湯浅誠のレビュー一覧
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ネタバレ題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。
統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。
白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。
その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。 -
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「少子化」「福祉」「失業」「格差」「貧困」そして「生存」という,バックグラウンドにあるテーマ.
私は,個人的にもこれらの問題の早期解決を望んでおりますが,
いわゆる「日本」という体質が今後,
日本の景気回復・経済成長,
利益の適切な再配分,
適切公正な制度改善,
企業や社会の体質改善・・・
を
阻みつづけてしまうのか,
本当にこれらの問題を解決しようという意思はあるのか.
支持されない層,数が少ない層の声は無いように扱われてしまうのか
「個人の問題」に落とし込まれてしまうのか.
ともすれば,「希望は戦争」になってしまうのか,
すこし古い本なのですが,
社会経済(またはそれに近い思考法)の入門書として,十分読める本だと思います.
日本の経済学者さんには,実践派より理論派が多い,という指摘があります.
お国柄なのでしょうが,確かに,学校で教えられる経済学の内容は,大部分理論でしたよね.
もちろん,基本は大事ですけどね.
が,応用も楽しいです. -
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”人はなにもしなくても慣れやコツの会得により2%くらいは年々成長していく。そのままでは従業員100人を必要としていた企業は翌年98人で事足りることになる。だから経済成長をしなければ失業が増えてしまうのだ”
慶応義塾大学で現代社会論を教えている飯田泰之さんが、エコノミストで戦後の成長を見続けてきた岡田靖さん、希望は戦争というフレーズで一躍有名となった赤木智弘さん、反貧困運動の代表格である湯浅誠さんとの対談をまとめた書。
物凄く「分かりやすく」書かれているのは感じるが、私には「分からな」かった。本書に出てくる人はみな経済学を学んでおり(飯田さんは自身を経済ド素人だと言っており謙虚である)、学んだ者同士の会話では、代表的用語や歴史についていちいち説明はしない。
ケインズ・ハイエク・フリードマン、新古典派とニューケインジアンあたりの違いを知る人が読めば、現代社会の問題解決に用いられるべき経済学を深く知ることができる気がする。
とても良い本なのに、自分が系統立った経済学を学んだことがないために良さを認識できないのが残念でならない。かといって簡単な本ばかり読んでいても成長できない。私にとって背伸びの一冊。 -
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[ 内容 ]
『反貧困』の湯浅と『ルポ 貧困大国アメリカ』の堤が明かす、中間層の没落。
[ 目次 ]
第1章 没落するアメリカンドリームの主役たちー社会の価値が崩れる
第2章 職と誇りを奪われるホワイトカラー-アメリカの現実
第3章 没落する日本社会の主役たち-労働者の存在が崩れる
第4章 急速に転がり落ちる中間層-日本の現実
第5章 アメリカと日本はすでに並んでいる-拡大する貧困社会
第6章 貧困社会は止められる-無力でない運動
第7章 市場にデモクラシーを取り戻せ!-「NO」と言える労働者へ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
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日本の「貧困」もここまで来ているとは。。。
目次
第I部 貧困問題の現場から
第1章 ある夫婦の暮らし
第2章 すべり台社会・日本
1 三層のセーフティネット
2 皺寄せを受ける人々
第3章 貧困は自己責任なのか
1 五重の排除
2 自己責任論批判
3 見えない“溜め”を見る
4 貧困問題のスタートラインに
第II部「反貧困」の現場から
第4章「すべり台社会」に歯止めを
1 「市民活動」「社会領域」の復権を目指す
2 起点としての〈もやい〉
第5章 つながり始めた「反貧困」
1 「貧困ビジネス」に抗して―エム・クルーユニオン
2 互助のしくみを作る―反貧困たすけあいネットワーク
3 動き出した法律家たち
4 ナショナル・ミニマムはどこに?―最低生活費と最低賃金
終 章 強い社会を目指して
「ワーキングプア」という言葉が少し前に話題になったが、著書を読むと、その深刻さが分かる。同じ日本に住んでいるとは思えない残酷な状況に、ただただ圧倒される。
著者は、「貧困」は自己責任では無いと主張する。自助努力で埋められる部分はあるにしても、例えば、幼くして、両親が病死してしまった男性の例を読むと、いくら自分でがんばったとしても限界を感じる。やはり、そこには、周りで支える政府及び地域のネットワークの必要性を感じる。
多くの人は、親の支援で学校を卒業し、高い学費を払ってもらって大学にも行き、その学歴を武器にして正社員になる。しかし、皆がそうなれるのではなく、一度、正社員へのレールをどこかで踏み外すと、現代の、セーフティーネットワークの脆弱な状況では、一気にその日暮らしの生活に落ちてしまう。
そう意味では、大学まで通わせてくれた両親、家族に感謝するとともに、親の立場となった現在、自分の子供を今後養育する責任の大きさを感じる。
正社員、派遣社員、フリーターと働き方は自由だと思う。しかし、社会人で何年か働いていると、給料や社会保障の面からたいがい正社員になりたいと思うようになる。企業としては、人件費削減の観点から正社員の枠をどんどん狭め、昔は皆が正社員で働いていた状況から、いつの間にか正社員が高嶺の花になり、正社員になれるかどうかで、生活水準に大きな差が生じてしまっている。
正社員も正社員で、首を切られるのが怖いから、サービス残業や見なし管理職のようなことを我慢して甘んじている。こう考えると、企業の責任の大きさを感じる。企業がいかに人材を大切にして育てる意識を持っているかにかかっていると思う。
企業の人材に対する扱い方と、社員のいい人材になるための努力の両輪によって、win-winの関係になるのだと思う。企業と社員の両社の歩み寄りによって初めて成り立つのだろう。 -
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日本の貧困問題について、経済学の立場から切り込んだ本です。
この本を読んで、自分が経済学についてわかっているようでわかっていないこと実感。
いろいろな政策がある中で、経済的合理性の視点で確認する必要があることを感じました。
それと正規・非正規問題では、正規の雇用条件を悪く(解雇しやすくする)方向での解決策を考えていたけど、それでは受け入れられないから、他の方策を検討すべきというのは示唆に富んでいると思う。
それにしても、贈与税や相続税減税は消費を減退させるって本当かな?大前研一さんも主張しているぐらいだから消費の活性化になると思っていたんだけどね~ -
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タイトルそのものの答えは、「日々社会は進歩→新しい価値を生み出さないと人が余る→成長そのものが社会を支えるために必要」というとこでしょうか。やっぱり少し詭弁かなと感じてしまう…
Anyway, コーディネーターの経済学者が私より若いことに驚きました。キレのある文章を書くなー。論理構成やスタンスは賛同できますが、あらまほしき社会像というのはやはり個々違うのかな。
それから、「年越し派遣村」を主催した湯浅誠さんのインタビューは面白かったです。単なる活動家ではなく、思想背景の部分や現実の戦略に落とし込む際の葛藤(「いかに中流階層に共感してもらうか」)などを垣間見ると、優れた人なんだろうなぁと思いました。 -
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知の生産と流通を大学という特権的な場から解放して、現代人の生活にもっと身近なかたちで展開することを組織目的とする「シノドス」が、現代社会を多角的に検討する「知」の交流スペースにおいて、経済政策、マクロ経済学者の飯田泰之氏、内閣府経済社会総合研究所主任研究官岡田靖氏、フリーライターの赤木智弘氏、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠氏との対談を行い、その内容をまとめたのがこの作品である。
連続対談では高度経済成長、若年失業問題、貧困問題を経て論壇における経済学の役割と多岐にわたったものである。
何が貧困を救うのか、反貧困運動の最前線に立つ運動家と、経済学者が説く経済学的な合理性。
シノドスが目指す知の交流がますます広がる日本社会を作っていくことの重要性を思った作品である。 -
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内容(「BOOK」データベースより)
うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。今の日本は、「すべり台社会」になっているのではないか。そんな社会にはノーを言おう。合言葉は「反貧困」だ。貧困問題の現場で活動する著者が、貧困を自己責任とする風潮を批判し、誰もが人間らしく生きることのできる「強い社会」へ向けて、課題と希望を語る。
目次
第1部 貧困問題の現場から(ある夫婦の暮らし
すべり台社会・日本
貧困は自己責任なのか)
第2部 「反貧困」の現場から(「すべり台社会」に歯止めを
つながり始めた「反貧困」)
強い社会をめざして―反貧困のネットワークを -
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貧困問題の解決を経済学の視点からアプローチ
飯田泰之と他参加者との対談という形式
対談=話し言葉なので読みやすい
飯田泰之(経済学者)×岡田 靖(経済学者)
…高度成長時代のまとめ タメになります
飯田泰之(経済学者)×赤木智弘(「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」の著者)
…赤木氏は発言も少なく 飯田氏の主張にやや取り込まれた感じ(あまり反対する要素がなかったのかな)
飯田泰之(経済学者)×湯浅誠(「年越し派遣村」の主催者)
…湯浅氏は飯田氏の提案に理解を示しつつ その方法では世間の理解を得られないから 自分はあえて(世間の認知を得やすい)回りくどい方法を取っていると発言 さすが歴戦の活動家といった感じ
飯田氏の貧困問題の解決に対する提案は次のとおり
・人間はほっといても年2%程度生産効率がUPするので 成長しないと人がその分人が余ってしまう
・全員が2%づつ貧しくなるのではなく、特定の人(ロスジェネ)にしわ寄せ(貧困)が行っているのが現在の状態
・解決策は、年2%程度で穏やかに経済成長すること
・賃金に比例して支給額の増える「擬似ベーシックインカム」の導入 =政治時に受け入れやすい育児に対する給付から初めて徐々に最低所得手当的なものにする=>子供手当て?
・財源は社会保障費の配分見直し=>公共事業(事実上の社会保障費支給)を廃止 =仕分け?
※飯田氏は時々民主党の政策を連想させる発言をする…民主党の関係者?
※リフレ派の「経済成長で全て解決」という論理に対して、池田信夫は「経済成長はそんなに簡単なものじゃない」と反論