【感想・ネタバレ】AI vs. 教科書が読めない子どもたちのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

AIは東大に入ることができるかという問いには、難しいということが明らかになったものの、現状の大学入試において、上位20%程度の、いわゆるMARCHと呼ばれる大学群に入学する学生よりは優位な学力(本書においてそれを学力と呼ぶかどうかは別問題だが)をもつことができているというのは非常にショッキングな内容...続きを読むであった。
筆者は我々一般市民が抱いているAIへの幻想に対して、明確にその限界を示している。しかし同時に、そのAIの限界値や苦手な分野においてすら、多くの日本人は及んでいないか、AI並みであるともいう。それは、将来的にAIに取って代わられる仕事が出てきた時に、大量の失業者と人手不足を招くことになる。だからこそ、中学卒業までの間に読解力を身につけさせることが喫緊の課題であると提示している。
本書を読むことで、いわゆるシンギュラリティであったり、AIの万能感といったものへの憧れや先入観を正し、その上で尚且ついかに日本の現状が危ういかを教えてくれる。
今の学校教育において、本当に必要なことが何であるのかを明確にして教育にあたらなければならない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月02日

興味深い内容だった。「AIの得意なこと、不得意なこと(限界点)。そしてAIが苦手な(肩代わりできない)読解力を基盤とする、コミュニケーション能力や理解力(P172)」を私たちは備えているのか。(→否。)AIが労働市場に参入すれば、失業者があふれ、企業が消え、「AI恐慌」とでも呼ぶべき、世界的な大恐慌...続きを読むが訪れるのではないか。これが筆者が予測する「最悪のシナリオ」。ではどうすれば「基礎読解力」が身に付くのか、ということについて、科学的な検証はされてないとしながらも、「多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも(P246)」というところが気になった。読解力とは何か、どのように身につけるのか、についてもう少し考えたい。

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

佐藤優氏との対談が掲載されている「国難のインテリジェンス」を読み、概要をわかったつもりでいた本書の重要性を痛感し、今更ながら拝読。5年ほど前の著作でAIのことを書いているにも関わらず全く古さを感じさせない。ということはシンギュラリティが絶対不可能なAI技術の本質を論理的に喝破しているから。後半の読解...続きを読む力の絶対的不足は国難といっても過言ではなく、本の精読が非常に重要だと感じた。本当に素晴らしい本で、AIの立ち位置が明確にわかる。

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Posted by ブクログ 2024年02月02日

AI関連の書籍を色々読んでくると、前半はさすがに聞いたことある話も多いが、東大合格に向けて頑張るAIトオルくんの話とかは面白かった。また第五世代コンピュータ開発の失敗談が国内に見当たらないというのは、研究が失敗すると論文化出来ずその知見が世に公開されずに終わる、というアカデミアの問題にも通ずるような...続きを読む気がした。RST開発からの読解力の大切さへの気づきは、著者ならではで面白かった。日本では、文系がトップに座ることが多いためか自分とコミュニケーションが取れない数学出身者を使いこなせず、大きく出遅れがち…それだけじゃ無いだろうけど、同意…あと、このAI全盛期に行列・線形代数は重要だよね…生成AIが登場した今でも書かれている内容は陳腐化していないと思う。

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Posted by ブクログ 2024年01月18日

学力って、結局は「読むチカラなんだよなー」と改めて感じた一冊。
AIの進展について学んだというよりは、
子どもたち、本当に大丈夫か?!と心配になった。
筆者も危惧しているドリルのような反復学習について、
小学生のうちからデジタルドリルに励んで「勉強した気分」になり,テストでいい点をとってしまうと,そ...続きを読むれが成功体験となってしまって,読解力が不足していることに気づきにくくなる。中学に入ってもデジタルドリルを,繰り返せば,一次方程式のテストで満点が取れて,英単語や漢字は身に付くから、そこそこの成績はとれる。
ところが受験勉強など、読解力が問われるシチュエーションに置かれると、急に「分からなくなる」。
しかも、ドリルで身につく能力がもっとも「AIに代替されやすい能力」と言われているんだからもう。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年10月19日

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東ロボくんは東大には入れなかった。AIの限界ーー。しかし、”彼”はMARCHクラスには楽勝で合格していた!これが意味することとはなにか? AIは何を得意とし、何を苦手とするのか? AI楽観論者は、人間とAIが補完し合い共存するシナリオを描く。しかし、東ロボくんの実験と同時に行なわれた全国...続きを読む2万5000人を対象にした読解力調査では恐るべき実態が判明する。AIの限界が示される一方で、これからの危機はむしろ人間側の教育にあることが示され、その行く着く先は最悪の恐慌だという。では、最悪のシナリオを避けるのはどうしたらいいのか? 最終章では教育に関する専門家でもある新井先生の提言が語られる。
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2019年のベストセラー本なわけですが、AIには不可能と言われていた「発想」の分野で膨大なデーターの集積により「発想」も可能になるという事が言われてはや数年。えらいことになる・・・と思ってたのですが、AIが人の仕事を奪っていく流れは、思いの外遅い。どうしてかなぁ・・・。と思い手にしてみました。

なるほど、ビックデータとはいえ、どこまで行っても数式で表せないことは、できないわけですね。とはいっても、MARCHレベルまでは、きたAIの能力は、人の半分以上の能力は超えるわけで、大変なことは大変なんですが・・・。

と、ここまで前半なんですよ。ここまで、AIに負ける子どもたちっていかんなぁ、大変だなぁ。と、ある意味上から目線でみていたのです。実際に、いくつかのテストが記載されていてやってみると、3割ぐらいの問題は、私もできないわけです。おそらく普通の社会人程度のわたしも危険水域の人間なわけです。あぁ、これは、大変だと。

本書では、どうやればそういった読解力などが伸びるのかは、明記されていないのですが、子供も私達大人も頑張らねばなりません。そう思わせてくれる素晴らしい本でした。

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Posted by ブクログ 2023年10月16日

恐るべき書、AIという技術が、人間にもたらすものは何か

多くの仕事がAIに代替される将来、生き残るためには、読解力が必要である
しかし、日本の中高校生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない
読解力のない人間は失業するしかない というのが本書の主旨である

AIが人間の仕事をすべて奪って...続きを読むしまうようなことはありませんが、人間の仕事の多くがAIに代替される社会がすぐそこにせまっています

受験用AI 東ロボくん の現在の偏差値は、57.1 つまり 5人の1人に入らなければ、人間の仕事には生き残れない

AI進化史
 第1次 1950年~1960年 推論と探索による問題を解く時代 ⇒ フレーム問題というのが起きて、AIは下火に
 第2次 1980年代 エキスパートシステムが試作される ⇒ 曖昧な表現や数値化できない表現が難敵
 第3次 2010年代 機械学習 ディープラーニング(深層学習)の時代

機械学習 正しいデータ、つまり、教師データが必要

IBMワトソン AIが文章を読んでいるのではない、AIは文章を読めない

がんの画像診断、住宅ローンの融資 人はAIには勝てなくなってきている ⇒オックスフォードのチームは、47%の雇用者が失職する可能性 ⇒いずれ日本も同様となる

自然言語処理は、難問、150億文を学習させても、精度はあがらない

でも、AIが文章を理解しているわけではない、コンピュータ思考はできない、できるのは計算だけ

文章を自動でつくったり、絵を描いたり、作曲をしたりできるのは、次を確率的に生み出しているだけ、これを「確率過程」という
短い文や曲ではそれらしいものが作られるが、長いものはだめ、支離滅裂になってしまう

AIはロマンではない、AIは電子レンジと同様の技術である

AIができない仕事ができる人とはどんな人か ⇒ 読解力を基盤とするコミュニケーション能力や理解力を持つ人

だったらそんな人を教育すればいい 調べてみると 読解力が高いと偏差値の高い高校に入れる ということはわかった
では、読解力を高める教育とは何かという問いに
 ⇒ 超有名私立一貫校の教育については、読解力と相関はない
 ⇒ 読書習慣も相関はない
 ⇒ 学習習慣も相関はない
 ⇒ 得意科目も影響はない
 ⇒ スマホを使う時間も相関はない
 ⇒ 性別も関係はない
つまり、「こうすれば読解力が上がる」という教育方法はわからなかった
 ⇒ 読解力が高いということは、教科書の文章をちゃんと読めるということ
 ⇒ 貧困が読解力にマイナスの影響があることはわかっている

現在、板書ができない子、調理師免許をとろうにも、筆記に受からない子が少なくない
企業では、仕様書を正しく理解して、手順書通りに作業をし、報連相ができるあたりまえの人材をとることむずかしくなっている

仮説として、多読ではなく、精読、深読がなんらかのヒントになっているかも
読解力はいくつになっても伸ばすことができる

未来図

企業は人手不足なのに、社会には失業者があふれている、AI恐慌の時代がやってくる。

目次
はじめに
第1章  MARCHに合格――AIはライバル
第2章 桜散る――シンギュラリティはSF
第3章 教科書が読めない――全国読解力調査
第4章 最悪のシナリオ
おわりに

AI vs. 教科書が読めない子どもたち
著:新井 紀子

ISBN:9784492762394
出版社:東洋経済新報社
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2018年02月
発売日:2018年02月02日

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月28日

AIの台頭によって人間の仕事が奪われる、そう聞いて危機感は持つものの果たしてどうすればよいのか分からない。
本書はまず、AIが人知を超えた存在になる等というシンギュラリティやビッグデータさえあればAIはなんでもこなすというような、根拠のない言説の間違いを説明する。
そして、AIが如何にして翻訳や作曲...続きを読む、さらには大学入試問題を解くのか、その方法論を丁寧に記述していく。この方法論というのが、論理・確率・統計の三つ。AIはあくまでコンピュータが計算を行って答えを導き出しているので、文章の意味を理解することはできない。上記三つの方法で記述できないものは、教えられない。いくら器用に質問に答えようと、流暢な翻訳文を出力しようと、それはあくまで計算の結果。人間のように細部まで理解して答えを出すことはできない。それが分かっていれば、人間はAが苦手とする分野で仕事すればいいことではないか、と考える。しかし、どうやらその見込みが甘いようなのだ。
中高生を対象に基礎読解力を調査するための、リーディングスキルテストにおいて、危機的な状況が浮かび上がる。係り受けや照応という、AIがそこそこの精度を持つ分野では6-8割程度の正答率だが、同義文判定、推論、イメージ同定、具体例同定という、AIが苦手とする分野では、精度をは低いと2割に届かない。4-7,8割に留まり、人間とて文章の深部まで正確に読み取ることができていないことが明らかにされる。この章は例題を解きながら、自分は大丈夫なのか?と焦燥感に駆られる。

では読解力を上げるにはどうするか、それは次の本に書かれるとのことで、本書にその答えはない。しかし、AIにできることは生産効率を上げることであって、新しいものを生み出すことはできない。人間らしく柔軟に、意味を考え、生活の中の困りごとや不便さを解決する、そこに多くの人の需要があれば商売は成立する。
ただ、多くの企業で生産効率を上げることに注力しているだけでは、このデジタル社会においては買い手と売り手の情報の非対称性が修正されるため、一物一価が達成される速度が速く、利潤は削られていく一方となる。日本がモノづくり立国で、ロボットによる高度な自動化を確立していること、AIによって得られる精度が高くなければ製造物責任を負わざるを得ないことも、日本でAIの導入が遅れる、またはAIへの投資の現実感が薄い要因と考えられる。

女性が担っている割合が高い介護や育児は、相対的に地位も対価も低いが、今後AIに代替されることのない職業。どの仕事が真に稀少なのかは自ずと明らかになってくるはずだが、「ブルシットジョブ」でも言及されていたことと重なる。

自分の労働市場における価値は、そしてAIとの共存を強いられるこどもたちに必要な能力は何なのか、考えさせられる本。

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Posted by ブクログ 2023年08月23日

AIの定義は自分の思っていたものと違うもので、まだ人間を超える知能は生まれていないことや、著者は人間を超えることはできないだろうと様々な要因から考えていることを知れた。正直、AIが人間を超えて人間を支配するようになるとか世間では言われているけど、実際はそんなことないんじゃないかと思うようになった。こ...続きを読むの本で言われていた「ディープラーニングをする前に、教科書を読めるレベルにならなければいけない」がすごく共感できて、頭のいい進学校とかは教科書を読むのに苦労はしないから、ディープラーニングをしても問題はないと思うが、そこらへんの公立中学校や比較的偏差値の低い高校でディープラーニングをしようとしてもうまく行かないと思うし、それは大学でも言えることで、全部の大学でディープラーニングをしようとしても、一部の大学では学生にとって有益かもしれないが、他の大学の学生にとっては意味のない学習になる可能性があると思う。やはり、基礎の部分を固めてから次のレベルにステップアップするべきだと思う。

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Posted by ブクログ 2023年07月27日

AIに出来ないことは今の子どもたちにも出来ないとなるとAIが発展していくこれからの社会はどうなっていくのか、、、考えさせられる一冊

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Posted by ブクログ 2023年04月25日

少し前の2018年の本だけれど、これからの時代も必読の一冊だと思う。
AI技術は進化してどんどんもっともらしい応答をするようになっているけれど、本質的に限界があることがよく分かる本。また、AI技術の到達度を測るためのテストが子どもたちの読解力を図るためにも最適で、実はかなりの数の子供(それとほぼ変わ...続きを読むらない教育を受けてきただろう大人も)の読解力が危機的に低いことが分かったというのが衝撃!
機械に負けない人間にならないといけないし、そういう子供を育てないといけないと痛感。
作者はとてもとても頭の良い方なんだなと思った。

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Posted by ブクログ 2023年04月03日

本書はAI(AI技術)を礼賛するものではなく、AIに比して人間の能力が不足する事態に向かっている現状に警鐘を鳴らす内容である。

AIが神になるとか人間が必要なくなるといった空想本よりも
地に足ついた内容で、文系の私にも理解できるくらいに噛み砕いた説明で分かりやすい。
中高生の過半数が文章を正しく理...続きを読む解できない状況を憂いており、本書に登場する読解力テストの例題にも完答できない私のような読者にとっては耳の痛い内容であるが、日本の学生(ひいては国民)の知力が技術の発展に追い付いていない事実は日頃からひしひしと感じる。

AIは人間には代われないが、AIよりも能力が低い人間にならないように、学生諸君は勉強に励み、我々大人も日々勉強をして、知識のみならず読解力のような基礎的な知力を身につけなければならないと思う。

非常に勉強になった。


~以下、私の要約。私の読解力はいかほどか...
AIはあくまでコンピュータ(計算機)であり万能ではないため、人間の仕事が直ちにAIに奪われることは無いものの、AIと同じかそれ以下の能力しか無い人間は仕事を失うことになりかねない。
中高生を対象にした読解力のテストから分かるように、すでにAI以下の読解力しかない子供(=教科書を正しく読めない子供)が過半数である。
AIを正しく理解し使いこなすためには、文章を正しく読み解く力が必要であり、その力を得られるような教育が必要である。

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Posted by ブクログ 2023年04月01日

AIの事が知りたいと思い購入。一言で言うと素晴らしい内容。現時点でAIができる事は何で、今後今後社会にどのような変革が起きるか、わかりやすく語られている。AIが現時点でできるのは、過去の蓄積
=教師データから確立統計的に正解を導き出す事。それにより、決まったフレームワークで白黒判定だけしている、ホワ...続きを読むイトカラーの仕事が駆逐される。現時点でAIにできないのは、意味を理解する事、数学的には、推論やイメージ同定、具体例同定。これからの人が身につけるべき能力は新しいことを学び続ける能力。その為に著者は精読が一つのキーになるといっていて、スモールビジネスでも新しいものを想像する人がAIに淘汰されないらしい。HSの本から引用すれば、企画、交渉、判断。真、善、美を基準に、世の為に何か新しい事を生み出していこう。

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Posted by ブクログ 2023年03月26日

AIが今後仕事を奪っていく、、など世間では大きく騒がれていますが、実態を覗いてみるとAIに出来ることは限定的で、結局は人間による膨大な教師データのインプット=人手が必要(ある程度は自動化されてますが…)
とは言え、AIが得意な、枠組みが決まった単純な事務仕事は今後人間の手を必要としなくなることは明白...続きを読むなのでAIが出来ない/不得意である創造性要する仕事に人間は注力すべきということを今更再認識。

後半では AI作る側に回るにも読解力、論理力がないとプログラムできないけど、最近の中高生の過半数がその辺りの能力に乏しいことが散々書かれていますが、自分も本を読んでもちゃんと理解してきたのか?読んだ気になってるだけでは、、とドキッとさせられました。

読解力は全ての基礎でありながら、身につけ?術はまだはっきり分かっていない..というのはモヤっとしますが、子には物事をきちんとした理解や深堀を促す対話を心がけたい。

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ベストセラーだけのことはある。

2022年04月22日

前半は、AIで大学入試を受験した話で、いまのAIは魔法じゃなくてこんなにいろいろ限界があるという解き明かし。この業界の人であれば特に驚きはない。でも後半がすごくて、じゃあそのポンコツな今のAIに試験成績で負けてしまう学生たちってなんなのっていうことで全国の中高生に実際にテストをさせた話。驚愕の結果と...続きを読む分析をぜひ読んでほしい。
シンギュラリティは来ない。でもAIと共生する近未来はこのままでは危うい。

#深い #タメになる

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読んでて飽きなかった!

2021年12月25日

本の掴みから読んでて面白かったです!

#タメになる

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人間にできること

mac
2022年09月30日

一部ご紹介します。
・詰め込み教育では、読解力と常識は身に付かない。読解力がなければ、教科書もマニュアルも読めないし内容も理解できない。
・人間の存在意義を保つために、まずは読解力。次に体を動かす。モノに頼らない遊び。
・コンピューターは計算機。入力に応じて計算をして答えを出しているだけ。コン...続きを読むピューター自身が「意味」を理解しているわけではない。
・数学は、論理と確率、統計で、人間の認識や現象を説明する。逆に言うと数学は論理的に言えることと、確率、統計で表現できることしか説明できない。それが科学の限界だ。
・「意味」は観測不能。論理や確率、統計に還元できない。
・機械に仕事を奪われないためにも、意味を考える。それには、生活の中で不便に感じていることや困っていることを探すことだ。
それがAIに代替されない新しい仕事を生み出すきっかけとなるのである。

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根拠を示した問題定義の本

2018年05月25日

AI技術について、面白おかしく盛り上げるような、釣りを目的とした本ではありません。作者の「現在の日本の人間たちが抱える問題点はこれだと思います、ぜひ知ってください」という内容の本です。
誤解しにくい文章で書いてあり、とても読みやすいです。数学者の本ですが、数学に苦手意識を持っている自分でも読めまし...続きを読むた。

中高生が受けたという、文章読解力を調べるためのテストの例題が数点載っていました。どんな問題で「教科書が読めない子どもたち」だと言っているのか、イメージしやすいです。正解率を見て、愕然・・・。頭が悪いという問題じゃないですね。障害があるごく一部の人以外は、語彙力の問題だったり、教えれば向上できる力が読解力だと感じました。

スマートフォンなどで、日々AI技術に触れる毎日。
日本の事や、自分自身の事をより良くするために、この大問題を多くの人に知って欲しいです。

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アメリカに暮らす日本の中学生に

2018年04月13日

とても興味深い内容だった。考えさせられる点が多くあったと思う。
現在、アメリカの日本語補習校で中学生に国語を教えている。国語のワークの宿題にどんな意味があるのか。授業で触れていないことは出題されるべきではないのではないか。といった生徒の疑問に答えるのにこの本を紹介した。
AIがどのように問題を解...続きを読むくかを説明した上で、現行の限界を示し、実際のワークの中から誤答が出そうな問題を選んで、生徒たちに解かせてみた。AIにライバル意識を持つことで、いつもより、丁寧に問題を読み、機能語を意識し、文章全体から意味を取ろうとする生徒が多く出た。また「AIなら、こう間違えるよね。」といった声も聞こえてきた。AIにその間違いをおかさせない為にはどうしたらいいか、いずれその生徒がそのような視点に立つ日が来そうで、ワクワクした。

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少し難しい

2018年03月13日

面白いが少し難しい。興味のあるところをかいつまんで読むなら問題はない。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

AIとは何かを理解すること、そのAIにできないことが意味を理解すること、つまり読解力であるが、読解力がない子供達が多い事実があるということ、その上で今後どうしていくべきなのかについて学び考えさせられる本。
AIはあくまでコンピュータに過ぎない、数値化できるものでしか判断できない。数学が歴史上証明して...続きを読むきたものは、論理、確率、統計である。そのことを踏まえてAIができることを理解する必要がある。
読解力がないことの証明はデータに基づく根拠のある提言がされており興味深いものだった。意味を理解し考え新たなものを生み出すような力が求められる中で、読解力を養う方法はない、読書による向上はデータからは導けなかったとあるが、文章を読み意味を考えることを継続することに効果はあると自分は考える。

その他、情報の非対称性(立場が異なる双方において情報が共有されていない状態)がAIにより修正され、一物一価の原理が早いスピードで起こってくる、など勉強になることも多かった。

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

読みやすかった。また筋の通ったストーリー展開で理解しやすかった。読解力の重要性とAIと今後の展望について理解することができた。個人的には「男の子と女の子の帽子とスニーカー」問題を解けなかったのが悔しい。
また筋のとった文章を意識されてるのか、「だから(このだからは論理的ではない)」という表現が随所に...続きを読む見られ面白かった。

この作者の本はまた読みたい。

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Posted by ブクログ 2023年09月16日

【動機】
「世の中には文書が読めない人がいる」という言説の参照元になるケースを何度か見たので、原著に当たりたかったため。

【感想・メモ】
・中学生の1/3は、文書が読めていない(主語と述語、修飾語と被修飾語の関係などか読み取れない。
・高校卒業時点で、半数近くの人が、文章の内容を理解できていない。...続きを読む
・読解力は、伸ばすことができるっぽい

世の中には、(良い悪いではなく)言語的コミュニケーションが難しい人がいる、ということを認識できて良かった。

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Posted by ブクログ 2023年08月16日

AIが普及して利用される社会がどんなものなのかを想像することが出来て、将来を見通すうえで勉強になりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月17日

「はじめに」がもう面白かった。

はじめに
・AIの限界は数学の限界
・「日本人の労働力の質」と「AIの労働力の質」は酷似している
→人間の得意はAIの得意、人間の苦手はAIの苦手

117
論理、確率、統計
この3つが、4,000年の数学の歴史で発見された数学の言葉のすべて。
「私はあなたが好きだ...続きを読む
「私はカレーが好きだ」
上記の本質的な意味の違いを、数学で表現することはできない
=AIは「意味」を理解するのが苦手

171
AIに奪われない仕事
・コミュニケーション能力や理解力を求められる
・柔軟な判断力が求められる肉体労働(介護など)
AIが不得意な分野=高度な読解力と常識、人間らしい柔軟な判断が要求される分野

256
現代教育は、AIで代替できる人材を養成してきた

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Posted by ブクログ 2023年06月22日

前半はかなり難しく感じ、第3章以降の方が面白かったです。

一番共感した部分は、
「私は、誰も疑問を持っていなかった『誰もが教科書の記述は理解できるはず』という前提に疑問を持ったのです。」

筆者が開発したRSTを受検した先生方で、教科担任制である中学・高校の先生方が、読み慣れていない分野の教科書か...続きを読むら出題される問題に取り組むことで、生徒たちが「読み」のどこでつまずいているのか実感できたようだ、というのも納得できます。

読解力を養うのに、「多読ではなくて、精読、深読に、なんらかのヒントがあるのかも。」というのも、今まで見聞きしてきたことと重なります。
(楽しみのための読書なら、多読ももちろん素晴らしいでしょう)

デジタルドリルとアクティブラーニングの落とし穴にもなるほど、と。

AI時代の先行きに不安を感じるだけでなく、AIの得意なこと、不得意なことを理解し、「人間にしかできないことを考え、実行に移して行く」ことができれば、と思います。

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Posted by ブクログ 2023年06月11日

久しぶりにこういう本を読んだので、なかなかに時間がかかりました
分かりやすく書かれていると思うのですがちょっと最初は専門用語が何を言ってるのかわからずだいぶ調べました

そもそもAIとAI技術の区別も私はついていなかったし、マスコミに流れている情報をそのまま信じていたなと。情報は、やはり一方向からだ...続きを読むけで信じてはいけないものですね

それにしても、子どもたちの読解力のなさに驚きました。始めこそ笑っていましたが次第に笑えなくなりました
え?これを間違えるの?わからないの?と

でも、もっと驚いたのは読書量と読解力の相互関係がないことです

AIを作っているのは人です
正しく、使うためには人が大事です
そんな、当たり前のことが忘れられているようなそんな気がしてきます

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Posted by ブクログ 2023年06月04日

AIの進歩は著しく、MARCHレベルの大学入試は合格レベルに達している。今の子供達の3割は文章の読解力に難がある。シンギュラリティが近い将来やってくるのか?著者は否定的な見解を示している。今のAIは文章の意味をまだ理解していない。

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Posted by ブクログ 2023年04月09日

AIが人間を超越しているのではなく、人間がAIと同レベルの読解力しか持てなくなっていることが恐れるべきことだと。勉強になった。

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Posted by ブクログ 2023年03月31日

今の自分に危機感を覚えた。それと同時に、今後の未来の不安を募る本だった。
AIに詳しい人の今後の日本の視点は非常に印象深く面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年03月29日

AIの簡単な説明やAIがなぜ人間の仕事を奪うのかについて詳しく書かれていて、興味深く読めました。
AIに代替できない能力、その代表格が読解威力の向上ですが、筆者の検証によると、学生の読解力の低下も著しいとのことでした。
今のところ、読解力を向上させる手段は見つかっていないみたいですが、AIが人間の仕...続きを読む事を奪うピークになるであろう2030年に向けて、人間にしかできない事をもっと積極的に考えていきたいと思いました。

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

AIとどう共存していくのかを知る事ができる
AIがバズワードとなり、あらゆるところで叫ばれているが、AIについて正しい理解を行うのを助けてくれる本。

またこの本はAIだけに止まらず、学生の読解力の低下についても述べている。様々な問題とその正答率から、読解力の低下を指摘しており、日本全体に対する危機...続きを読む感を感じさせられる。


AIに出来ないのは今まではなかったが、熱狂的なマーケットで、自身の圧倒的な熱量を持って作り上げることだと感じさせられた。ReadHubというプロダクトを熱量を持って作り上げていこうと改めて思った。

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Posted by ブクログ 2023年10月26日

話題になって随分経ってから読んだなぁと。
そんな言うほどか?と思うけれど、考えてみれば今やAI関連本は数多く出ているけれど、出版された2018年当時としてはそうだったのかもな。
こういう先んじて話題になる本があるからこそ、追随もあるからね。

教科書が読めない子どもたちという部分だけでなくても、AI...続きを読むとは?も分かる。具体的な使い方とか、どういうことに使えて、どういうことは向いていないか。
そうしたことも分かる。

タイトルからも分かるように読解力の部分にも多く着目されており、そこの記述と実験は面白かった。
実際に、AIや学生たちが行った問題も例として記述されており、「え?これ分からないの?」とぞっとする部分や、「確かにこれは分かりづらいな」というものだったり。
AIの苦手なところとか書いてある部分は、なるほどと思いながら読んでいた。
そういう点で言えば、やはり人間の脳という、判断できるのは凄いのだなと。これらもいつかはAIは理解できるようになるのだろうか。
それは恐くもあり、楽しみでもあるかもしれない。

書き終わったら、この本を読み終わった人は、次にこの本を読んでいます!
で、2弾?が出ていることを知った。こちらも読んでみたいな。

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Posted by ブクログ 2023年08月19日

高い知見をお持ちであり、また、これまでの活動などから生まれたであろう作者の考えや懸念はよく分かります。が、想いが強いのか、文章のせいなのか、他者の見解に対して排他的・否定的な主張に感じてしまって気持ちよく読める本ではありませんでした。
AIによる大きな変革を受けて、明るい未来のために子供たちと前向き...続きを読むにどんなことを考えていったらいいんだろうという親御さん向きの本ではなく、子供達の教育に携わる方に知っていただきたい内容でした。

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Posted by ブクログ 2023年05月19日

人工知能の研究者である著者のチームによる、東大合格を目指す東ロボくんの研究開発の話からスタートする。ただAIの学力を上げるというコストをかけたお遊びに終わるのではなく、この先、AIが普及したら日本はどうなってしまうのか、とりわけ子どもの読解力に注目して、将来の労働状況に調査をつなげているのがよかった...続きを読む。将来のための有意義な研究だなと思った。
ただ、中高生の読解力に対しての研究はまだ始まったばかりで、読解力低下の原因や対策はまだ未知数という感じだった。

この本が出版された後にも、第4波といわれる急速なAIの発展が起きていて、この本に書いてある未来予想図がよりリアルな将来になってきている。
これからの企業で働いていく身、子どもを育てていく親の身として、真剣にどうすべきか考えて行かなくちゃなー。

・AIは知能ではなく、所詮計算機。できることには限界がある。シンギュラリティは起きない。
・とはいえ、AIの実力はMARCH合格圏内。
・つまりAIにより仕事を失った人のうち、人間にしかできない知的労働に従事できるのは全体の20%(MARCH合格率)
・AIに代替されない能力は読解力(意味を理解する能力)。その読解力を基盤とするコミュニケーション能力や理解力。
・日本の中高生の読解力は危機的状況。
・その多くは教科書の記述を正確に理解できていない。
・求められる労働は、高度で知的な労働だけで、単純な労働は賃金の安い国に移動してしまうため、高度な仕事ができない人には仕事がなくなる。

・同じ製品を大量に作るタイプのモノづくりは、AIの登場により、さらなるコスト削減を迫られる。それでも利潤率はゼロに限りなく近づく。
(そんな仕事楽しいのかなぁ)

・名刺を見て、何をしているか分かるような仕事はAIに置き換えられやすい。

・ほぼ日のようなビジネスモデル人間にしかできない人間らしい仕事。
・小さくても生活の中の困りごとを解決する視点。
・柔軟になること。共感能力。
・デジタルを味方につけること。

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

本書の著者はAI研究に取り組み、東京大学に合格できるAIが作れるのか、というチャレンジ(通称東ロボ)をされてきた方ですが、その過程でAIの得意なこと、苦手なことを学び、結論としてAIは神にはならず、シンギュラリティはこないことを断言しています。これは説得力がありました。そう聞くと、では人間の勝ちなの...続きを読むですか?と聞きたくなりますが、本書のユニークな点はその先にあって、実は日本人の読解能力も全員が全員高いわけではなく、テスト問題の意味すら理解できていない中高校生が、無視できない比率で存在していることを指摘し、AIは神にはならないけれど、いま人間がやっている仕事の多くは代替されてしまうであろうこと、その場合に読解能力が低い人間は失業もしくは低賃金労働にしか就けない、ということで暗い未来に警鐘を鳴らしています。つまりAI研究を通じて人間理解も進んだということだと思います。この点はメッセージが明確で好感を持ちました。

AIの限界や中高校生の読解能力の問題についてはなるほどと思った反面、それ以上でも以下でもなく正直深みは感じられませんでした。AI学者やジャーナリストの多くが、(自分たちで気づかずに)陥っている思考のフレームとして、「労働」と「仕事」を同義語として用いていることがあります。ハンナ・アレントが指摘しているように、この2つはまったく違う(そもそも違う用語が古代から存在しているということは意味合いが違うのです)。そしてAIの進化で何が起きようとしているかといえば「労働」はロボットに代替されようとしている反面、「仕事」が人間の領域として再び現れているということです。著者が本書の最後に一筋の光明として描いていることは「仕事」なのです。そしてこれは古代ギリシャのポリスに近いといえなくもない。つまり「労働」は奴隷にやらせて、市民は「仕事」もしくは「活動」に従事する。さらに「仕事」は伝統工芸の継承を例にとればわかるように、読解能力以上に右脳的な能力というか、師匠の技を五感で感じて学ぶことが大事になる、ということで、本書を読んで、日本はAIの発展を通じて「仕事人」が復活するのかもしれないと思いました。

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基礎的な間違いが多い

2018年03月10日

まず、Siriは音声認識応答システムで、検索機能はない、検索は、Googleが行っている。https://japan.cnet.com/article/35107760/
Googleには「以外の」の検索能力がある

 Googleで、周辺のイタリア料理店「以外の」レストランを検索しようと思え...続きを読むば 「イタリア料理店」の前に、半角英数字の「-」を付けて
「周辺 -イタリア料理店」で検索すれば、イタリヤ料理店は出てこない。
検索エンジンでは「-」符号が「以外の」を表す。
Siriが、「以外の」を検索できないのは、Appleの技術力の問題で、検索エンジンの問題ではない。
 使い方が誤っているにも関わらず、検索エンジンが「以外の」を理解していないというのは、言いがかりだろう



 結論としては、作者の熱意や危機感は理解できるのだが、上記のような、基礎的な事項の誤りをみると、作者の言い分が正しいのかどうかには、疑問を感じざるを得ない。

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