Bloody Merlionさんのレビュー一覧
レビュアー
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購入済み
タイトルが悪いだけ
1巻だけ読んだ感想です。
主人公がアラサーな学園集団転移異世界バトルファンタジーで戦闘描写重視です。
「最強ランキング」という地雷臭漂うワードが目を引きますが, そこまでめちゃくちゃな作品ではないというのが私の持った印象。
というのは, 本作品における「最強ランキング」は主人公の自己顕示欲を満たす場ではなく, 主人公に災厄をもたらす仕掛けになっているからです。割と単純な構成といえますが, だからこそわかりやすい作品になっています。ストーリーのスタートが単純な分, 純粋なラノベのうまみに集中できるでしょう。
ちなみに語り口は常に主人公の一人称で統一してくれていて, この安定感も個人的にはプラスです。ランキングのほかレベルというバーチャル要素があります。世界観は生きるか死ぬかでシビア。
そんなわけで, 端的にお勧めできる読者層を伝えると「アラサーの男性に自分を投影できる人」「異世界で冒険をしてみたい人」となります。どちらかといえばライト層に向いていそうですが, 2巻以降の展開次第という感じはあります。
バトルについて一歩踏み込んだ解説。主人公は相当強いですが尖った能力持ちです。危ない場面が多々ありますが, 立ち回りやひらめき, 仲間との連携で乗り切ります。王道ですね。
1巻のストーリーはどちらかといえばモンスター相手のサバイバルですが, 今後は対人戦が多くなってくる予感がします。謀略もあるかもしれません。
主人公は優しくて実直な男性。自信のなさも目につき, 人間らしい弱さを見せるときもありますが, しかるべき時にはかっこつけてくれるので高評価。良識と常識もちゃんと持ち合わせているのでご安心を。ヒロインには押されっぱなしですね。
ヒロインはちょっと重めな女の子。経緯を考えれば理解できます。物事を真正面からとらえようとする芯の強さと驚くべき行動力を持ち合わせており, よく主人公が丸め込まれています。彼女を主人公としてストーリーを描いても違和感ないでしょう。
先ほど書いた通り, 敵は人間になっていく可能性が高いでしょう。将来ぶつかりそうな難敵の顔出しもなされているのが評価できます。次の巻に期待を持たせてくれます。
偏見を持たれがちなジャンル, というかどう考えても作品タイトルが悪いのですがおそらく無能な編集者によるものでしょう。それを乗り越えてこの作品を読めた人には比較的いい印象を持ってもらえるのではないかと思います。 -
悪役令嬢の矜持 婚約破棄、構いません
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購入済み
購入済み矜持に振り回されている物語
2巻完結まで読みました。
異世界転生な悪役令嬢ものです。西洋風ファンタジーで魔法もありますが, 全然ファンタジーしていません。また転生という身分もいまいち生かされず, 正直その設定がなくても物語書けるでしょう? という感じです。
これは「かっこいいヒロインが順当に努力をして悪役令嬢の矜持を守る」物語です。ええ, 守っているのは自分の矜持ではなく「悪役令嬢の矜持」に過ぎなくて, これが★2をつける程度におすすめしにくい原因になっています。
まず彼女は国に裏切られ, 家にも冷たくされるところから始まります。ろくに味方がいない中, 急なシンデレラ展開を迎え自分を認めてくれる相手が現れます。その状況に至っても彼女の価値観が「国と家第一」なのです。これがさっぱりわからないのです。彼女がそれほどまでにそういう義理に固執する理由や描写があればいいのですが, 残念ながら全くないのです。
むしろ転生設定あるなら自分の立場を客観視することで国だの家だのという洗脳は解けるはずなので自分の幸せを目指していくのが自然です。辺境に嫁いだので中央の混乱からは離れられますし, そのまま自分を見初めてくれた人と幸せを紡ぐのが現代人の価値観に合致します。解せぬ! もうヒーローとキャッキャウフフしなよ! わざわざ嫌な連中を喜ばせにいっていない!?
そういう謎のプライドを守り通した結果生まれるのが「何もしていない偉そうなおじさんが棚から牡丹餅で喜んでいる」という妙な絵。何なのコレ。
序盤に選択を誤ってしまった若者たちは心の成長こそあれど彼らの幸せにつながる描写がなく, ただいたたまれません。救う気がないなら改心させないでくれる!? 彼ら視点のモヤモヤエピソードもいらない! 胸糞悪いんですけど!
恋愛ものとしても期待しないでください。そもそもヒーローと互いに好きあう根拠が乏しく, 一応そういう心の描写は義務的に書かれていますけどとても没入できるものではありません。
バトル描写はあるものの地味の一言。わくわくするような魔法の使い方もなし。あと, ヒロインは基本的に一人で何もかも解決してしまうので友情描写に期待できないのもキツいです。要は, ファンタジーものに期待される様々な要素を備えていません。
かわいそうな男をたくさん見たいなら読んでみるといいです。この作品の需要としてはきっとそれくらいです。 -
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購入済み
幸せになるのはいいのですが
異世界恋愛アドベンチャーです。1巻完結です。
逆転物の皮をかぶっていますが, 実は最序盤から主人公の価値は認識されているのでそこからのカタルシスを求める人は多分別の作品のほうがいいです。
この作品の長所は「ヒロインとヒーローがちゃんと恋愛している」というところでしょう。恋愛ものとしての味は酸味5割, 甘味3割, 辛味1割, 苦味1割です。要は相手の気持ちがつかめなくてドギマギという時間が長い感じ。
ヒロインは聡明な王女。……少なくとも設定上は。常識があり, 思いやりのある行動をとれるので違和感なく受け入れられやすいでしょう。傷つきやすい性格。運動神経以外の能力が高く, 周りを驚かせることもしばしばというよくある展開。
ヒーローは軍事的に重要な生物「飛狼竜」を乗りこなす騎士様。快活な少年のような言葉遣いをします。もちろんスペック高め。きちんと主人公をまっすぐに想ってくれます。
しかし恋愛ものを求めている人にこの作品をおすすめするかは別問題です。恋愛自体はまあ大丈夫なのですがその他の部分に致命的なほころびが散見されるのです。
例えばストーリーラインとなる「他国からの妃候補を迎える旅」に関して。主人公やその他の妃候補はその旅程を全く知らなかったわけですが, それにも関わらずとある謀略の舞台に選ばれてしまうという大失態が発生します。この時点で突っ込みどころ満載です。
いくら周辺国の希望と言えど最低限の礼儀すら整っていないその募集にわざわざ「飛狼竜」を動員するほどの外交的なプラスがあるのか甚だ疑問ですし, そのせいで「飛狼竜」を狙う悪しきものに利用されるという悲惨なことに。
賓客である王族たちすら知らなかったその旅程を黒幕はなぜか知っており, 護衛であるはずの竜騎士たちは察知すらできずまんまと実行を許してしまう。という冷静に考えてありえないくらいの奇跡的な謀略を彼らは成し遂げていますが, その結末が「最強の竜騎士が単騎, 土壇場の活躍により殲滅しました」で片づけられてしまうという何とも不釣り合いな展開。
一番大事なストーリーラインですらこのように惨憺たる有様で, ディテールのおかしな部分まで丁寧に解説しようとするとそれだけで1冊本が書けそうです。
小説という文字に特化したメディアにおいてそういう設定を煮詰めるのは非常に重要なのです。読者の没入感に影響します。やっぱり総合的に見てただのおままごとだと感じてしまいました。 -
煤まみれの騎士 I
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購入済み
購入済み英雄かくあるべし
5巻まで読んだ感想です。
心情重視の異世界物です。不遇な主人公は2巻までで成り上がり, 3巻からは戦記物に突入します。
欠点から先に伝えます。とにかく重いです。一つ一つのエピソードはちょくちょく区切ってくれるので読みやすくはあるのですが, 毎回ビターエンドが続くというイメージです。作戦そのものは成功しても誰かの心にダメージが入ります。
ですので, 楽に読書をしたいという人には全く不向きです。ほろ苦いストーリーを楽しむためには忍耐力と読解力も必要でしょう。
以上を読んでなお覚悟を決められる人はぜひ購入しましょう。おすすめです。ここからはネタバレを避けつつ雰囲気の紹介。
最低限の尊厳も最低限の力も与えられなかった主人公, 大多数は彼を虐げ, 彼を愛するものも関わり方が歪んでいってしまいます。しかし彼は自己を堅持し成果を上げつづけます。それでも周りからの扱いは悪化の一途をたどるのですが......2巻の後半で一気に化けて成り上がりです。その後の各キャラクターの行くすえをお楽しみに。
ストーリー上の逆転のキーとされるポイントは戦術の技巧が中心。苦戦をしながらも戦場の情報を地の文で集め, 起死回生の一手で相手を打倒するパターン。きっちり考えながら読むと美味しさ倍増。
それから主人公の掲げる理想が味方を増やしてひっくり返すパターンもあります。長期的には謀略のにおいもありますね。
主人公は心技体全てに優れる英雄。差別を受ける原因となる事件がなければ間違いなく作中最強です。
特にその驚異的な精神力は読者すら唖然とさせます。確かにそうするのが一番だろうけど普通はできないでしょと, それでも彼が決断したなら納得してしまうような圧倒的なカリスマ性もあります。
高く掲げた理想は私達の心に訴えかけ, しかし足元を見る目は私達よりも冷静。戦人としては苛烈でありながら, 終われば小さな子どもの一挙一動に心を砕く温かい人です。こんな兄様がほしい。
主人公の存在が圧倒的ですが, それ以外のキャラも丁寧に思いが描かれており, 物語に深みを与えます。たまに視点移動や回想もあります。すれ違い多く全体的にハラハラ。もしかしたらあの人は悲劇的な結末を迎えるかも。
というわけで言うまでもないですがおすすめです。「英雄かくあるべし」などと書いてしまいましたがハードル高すぎですねごめんなさい。でも私はこの主人公の歩む先を最後まで見届けたいと思います。 -
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購入済み
犯罪レポートを読む気分
貴族社会において復讐される側の顛末を描いた群像劇です。1巻完結です。
個人的な意見ですが, 復讐と群像劇はミスマッチだと思いました。私が復讐というジャンルに求めるのは圧倒的な憎しみとその解放です。復讐なんて良くない, けれど復讐しなければ前に進めない。だから復讐の鬼となる人に共感してその畜生ぶりにも胸がすく思いがするのです。
しかしターゲット視点の群像劇である本作品は「小悪党たちが小悪党ゆえ不運にも命を落とす」という方向にならざるを得ないのです。そういう作品だと割り切ってくれたならざまぁ系として高評価できるのですが, 残念ながらこの作品は復讐です。
結果何が出来上がるかといえば「国を巻き込んだ巧妙な陰謀のレポート」です。ターゲットはもちろん悪ですがそちら側に同情する可能性まであるので, もやもやが最後まで残ります。
復讐の必要性がないのが本当に痛いです。ネタバレにならない範囲で言葉を選ぶと, 別に復讐などしなくても愚かな小悪党は滅びるし, 復讐にかける熱量も疑問で, そんな状態なのにそれを実行してしまう人がむしろ受け入れられません。
では復讐は無視してサスペンスとしてみなすとどうでしょうか。
すると冷静に考えて復讐の手段が非現実的でうまくいく理由付けがないことがまず問題になります。実行可能と言い張るとこの国の防衛意識どうなっているんですかとなります。王様が愚かだということにはなっていないはずなのです。すぐ潰れますこんな国。
そこまでしても運要素が多すぎるし, 大局的には政治を引っ掻き回しただけで国の混乱を招き, むしろバッドエンドです。
キャラ付けはよくされていますね。しかし, 残念ながら思考と行動を変えなかった人たちの悲劇がこの作品なので, 葛藤や成長という要素がありません。本当に犯罪レポートを読んでいる気分です。
そして私が共感できた, 応援したくなった人はたった1名。しかもその人がしゃべるシーンが殆ど無いです。つまり蚊帳の外。すなわちキャラの掛け合いを楽しむことも難しいです。
ああ, 煽り文句の”極上の大逆転”ですが, 最序盤で大勢が決まっていますので逆転もなにもありません。
酷評申し上げましたが, マッチする読者層の想定はできます。「義憤が溜まっていて, 悪人をやっつけたい衝動を持つ人」でしょうか。SNSに書き込むまえにこの作品を手に取るといいかもしれません。 -
購入済み
1巻だけ読んだ感想です。暫定★4ですが, 次の巻を読んだときに引き上げるかも。
マジカルな恋愛アドベンチャーです。ただし主人公は魔法が苦手です。
神殿に降臨する男神とそれに仕える聖女のお見合いという構図です。しかし素直じゃない人(神)や社会の闇により互いの関係は拗れに拗れており, それを歩み寄りの努力で少しずつ解きほぐす物語です。魔法のようにとはいかないのでもどかしさもありますが, あえて小説というメディアをとるならこうでなくっちゃ。
1巻終了時点では未解決, ではありますがキリの良いところまでで切ってくれるのでお試しにという人も買ってみて大丈夫です。
醜い神様がヒーローという異彩を放っています。作品説明にあるように実は絶世美貌ですが, 誰も見ていないところで変身します。1巻時点では物語に直接影響を与えないので, 俗な作品にありがちな 逆転速すぎてタイトル詐欺 には当たりませんので安心してお買い求めください。
とはいえ, 醜いのはさすがにハード……というお方にも優しいのがこの作品。1巻途中である程度マイルドな形に収まってくれるので, ちょっとスパイスがほしいという人にはいい塩梅になっているのではないでしょうか。
主人公は気丈な突っ込み気質の女性。人並みに不平不満を言いながらも誠実に仕事に向かいます。常識と良識があり, よく気づくし根気もあるのですが, 1巻時点では才能と運がないゆえの不遇にさらされます。奇跡も起きませんが, 努力と思いやりが実を結んで徐々に状況が好転します。
ヒーローは醜い神様。具体的には汚泥です。しかし性格や口調は温和でかつ知的。彼の知り合いに言わせれば慈悲深いとのこと。最初は無気力系ですが, 主人公とかかわっていくうちに徐々に心を開いていくようです。先ほど書いたように汚泥な見た目も1巻途中でマイルドな形に変わります。
ラブコメとしての味は 辛味3割, 酸味3割, 苦味2割, 甘味2割です。始まったばかりですが甘みがついています。
主人公ペア以外にもお見合いしている聖女と神様は複数いて, それぞれの事情や気持ちがストーリーに関わってきます。
欠点らしい欠点が見当たらないので, すごく好きになるかはさておいて, 多くの人からポジティブな評価をもらいそうな作品です。ちなみに私はすごく好きです。 -
購入済み
良くも悪くも若々しい
2巻まで読んだ感想です。
VRMMOバトルもので名をはせている作品です。購読自体はずいぶん前にしていましたが, 改めて読みなおしてレビュー。
副題がついていますがこれは主にその話の舞台世界を表しているようです。つまり副題が変わるタイミングが話の区切りとみていいでしょう。ただしアインクラッド編は1巻でメインストーリーが終結, 2巻は短編のサイドストーリーです。
端的に言って面白いと思います。名が売れているという事実は伊達ではありません。その面白さのベクトルは単純な英雄譚ですね。主人公が仲間との絆を深めながら世界を救う戦いに挑むお話です。
主人公やヒロインは強いですが, 彼らに降りかかる試練も手厳しいので頻繁に逆転劇が発生します。それらをどういう風に持っていくかというと, 愛と友情に任せてごり押しします。なんかパワーアップしたり奇跡が起きたりします。その分だけタイミングはばっちりなので, 気分をアゲるにはサイコーでしょう。
あと戦闘の描写が優れていますね。具体的な表現を用いつつテンポよく展開し, 何となく読んでいても緊迫感と高揚をもたらしてくれます。そういう意味でライトな読者に最適な作品といえるでしょう。
逆に賢明な人は強烈な消化不良を感じると思います。ネタバレにならないようにざっくり言いますが, エンディングを迎えても黒幕の思考回路と行動原理がさっぱりわからないです。よくよく考えると矛盾だらけなのです。
別に状況を選べばそういう狂人がいてもいいのですが, この作品においては大問題です。なぜならこのストーリーは全員の人命を含めたすべての結末が黒幕の胸先三寸で決まってしまうからです。というか本当に決まってしまいました。彼の行動が最後まで支離滅裂である以上これは狂人の気まぐれに振り回されただけの物語にすぎず, その結末に意味などありません。
長編だからという救いはありません。黒幕は謎の勝ち逃げをするし, なぜか主人公は納得してしまうし, 更には物語の舞台そのものが痕跡なく消えて直接の影響力を失うからです。普通に考えれば回収のしようがないのです。私だけアインクラッドに置き去りにされました。
ただしそれによって大幅減点をしてもまだ良作と呼べるくらい, 心のつかみ方がうまいです。気になったら少年の心を大切に読んでみてはいかがでしょうか。 -
購入済み
ゲロ吐きそう
1巻だけ読んだ感想です。
曰く勘違い系コメディーらしいですね。私には非常に相性の悪い作品でした。
どういう人に相性が悪いのか私の考えを言っておきますね。「キャラに共感するような読み方をしてしまう人」です。……登場人物とご自分を完全に切り離して, バカやってるなこいつらとせせら笑うことができる人はこの作品をコメディーと受け取ることができるでしょう。かなり無理がある気もしますが。
本作でいう勘違いは「主人公が無能なのに有能だと勘違いされる」というものです。別にそういう着想を否定するつもりはないのですが, 本作はあまりにも吹っ飛びすぎです。主人公は能力が低くて期待に沿うほどの仕事ができない, というのは別に筋書き上問題ないのですが, それにプラスされる数々の汚点があまりにもきつすぎます。
いろいろ生理的に受け付けがたいものはありますが, 最も厳しいのが「できるはずのことをしない」ことです。
例えば作中彼は「部下を死地に送り込んでしまう」という失敗をしますが, 読めば読むほど常習犯だということが分かります。しかも, 読者である私から見ても回避方法はいくらでも思いつきます。つまり彼は反省していないのです。もしくは部下を人間と思っていないのです。多分両方です。「最弱ハンターによる最強パーティ育成術」がこれですか? 胸糞悪いです。
では彼が心を砕いていることは何かといえば, ひたすらに保身。あとは幼馴染たちのことくらいでしょうか? ただ, 1巻においてそれを彼の好印象につなげてくれる場面が存在しないのがこれまたきついです。
こんなどうしようもない主人公が有能だと勘違いされる理由は「運」の一言に尽きます。本当に何の準備も伏線もなく幸運が降ってわきます。考えるのが嫌になります。思わせぶりなその他雑多な設定までも馬鹿らしくなって続巻を読む気が失せます。
本人の人間的魅力が乏しい中周囲が盲目的に彼を崇拝する。そして作者自身が言っている通り, その割を食うのは主人公ではなく周囲です。それがどういう読者の心理を生むか想像できますか? 主人公に反感を抱くのですよ。ついでにそれを面白おかしく語ろうとする作者にも。
これがもし, もっと緩い世界観なら別の評価になったでしょうが, キャラの命をまな板に載せているのですこのストーリー。 -
購入済み
上品, そして情熱的
1巻だけ読んだ感想です。
中華後宮での次期皇后の座をかけた雅な争いを舞台にした喜劇です。
というように概要を表現してしまうととっつきにくい印象を受けるかもしれませんがとんでもない, 素朴で温かい人間模様が大好物の皆様にぜひとも読んでいただきたい作品です。
ただし多分長編で, 1巻だけではまだ途中なので長く付き合うご覚悟を。きっと1巻をお読みいただいた暁には喜んで続巻を手にしていただけること請け合い。
続巻以降はまだ知りませんが, スタートアップのカラーは「ラッキー! → 努力ぅ! → 大勝利!」です。悪意から始まる物語はなぜか逆転劇ではなく成り上がりものに近い様相を呈してきます。黒幕の意図通りに事が運ぶのに, 主人公が舌を出して甘んじるその光景はまさに痛快の一言。後宮の物語にもかかわらずドロドロどころかのど越し極めてさわやか。元気をもらえます。
物事の解決手段は努力に裏付けされたごり押しです。あるべき形で真正面から突破します。ある意味チートじみていますがそれが許されてしまうのがこの主人公の人徳です。
それでいて貴族の娘にふさわしい優雅な芸事, それを引き立てる繊細な語り口に美しい挿絵。すべてが洗練されていてダイナミックなストーリーとは裏腹に古典的な美の世界を展開します。刺繍に詩歌に舞, 武芸までよりどりみどりの欲張りセット。読み進めるたびに私のつたない感性が洗われる気分です。ほめるにふさわしい言葉を持たないのが歯がゆいことこの上なし。
主人公は最高級の人間性と精神力を備えた女傑。そして何より底なしのポジティブシンキングで陰鬱とした雰囲気を片っ端から吹っ飛ばすストーリーブレイカー。そのうえ知性も品格も幸運も持ち合わせるという無敵振り。下敷きになりたい。
なお1巻時点では多分彼女に恋愛感情が存在しませんので, ラブコメなどは少なくともしばらくはお預け。どこまでストーリーぶっ壊すのでしょうか彼女は。それでも楽しいこの作品。
正直言って, ここまでほめることになるとは思いませんでした。何しろ私はこの手の世界観をもつ小説は初めて読んだものですから。この道のプロの皆様がどんな評価をされるのかは存じ上げませんが, 少なくとも素人の私は文句のつけようのない最高峰の作品だと申し上げとうございます。
もちろんじきに続きを購入する予定です。 -
針子の乙女
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購入済み
購入済み張り子の乙女
1巻だけ読んだ感想です。
異世界転生令嬢の冒険ものです。タイトルと表紙に騙されてはいけません。脳みそ空っぽのバトル展開です。
私は若干読むのが苦痛になりましたので低評価ですが, 合う読者層はいるかもしれなくて「少女漫画の世界観で少年漫画を読みたい人」「小さくて愛らしいもの同士がじゃれあうのを見るだけで癒される人」でしょう。ただし, いずれもコミックで読んだ方がいい気がします。
シンデレラストーリーの体裁をとろうとしていますが, それこそヌィール家当主が王に献上されたお召し物のように粗末です。すなわち敵が弱くて愚かで主人公への執着がないので脱出と逆転がたやすく「ぶかぶかで」あり, 敵の心理描写や背景とそしてなによりも報復の結果の描写が致命的に足らないゆえに「裾が足りず」, 主人公や精霊をはじめとする幼女たちを愛でるだけの描写という「宝石をごてごてとあしらって」ごまかしています。小説界のヌィール・ユイ大激怒です。なんですかこの斬新なブーメランは。
もちろん「宝石」そのものに興味があり, それだけで満足できる人は購入してOKです。繊細な挿絵のタッチもあり宝石だけの質は良好なはず。それもヌィール当主の作品と同様。マジで。
問題はその「宝石」がストーリーラインという「布地」に絡まないことなのです。
一方「少年漫画的な展開」と捉えれば最低限のものが揃っており, 能力がストレートに重視されてしまう世界観や令嬢ものらしからぬ短絡さも必ずしもマイナスでなくなります。突如出現するゲーム的な要素も現代っ子が作品をわかりやすく楽しむための味付けと思えば悪くありません。
ただしそれにも問題点があって, 主人公のヌィール・ユイが儚く繊細な「職人」としてキャラ付けされてしまっていることが全てをちぐはぐにしてしまっている惨状です。その設定とゲーム的な考え方が全く釣り合わないのです。
少年漫画を引き合いに出したからにはもちろんバトルがあります。というか, 多分2巻以降はこれがメインになるのではないでしょうか。そこに主人公は参加できないけれどレベルを上げて装備を作るよって感じ。そういう路線なら例えばミマチちゃんあたりを主人公にしなさいよ!?
ほかにも言いたいことはありますが, これくらいにしておきます。案外「美少女戦隊ものを楽しめるおにーさん方」に合うかもね? -
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悪役令嬢の中の人【特典SS付】
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購入済み
購入済み試し読みで満足すべし
ゲームな転生令嬢ものでチートな現地住人が無双するという話です。導入までは100点。しかしそのあとがお勧めしにくいです。
合うかもしれない読者層は一応あって「母から娘に向ける愛の描写“だけ”が欲しい人」「多くの男性からの好意を集めて優越感に浸りたい人」でしょうか? これに当てはまらない人はほかに行った方がいいと思います。
「母から娘に向ける愛」というのは私なりの比喩であり実際には異なるでしょうが, 大体そんなものだと思います。しかしマニアックなことに娘が終始不在です。ひたすらに娘への愛を独り語りします。
逆にそれ以外のことには全く関心を示さない上にまともな障害がないので, 主人公に人間らしさを感じられる場面がなく感情移入が難しいです。多分よほど偏ったニーズがない限り“娘”が冒険する物語の方が面白いです。
「多くの男性から好意を集める」のですが「恋愛」としては失格もいいところ。すべては主人公を盛り立てるためだけに存在するのが見え見えで, 逆に孤独感に打ちひしがれます。その最たるものが異性を魅力的に描こうとしないという筆に現れます。旧友はもちろん, 本命ですら復讐の道具を超えることができません。むしろ母娘の百合展開を妄想できる猛者向けでしょうか。
「冒険」要素は物語の大筋を占めるものですが, 残念なことにただただ字数水増しのための冗長な作業が続くだけとなっています。何しろ圧倒的な能力を持つ主人公がノンブレーキで淡々と世界を救うだけで, ちょっとした葛藤や細かい駆け引きや熱い戦闘なども一切ないからです。単に主人公が優秀だからうまくいきました, でおしまい。そのくせ行程は無駄に長いので飽きます。
「復讐」などと説明がありますがそれは全く重要ではありません。まず復讐相手がそろいもそろって愚かで勝手に自滅するのが論外であり, 復讐に関する主人公の感情も淡白で, 燃え盛る怒りよりも娘ののろけが優先される始末。期待してもつまらないです。
だったらあとがきにあるように「ざまあ」の方向ですが, それなら規格外の主人公は手を下さないほうがすっきりすると思います。
トンデモスペックの変人は主役を張るべきではないのです。そういう人を凡人が四苦八苦して何とかするのがドラマであり面白いのです。今作はそんな彼女に壊されてしまった作品でした。 -
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購入済み
おいしい砂糖菓子
マジカルな令嬢の恋愛アドベンチャーものです。多分1巻完結です。
お勧めできる読者層を先に述べておくと「逆転風味な物語で糖分を手軽にいっぱい摂取したい方」です。あまあまベタベタな展開で大変安心してお召し上がりいただけます。泣かせる設定や意外性など, ストーリー自体の技巧をお求めの人はほかの作品を当たってください。
基本的には冷遇されてきた主人公が大逆転する物語なのですが, 大逆転自体はただの添え物です。食べなれた消化の良いシンデレラストーリーで気持ちを上げていって, 逆転後ヒーローとひたすら甘い恋愛を楽しむ。そういう作品です。甘味8割, 辛味1割, 酸味1割, 苦味ゼロです。
主人公は慎ましやかな, いい意味で普通の女の子。氷の悪女とありますがそれは文字通り名ばかりです。「私、それどころではありません」と切り捨てるような性格もしていません。とまあ誇大広告は気になりますが, 本質はスタンダードな需要に応えられる素晴らしいキャラです。しっかり恋愛してくれるので食が進みます。実は強者, という設定も。
ヒーローはこれまたスタンダードにかっこいいです。賢いし, 気遣いができるし, 強いし, 何よりまっすぐで積極的です。無償の愛というものを徹底的にわからせてくれます。主人公に会えないと機嫌が悪くなる一面も。かわいい。うらやましいですね。
サブキャラクターたちもコンパクトながらちゃんとそれぞれ意味のある色づけがしてあって, 物語に彩りを添えてくれます。悪役がテンプレで弱いのはご愛敬。彼らはただの前座よ!
分かりやすいことはいいことです。やりたいことを明確にして, ちゃんとやりきってくれるのでいろいろはかどります。恋に飢えているあなた, ちょっとつまんでみませんか? -
購入済み
老人の異世界転生
異世界転生推理アドベンチャーです。多分1巻完結です。
テンプレ無視と書いてありますが違います, 変なテンプレを意識しまくってそのアンチを展開する構成です。「テンプレ展開が好きだ」という人は安易に買わないほうがいいです。
異世界転生をファンタジーではなく単なるサスペンスの舞台と見なしているのでしょう。本当にファンタジーを愛する者にとってはやや気分を害するものになると思います。そんなに嫌いならかかわらなければいいのにと。
物語の筋書きはおおよそ「世界の謎を解き明かしながら主人公が何かを決意する話」であります。壮大に何も始まりません。続巻が出たとしても山は越えてしまったのでただの蛇足になると予想します。
ちなみに「チート能力が見つかったらアウト!」などとの賜っていますが, それは物語において全く重要ではありません。「どきどき」など妄言もいいところで, ただ老成した考えの持ち主が静かに事件を解決に導く物語となっています。なぜ転生物にしてしまったんでしょうか。昨今の転生物を批判したかったのですか?
主人公は達観した青年。転生前も含めて自称60歳近く。非常に頭がよく, きめ細やかな気遣いができるので進行は極めてスムーズ。……それがかえってこの作品そのものに強烈なブーメランとして返ってきているように見えるのは私も年を取りすぎたということでしょうか? なんにしても不毛です。
ヒロインたちは常識人ですが, 誰もかれも基本的に主人公に知識を授けるだけの立ち位置なので, ファンタジーとしては致命的に物足りないです。やはりこれは異世界を舞台にした安物のサスペンスです。
私に好きか嫌いかで尋ねられたら嫌いとお答えしますが, きっとよく考えて作られた作品でしょう。合う人はいると思います。 -
追放悪役令嬢の旦那様
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購入済み
購入済みゆっくりできる人向け
2巻まで読んだ感想です。
この部分は推理の余地がなくて, 知っていてこそ楽しめる作品だと思いますし, 察することができなかった方々の購入判断にも必要なのでぶっちゃけますが, 勢い重視のラノベな転生令嬢ものを原住民側から見た物語です。ええ, タイトルや帯や前半のセリフからバレバレです。
この作品はつらつらまったりと続いていくタイプの書き方がされます。各巻終了時点でキリよく終わってくれるとは決して言えず, 長期的に付き合える読者でないと消化不良に悩まされるかもしれません。間違っても忙しい人向けではありません。
ストーリーはチートを用いつつスローライフな方向にもっていきます。不憫な境遇は軽く吹っ飛ばしてしまうので, 地道な二人三脚を期待している人には合わないでしょう。奥さん視点の帯がいい仕事をしていますね。
引っ越し先や祖国, 第三国が彼らにどんどん絡んできて, いかに適度な距離を保ちながらスローライフを満喫するかが今のところの焦点です。ギミックや心の動きがよく考えられていて, ラノベ全体の中でもかなりのもの。将来, 世界規模の事件につながりそうな伏線も存在しています。
恋愛要素はほんのりと出てきます。糖分欠乏症の人はほかの作品の方がいいかもしれませんが, 味はちゃんとついているので焦らずよく噛めばいいよ。
主人公は優しくて芯の通った突っ込み気質な紳士です。甘いところはあるものの常識者で頭がよく天才的器用万能で, 安心してみていられます。奥さんにベタ惚れですが, 相手の気持ちがわからなくて微妙な距離感でドギマギするというのが基本。
察しが良すぎる上に行動力が高く, 若干推理っぽい流れにするので, 読解力がないと読者が置いてけぼりにされる可能性があります。ゆっくり読みましょう。
奥さんは前世の記憶を持った悪役令嬢という設定で, 知識チートです。自重知らずで間の抜けた部分が目立ちますが, 彼女は主人公でないのでかわいげとして映ります。グッジョブ。
雑な作品が多い昨今貴重な, 熱意を含んだ作品です。最後まで気長に付き合える人は読んでみるといいと思います。 -
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購入済み
読むな 危険
monakaさんのレビュー通りです。よほどの物好き以外は購入しないでください。
クソラノベの祭典があったら全力で推薦して差し上げますよ。ほかにもZ級だと思うラノベはいくつか読みましたが, ぶっちぎりでトップです。
1000字ぽっちでは罵倒しきれません。monakaさんが展開について語ってくれましたのでお任せして, 私はキャラに言及しますね。
とある少年は公の機関から突如世界の敵と認定されてしまったことを契機にひどい仕打ちを受けて絶望し, その元凶である女神を憎みました。彼の良識は木端微塵に壊れ, 私利私欲のために無差別な破壊活動を始めます。
いいんです。こういうキャラがいても。「考え方があまりにも稚拙過ぎる」「悲しみはともかく憎しみに転換する根拠があまりにも乏しい」など言いたいことは山ほどありますが, 存在は許されます。寛大な心で。
しかしどうしても許せないことがあります。それは彼が主人公だということです。
なぜ許せないか分かりませんか? 主人公というのは責任があるのです。くだらないモラル云々は関係ありません。「読者に価値観を提案する」という責任です。読者に「厄介な奴だ」と苦笑いされながらも二人三脚する責任が。
この主人公は異次元のDQNです。少しでも良識と想像力のある読者の皆様はたちまちアレルギー反応を起こします。読破できるものならしてみなさい!
「無関係な村をつぶして戦力を蓄える」「とりあえず脅して傀儡にするが, 殺してもゾンビになるから別にいい」という行動以上にヤバいのが熱意と想像力と節操のなさです。憎しみについて特に考えず, 無関係な者をなんとなく殺しながら, 支配した現地の女とイチャコラします。
縛った相手以外はどうでもよくなっている? ふざけないでください。それは誰もが思い当たっては唾棄する最も醜い価値観です。端的に言えば何も考えたくないということです。それをタナボタ展開で叶えてしまうのが本当に救えません。
そんな主人公に意味不明な経緯で意味不明な好意を抱く奴ら。どこをどうしたら「拷問された結果惚れました」になるのでしょうか? 全体的に心の動きが強引すぎて, 二次元そのものが誤解されないか誠に心配です。
時給1000円をもらったとしても続巻は読みません。一緒に読んでくれる勇者がいるなら……考えるよ。 -
オーク英雄物語 忖度列伝
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購入済み
購入済み読者は所詮ヒューマン
1巻だけ読んだ感想です。
基本的にはタイトルと解説通りです。主人公が圧倒的な力を持ち旅をする無双系です。
とりあえず1巻ごとに話をまとめてくれそうなので, 気が短い人でも大丈夫です。
かっこいいオークの英雄が無意識のうち圧倒的に世界を救う喜劇を*素直に*楽しむことができる人は, これ以上私のレビューを読まずに試し読みへゴー!
……もうここには汚れたヒューマンしか残っていませんね? この先もネタバレはしないから安心して。
さて, 私にはこの作品が非常に奇妙なストーリーに見えます。作者の人格を疑う程度には。端的に言って鬱になりそうなので次巻購入を断念しました。
・オークの誇りが理解できない
オーク生来が持つ誇りとは何でしょうか? 戦士として上の指示に従うことでしょうか? それは社畜と呼ぶのではありませんか?
ベタに仲間ですか? それはどうやら違うようです。集団が重視され, はぐれたオークは追放し見捨てる事例がガンガン発生しています。
ならば力でしょうか, 雄々しさでしょうか? それなら私も救われるのですが, 肝心な主人公の考えと合致しません。そういう主張のオークと主人公が敵対することになりますが, 私は全力でお相手に同情しました。
・オークの希望が見えない
オークは戦争に負け, その生態を抑圧することとなりました。この状態の彼らが健全に存続できるとはとてもとても思えません。それこそ革命的な……そう, 新たな種族が異世界からなだれ込んでくるくらいの事件が起こらない限り。これをオークキングはどう思っているのでしょうか。主人公に感銘を受けている暇があるのでしょうか? 唾棄され殺されてしまうはぐれオークのほうが真剣で一生懸命です。
・主人公が哀れなピエロに見える
副題に「忖度列伝」とありますが, この作品で繰り広げられるのは忖度ではありません。身勝手な幻想の押しつけです。かわいそうで仕方がありません。
主人公はオークとして尊重されていません。オークとしての彼を抑圧することでようやく認めてもらえます。そんな状態で「めでたしめでたし、次巻へ続く!」とされても陰鬱な気持ちでいっぱいになるのです。
本質から目を背け, きらびやかなおとぎ話に没頭するには私は年を取りすぎました。助けて妖精さん! 彼と結婚して! -
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デッキひとつで異世界探訪 (1)
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購入済み
購入済みカードを使った戦略SLG
4巻まで読んだ感想です。
異世界にゲームなシステムを持ち込んで転移のバトルもの。召喚系です。
説明やらカード紹介やらでスピードは遅いのですが, 1巻ごとにある程度お話をまとめてくれます。
デュエリスト的な世界ではなく, カードゲームルールに則った能力でサバイバルするという内容なので, TCGガチの皆さんには物足りないかもしれません。
存在感を放つTCG要素のほかは, バトル, かわいい犬耳幼女くらいしか属性を持ちません。それだけあれば満足できる方は最良の選択でしょう。
そのほかファンタジー物に期待される要素, 例えば観光だの交渉だの恋愛だのはほぼ皆無。下積みは時間経過&ドロー次第。仲間とのやり取りも期待しないでください。
特化している分戦略的な描写は充実しています。もちろんTCGネタがふんだんに飛んできます。ターンやリソース管理などの基本的な理解は求められますが, 説明してくれるのでゼロ知識でもゆっくり読めばついていけると思います。処理順だの対象指定だのといった複雑な処理は実装されないと思います。
一見どうしようもない状況を手札で打開するというギミックはなかなか爽快です。楽しくカードゲームの世界をのぞいてみたいという人にはいい作品でしょうね。
主人公はゲーマーで人見知りな青年。良識とそれをある程度捨てる覚悟を持っているあたり, この手の作品の主人公としては優等生。異世界でボッチを卒業……というものの極めて単純な人間関係しかできていないです。悲しい。
序盤のパーティメンバーは少女と老人。二人ともコミュニティから完全孤立しているうえに, 主人公に尽くすばかりで欲がろくにないため, カードモンスターと同レベル。
表紙の左下は神から遣わされたお助けキャラ(雑用係)です。唯一の癒し。
主人公びいきの1柱を除いた神様のINTが残念であることが最初は目につきますが, 物語を引っ掻き回す役割を果たしますので必要な存在です。むしろそれだけのアクが出せる彼らのようなキャラを有力な中立もしくは味方としてぜひ表舞台に立たせてほしいとまで思います。それくらい潤いに乏しい作品です。
1巻だけなら少女と老人の活躍を見て★4でしたけどね。2巻以降は慎重に評価することをお勧めします。 -
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購入済み
抱き着き魔たちの冒険
1巻だけ読んだ感想です。
心情描写重視の元公爵令嬢によるやり直しファンタジーアドベンチャーものです。かわいい表紙をしていますが、タイトルに偽りなくまじめに展開してくれます。
「誰を信じられるというのでしょう」という命題から主人公は逃げません。そのため登場人物一人一人の心理が非常に重要になるわけですが, そこのところはしっかり描いてくれるので筋の通った作品といえます。
一方でダークな話になりますし, もどかしさもつきものですからライトな読者には合わないかもしれません。戦闘の描写も最低限抑える程度なのでそれには期待せず, 出し抜く過程や仲間とのイチャイチャを楽しみましょう。
吐き気を催す邪悪と真っ当な人が入り乱れる中をどう逃げ延びるかというところで, 対人チートな仲間をつけることで“疑心暗鬼で身動きが取れない状況”を打破するというやり方を取っています。お助け要素というやつです。スピード感をある程度維持できるのでこれはこれでよい設定だと思います。それゆえ本当の課題は“邪悪ではないが利害を異にする相手”ではないかと予想しています。
主人公は疑心暗鬼な幼女。やり直しにより精神は成人女性という設定です。常識はありませんが良識はあります。様々な強力な魔法が使えるので作戦において器用万能です。対策さえされなければできないことなど多分ありません。
1巻途中からパーティを組みます。熟練冒険者親子で彼らこそがチート。何しろパーフェクトな対人鑑定能力を持っていて, それに頼らない第六感も存在し, 二人とも戦闘能力が高いという冒険者欲張りセット。訳アリなようではあります。
あと特記しておきたいのはあざといコミュニケーションです。平気で頭をなでたり抱き着いたりします。かなり頻繁です。1巻時点では家族愛のようなものですが, ほほえましいと受け取ることができる人以外は避けた方がいいかもしれません。
ご飯がおいしそうに描写されていたのも個人的なポイントですね。コミュニケーションは温度ですよ! という電波を受信した気がしますが, まあ多少感性が違う読者にとってもそう悪い作品ではないと思います。お試しあれ。 -
購入済み
「普通」という美点は貴重
1巻だけ読んだ感想です。
雰囲気重視のまるごと異世界転生な冒険ものです。意外と少ない「主人公がそれなりの能力と社会的地位で立ち向かう真っ当な冒険活劇」の一つ。
とりあえず1巻終了時点で物語は中途半端なので, 買うなら2巻以降も買いたいという感想を持つのがお互いにハッピーですね。というわけで, 忙しい人向けではないです。
書き方は技巧にこだわらず書きたいことをまっすぐに書いています。主人公以外の視点も, しばしば文脈に沿ったタイミングで描かれます。つまり, ある時点で主人公が知りえない他人の気持ちなどの情報がストレートに読者に渡され, 主人公がそれを知る瞬間の感情に共感するという楽しみ方ができないということでもあります。味気ないと受け取るか, 素直で読みやすいと受け取るかは人次第。
冒険要素マシマシ。恋愛要素はかなり控えめ。世界情勢や陰謀はこれからといったところ。最終目標的なものもあります。
主人公は一応チートもちですが一般冒険者の範疇。能力的には器用貧乏といったところ。ただし, 1巻終了時点で解決の兆しが見えてしまっているのは早漏では? というのは私がサディストなのでしょうか。
パーティも組むことになります。仲間と不足を補いあって偉業を成し遂げる。些細な描写の問題は帳消しにできるハイライトがここにはあります。派手な能力バトルでは決して描けない王道のストーリーですね。
性格はボッチなゲーマーですが, いざとなったら仲間想いの魔法使いです。ゲーム攻略以外ではあまり賢くないようですが, 素直な性格で周りが助けてくれるのでこれはこれであり。
女神サマはいい意味で底が知れないですね。素人目で見て多分とある神様の眷属視点は蛇足だと思います。ここばかりはマクロなストーリーの肝になると思うので読者をびっくりさせてほしいです。
サブキャラたちもスタンダードに好感が持てる人らが揃っています。それぞれきちんと魅力があります。一緒に冒険していて楽しい。
正直いって前世からの親友だけはいらない気がしますが……2巻以降を読んで評価が変わったら更新しますね。
いずれにしても続巻次第という感じです。読み次第, 書き換えると思います。すぐに読むかはわかりません。 -
モンスターのご主人様 : 16
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購入済み
購入済み泣きました
15巻まで読み進めてきた人向けに書きます。作品全体の感想は1巻で。
いつも通り解決まで1巻で収まらないーー収めたらもったいないーーので、その辺りはご了承の上購入ください。
安息の時間はほとんどなく, すぐ次の事件が起こります。そしてじっくりと物語が進み, 半分くらいで悲劇的な展開が訪れます。反攻は始まらず次回以降。
表紙に描かれた彼らが主役です。眷属たち以上に訳アリが多い配下たちの華々しい活躍を期待していてください。あと工藤くんへの好感度がMAXになりました。
ご主人様たちは次に向けて力をためてくださいね!
泣きました。しかも1回読む間に何度も。涙もろくなったか……他人の目がなくてよかったです。ここまでじっくり読んできた人ならそのうち最低1か所は共感してくれると信じていますよ。 -
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購入済み
深く考えずに読みましょう
スピード重視のゲームな異世界転生令嬢の恋愛アドベンチャーものです。
この作品の特徴はイベントの数です。それでいて描写は要所を抑えられていて楽しめました。推敲には苦労されているのではないでしょうか。
そのおかげでヒーローやライバルとの邂逅から決着, サブヒーロー3人との関係づくり, 友人との優雅でほほえましいティータイム, ゲーム的なギミックの発見と発動まで, なんと1冊ですべて終わります。驚異的です。こういうジャンルを短時間で楽しみたいという皆様には最適解の一つになりえます。
もちろんスピードを重視すると削らなければならないものが出てきますが, この作品の場合はストーリー展開の背景や根拠の描写です。ふつうはモノローグで細かいストーリーのキーを揃えていくのですが, この作品は大胆にもそれをバッサリカットしています。さらにはおそらく存在したいくつものイベントを削っているのでしょうか。
そのため一つ一つのイベントや心の動きが唐突に感じます。具体的にはサブヒーロー関係とゲーム的なギミックにかなりの欠損が感じられました。ヒーローとのイベントも分量的に物足りないです。感覚的には小説というより, 乙女ゲームのダイジェストを見ている感じです。
ヒロインは恋する乙女として入り込むに足りる描写を十分されています。いい意味で普通の女の子, かわいくて気遣いができる一方, 理不尽には人並みに腹を立てます。
ヒーローは誠実で頼れる王子様。そこそこ積極的に来てくれます。サブヒーローは描写不足なので触れません。本当にただのおまけと思ったほうがいいでしょう。
ライバルとの戦いはゲーム的なギミックが焦点になりますが, “描写されたイベントは”丁寧に書き込まれているので, 作業感をうまく払拭していると思います。それだけに欠損が大きな痛手です。
私はじっくり読みたい人なので満足はできませんでしたが, シーンの一つ一つはきちんと楽しめました。今回は編集で指示が入ったのかもしれませんが, 先生が分量に悩まされることなく力を発揮した作品を読んでみたいなと思いました。 -
悪役令嬢は優雅に微笑む
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購入済み
購入済み歯ごたえがない
ストロングスタイルな嫌われ令嬢ものです。1巻完結です。
この作品のギミックは実に単純です。頭を使わずに忍耐と力でどうにかします。男性向けの無双ものに近いでしょうか。女主人公が売られた喧嘩に連勝するさまを思考停止で眺めたい人には需要があるかもしれません。
優雅とは余裕です。8割以上地中に埋まったハードルを躓かないように優雅に微笑みながらまたいでいく、という感じです。安心感しかありません。
主人公は転生者ですが、その設定は辛抱強さと言語能力ぐらいにしか生かされません。普通の優秀な令嬢で十分という範疇です。地位は公爵家令嬢と非常に高く, 性格は男勝りで冷淡。常識もありますが友達はいません。それも仕方がありません。何しろ彼女主観で進むストーリー上ではほかの一切のキャラに深入りしませんから。そもそも他人への興味がないのでしょう。
かといって大志を抱いているわけでもなく, かわいげや面白みも見いだせず, ひょっとして自己中心的? なら悪役でいいのか。タイトル通り!
対して敵役はそろいもそろって「悪い」ではなく「愚か」と形容すべき性格。それも常識外れのスピードで自滅に向かいます。肉弾戦はチート, 情報戦でも卓越した能力を有している主人公に対してあまりにも非力です。狡猾な真の悪役令嬢ぐらい出してあげてもよかったのではないでしょうか。
友人や知人も先述の通り深く掘り下げられません。そこそこ人数は出てきますが使い捨てです。伏線は存在しません。主人公の性格上協力もしません。一方的に構ってくれるヒーローはいますが, 恋愛描写はほぼ皆無。喉が渇きました。
そういえば女性の友人はメイド1人と令嬢1人しかいませんね。どちらもフェードアウトしますが。
結構罵倒しちゃいました。ごめんなさいね。一部分でも面白かったと振り返れるものがあれば★3は差し上げるのですけど…… -
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悪役希望の骸骨魔術師 1
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購入済み
購入済みこだわりを感じます
2巻まで読んだものの感想です。
戦闘中心で剣と魔法のVRMMOものです。存在感を主張するタイトルやイラストはストーリーに実に忠実です。不安を覚えた方は回れ右。逆にワクワクするという方は手に取ってみてください。
話はこの手の作品にしてはまとまっている方でしょうが、スピード感は期待しないほうがいいでしょうね。下積みをだらだら記述し、マクロな筋書きも見えず、まあまったりやっていますよこの人ら。
定番オプションのステータス表示もついてきます。結構たくさん出ます。優等生の書き方ではないですが、こういうやぼったいのも含めて好きです。攻略掲示板も完備。ネットスラング系のネタが分かるとより楽しめるでしょう。
MMOものといえばリアルとの関係ですが、今のところ俎上に上がる気配がないので、この作品にそういう方面での期待はしないほうがいいと思います。バーチャル全振りです。
ゲームの世界を本当に楽しんでいるプレイヤーと、本物の住人としてそれぞれの思惑で動くNPCをまっすぐに描いています。なので明るいノリの異世界転移ものを読みたい人にも気に入ってもらえる可能性があります。もしかしたら新しい世界が開けるかも。
そして主人公は真っ当なコミュニティに属しません。旅先にふらっと寄った露店のおっちゃんと冗談を交わす……などという粋な展開はきっと今後もないでしょう。そんなことよりレベル上げだ!
主人公は男性で悪役志望ですが、そのロールを除けば極めて良識的なプレイヤーです。頭は回りますが、なかなかかわいい性格をしています。
パーティを組みますがもちろん怪物。趣味全開です。大歓迎です。ニイチャンも爺さんも楽しそうで何よりです。
マンチキン的な攻略よりもロールプレイで楽しみます。こういう人がゲームを盛り上げるんだろうなー、ちょっと贔屓しちゃいたいなー、と思っちゃいました。実際贔屓はあるんですけどね。あ、定番のリアルチートもちもいます。
好きな人はとことん好きになれる作風だと思います。私は好きなのでなるべく続いてほしいなあ。 -
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購入済み
勝ち組どころの騒ぎじゃない
10巻まで読んだ感想です。
勢い重視の異世界転移な無双ものです。当たりはずれの大きい無双ものの中でも引き付けるものが多く, 欠点も目立たない良作です。
話の進め方は無双ジャンルを生かしたスピード展開。本来地味なパートも笑いを織り交ぜてさっさとまとめてくるので実に読みやすいです。1巻ごとにある程度まとめてくれるので手軽に楽しみたいという方にもおすすめです。
下積みも事件解決も基本的にギャグテイストで進みますので, その辺りは理解して読みましょう。その分量のおかげかシリアスになった時にギャップとして映えるわけですが。
行動指針がしっかりしており, マンネリは感じませんでした。話が進むとラスボスっぽい存在も確認できます。
主人公は突っ込み気質な元いじめられっ子。元から隠れファンがいたという設定も頷けるほど優しく素直で前向きな性格です。ひねくれた人にはまぶしすぎるかも。もちろんチート能力を手に入れた後の彼はモテモテです。2, 3巻あたりでハーレムを形成しますが恋愛模様の描写は無双ものにしてはかなり控えめ。
気になる能力ですが……「畏れ多くて表示できません」レベルです。最初から超スピードで成長する宣言をしつつ, いつまでたっても天井が見えません。敵の強さも追いつきませんので, 正しく無双です。それを開き直り, ギャグに転換するというのがこの作品の特徴といえます。
そういうわけなので主人公が絡むと熱いバトルになりません。バトル自体の質を期待している人はほかの無双ものを当たって下さい。
一方でほかのキャラとの絡みには熱い展開が多いです。何よりも濃い, そしてぶれない。パーティメンバーよりもむしろ友軍に魅力的なキャラが多いのはこの作品の不思議なところ。
ヒロイン達にはもっと頑張ってもらいたいとも感じます。あなたたちの仕事はバックダンサーではないでしょ! ルルネさんは頑張っていますね。設定的には不遇なはずなのに。
いろいろ書きましたが, 幅広い人に支持されそうな内容です。読んでみて損はないでしょう。 -
悪役希望の骸骨魔術師 2
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購入済み
購入済み修行パート
作品全体の感想は1巻のレビューに記載しました。ここでは1巻を読み終えた方向けに感想を書きます。
この2巻は全編下積みです。相変わらずのマイペース振りに安堵します。のちの伏線らしきものもちらほら出てきましたが, 「悪役」としての活躍は1巻終盤で予告されたイベントのみです。戦利品に一喜一憂するイザームたちを眺めて楽しみましょう。
私はこの作品の一番の旨味を「主人公一味と人間PCの絡み」だととらえているので, そういう意味では薄口。しかし, 今後の話の展開や趣味全開のロマンのためには必要なことなのでしょう, と期待しておきます。
悪役ではなく, 冒険者としてFSWの世界をめぐるという展開でガンガン話が進みます。いったん普通の異世界冒険ものになりましたね。
1巻で暴れた時もそうですが, ごく軽度のリョナ要素があります。好青年, 美少女たち相手に情け容赦のない主人公と設定上のフォローがいい塩梅で私好みです。ちょくちょく掲示板パートに出てくる娘もいますので興奮します。ごちそうさまでした。
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購入済み
破壊衝動を解消する手段として
1巻だけ読んだものの感想です。
スピード重視の異世界無双復讐ものです。表紙で分かり切っているでしょうが, まあまあハードなので属性のない人は避けてください。軽度のエロ表現も存在します。
この作品の特徴としては復讐に無双もののスピード感を取り入れたことを上げられるでしょう。主人公は最強で1冊のうちに標的を次々と殺します。そのため復讐パートの分量はかなりのものになっています。復讐の方法も多彩かつ残忍でこの作品の長所。因果応報が基本。
その一方で削られたものがあります。それは復讐一つ一つを盛り上げる背景の描写です。良くも悪くも狂った主人公がどうしようもない悪者を残忍に殺す, という域を脱出できていないと感じます。それでいいという人はこの作品が最適解でしょう。
物語は基本的に復讐のために直接行動する主人公とその結果を書くことに比重が置かれ, そのため恨みそのものの描写が非常に薄いです。具体的には肉親が殺されたという恨みが読者にリアルに伝わらないのです。
それは過去のシーンが存在しないということと, 主人公が次々と悲願を達成できてしまうためにその“渇き”がいかほどなのかが分からないのが原因と思われます。魔法によって死者を証人にして悪事を探っていますが他人事ですよね。
それから標的そのものの設定も薄口です。主人公をいかにして苦しめたかだけはしっかり読み取れますが, 芯が入っていません。テンプレな子悪党ばかりです。
その点でサンドラさんは恵まれたキャラですが, 彼女は逆にきっかけと復讐そのものが弱いです。彼女の視点からだと主人公が「手に負えなくなったお子様」程度に見えている気がします。主君を致命的に間違えただけだし, 嫌いになれないわ。
主人公はもちろん壊れていてまさに快楽殺人鬼といった様相。若干見境なくなっている印象です。復讐以外のシーンがほとんどないのでパーソナリティはわかりません。共感するのは難しいでしょう。むしろ読者に代わってストレス発散のために破壊活動をしてくれる人と割り切るのが本作品の正しい楽しみ方かもしれません。ちなみにパーティは組みません。
レビューが復讐品評オンリーになってしまいましたが, そういう作品なので仕方がないでしょう。ほかの要素が欲しいならほかの復讐ものに行った方がいいよ。 -
購入済み
復讐ジャンルの頂点
7巻まで読みました。
バトル中心の異世界転移やり直し系復讐ものです。表紙の時点で禍々しい雰囲気を醸し出していますが, 怖いなら今のうちに引き返しなさい。
……残った人は即購入です。
ファンタジーものに限らず復讐をテーマとした作品全体で見て最高峰の作品だと思います。もちろん属性がない人は即死するようなハードな内容です。
また, これを読むとほかの復讐ものがつまらなくなりかねませんので, このジャンルに初めて手を出すならほかの作品のほうがいいという説もあります。
まず主人公たちの復讐にかける執念に圧倒されます。次に彼らが受けた仕打ちを追体験させられて胸がヒリヒリしてくるでしょう。そして仇敵の卓越した外道っぷりが身に沁みたところで出来上がり。読者は主人公たちに心からの声援を送ることになります。さあ, あとは残虐の限りを尽くしてくれる主人公たちを見守るだけです。こんなに面白いストーリーがあるでしょうか?
何もかもがやりすぎといわれかねない, むしろこれを超える発想が出てくる気がしない程, 仇敵たちも主人公たちも吹っ飛んでいます。少なくとも復讐ジャンルに求められるこれらの要件は最高水準で備えられていることを保証します。
ストーリーのメリハリが利いていてするする読めます。幾人もの相手に復讐を繰り返していきますが, マンネリは感じず, むしろ場違いなほど壮大なストーリーが展開されそうでワクワクが止まらないです。次回予告的な引き方が多いのが憎らしいですね。早く次の巻が読みたい。
主人公やヒロインはもれなく壊れていますが, あらゆるエピソードに人間臭さがにじみ出ていて愛おしくなってきます。恋のあまり病む少女が多いのは仕様ですね。むしろあなたがこの作品のせいで, 世間では理解されにくい性癖に目覚めてしまう危険性があります。ストーカーとかドMとかヤンデレとか……ドン引きできないんですよ, 私には。あ, 正統派ヒロインも1人いますから安心してください(序盤で加入するとは言っていない)
主人公たちは強いですが無双できるほどではありません。真っ当な努力と歪んだ研究で頑張って(?)います。そこら辺のバランスも優れていると思います。
鋭利に尖った作品ですが出会えてよかったと思います。ひっそりと評価されるべきです。 -
購入済み
ヤクザの抗争を見たいですか?
勢い重視の異能抗争無双ものです。はい、単に抗争です。「ダークヒーロー」の話を期待している人はお帰りください。
概要を三行で書くと……
ヤクザとケーサツが仁義なき殺し合いをしている!
そこにチートもちの青臭いガキが紛れ込んだ!
学校で女の子とイチャイチャしながら週末は敵のシマにカチコミに行くよ!
嘘は言っていませんよ? 本当にこういう話です。自分で書いていて頭が痛くなってきました。それでもという人は読めばいいでしょう。おすすめはしません。
人がガンガン死にます。主人公も躊躇いはするもののガンガン殺します。そこに信念などありません。ドラマもありません。ただただ繰り広げられる戦いや殺しの描写を楽しめるという方は喜ぶかもしれませんが、残念ながら中途半端な主人公の性格や行動が引っかかります。それなら完璧に狂った主人公を据えたハードな作品のほうが魅力的でしょう。
一応購入予定の狂戦士のために戦闘スタイルの特色を書くと、魔法はなく物理強化の異能で戦います。1対1の時もあれば多対多の時も。連携はあまりしません。それぞれ好きに暴れます。
主人公は学校に通っていますが、そちらのパートのほうが数倍楽しめましたね。分量は少なかったですが。
具体的には主人公の親友がいい感じ。ヘンテコ設定を持ちつつ熱い展開を生み出せるキャラは貴重です。出演する作品を間違えた感が半端ないです。この作品たたんで彼に似たキャラを含めた学園ものを書かれた方が有望だと思いますよ、先生?
あ、主人公はトチ狂っています。なんか凡人ぶったり理想を掲げていたりする一方で、信念のない殺人を次々行います。最初は復讐だといっていたのに、戦闘狂に染まったりやっぱりどうでもいいやとなったり訳が分かりません。そのくせ頭はかなり悪く、直情的で無計画な行動が多いです。なんで人間相手に戦うストーリーにしたんですか!?
能力は蘇生&能力コピー。また頭が痛くなってきました。やっぱりギフト(異能)なんていらないよ!
イラスト担当の真空先生を辿って読むことになりましたが、続巻が出ても私はリタイアします。 -
異世界は思ったよりも俺に優しい?
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購入済み
購入済み好きな書き方です
雰囲気重視の異世界もの。多少の便宜はあるけれど、日本から転送された一般の冒険者としての苦楽が描かれています。
スピード感なし、ストーリーは間延びぎみで一冊ごと一話ごとの明確なオチはありません。忙しい人向けではないでしょう。起承転結がしっかりした優等生をお求めならほかの作品を読んだ方がいいです。
突飛な設定も魔法の扱い方くらいですか。
だがそれがいい。
ファンタジーな世界をじっくり冒険している気分になりたい暇人には最適の作品となり得ます。自由がテーマの筋道なきRPGにはまった同志は一冊買ってみる価値があると断言します。ありふれていそうで案外出会えないんですこういう作品。
雰囲気重視と言いましたが、特段カッコいい描写とか繊細な表現は控えめ。それよりも冒険そのもの、仲間というものが楽しめればよしです。
やりたいことが分かりやすくて評価がはかどるね。
ちなみに、3巻で急転直下して幕引きしましたけど、英断だと思います。私は原作を読みに行きましたが、序盤にあたる今作部分が一番面白いです。まさしく必要十分。ディレクターさんとは趣味が合いそうです。 -
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異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術
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購入済み
購入済みもう少し強い主人公が欲しかった
4巻まで読んだ感想です。
ゲームな異世界に単独転移なファンタジーバトル無双ものです。
気を付けることは2点, 「もどかしい」「癖のあるお色気シーン」これさえ受け入れられれば手軽に楽しむことができる良作です。
まず「もどかしい」理由。設定上主人公が相当臆病なうえ潔癖です。しかも表面上は傲慢を演じているという, 矛盾を抱えまくった性格をしています。そして彼の強さは絶対的なものではないのに不相応な意地を張り, 高望みし, 義理を果たそうとします。
対して強調されるは人族の醜さとそれに繰り返し負けるヒロイン, 友情展開は皆無で策謀と暴力がすべての世界です。グレても仕方がない状況の中で策もめぐらさず行き当たりばったりに倫理観を守ろうとする主人公一味に同情はしますが, もっと器用に生きてくれと切に思います。
「癖のあるお色気シーン」ですが, コミュ障が女の子にアプローチされる図と, 敵による下劣な性的拷問に二分されます。1巻に1, 2回挟まります。仲間を信じて堂々と楽しむんだ主人公, そして女の敵どもには1回地獄を見せておくんだ。
それ以外はおおむね高水準です。展開が速くて話はきっちり1巻ごとにまとまりますし, 相手が理不尽な強さであるおかげで逆転劇が毎回挟まります。
ヒロインは主人公を当てにしすぎではありますが, 黒いところがなくかわいいです。主人公の暴走を抑えるヒロインたちの奮闘がハイライト。冷徹さを持つヒロインが欲しいなあ。闇堕ちしたあの人が理想なんだけどなあ。 -
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購入済み
女神さまの信者になります
異世界転生無双ものです。はい、無双なんです。タイトル詐欺です。
低評価の理由は……とりあえずお試しで冒頭を読んでください。女神さまが出てきましたね?主人公の話を聞き終わったあとの彼女の怒りに共感できる人は買わない方がいいです。
逆に「変な人もいたもんだ」と思った人は買ってみましょう。多分一巻も終わらないうちに女神さまのありがたみに気づき、信者になっていることでしょう。
言いたいことはそれくらいなので以降は読み飛ばしてOKです。
とりあえず最底辺からニューゲームが始まるのですが、脱出が早い早い。そして時は加速して最強ポジション。
展開が早いのはいいのですが、このタイトルで期待するのはもっと痛快な逆転劇か、泥臭くも徐々に実を結ぶ下積みだと思います。下積みはある設定ですが、主人公と秘書が有能だからの一言で片付けられてしまいます。というか、実際たった二人でどうやっているのでしょうね?
主人公サイドへの感情移入が乏しいまま一方的な蹂躙が始まるので、ダークファンタジーという世界観も災いして笑えない冗談になります。それでどうなるかというと、読者はお相手側に同情することになります。でも逆転の期待はできないです。読むのが少々苦痛になります。
そういう路線なら主人公を転生者にすべきでありませんでした。
異世界で亜人の根付き具合とその活用のお粗末さの違和感にも耐えなければなりません。これ絶対誰か先人がいるよ、とね。魔法も銃ももっとやりようはあるだろうという気がします。この手のジャンルは情報伝達の速度も重要なはずですが触れられていません。
こんな感じに、ファンタジーに付き合いが長くて考える人ほど辛い作品になるかと思います。適当に楽しめれば、という人は素直にバトルものを読んだ方が楽しいですよ? -
モンスターのご主人様 : 1
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購入済み
購入済み大好き
心情描写重視のまるごと異世界転移なファンタジーバトルものです。
数少ない欠点から先に書きます。そのあとはべた褒めです。
まずジャンル由来の欠点ですが、手っ取り早く楽しみたいという人には不向きな作品と言えます。解決前に1冊が終わることもしばしば。ストレートに感動させるような情景や動きの描写も控えめ。
雰囲気は終始重くて暗いです。人間の弱さというものにもスポットがよく当たります。特に序盤はユーモアとか挟む余裕なしです。テンションだだ下がり中の人は避けるといいです。
上記の欠点が致命的だと思わない人は全員買って読みましょう。それくらいおすすめの傑作です。
モンスター使役にロマンを感じるとか感じないとか関係なしでおすすめです。モンスター娘に目覚めることができますよ(ぇ おかげで同一テーマのほかのラノベが物足りないです。どうしてくれるんだ。
主人公には数々の困難が立ちはだかりますが、それら一つ一つの組み込みかたが丁寧。私は「神による明らかな理不尽は例え乗り越えられるとしてもモヤモヤする」という面倒な性分なのですが、この作品に限っては全然気になりません。読んでいる間、純粋に主人公を応援して楽しむことができました。
地の不利を打開するのは人の和。読んでいて裏切られたためしがありません。いつも熱くさせてくれますし、温かい気持ちになれます。もう何周読んだことか。
ヒロインがもれなくかわいい。ヒーローも友人も悪役気取りなあの人もカッコいい。一人一人芯が通っているので物語も深いです。丁寧な進行に徹した分の旨味は確実にあります。
イラストも巻を重ねるごとに品質が上がっています。高品質なエピソードも相まって惚れます。
とりあえず、最新巻が出たらできるだけ早く買って読んでいます。ちょっとでも気になったら是非。 -
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神眼の勇者 : 1、2 合本版
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購入済み
購入済み特有のノリについていけるなら
勢い重視の異世界転生無双ものです。ほかの方も書いていらっしゃいますが、人を選ぶ作品です。
特筆すべきは所々に見られる引用でしょう。露骨に出てきますので、作者と趣味が合うことが面白く読める前提条件になります。1巻からのまとめ買いは危険です。
シリアスなストーリーもあるのですが、お馬鹿なノリは慢性的で、ちょくちょくエロシーンが挟まるので注意。それさえクリアーできれば、展開は速いし、主人公はきれいに無双してくれるし、ヒロインたちとキャッキャウフフできるし、ラスボスはちゃんと控えているし、この手の作品としての用件は完璧に近い形で満たされています。
あと、筋書き自体は弱いので、しっかり考えちゃう人の期待には応えられないかも。
ちなみに主人公は決して人格者というわけではありませんが、読者の代弁ができる程には良識あるニート。脳筋です。
ヒロインたちもそんな彼を頑張って支えてくれますので、ほどよいバランスになっているのではないでしょうか。
なんとなく楽しく無双ものを読みたいという人は*試し読みをした上で*検討するといいと思うよ。 -
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精霊幻想記 1.偽りの王国
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購入済み
購入済み贅沢言わなければ面白いです
4巻まで読んだ感想です。
心情描写重視の異世界転生無双ものです。といっても、ヒロインたちは単純に主人公に惚れていくんですが。
端的に誉めれば、終始安定感のある主人公と女の子達の丁寧な描写が魅力。
主人公が強くて素敵なので、無双ものをお求めの人にはおすすめできます。ひどい人格の主人公に当てられて荒んだ心にはいい清涼剤となるかもしれませんよ。ヒロインたちも無難にかわいいです。
ここからは私なりの贅沢な要望。
3巻まではプロローグだそうですが、プロローグを終えた主人公は尋常でないほどハイスペックになっています。ほかのキャラは全員裏方に回らなければならないほどです。足手まといです。どちらかといえば「無双せざるを得ない」という感じですね。
実は主人公と共に表舞台で活躍できそうなキャラが一人だけいるのですが……詳しくは触れないでおきます。
そういう事情もあって、全体的に盛り上がりに欠けるという難点があります。無双ものにしてはテンポも悪いです。
あえて見所をあげるとすれば、ヒロインたちの葛藤かもしれませんが、それならもっとスパイスがほしい気がします。行動力が全然足りない。
まあ分かりやすさは保証できますよ。だからこの作品に星1をつける人はほとんどいないと予想します。気になった人はとりあえず読んでみましょう! -
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ストライクフォール
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購入済み
購入済み引力のない作品でした
宇宙でのロボットによる疑似戦争型スポーツがテーマです。これを聞いた時点でときめくことができない人はほかの作品を探しにいきましょう。
極端な評価の理由は、一言でいえば「噛み合わせが最悪」
ただでさえ人を選ぶジャンルでさらに吹っ飛んだ設定を盛り込んでいます。そうまでしたらその世界観の魅力を短期勝負で押し付けた方がいいと思うのですが、面倒くささしか伝わってきません。ヒロインが言うようにほかのスポーツでいいのではありませんか?
場面や設定の説明がとにかく多く、戦闘がメインの小説なのにテンポをかなぐり捨てています。そのくせ主人公の感情の描写は淡白で進行が分かりにくいです。「いつのまにか死んでいた」が率直な感想。
その書き方をしたいなら知恵を絞って読者を裏切るべきだと思うのですけどねぇ。計算機を片手に読書するお客さんを想定しているのでしょうか。
だからといってキャラクターで惹き付けるわけでもなさそうです。この作品でなければ構わないのですが、全員が普通の感性の持ち主です。猛烈にスターに会いたくなります。例え「主人公がチートに目覚めました」と書かれていても許容できるくらい。
まあ縁だと思って通読しましたが、相当辛かったです。メカものが好きな人、後は任せた…… -
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必勝ダンジョン運営方法 : 1
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購入済み
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