湯浅誠のレビュー一覧
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人をタテにもヨコにも割らない場所。行政の仕事をしている私はドキッとしました。日常的に、人を割って仕事をする私には耳が痛いフレーズです。行政は色々な制約がある中で、あれもできない、これもできない。これはうちではできないから、そちらでお願いしたいとやりきれない気持ちで断わったり、ヨコにふったりすることも多々あります。
この本の冒頭にあったように、こども食堂は貧困のこどもが行く場所だと思ってましたが、様々な価値や役割があることがわかりました。各地のこども食堂の運営者の方々には頭が下がります。こどもを持つ親として陰ながら応援できればと思います。 -
Posted by ブクログ
経済的な理由で塾に行けない子供たちを集めて勉強を教えることが将来の夢なのだが、湯浅氏の活動は大いに励みになる。自分一人ができる事はたかが知れているが、だからと言って何もしないでいるよりも、1mmでも前に進めることが大事だという事が再認識できてよかった。
そして著者の問題への向き合い方も参考になる。この本はこれまでの著作と違い、短い文章でテンポよく進んでいくのに違和感を持ったが、ヤフーニュースの再編集だと知ってその理由が理解できた。少しでも多くの人に読んでもらえるよう、媒体の特性に合わせて文体を変えていたのだ。そこまでするのか。
本当はこういう志の高い人にこそ国政を担ってほしいのだけれど、現場か -
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著者は反貧困ネットワークの事務局長で、特に「生活保護」の面から日本の貧困の実態や政策、「反貧困」の現状について書かれています。
最近(2009年現在)の好景気では上り調子なのに貧困が減らないといったデータに基づく説明があったり、貧困に苦しんでいる方々が如何に「ネットカフェ難民」に至ったかのようなリアルな暮らしぶりがかかれていたり。
普段我々が貧困にならずに済んでいるのは、様々なセーフティネットによって守られているからである。しかし貧困にあえぐ人たちは、それらにより救われていない。例えば生活保護の申請で役所に門前払いされたり、非正規雇用しかないため失業するとどうしようもなかったりする。ある人は -
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「暴走する資本主義」と合わせて読むと理解が深まると思う。より具体的なので理解が早い。
派遣社員などの労働条件に関しては以前より気にはなっていた。まさにその点に焦点を当てている。
結局、「ホームレス状態にまで追い込まれたフリーターたちの弱みにつけこんで食い物に」する「貧困ビジネス」企業は問題外としても、競争を勝ち抜くために企業が、人件費を調達費のone of themと考えるのは資本主義の仕組みからして当然の帰結である。だからこそ、その仕組みの欠点を補う仕組みが必要だと思う。ただ、庶民である自分は本著者のような方々の活動を応援することだけである。それでも多くの人がもっと関心をもてばいずれ大きなう -
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過度の格差は、社会にマイナス。
食べ物にも困っているほどの貧困は少ないが、居場所がない、当然の経験ができていない、教育が受けられないなどの貧困が存在する。
大人は子どもに寄り添って、心の栄養、心の中の何かを溜めていく。あるとき、子どもの頑張るエンジン、やる気スイッチが入る。それまで、様々な体験をさせ、後押しして、伸ばしてあげる。子どものなかにしか答えはないのだから、押しつけるのではなく、ファシリテーションとコーチング「引き出す」「認める」「伴走する」。
主体性と共動性を持たせる。
1mmを動かす試み。正解志向から、できることをできることからやる志向へ。
大人は時間がないのか。ミヒャ -
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最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
受験勉強しているわけではないのですが)
そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
なので割と気に入っています。そこで読み終わった
今回のこの本。
川崎の桐光学園高校に様々な
論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
こんな高校生はとても幸せだと思いますが
多分自分が高校生だったときはあまり興味を
覚えなかっただろうなあと思います。
でも、それでもそういうことを言っていた -
Posted by ブクログ
民主主義の面倒くささ(利害調整の拒否)を放棄するところに、強いリーダーを待望する心象が作られる。自分が何ができるか、できるところから始めなければ、上が変わればという誘惑、堕落は常に押し寄せてくる。はっと目の覚めた文章でした。
・政府も個人もやる気や意欲の問題にするのは安直で見せかけの回答。
・直視すべきは、自分と仲間うちがいかに限定された、ごく限られた人たちにすぎないか、全く理解できないという気持ちになるのは、他の多数の人と大きく意識が乖離してしまっているか、という距離の問題。
・あるテーマに強い執着を持っている人ほど、自分はわかっていると強い自信を持っているだけに、異なる意見を落ち着いて聞