湯浅誠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。今の日本は、「すべり台社会」になっているのではないか。そんな社会にはノーを言おう。合言葉は「反貧困」だ。貧困問題の現場で活動する著者が、貧困を自己責任とする風潮を批判し、誰もが人間らしく生きることのできる「強い社会」へ向けて、課題と希望を語る。
目次
第1部 貧困問題の現場から(ある夫婦の暮らし
すべり台社会・日本
貧困は自己責任なのか)
第2部 「反貧困」の現場から(「すべり台社会」に歯止めを
つながり始めた「反貧困」)
強い社会をめざして―反貧困のネットワークを -
Posted by ブクログ
貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法 -
Posted by ブクログ
もやいの湯浅氏の本。
凄い現実にちょっとショックを受けました。
アメリカの医療保険の現実、今日本で起こっている非正規雇用労働者の現状などなど。。。
正規労働者にとって国の保障制度も崩れ落ち、経済もダメージを受けているこの状況は本当に厳しい。
しかし、非正規の方は厳しいってもんじゃない。もうダメというような状態。
恥ずかしながら僕は派遣村をはじめとするこの関連のニュースを見ていて、
彼らにも自己責任があるという認識をしていた。
しかし、それは違った。
ニュースを見ていた僕は彼らに比べると
職もあり、若干だが貯金もあり、困ったら駆け込める親がいて、
悩みを相談できる先輩、友人がいたという -
Posted by ブクログ
貧困に対するセーフティーネットが機能せずに、底が抜けたように、底辺まで落ち込んでいき、最後は犯罪に手を染めてしまう。しかもほんの少しの万引きや賽銭泥棒などだ。
逆に、刑務所に入れて欲しいという人さえいる。
貧困状態に至る5重の排除がある。
1.教育課程からの排除
2.企業福祉からの排除(非正規雇用故の社会保険からの排除)
3.家族福祉からの排除
4.公的福祉からの排除
5.自分自身からなの排除(何のために生きるのかがもはや見えなくなってしまった状態)
1から4までの排除の中で、自己責任論で自分のせいにされて自分を大切に出来ない状態になる。
「死ねないから生きているに過ぎない」
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Posted by ブクログ
国内の貧困問題を自己責任と片付ける人が、権力者を中心に見られるが、本書はそのような自己責任論に一石を投じたものである。前半部分では貧困に至った人の事例をあげて、個々の努力には限度があることを指摘する。自己責任論は、ほかの選択肢を等しく選べたはずという前提があること、また、貧困はやむを得ずに選択するということ、ここを履き違えてはならないのである。
10年以上前に出版された本とはいえ、現代でも学べることがあり、「無関心」が貧困の最大の敵であるのは強く共感した。当時よりもSNSが普及したことで、隠れがちな社会問題を可視化できる世の中になったことはある意味進歩だと思う。しかし、本書で繰り返し訴えた -
Posted by ブクログ
「自己責任論というのは、『自分は関係ないよ』という『社会的無責任論』である」、という考えに共感した異分野の湯浅さんと茂木さんが、パーソナルサポートの現場を回り、貧困の実情とその原因を探っていく本。湯浅さんの考えには声を出して「うんうん」と言ってしまうぐらい、今までなんとなくあった違和感を言葉にしてくれていた。また、脳科学という別の側面からその事実が裏付けられていくのがおもしろかった。
困りごとを抱えた人を支えていくことで社会全体が強くなるため、そういった人を切り捨てる考え方は全体にとってマイナスという捉え方が今まで自分にはないものだった。誰しも人権があるという価値観で支援者になることを決めた -
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Posted by ブクログ
本書は、「日本では、主権者であるはずの国民が主権者として振る舞っていない」という問題≒国民の政治への無関心を、政治不信を理由に無関心を正当化する一部の国民への批判や、無関心が故に生まれるヒーロー待望論の解説を交えつつ論じ、積極的な政治参加を促す啓蒙的な作品。
しかし、議論が基本的な国内における要因のみを考慮して展開されている点(例えば、著者は日本国民の政治離れの一因を議会制民主主義の特徴である合意形成までの議論の煩雑さに求めているが、同じく議会制民主主義を採用している国でも日本より政治への関心が遥かに高い国はあるのでは?と疑問に感じた)や、あくまで著者の貧困支援という経験に基づいた視点に立っ -
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