横尾忠則のレビュー一覧
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えー、なんで中野孝次で始まるの?
若い頃は本を読まなかったことを前面に出した自伝的エッセイ。読書が自分を形成したという中野孝次の対極に自分を位置づける。書名の『言葉を離れる』にもその含みがある。
横尾忠則は50代で『自伝』を著している。本書はその語り直し、もしくはその蒸留版か熟成版。個人的には、10代後半、高校卒業間近から神戸新聞図案係採用までの紆余曲折がおもしろかった。その曲折がいかにも彼らしい。
ところが、本書のもととなった「ユリイカ」誌の連載は、途中で言語障害(or記憶障害)になって、2年間のお休み。おそらく書名の『言葉を離れる』はこのことも含意している。幸いに、いまは復調。けさの朝日 -
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80年代のインドを著者が旅をした、その紀行文学。本作が他のありきたりな紀行文学と一線を画することができた、その最大の理由は、何よりも著者こと横尾忠則自身にあることはもはや自明の理であろう。何故、そこまで魅力的な内容に仕上がっているのかといえば、時に精緻なまでにインド人、インドの風土を描写し、かと思えば、観念的にUFOや謎の光との遭遇をエピソードとして盛り込んでくる。いってしまえば、まとまりのなさだ。しかし、それが決してマイナスに作用するのではなく、横尾自身も感じたインドの現実離れした空間と、そこで起きた様々な現実離れしたエピソードと相まって、上手く昇華されているのが、本作の肝なのであろう。
と -
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※天眼鏡を使って 1冊読むのに2週間 朝日新聞への書評 目と体で考えるリハビリ
どこにも属さないわたし イケムラレイコ ○読んだもの
両親の子ではないという疎外感 アートのエゴの世界から解放
この世にいながら、あの世を見ている 言葉で伝えられないことを絵に
バンクシー 吉荒夕記 ○
私(横尾はバンクシーのようなプロパガンダ作家とは対極の
主張をしないことを主張することで元日や社会に関わっているような気がする
挑戦 山中伸弥 藤井聡太 ○
AIを駆使しても勝てばいいのか? 勝つことが、どう魂を浄化するのか?
将棋が知性と感性を超えて 北斎の霊性と同質の高い人間的極みに達する -
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好奇心も意欲も、変な欲望もなく、ぼんやりと日向ぼっこをするような生き方こそ老齢の贅沢な生き方ではないだろうか。まるで人生にも飽きたような生き方である。(本文より)『飽きる美学』では横尾忠則が「飽きる」という現象を美学として捉え直し、日常の単調さや退屈さえも価値あるものとして描きます。
飽きることによって見えてくる新たな創造性や自由、そして精神的な豊かさに焦点を当てています。各章で横尾は、自然体で生きることの重要性、病気や老いを自然な現象として受け入れる態度、そして生と死が織りなす永続的なサイクルへの洞察を提供
彼はまた、猫や芸術作品の魅力を通じて、生活における遊び心や創造的な余白の必要性を説い -
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飽きた=自由
非計画的な「計画」
老齢 自分でありながら自分ではない
エネルギー 無目的な無為な行為の中から生まれる
しらんけど あいまいさが生きやすさを求めている
しゃーないやんけ 流れは向こうからやってくる うまく乗ると勝手に思う通りに
知識から解放されて、人間は自由になれる 発想の原型や答えは自分の肉体の中に
感覚は言葉を超える 分からないものはわからないでいい
予感 考える考えないことから自由になっている時に感じるもの
アカシックレコード 人間に必要な宇宙全知識
老齢 生に対して執着がなくなっていく 次の領域への愉しみ
すぐやる思想 ストレスなくす 頭を空っぽに 無心を楽しむ 創