【感想・ネタバレ】壺中の天国 下のレビュー

あらすじ

稲岡市で発生した通り魔事件に三人目の被害者が出てしまう。犯行声明のような電波系怪文書は、犯人によってマスコミに送りつけられ、センセーショナルな報道はますます加熱する。特定できない被害者の共通点。誰が殺されるかわからない恐怖に、平穏だった町は次第にパニックに陥ってゆく。異様な事件の興奮はシングルマザー・知子の平和な日常にも忍びより、ついに四人目の被害者が。知子は編集者の水嶋がもたらす情報をもとに、家族や幼なじみの正太郎と共に、犯人像に迫ってゆく。精緻な伏線とロジックが光る、第1回本格ミステリ大賞受賞作。/解説=戸川安宣

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中盤間延びしていたように思えた日常も最後の謎解きの爽快感が吹き飛ばしてくれました。
伏線の数々に脱帽です。

0
2017年05月20日

Posted by ブクログ

長編で上下巻なので読み応えあり。
主人公は一般的な主婦なので、実際に町で事件が起きたらこんな感じかな、と思わせてくれる作品。
探偵(職業だけでなく、主体的に解決に挑む人)が主人公ではないミステリーってこういう感じになるんだろうなあと思いました。

0
2023年09月25日

Posted by ブクログ

正直かなり手こずった。かわいらしい表紙に反して、なかなかどうして読み応えのあるミステリーです。
読み終わってみれば、周到に計算されたうえで構築された文章にうなるしかないわけですが、読んでいる途中はいったい何を推理すればいいのか?自分は何を読まされているのか?そんな感慨さえ抱いてしまうほど五里霧中な状態に置かれました。
決して万人に向けてオススメできる本ではありませんが、ミステリー好きな方は読んでみて欲しい1冊かもです。

0
2012年07月31日

Posted by ブクログ

 相変わらずの日常ほのぼの系に見せかけて実はブラック。

 携帯が出ないと、2000年以前の話と特定できる時代なのね。
 うーん。たとえば明治時代の小説を読んで古いというより「この時代の小説なんだ」と思うくらいには昭和は遠い。

0
2013年05月06日

Posted by ブクログ

のどかな町で起こる連続殺人と謎の怪文書。
登場人物が皆、個性的で、ミステリーだけれどのほほんとした雰囲気。

0
2013年02月12日

Posted by ブクログ

面白かった。個人的にはいつ、猫丸先輩があらわれ「いやぁ、面白い事件じゃないかお前さん、で、あくまで推測だけど、犯人の特徴は・・・」と語ってくれるのを期待してしまいました。
また、ミステリー好きならすぐ分かる、被害者のもう一つの共通点をあえてトリックに使わないのは流石でした。

0
2012年11月10日

Posted by ブクログ

謎解きには正直「えーーーーっ」と声を上げてしまいたくなった(笑)。
これで終わり? とも思ったし、本格ではないじゃない、とも思った。

けれど、読み終えるとすべてがいかにも倉知さんらしい。
面白くないことを面白く。愉快でないことを愉快に。
さすが「天然カー」と言われる倉知さんである。

タイトルの『壺中の天国』のたとえが、この作品をよく表していると思った。
誰にでも、自分だけの「壺の中」がある。それを倉知さんが描くと、こんなにも愉快だ。

「面白がる」ということは才能なのだな、とこの作者の本を読むとよくわかります。

0
2012年07月02日

Posted by ブクログ

この作品、嫌いじゃない。作品全体から倉知先生の持ち味が出ててそういった所は大好き。が、主人公母子の日常生活のシーンが描かれすぎて、ミステリの話がどう展開するの?とドキドキしながら読んでる読者としてはじれったく冗長な印象が残ってしまったのが残念。(先生が書きたかったのは、この『日常』だったんじゃないか?と思っちゃうほど、そちらのウェイトがでかい)
電波系の表現や、母子の日常を描ききった筆力は素晴らしい。正太郎のキャラも良かった。
間に入ってくるフィギア制作のマニア(オタク)な描写が、解決編でこう効いてくるのか、とか、他にもちりばめられた伏線など、種明かしの段階では感心できるところがあったのに、そこに至るまでが…遠かった。
ある程度他の倉知作品に触れて先生の持ち味を判った人に読むのをオススメする作品でしたね。

0
2012年01月31日

「小説」ランキング