倉知淳のレビュー一覧
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4-
前作『〜推測』の解説(怪説)で加納朋子に、短編タイトルに文字りネタ縛りを課していくことの苦しさを冗談まじりに指摘されていたが、本作ではその本人の作品『ななつのこ』を元ネタにしてきたことにニヤリとさせられる。
内容も良い意味で安定しているが、いささか先が読めるものもあり、驚きは少ない。もっとも、“ルリ子さん”など登場した瞬間にオチが想像できてしまうが、これはそういう狙いなのかもしれないし、先が読めたからと言って別につまらないわけではない。むしろ安心して読める分、心が多少荒んでいるときなどに読むと、思いがけず平静をもたらすかもしれない。ああ、なんだ、作中のスイカ割りと同じ効能だ。
ところで、裏表紙に“人気シリーズ第2弾”とあるが、紛らわしいことに、これはあくまで講談社からは2作目という意味で、猫丸シリーズは先に創元から3作出ているので本作はシリーズ5作目ということになる。 -
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もともと本格調の密室殺人でデビューした猫丸先輩、いつのまにか路線変更して血なまぐさくないのどかな作品のみに登場するようになってしまったというのは作者の弁である。血なまぐさくないのは結構であるが、提出される謎はのどかではないものが多い。そこがこの作者の一連の作品の魅力であろう。ちなみに今回のお気に入りはあらすじの二番目のタクシーの問題である。事故現場に次々とタクシーが迎えにやってくる。その場所に居合わせた人間は呼んでいないのに。誰が何の為にというお話である。なるほどと膝を打つ解答に感心したのだが、犯人はわからずともモデルになった場所はわかった。杉並区の○○坂であろう。犯人以外の指摘ができたのはこれがはじめての経験であった。
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ネタバレ星3.5
【意外と普通のミステリー】
正直帯の煽り文句とかこれ見よがしな注釈は過剰だし、叙述トリックとも言われているが違う気がする。
そこでハードルが上がってしまうのが残念ではあったが、そこを除けば普通に楽しめるミステリーではあった。
犯人自体は意外性があったし、ミスリードも上手く、辻褄もあっていてトリックもよくできている。
逆を言えば、よくできている以上ではなく、あくまでも犯人の意外性に終始してしまった印象は受けた。
また、犯人の動機がいまいち薄めで、途中で語られたバックボーンが結局関係があったのかいまいち不明だったのが、ストーリー性を薄味にしてしまい勿体なく感じた。
ラストに急に小物化するのもチープに感じた。
総じて、クローズドサークルものとしては普通に楽しめるが、どうしても煽りが過大で、犯人の意外性のみといった作品な印象。