横尾忠則のレビュー一覧
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2026年刊。『週刊新潮』連載「曖昧礼賛ときどきドンマイ」から47回分。
凄い、横尾忠則がまた新しくなっている。とぼけたタッチだけれど、論旨は明快。繰り言もない。老いのことも書いているのに、書き方が老いを感じさせない。
たとえば、ボーっと生きてんじゃねーよ、に対しては、ボーっと生きてもいいんじゃないの。断捨離ブームについては、自分の集めた物は自分の記憶、生きてるうちはどれも捨てるわけにはいかない。その生き方、その物言いが(私の場合は)ストンと落ちる。いつもながらのスピリチュアルも健在(これだけついていけないんだけど)。
傑作は、天皇・皇后陛下との懇談の回。23年11月、その席に招かれた。しかし -
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書評を通して、横尾忠則が読める。
朝日新聞掲載の書評、2009年から8年分、133冊。特徴的なのは、ネコ本の書評が5つ。美術関連の本に対しては、絵による書評もしている。「絵には絵を」ということか。
横尾は、若い頃にはまったく本を読まなかったという。読書環境にいなければ、それも当然。けれど、読める(もしくは読まねばならない)環境になって以降は、本気で読み出したようだ。
岩波少年文庫を解説した宮崎駿『本へのとびら』への書評がいい。70歳の古希を迎え、「幼い老人」として、児童文学に触れる人生の佳境に入ったとも書いている。そう、なにごとも遅すぎることはないのかもしれない。
いまも書評は健在。最近では地 -
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えー、なんで中野孝次で始まるの?
若い頃は本を読まなかったことを前面に出した自伝的エッセイ。読書が自分を形成したという中野孝次の対極に自分を位置づける。書名の『言葉を離れる』にもその含みがある。
横尾忠則は50代で『自伝』を著している。本書はその語り直し、もしくはその蒸留版か熟成版。個人的には、10代後半、高校卒業間近から神戸新聞図案係採用までの紆余曲折がおもしろかった。その曲折がいかにも彼らしい。
ところが、本書のもととなった「ユリイカ」誌の連載は、途中で言語障害(or記憶障害)になって、2年間のお休み。おそらく書名の『言葉を離れる』はこのことも含意している。幸いに、いまは復調。けさの朝日 -
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80年代のインドを著者が旅をした、その紀行文学。本作が他のありきたりな紀行文学と一線を画することができた、その最大の理由は、何よりも著者こと横尾忠則自身にあることはもはや自明の理であろう。何故、そこまで魅力的な内容に仕上がっているのかといえば、時に精緻なまでにインド人、インドの風土を描写し、かと思えば、観念的にUFOや謎の光との遭遇をエピソードとして盛り込んでくる。いってしまえば、まとまりのなさだ。しかし、それが決してマイナスに作用するのではなく、横尾自身も感じたインドの現実離れした空間と、そこで起きた様々な現実離れしたエピソードと相まって、上手く昇華されているのが、本作の肝なのであろう。
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