越前敏弥のレビュー一覧
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上中下、駆け抜けました。
一人ひとりにそれぞれの”神”がいる。
「宗教と科学」という一見相反するテーマを描いた本書ですが、それぞれの信仰する神を尊重すること。私はそれを大事にしたいなと感じました。
それにしてもラングドンが鉄人すぎる。
物語も終盤に差し掛かり、信じていた人が裏切っていたり、と思いきや裏切っていたわけではなかったり……。ジェットコースターさながらの激しさに、振り落とされないようついて行くので必死でした。
ああいった結末にはなりましたが、冒頭のカメルレンゴの演説は確かに心動かされましたね。まさに国際情勢が危うい今だからこそ、考えさせられます。
無関心な世の中を目覚めさせるには、やはり恐怖しかないんでしょうか。異星人の襲来とか。
ところで、この作品は一体どんなふうに作られたのかと、「コンピューターでも再現できない」アンビグラムなどを見ながらずっと疑問だったのですが、謝辞に挙げられた名前の数々に納得。これだけの綿密な取材によって作り上げられた物語だったのですね。すごい。
ただ、私が理解できていないだけでしょうが、やはり原爆が投下された国に住んでいる人間からしたら反物質をあんなふうに処理するのはどうなんだと。まあ地下で爆破させたらもろとも沈んでしまうわけですが、あそこにいた人たちは即死では……?とどうしても疑問に思ってしまいました。そして案の定塵と化した『図表』。。
というかね、ほんとに「よく話し合って」!!!
早合点で生まれた犠牲が大きすぎて目眩がします。どうか新教皇のもとで秩序がもたらされますように。
下巻での怒涛の展開はさすがに荒唐無稽な部分もあって☆3つですが、口絵やgoogle検索でたくさんの画像を眺めながらちょっとしたローマ観光も楽しめる、圧倒的エンタメ作品でした。面白かった〜。 -
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「テート・ベーシュ」っていうらしいです。
両方に表紙があって、両方から読む。
この小説では、片方が作中作として使われてる。
どちらから読んでもいいらしいですが
読み終わった感じではやっぱり
装丁通り「表:エセックス篇」から読んで正解。
エセックス篇では
医師シメオンがターングラス館で暮らす叔父に
「誰かが自分を毒殺しようとしている」と
訴えられて謎を解こうとする。
館の一室には叔父の弟を殺したかどで
その妻フローレンスが閉じ込められていて
一番怪しいのは彼女だが
部屋からは一歩も出られないのにどうやって?
対するカリフォルニア篇のほうは
役者志望の青年ケンが主役で
州知事の父を持つ友人の死に疑問を持ち
彼の妹と共に真実に迫ろうとする。
友人の書いたターングラス館が舞台の小説に
謎の鍵があるとみて
エセックスに向かったふたりが知ったのは…。
エセックス篇がミステリで
カリフォルニア篇はサスペンスかな。
私はエセックス編が好みでした。 -
Posted by ブクログ
読んでいて面白い1冊でした。
しかけも。
ただ、読後感が微妙に終わったので、星3.8くらい。
4にはしにくい。
エセックス篇、カリフォルニア篇、どちらも好きな感じですが、個人的にはカリフォルニア篇の方がより好みです。どちらも現代ではないので、ゴシック風味、クラシック風味があります。
そしてイギリス小説、アメリカ小説を書き分けている、そんな印象もありました。
どちらから読んでもいい、とはあるものの、本の体裁としてエセックス篇から読んだら?という出版社サイドの意向を感じるのと、話全体の味わいをよりおいしく感じるなら、エセックス篇から。
アマノジャクな方はカリフォルニア篇からどうぞ(笑)
ほんの真ん中に砂時計のイラストが2個。
これも雰囲気を伝えてくれました。
ケンとコララインはどうなるんだろう…
後日談がないのが消化不良の原因かな。
機会があれば読んでみてほしい1冊。
テートベーシュとしては、エヴァン・ハンターのキャンディランド以来。
もう一度そちらも読みたくなりました。
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ネタバレテート・ベーシュ。
何これ、作り自体がおもしろー、初めて出会った。
でも意外と昔からやられている製本技法なんですね。
日本でも折原さんの作品でやられているとか。
イングランド南部のレイ島(干潮時は陸続きだが、満潮時には連絡路が水没してしまうような土地。陸繋島ってやつ?)。
この島唯一の建物、ターングラス館の主の病の原因を探る出だし。
次第に体面が剥がれ落ちてくるかのように、この家の住人が関わっていた忌まわしき罪が露わになってくるゴシックミステリ調のサセックス編。
本を閉じ、ひっくり返して180度回転させてページを開くと始まるカリフォルニア編。
うって変わって富と名声、成功と権力の夢の中を泳ぐ『グレート・ギャツビー』かのような世界感。
映画俳優を目指す主人公のケンはひょんなことで知り合った知事の息子で著名な作家でもあるオリヴァーと親しくなる。
オリヴァーは悩みを抱えているような素振りを見せたとある夜半に拳銃自殺してしまう。
ケンはオリヴァーの妹のコララインと共にその真相を探る。
2つの編はそれぞれがそれぞれの作中作のような位置付けとなっており、また作中の様々な登場人物やシンボル、エピソードがときに直接的にときにメタファーとして登場し、相互に行きつ戻りつするなんとも眩惑的な読み心地。
まさに鏡に鏡を映したときに現れるような光景が広がっている。
ただちょっとそれぞれのオチが普通のミステリ的。
ちゃんと収まってるのだが、なんか急にそこだけ個々の作品に意識を戻されて、変に地に足着いた形になる。
むしろわけわかんないくらいの匂わせ終焉の方がこの作品には合っていたのでは。
あと、相互の絡み合いを重視するあまりか個々の展開のストーリーテリングの点で単調さを感じた。上手くいきすぎるというか。
とはいえ総体として、本としての細工とタイトル、2編の物語が織りなすテーマ性が物凄くよく表現されている一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ75日間魚が釣れない老人
そんな老人を案ずる元々同じ船に乗っていた孫のような青年。
老人は78日目に大物が釣れるという個人的なジンクスを持っており、75日〜78日まで水飲みで海の上で過ごすことになる。初日にデカイ魚を発見し、そこから50時間ほどかけてデカイ魚を仕留めたが、帰りの道で何体ものサメに食われてしまう。どれだけ鮫に食われようと武器がなくなろうと老人は棒切れやナイフを駆使してデカイ魚を少しでも残そうとするも、けっきょくは骨しか残らなかった。
港村に帰って爆睡したが、ボロボロになってでかい魚の骨だけを持って帰ってきた老人を見て青年は泣き、他の漁師達は尊敬と遺憾の念を送る。
最後に通りかかった女が青年に「あのデカイ骨は何?」と聞いた時に青年が説明をしようとするところで終わる。
有名なので期待値爆上げで読んだが特に面白味はなかった。ハードボイルドな老人が海と格闘して、青年が老人を尊敬し親愛の情を抱いているという本。
解説を呼んでみたら、こんなに短いのに
・老人から青年へと愛情を持ち渡される時代
・長年海と共に生きて全てに親密感を持てる老人(海を包容力で包んでくれる愛しい、時には悪口を叩ける女のように考える)
・老いを感じることで過去を思い出す老人
"老人"の要素をこれだけ出せたのが奇跡的にすごい!という本らしい
面白く読む本じゃないんですね