倉知淳のレビュー一覧
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購入済み
日本のドルリー・レーン
国民的大スターで、片桐プロモーションの「座長」こと社長、片桐大三郎。耳が聴こえなくなった為、一線は退いたが「社長業」は精力的にこなす。耳がわりとなってノートパソコンで文字通訳する「のの子」こと野々瀬乃枝を助手に、特技の推理力で警察を助ける。4短編集。タイトルからもわかるが、クイーンのドルリー・レーン4部作をを下敷きに物語が構築されている。最終話がベストか?
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Posted by ブクログ
前から気になっていた本
装丁画がよく見かける絵の方で
これがなんとも素敵
帯のアオリは
「教えてくれないか。いつから私は疑われていたのだね?」
「犯人が最初に分かった上で、探偵が推理を進めていく」
"倒叙ミステリー"と呼ばれるジャンルをよく現している。
「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」
「福家警部」などが好きで、たまに無性に読みたくなる。
探偵となるのは
「死神」と呼ばれる黒いスーツで葬儀屋のような陰鬱な雰囲気、痩けた頬、眼窩が暗い
という強面ながら苗字が「乙姫」
というアンバランスな警部
(遠藤憲一さんをイメージ)
と部下のモデル並みにスタイルが良く、イケメンな「鈴木」警部のコンビ
どちらも出会った関係者が毎回
ハッとする存在の二人
このジャンルを読んでると、毎回
「犯人よ、いつもと違うことを少しでしてしまったら探偵にバレるぞ!やめとけ!」という気持ちになる…
今回も「あぁ〜、ここあたり推理されてしまうのでは…」と犯人視点でヒヤヒヤ
ホラー映画の如く
「死神」が淡々と推理で追い詰める。
四編で程よくパターンを楽しめた。
読み心地として
事件の組み立てと解体と言った印象
「推理する装置」としての探偵が
死神と呼ばれる見た目もあり
何を考えてるかまではわからない。
ユーモアの頻度が上がると
もうちょっと楽しめたかも。
少しずつで良いので
どんな経緯で警部になったのかなど
犯人の人間部分よりも乙姫警部の
人となりが見えてくることに期待
謎なのもまた魅力なのだけども… -
Posted by ブクログ
ネタバレ「シュークリーム・パニック」
2冊が1つになった短編集。
「豆腐の角に・・・」に惹かれ読んでみたいと思いつつ、こちらを手に取りました。タイトルとタイトル元になっていると思われる短編のあらすじがなんとも面白そうだったのですが、あとがきによると、タイトルに特に意味は無いようです。元ネタと思われた「限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件」という如何にもな短編も関係ないようです。
また、本書は以前にノベルズ版2冊に分けて刊行されたものを1つに取り纏めしたもの。厚目の本は売り上げが悪いから薄い2冊で販売しようという編集部の意向だったようです。確かに本書は500ページ超ありますから、短編集としては厚目です。因みに、倉知氏はノベルズ版の著者の言葉の中で其々の本を「2つに割ったシュークリームのもう片方」と表現しました。そして、今回の本書は2つが1つになったシュークリーム丸ごと1個ということになります。こっちにはシュークリームの意味があったと。表現が粋だ。
本書に収められているのは6つの短編。共通して言えるのは前置きが長い!ということ。読んでみると「前置きが長いなー」と突っ込みたくなると思います。この前置きの長さがキャラクターを特徴づけています。短編によっては青春モノだったり、ユーモアモノであったりするのですが、どの短編でも生きてます。ちょっと癖になる面白さ。
ユーモアでは「限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件」と「名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状」。青春モノ(羨ましいこの上ない)では、断トツで「夏の終わりと僕らの影と」。ミステリーとしては「現金強奪作戦!(但し現地集合)」と、どれも面白かったです。
★収録作★
■現金強奪作戦!(但し現地集合)
「兄ちゃん。金、欲しいないか?」人生大逆転を狙って、場外馬券売り場で見知らぬおっさんが持ち掛けてきた、1人あたり1億円ゲットの銀行強盗計画。但し、現地集合だけでは終わらない。終わり方も綺麗。
■限定販売特性濃厚プレミアムシュークリーム事件
体質改善セミナーに参加したメタボな男性四人組。無慈悲なインストラクターによって耐え難い空腹感に苛まれる中、冷蔵庫のシュークリームが消える事件が発生する。メタボ界のシャーロックホームズは、この謎を解けるのか。終わり方も最高。
■強運の男
「ほんの運試しをしませんか?」静かなバーで一人飲んでいた私にある男が話しかけてきた。趣向を凝らしたマトリョーシカを使った運試しだ。一杯のアルコールを掛けて私は挑戦するが、次々と勝っていく。次第に明らかになる男の狙いが脅威的。感覚的には、ホラー。
■通い猫ぐるぐる
真紀の暮らすマンションに通ってくる、おなかの横に渦巻き模様のある猫。いつしか真紀は、猫を部屋に招き入れ、「うずまきちゃん」と名付けて部屋で遊ぶようになった。そんな日常の中、近隣で傷害事件が発生! 所轄署の若手刑事にして真紀の彼氏である満久は、うずまきちゃんに事件にかかわる秘密が隠されているという。その秘密の隠し場所がイケてた。
■名探偵南郷九条の失策 怪盗ジャスティスからの予告状
「本日午後9時 貴殿の所有する価値ある色紙「五少女の微笑」を奪いに参上する」怪盗ジャスティス。そんな予告状がオタク作家鈴木・ペンネーム「草まんじゅう」の下に届いた。依頼を受けた名探偵南郷九条は価値ある色紙を守れるのか。犯人が秀逸。ユーモア溢れるミステリー。
■夏の終わりと僕らの影と
高校2年生の夏休み。受験勉強を前に、羽を伸ばしてすごせる最後の夏、「僕」は仲間たちと映画制作を始めた。監督の「僕」は以前から気になっていた同級生、百合川京子を主役に抜擢し、撮影は快調。しかしその最終日、ラストシーンのロケ場所から、彼女の姿が消えた。ちょっとずるい。 -
Posted by ブクログ
いわゆる「ジュブナイル」という奴だが、作者が
「大人が読むに耐えるよう書いた」と言う通り、
なかなか楽しく読めました(^ ^
とある田舎の小学校で起きた「不可解な連続事件」を
小学生の主人公達が解き明かしていく話ですが...
謎解きが二重三重にひねくってあって、
最後はどんでん返しの連続(^ ^
まぁ、元々の事件がそれほど大事でもないし、
「スケール感」は無いが、謎解き要素は楽しめる。
空回りしてばかりの委員長とか、徘徊する保健の先生とか
登場人物もなかなかに魅力的(^ ^
...私がなぜこれを買ったのか、がよく分かりませんが(^ ^;
楽しゅうございました(^ ^ -
Posted by ブクログ
4-
前作『〜推測』の解説(怪説)で加納朋子に、短編タイトルに文字りネタ縛りを課していくことの苦しさを冗談まじりに指摘されていたが、本作ではその本人の作品『ななつのこ』を元ネタにしてきたことにニヤリとさせられる。
内容も良い意味で安定しているが、いささか先が読めるものもあり、驚きは少ない。もっとも、“ルリ子さん”など登場した瞬間にオチが想像できてしまうが、これはそういう狙いなのかもしれないし、先が読めたからと言って別につまらないわけではない。むしろ安心して読める分、心が多少荒んでいるときなどに読むと、思いがけず平静をもたらすかもしれない。ああ、なんだ、作中のスイカ割りと同じ効能だ。
ところで、裏表紙に“人気シリーズ第2弾”とあるが、紛らわしいことに、これはあくまで講談社からは2作目という意味で、猫丸シリーズは先に創元から3作出ているので本作はシリーズ5作目ということになる。