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Posted by ブクログ
こういう偶然に思える出来事が一連の殺人計画の一部だったというのは面白くないわけがない。マザーグースの歌詞の通りに人が死き、それが果たして偶然なのか何者かの意志によるものなのかについてエラリーも確固たる証拠をなかなか示せなかった。これが館や孤島ではなく、町という比較的広い範囲での出来事だからこそ、デイキン署長も偶然としか思っていなかった。作品を通してエラリーは事件の中に散らばる点を点線で繋いでいたが、それが終盤になって実線で繋がったときはたまらなくワクワクした。十日間の不思議と九尾の猫はそこまで好きではないが、災厄の町、フォックス家の殺人、ダブル・ダブルはライツヴィルシリーズでかなり好きである。靴に棲む老婆にも期待したい。
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ライツヴィルものの第4作目。クイーンは、執筆中だった「インド倶楽部の秘密」でやろうとしたプロットをクリスティの「そして誰もいなくなった」に先を越されてしまい、そのプロットを「ダブル・ダブル」で使ったといわれている。
ニューヨークのエラリーのもとに届く匿名の手紙。郵便物はライツヴィルで起きる事件の新聞記事だった。病死した隠者、自殺した億万長者、失踪した飲んだくれの物乞い。そこへ父親の失踪を調べてほしいと魅力的な娘リーマが訪ねてくる。エラリーがライツヴィルを訪れ、事件を調べるうちに関係者の死が続き、この事件がマザーグースの童謡に合わせて起きていることに気づく。
この話の前半の主役は妖精のように魅力的なリーマである。飲んだくれで物乞いの父の失踪事件をエラリーに依頼してくるのだが、山の中の掘っ立て小屋で、元教師の父親に大事に育てられたがゆえに、世間知らずのピュアな面と英文学に通じた知的な面が混じり合うオードリー・ヘップバーンのような女の子なのだ。当時の理想の女の子像なのだろう。エラリーは貧しい服を着た彼女をヘアサロンやブティックに連れて行って「プリティウーマン」のリチャードギアばりに彼女を生まれ変わらせる。エラリーもこの子にやられてるのかと思ったが、洋服代などは貸すと言っているので、そこはグダグダにならずしっかりしている。
後半は事件と謎解きが主役だ。エラリー・クイーンは犯人逮捕のシーンにこだわる作家である。そして最後まで読者を引っ掛ける。そして、いつものことながら状況証拠しかない、一か八かという危なっかしい謎解きをするのだ。
「ダブル・ダブル」とは、物事には「いつだってふたつの可能性がある」というエラリーの新しい考え方から来ているようだ。推理手法に悩んでいたエラリーが見つけたモノの見方としてコインに2つの面があるように何にでも2つの面があるものだということだ。そしてそれがこの事件の謎を解く視点にもなる。
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