湯浅誠のレビュー一覧

  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    意欲的な対談集。

    個人的には、内容というよりも、
    やったことに意義ありと感じる。

    赤木智弘氏、湯浅誠氏の反応が一々興味深い。

    ともあれ、がんばっている若手の存在に刺激を受ける。

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    2020年04月03日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    湯浅誠を何か、と岩波新書から。内容が十年以上前で、活動の声は自分のようにぼんやりした者のところにも聞こえるようになった。それ以前、最前線の報告は迫力があります。「貧困」を、見えないように蓋をしてなかったことにするこの国の、国民の体質そのものを揺さぶる。貧困は困窮者救済だけの問題ではない、貧困が生産される「社会」は脆弱なもの。仰る通りで、湯浅さん、なんて立派な方なんだ(2019-11-08)

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    2019年11月09日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    若干刊行から時が立ってしまったが、今だに現状把握になくてはならない一冊。貧困側と経済学者とのまともな対談は期待してもなかなか実のあるものにはしにくそうだが、コーディネーターの手腕か、うまく噛み合っている。

    以下注目点
    ・70年代のはじめに先進国のキャッチアップが終わりと地方の余剰労働力の供給が途絶えた。
    ・好景気になるとダメな企業が淘汰される。高給が出せる優秀な企業に人を取られてしまうから。

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    2018年11月12日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    著者は行動の人、現場の人なのだろう。説得力のある議論を展開しており、さらに「自分からの排除」に関するくだりと自己責任論の否定には熱い思いが感じられる。しかし企業に過度に雇用への責任を求めるとことは、家族に過度の責任を求めるのと相通ずるロジックがある。そこは反論したいところだ。

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    2018年11月05日
  • ヒーローを待っていても世界は変わらない

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    関係調整のコストを担う存在が必要。
    ヒーローを求める集団の心理を想像すること。

    現実的で、地に足の着いた支援を重ねてこられた方の言葉だと思いながら読みました。

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    2018年08月31日
  • 「なんとかする」子どもの貧困

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    貧困と格差の問題は理屈は理解できても感情的に腹落ちしてない人は多いのではないだろうか。ただ子どもの貧困は大人の貧困よりは理解が得られやすく、子ども食堂の広がりは、それと関係があるかもしれない。子どもが課題を抱えているというのは、その家族、地域、社会が何かしらの課題を抱えているということである。地域の縁が薄くなり、孤立している子どもが増えてきた。それは子どもだけか。高齢者や大人もそうではないだろうか。子どもの貧困対策は地域の再生、つまり誰もが生きやすい街づくりにつながる。本書は著者の思いを抑えつつ、全国、各地の取り組みをルポのように紹介し、私たちはこれからどうすればいいかを考える希望の種を著した

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    2018年05月25日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    考えたいこと

    どのように「過剰な自己責任論」を打破していくか
    依存しすぎず、敬遠されすぎない生活保護制度
    労働ー福祉の間を埋めるものは?

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    2018年05月07日
  • 「なんとかする」子どもの貧困

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    湯浅誠さんがネットニュースに書き連ねた文章をまとめた内容だけに、雑多なテーマが並んでいます。
    これを一貫性がないと受け取るのか、バラエティに富んでいると見るのか、そこで評価が分かれると思いますが、私としては問題を表沙汰にすること自体に意味があると思うだけに、湯浅さんにはがんばってほしいです。

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    2017年12月03日
  • 「なんとかする」子どもの貧困

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    「だんだん」「わくわくエンジン」「明石市」の取り組み紹介が興味深かったです。
    課題だけでなく、解決に向けての取り組みが挙げられているのがいいなと思いました。

    「1ミリ」でも進めるために何ができるか。
    そのことを話し合える人たちが集まれたら、そして行動に移せたら。子どもの貧困を取り巻く状況が変化していきそうです。

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    2017年10月23日
  • 正社員が没落する ――「貧困スパイラル」を止めろ!

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    2009年に出されてすぐ買ったのに積読状態だった。
    もっと早く読むべきだった。
    ここに書かれていることは現在では既に周知の事実。
    ただ、アメリカと日本の貧困問題の時系列的な流れがわかってアタマを整理することができた。

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    2017年08月26日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    貧困は、見えにくい。
    ある層の人々からは、存在しないことにできてしまう。
    その上に覆いかぶさる、自己責任論。
    それを内面化することにより、セーフティーネットから落ちた人は、自分自身をも疎外する。
    自分なんてどうでもいいんだ、となり、どうにもならないところまで自分を追い込んでいく。
    こんな社会、何かがおかしい。

    自分自身もちょっとしたきっかけで自分だって貧困層になりかねない、と思う。
    とはいうものの、上記の自己責任論的発想から抜けきれない。
    本書では、アマルティア・センの貧困論で、自己責任論の誤謬を指摘してくれる。

    センによれば、生活上の望ましい状態(センの用語のでは「機能」)を達成する自由

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    2017年08月16日
  • ヒーローを待っていても世界は変わらない

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    年越し派遣村の村長をしたことで知られる社会活動家で、内閣府参与として政府入りした経験も持つ湯浅誠氏による民主主義論。
    民主主義は面倒くさくて疲れるものだ。その事実を直視した上で、どうすべきか考えよう。民主主義の活性化のためには、対話が必要であり、そのための時間と空間が必要だ。それらをデザインする力を身につけることが必要だ。本書の大きなメッセージはこのようなものである。
    本書の内容には、かなり共感しながら読み進めた。自分が漠然と考えていたことをうまく言い表してくれていることが多かった。特に政策実施には、異なる意見の人との意見調整が必須であり、その調整コストの負担が必要(政府のやる気の問題ではない

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    2017年07月20日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。

    中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。

    マクロ経

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    2016年09月12日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    この本を読むことで生活保護についての考え方が少し変わった。この本で書かれている”溜め”という言葉はかなりポイントが高い。確かに”溜め”がないと滑り落ちた時に這い上がるのは難しく、負のスパイラルに陥るかもしれない。。。自分は恵まれていると感じるとともに、1回の失敗で這い上がれない社会をどのように改善していくか考えられる一冊となった。

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    2015年12月23日
  • ヒーローを待っていても世界は変わらない

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    引用に残ったことば。
    ・壊す時には壊す前のその建物がなぜ建てられたかを考えてみよ。(ヨーロッパの格言)
    ・なぜ私たちは主権者なのに主権者でないように振る舞うのか。
    ・民主主義は時間と空間、及び、その場の設計、参加とデザイン。
    ・船長の源泉はイノベーションです。イノベーションは「参加」や「場のデザイン」という衣装ダンスの中にたくさんの服(手法)を入れ、そのコーディネートの試行錯誤を重ねる中で生まれます。対人関係や各種のコミュニティの運営、社会や政治のあり方はまさに衣服を増やし、コーディネート経験を積む実践の場です。それが民主主義を活性化する。

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    2015年10月13日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    著者は生活困窮者に対する生活相談を行うNPO法人〈もやい〉の代表を務める湯浅誠氏。

    著者が貧困問題に取り組む上で独自に生み出した概念で、本書に紹介されているのが「すべり台社会」と「溜め」である。

    第2章で、2007年3月25日付東京新聞に掲載されたセーフティーネットの三層構造を図示したものがオープニングで掲載されているが、その図の中に「ここから落ちた人はどうなっちゃうんだろう…」とつぶやく男性の姿が強烈に印象に残る。

    この公的扶助のセーフティーネットからうっかり足を滑らせてしまったら、二度と這い上がれなくなる。このような現代の日本社会を著者は「すべり台社会」と名づけた。

    また、第3章で

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    2015年05月24日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    自分が思い込んでた事実がひっくり返される体験、貴重だと思う。いかに思い込みから逃れるかってのが、読書の一つの醍醐味だと思うし、だからこそ、そういう体験をできたとき満足が得られる。生活保護に対する偏見、間違いなく持ってました、僕。180度見方が変わるわけではないけど、ここに書かれていることを知っているのと知らないのとでは、生保の人について語る資格が違うと思う。思考の転換を迫られる、貴重な書でした。

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    2013年10月30日
  • 貧困についてとことん考えてみた

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    良識ある大人同士の対話で安心できる。こういう良識ある人がちゃんといるんだと思うと、世の中捨てたもんじゃないなと感じる。

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    2013年09月05日
  • 反貧困 「すべり台社会」からの脱出

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    なんとも生きづらい世の中。
    昭和三十年代は、貧乏してても、明るい希望があった。

    現在は、その明るさやパワーが弱まっていると感じるのは、私だけだろうか。
    著者の主張には、賛成できる点が多い。
    特に「ここに、貧困がある」ということを認める事から、全ては始まるという主張にはうなづける。

    自分にできる事は何か。
    しっかり見つめたい。

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    2013年06月27日