倉知淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
倉知淳のデビュー30周年記念作品。「死体」をテーマにした捻りの効いた奇抜な謎解きが展開される4編からなる短編集。小気味いい不謹慎さと、本格ミステリのロジックがうまく融合していて、面白い。
「本格・オブ・ザ・リビングデッド」では、夏の山荘でのゾンビパニックと密室殺人が組み合わされる。某ベストセラー作品の設定を借用しながらも、死体を巧みに利用した独自のトリックが展開される。このシチュエーションはやはり面白い。
「三人の戸惑う犯人候補者たち」は、都庁の片隅に設置された「違法行為等諸問題に関する相談所」を舞台に、それぞれ「人を殺したかもしれない」と訴える三人の男たちが登場する。それぞれの奇妙な体験 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明らかにミスリードとおぼしき犯人の独白から早い段階で「恋する殺人者」が誰であるかはわかってしまうと、序盤から個人情報保護の文脈でストーカーに対する言及が度々あり、非常に丁寧に伏線が貼られているのがわかる。
そして、犯人の状況把握手段が盗聴であるとわかり、そこに声が出せない証言者との筆談による情報収集シーンがとなればここに犯人特定の決め手が仕込まれているのだろうと想像はついたけれど、それが性別誤認という叙述トリックだったとは読みきれなかった。
しかしラストはフェイクとみせかけた恋がちゃっかり成就してなんかいい話風にまとまったようにもみえるれけど、結局犯人がいくら異常者だとはいえ、自らの二重尾行説