【感想・ネタバレ】なぎなたのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

いろいろな所で発表された短編を集めた本ということで、いろいろな趣向が凝らされていて面白い。反面、ややまとまりはないとも思う。
いろいろな形のミステリーが読めるので、作者が言うようにミステリー入門にはいいかも。

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2014年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ノンシリーズの作品を集めたミステリ短編集。

猫好きはより楽しめる「眠り猫、眠れ」と「猫と死の街」、倒叙ものの「運命の銀輪」、日常の謎を追う「ナイフの三」など、七つのお話。

取り立てて派手さのない普遍的な雰囲気に安堵しながらページを繰っていくと、不穏な空気を膨らませて物語を盛り上げていく手腕が素晴らしく、一気に読みました。
ただ、お話の雰囲気作りはうまいのですが、真実を隠すために偽装を重ねる犯人の話が多く、その偽装があり得なさすぎて本格ミステリとしては腑に落ちない読後感でした。

どの短編もひねった作りなのは、悪への警鐘とか社会への糾弾といった作者の強いメッセージ性が込められているからなのかと思いましたが、そういうわけでもなさそうです。

後書きも蛇足って感じで・・・倉知さんのノリは自分には合わないみたいです。

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2017年02月28日

Posted by ブクログ

倉知淳のミステリ短編集。二冊同時刊行の片方。
もう一方より面白い話が多かった。
ただしテンポは良くない。読み辛いわけではなく、作品自体の雰囲気と合っていないのだと思う。個人的に合わない可能性もあるが。
話としては、例えば「消えた銃弾」等はとても上手いと思えるので、次回作以降に期待。
3-

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2015年06月24日

Posted by ブクログ

「たくらみに満ちたミステリ・ワールド」ということで、短編集「なぎなた」。全七編を収録。お話の一つ一つは確かに短編なんだけど、通して読んでみると結構な文章量がありますね。本短編集の姉妹本「こめぐら」も同時にリリースされています。

本格ミステリの入門編を書き続ける、という作者の思いもあって、内容としてもそれほど複雑ではなく、アンフェアというものでもないのだけど、ミステリをそこそこ読んでいる人間からすると、少々物足りない。また、ちょっと話が強引かなと思わないでもない。

個人的には収録されている一編「運命の銀輪」が面白かったですね。倒叙ミステリというもので、「コロンボ」とか「古畑任三郎」というと分かりやすいですかね。まず犯人の犯行が描かれ、それを探偵がどうやって追いつめていくのかといった部分がお話の焦点になる作品です。

作者さんはこの倒叙ミステリものをシリーズ化しようと考えているようなので、こちらは気になります。ただ、その他の短編については…うーん、やっぱり物足りないかな。ネコがやたらに登場するので、ネコ好きの方なら共感できる部分があるかもしれませんね。私は特にネコ好きでもないので、登場する度に「またネコか」と思う程度でしたけど、逆にネコに良い思い出がない方からすれば、うんざりするかもしれないな。

個人的には、ネコ好きに向けてリリースしているわけでもないのだし、もう少し控えた方が…と感じますけど、「あとがき」にもありますが、作家がネコ好きなので、仕方ないかな。

お勧めは…ちょっと難しいですね。

入門編というには、ミステリがあまり強くないというか、登場する謎に対して「なぜ?」という気持ちが強く働かないので、あくまで、ネコが多く登場する短編小説、という体で読んだ方がいいかもしれない。そういう意味ではお勧めです。

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2014年04月20日

Posted by ブクログ

“焦れる詩織をよそに、丈史はしたり顔で、
「これも俺は現物を見てるんです、間違いなくおっさんはサンダル履いてました。で、ここからは蓋然性の問題なんですけどーー」
「無理して難しい単語使わないでよ」
「別に無理してませんってーーでね、今日は土曜日でしょう、仕事が休みの人も多いはずです。休日にサンダル履きで洗剤だけを買うーーこういう行動をする人は、近所の住人である可能性高いと思いませんか」
「そんなの判んないじゃない、休みじゃない人もいるし。普段からデフォルトでサンダル履きの人だっているだろうしさ」
「この季節にですか?今の時期、サンダル一本槍で通す人はめったにいませんよ、爪先寒すぎです」
「けど、電車で買いに来たのかもしれないよ、特売で洗剤が激安だったか何かで。可能性の話なら、車で来たってことも考えられるでしょ。サンダル履いて運転して来て、近くの駐車場に停めた、とか」
「車でわざわざ洗剤一箱だけ買いに来るなんて、それこそ蓋然性低すぎですよ。そんな無駄なことする奴はめったにいないでしょう、普通」
「それはそうだけどーー」
詩織は言葉に詰まってしまう。確かに、そう云われれば反論でいない。ヘタレのくせにこの男、口だけは達者だ”[P.195_猫と死の街]

「運命の銀輪」
「見られていたもの」
「眠り猫、眠れ」
「ナイフの三」
「猫と死の街」
「闇ニ笑フ」
「幻の銃弾」

「眠り猫、眠れ」と「闇ニ笑フ」が特に良かった。

“「確かに彼女、美形だ。お前がこだわるだけのことはあるーーけどな、正体不明の謎の女ってのは、お前の思いすごしだよ。俺にはすぐ判ったぜ、彼女が何者かーーそれから、どうして何度も同じ映画を観に来て笑ってるのかも」
「そんなバカなーー」
思いがけない椎名の発言に、僕はきょとんとしてしまう。
「本当だよ、一目見てすべて判った」
「一目見てってーー嘘つくなよ、判るわけないじゃないかよ、そんなの」
「本当だよ、お前もよく考えてみれば判るはずだーーまあ、云ってみりゃ彼女、お前と同じことをしていただけなんだな」
「僕と同じことーー?」
意味がまるで判らず、ぽかんとして聞き返す僕に、椎名は笑って答えて、
「いいシナリオ書くには人間観察も必要なんだろ。しっかりしろよ、最終候補」”[P.269_闇ニ笑フ]

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2014年04月11日

Posted by ブクログ

猫が出てくると頷く部分が多いので、気づけば真剣な読書タイム。「眠り猫、眠れ」は胸がキュウッとなった。猫と人間の最期が巧みにリンクしている秀作。
あとがきの“ねこちやん”には微笑ましいやら可笑しいやら、気持ちが和むw

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2014年03月18日

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