倉知淳のレビュー一覧
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ネタバレ初恋の探偵猫丸先輩
ねこちゃんパズル
可能性として有り得るのはねこちゃんに覚えさせるのだとは思ったけどそこまで行くとそれはアリなのか?
(覚えない子は里親に出す、とか)
ルールとしては他の案に劣らずスマートじゃない気も。
恐怖の一枚
なるほどな、全然分からなかったけど分かるとこわい。壮大すぎる気もするけど雰囲気は一番好き。
悪露癖が伏線として回収されるのもよかった。
ついているきみへ
柿原くんが新聞紙にたどり着くまでが少しじれったかった。
見てみたいジンゴちゃん……。何がそんなに人気なのか。その謎を解明して欲しい。
海の勇者
ちょっと無理やりかなとは思った。
オーナーの安全管理の方が気になっちゃったぜ。
月下美人の待つ庭で
いちばん好きかも。猫丸先輩めちゃくちゃ不審者で笑ってしまう。
月下美人見てみたいなぁ。
真相が少しあっさりしてたけど雰囲気はいちばん好き。
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★5 密室、予告状、見立て殺人。しかしどれも微妙すぎる現場で… #大雑把かつあやふやな怪盗の予告状
人を小馬鹿にしたような、一風変わった条件が提示される本格ミステリー短編集。
しかしポップな装画や冗談のようなタイトルだと思って舐めていると、丁寧で重厚な論理にびっくりさせられる作品です。
まずテーマひとつひとつが魅力的すぎる。
密室、予告状、見立て殺人… しかし内容を読んでみると、どれも中途半端というか、未完成なんです。なんでなの…?
もちろんそこには理由があるんですが、雑っぽいところをフックに楽しく読ませてくれる。推理はすべての可能性をあげた上で、ありえない事象は排除していくという、めっちゃ丁寧でロジカルな解法。
全てが明らかになったときは、なるほど、そういうことかと膝を打つこと請け合いです。
そして倉知先生お得意の人を食ったようなキャラクターも最高。
なにより面白いのは、主人公も名探偵も、どこか中途半端なところ。成長するみたいな前向きな姿勢を全く持ち合わせておらず、いい意味でまるで人情味や熱さがない。でも謎解きに関してだけは、ど真ん中ストレートなんですよ。
往年の名作ミステリーを思い出させてくれる、素晴らしい本格ミステリーでした。
■古典的にして中途半端な密室
密室トリックが施されている現場であり、かつ微妙に密室ではない殺人事件。
普通は完全犯罪でも、ひとつくらい穴があってそこから推理を展開していくんですが、見えているもの全てが穴だらけ。なんじゃこれっ
謎解きは論理性はもちろん、想像力も必要で、なかなかどうして痺れました。
■大雑把かつあやふやな怪盗の予告状
怪盗ルパンよろしく宝石略奪の予告状が届くが、日時指定がやたら曖昧な内容で…
ストーリーが良くできてるな~
そして予告状自体が引きが強すぎ、理由がさっぱりわからん。
読んでいると真相はこういうことなんじゃないかな…と何となく予想はできるけど、おそらくは気が付かない。ひっかけが上手い、とだけ書いておきましょう。
■手間暇かかった判りやすい見立て殺人
足が切り落とされるという伝説になぞられた、やたら白々しい見立て殺人。
なぜこういう状態になっているか?
この事件の全体像、骨格が見えてきたとき、おもわずのけ反ってしまいました…そういうことか。まさに本格ミステリーの面白さがつまった作品です。
例によって素晴らしい緻密な推理ですが、特に唸ったのはスーツケースのくだり。単身赴任先と自宅を行き来していた私は、大変よく理解できる。
本格ミステリーを読んでると、頭痛くなってくるんだよね~という方に、是非おすすめしたい。単にロジックが詰め込まれているだけではない魅力がわかる作品です。 -
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猫丸先輩シリーズ、最新作。
短編集であるが、私が特に好きなのは「ねこちゃんパズル」、「ついているきみへ」。
収録作のなかでもパズラー要素、謎解き要素が高いかなと。
猫丸先輩と、八木沢くんと、アルバイトのみゆきちゃんの掛け合いがとても好き。猫丸先輩の、分かるような分からないような例えも健在だったし、相変わらず落語のような喋りもたのしんだ。
シリーズ作品は長編の『日曜の夜は出たくない』と『過ぎ行く風はみどり色』(どちらも超傑作)しか読んでいないことを思い出し、長年積んでいる『夜届く』『とむらい自転車』『幻獣遁走曲』も順々に読んでいこうと思う。(順番は思い出した順なので悪しからず) -
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ネタバレ今年2月に刊行された、倉知淳さんの最新刊である。昨年10月、今年2月、そして今年6月にも新刊が予定されており、なかなかのハイペースではないか。何だか長ったらしいタイトル。探偵役も、乙姫警部とは違う意味で癖が強い。
難関の試験を通過して警察庁に入庁した、本作の語り部・木島。入庁早々に、彼は「警察庁特殊例外事案専従捜査課」の「随伴官」に任ぜられる。要するに、本格ミステリのように名探偵に登場願う事件で、名探偵に付き添えという。警察庁の看板で円滑に進むように。というのが短い「file 0」で、さっさと本題に入る。
file 1、「古典的にして中途半端な密室」。古い邸宅内の書斎で、主人が殺害されていた。発見時、ドアはすんなり開いたが、密室トリックの仕掛けが使われないまま残されていた…。こんな古典的仕掛けをネタにしつつ、密室トリックの新たな可能性が提示された! というのは言いすぎか? 決してお世辞ではなく、唸らされた。
file 2、表題作「大雑把かつあやふやな怪盗の予告状」。地元有力者の自宅に届いた、何だか曖昧な予告状。県警はいたずらと見なしたが、地元署が警備体制を敷くことに。そこに探偵と木島も呼ばれたが…。なるほど、あれやこれやは伏線だったのだ。事件の風景が変わる予想外の真相に、決してお世辞ではなく、唸らされた。
file 3、「手間暇かかった判りやすい見立て殺人」。被害者は脛から下を切断された状態で発見され、脛から下は湖畔に並べられていた。これは見立て殺人か? 被害者の別荘の構造はさて置き、file 2と同様に、事件の風景が大きく変わるのが読みどころ。予想外ではないのが予想外。決してお世辞ではなく、唸らされた。
構成の妙が光る全3編だが、探偵役の勒恩寺は、本格ミステリのような犯罪を見てみたいという変わり者。そんな犯罪、あるはずもなく…って、この本だって本格ミステリなのだけど。探偵のキャラクターはともかく、随伴官の木島がいる意味はあるのか? 空気のような語り部が気の毒。そもそもこんな部署を希望していない。
是非続編を読みたいシリーズだが、異動希望が叶わなかった木島を、せめてもう少し活躍させてはどうか。活躍するほど彼の異動は遠のきそうだが…。 -
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ネタバレさっすが倉知淳。
クイーンの不朽の名作「悲劇四部作」への見事なオマージュでありながら、相変わらずの"倉知節"も健在。愉快なキャラクターたちが織りなすコミカルな物語でありながらもその中に見事なロジック、衝撃の結末が封入されている。
まずはXへのオマージュである「ぎゅうぎゅう詰めの殺意」。
満員電車ないで注射を射たれたら、コート、ワイシャツ、背中と一直線にはならないという矛盾を突いた見事な推理。
次はYへのオマージュである「極めて陽気で呑気な凶器」。
なぜウクレレを凶器に選んだか?
→ウクレレを持っていたから。そして周りに他に凶器になりそうなものがなかったから。
というあまりにも単純な論理。他の三つよりやや見劣りする感じはするが、悪くはない。
三つ目はZへのオマージュなのかはよく分からないが「途切れ途切れの誘拐」。
狂気的な凶器。"主"と"従"が反転する構図も面白いし、「田中田中」と選挙カーに連呼され、自分の名を名乗ってるように感じられて電話を中断したというのも笑ってしまうが、あまりにも凶器が...
そして"最後"の季節。
目次を見たときに時系列ずらしのトリックは気づいていたのだが、三つの短編を読んでいるうちに完全に忘れていた。
「オマージュの元ネタを知っているとより騙されやすい」という仕掛けが憎い。
読後感も良い。「良いものを読んだ」という感じがする。