倉知淳のレビュー一覧
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ネタバレ猫丸という特異なキャラクターを登場させながらも、重厚な言葉選びの文章が小説全体の格調を保っている。心情描写(特に佐枝子の)が端的に言えばかなり文学的。途中は少しクサすぎるなとも思ったが、ラストシーンできれいに収まった。
作品全体としてオカルトと理性の対立が一つのテーマであるが、オカルトを最後まで否定しきらないのがよかった。それは次の猫丸のセリフに表れている。
『そういう信念の前じゃ、僕のちゃちな推理なんて霞んじまいますね』
あくまで論理的に犯人を指摘しながらも、フミの信念に基づいた行動を否定しない。この場面かなりいい。
トリックは佐枝子が盲目であるということを読者に明言しない叙述トリックに基づく人の取り違え(トリックというかほとんど偶然)。犯行全体も猫丸の言うように偶然うまくいったもの。 -
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古畑任三郎、コロンボは人気のある倒叙ミステリーだけど、小説では作品数が少ない。
この作品は倒叙ミステリー4作品の短編集で、倒叙ファンの自分には貴重な1冊。
死神のような風貌の乙姫警部とイケメン刑事のコンビ。
最初は「絶対にバレるはずがない」と余裕ぶっている犯人が、段々と焦ってくる様子が小気味いい。
倒叙あるあるのセリフも全て入ってるので、倒叙ファンとしても大満足。
犯人「こうも考えられませんか?」
犯人は身の潔白を証明するために、とにかくよくしゃべる。その必死さが面白い。
刑事「最後にもう一つ質問いいですか?」
1番ビビるやつ。帰り際の核心を突く質問は、自分が犯人だったら絶対に目がキョロキョロしちゃう。
犯人「一体いつから疑われてたの?」
聞いてもしょうがないんだけど、やっぱり聞きたい。
4つの中で1番好きなのは『皇帝と拳銃と』。
威厳と誇りに満ちている絶対権力者の大学教授が、なぜ皆に「皇帝」と呼ばれているのか… -
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念願の警察庁に入庁し、現場で汗を流さずデスクワークに邁進したかった木島は、なぜか入庁直後に警察庁特殊例外事案専従捜査課に配属される。なんのことはない、民間の推理力に長けた探偵を現場に随伴させる役目。そして、三ヶ月に一回くらい、変な事件が起こって探偵と現場へ。3つの事件も、三人出てくる探偵もすべてガバガバしてます。あ、でも謎解きはしっかりして…ます。密室と予告状ありの怪盗と見立て殺人。コナンの謎解き場面だけぎゅっと集めた感じのお話です。木島も異動できなかったし、シリーズ化するのかな?
殺人のグロい表現や動機に大人の事情あったりするので、中学生以上かと思います。 -
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猫丸先輩シリーズ
「ねこちゃんパズル」無理だろと思いつつ、パズルの様子を想像するとねこちゃん可愛い。
「月下美人を待つ庭で」猪苗代家の話がえげつなくて怖かった。
この本ではスマホとかSNSとか出てきて猫丸先輩いま何歳?と思ったけど年を取ってはいないみたい。この間まで公衆電話だったのに。
見た目高校生なのに喋るとおっさん、小柄な猫っぽい年齢30そこそこの猫丸先輩が好きなので、コナンくん方式でこのまま時代だけ過ぎて行くなら楽しみ。
猫丸先輩から長台詞であれやこれやとおちょくられる八木沢くんも、いつまでもそのままチョロくいてほしい。
派手だったり残虐な犯罪が出てくるハラハラするミステリー読むと面白くても疲れる、でもミステリーは読みたい、って方には猫丸先輩シリーズおすすめです。 -
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倉知さんだわー。
当たり前でない事件の解決のために探偵を雇用するための部署ができるとは。
で、新人警官木島くんが、探偵の付き添い役随判官に任命されてしまう。
登場する探偵が3名とも個性的すぎる。
しょっぱなの勒恩寺からして、もう、どんだけぶっとんでるんだ。そして、古典的な密室への思い入れの強さときたら。ああいう探偵さん、大好きだわー。
振り回される木島くんはお気の毒だけど、ごめん、笑ってしまう。
表題作でもある、あやふやな予告状問題も、ああいう展開は実に私好み。
公務員探偵も腹黒少年もユニークで、いい。
ぜひシリーズ化して、今後も登場してほしい。