージとして彼らの胸に届くのではないかと思うし,とても読みやすいからだ。
    現在、小・中学生、高校生の多くが,自分のしたいことも十分にできず,試合や大会も中止になったりと悔しい思いをしている。
    そんな彼らに「現時点でできることに集中して取り組んでいれば、それは必ず将来生きてくる」との言葉と彼の体験は,説得力がある。

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    2020年05月28日
  • インハンド(1)
    購入済み

    ドラマが先だが漫画はさらに満足

    ドラマは久々に自分の中では、ヒット‼︎
    原作があるのを知って、プロローグから読んでいる。原作の押さえどころを心得てドラマは作られており、外してほしくないセリフやカットは活かされているので、ドラマが先でも違和感がない。もちろん漫画では、1時間という制約がない分、丁寧に描かれているし、全く同じではないので、両方それぞれに楽しめる。原作でのキャラがしっかりとしているので、ドラマの良さは俳優の魅力だけではないことがよくわかる。漫画もプロローグ➕1巻、ドラマもまだ3話までだが、これから両方とも楽しみだ。

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    2019年05月04日
  • 金田一37歳の事件簿(2)
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    私個人としては微妙

    読めて嬉しいし、今後の展開も気になるし、きっと次も購入するのだろうと思う。ただ「金田一少年」の頃は、「伝説」「復讐」「悲しい過去」といったお祖父様へのオマージュともいえる切なさややり切れない後味があり、私個人としては好きだったし、他の探偵物との差異を感じていた。いつもはおちゃらけた一の傷ついた心にそっと寄り添う美雪の優しさが救いであり、魅力だったとも思う。今回のシリーズは、動機や犯人、読了感が、他の漫画や小説、ドラマでも味わえるもののように思えて、少し残念ではある。

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    2018年11月28日
  • 占星術殺人事件 改訂完全版
    購入済み

    名作の宿命

    なぜ今まで読んでいなかったのだろう。ミステリー好きなら一刻も早く読むべきである。私は残念なことに,大まかなトリックは,この作品のオマージュともいえる作品から気づいてしまった。当然,犯人も。しかしながら,矛盾や疑問は多く,一つ一つのピースが繋がらない。先を知りたくて一気に読んでしまった。読了後,大きなジグソーパズルを完成させた時のような爽快感を味わった。散りばめられた事実が全て収まるところに配置され,無駄なピースは何一つ無かった。さすがだ。
    又この和製ホームズ,ワトソンの関係には心温まるものを感じ,大好きである。


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    2018年06月19日
  • かがみの孤城
    購入済み

    一気に読んでしまった

    中学生に紹介したい本を探していた時、タイムリーに「本屋大賞」発表のニュースを見た。番組の後半にこの本に感銘を受けたという男子高校生のインタビューがあった。彼の言葉は本物との印象を持ったのが、この本を手にしたきっかけだ。ストーリーは登場人物たちの気持ちや行動に無理がなく、共感しながら読み進められた。こちらの予想を軽く裏切りながら、ササクレのように気になった違和感も、最後にはとても気持ちよく回収してくれた。読書が苦手な中学生にも、薦められる1冊だと思う。

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    2018年05月07日
  • 漫画 君たちはどう生きるか
    購入済み

    ベストセラーだけのことはある

    中学生の頃に誰かに勧められて原作を読んだという記憶がある。当時はまだまだ他人事として、義務的に読み終えたように思う。今回、漫画として再登場し、ベストセラーになっていると知り、ずっと気になっていた。改めて読み返してみて、「ああ、私のこういう物の捉え方は、ここからも影響されていたのかもしれない。」と思うことがあった。世代を超えて読み続けられる価値のある本が、今の若者たちにも手に取ってもらいやすい形で出版されたことは、とても嬉しい。

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    2018年05月03日
  • AI vs. 教科書が読めない子どもたち
    購入済み

    アメリカに暮らす日本の中学生に

    とても興味深い内容だった。考えさせられる点が多くあったと思う。
    現在、アメリカの日本語補習校で中学生に国語を教えている。国語のワークの宿題にどんな意味があるのか。授業で触れていないことは出題されるべきではないのではないか。といった生徒の疑問に答えるのにこの本を紹介した。
    AIがどのように問題を解くかを説明した上で、現行の限界を示し、実際のワークの中から誤答が出そうな問題を選んで、生徒たちに解かせてみた。AIにライバル意識を持つことで、いつもより、丁寧に問題を読み、機能語を意識し、文章全体から意味を取ろうとする生徒が多く出た。また「AIなら、こう間違えるよね。」といった声も聞こえてきた。AI

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    2018年04月13日
  • おじさまと猫 1巻
    購入済み

    書き下ろしストーリーも癒される

    Webで読んでいた時から、毎回号泣。何度も読んだ内容だったので、購入を迷っていたのですが、電子版を買いました。買って良かったです。今回の書き下ろしストーリーも最高でした。おじさまとふくまるを取り巻く人たちの優しさにとっても癒されました。親友の小林さんの回では腹筋崩壊(人前で読んでなくてよかった。ホッ)、ペットショップの店員さんの回では救われた気持ちになり涙涙…。私のようにすでに読んだという人にこそ、おすすめします。このストーリーを知らないと損していますよ。

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    2018年03月01日