あらすじ
「全能にして全知の存在から発射されるメッセージを電波として受信しているが妨害者の存在を知ったので殺害を実行したものであり――」盆栽が趣味のシングルマザー・知子が、アイドルに夢中の一人娘と少々お節介な父親とのんびり平和に暮らす稲岡市。しかし犯行声明のような怪文書と共に女子高生の撲殺死体が発見され、静かな地方都市を揺るがす騒動の幕があがる! 通り魔殺人事件が起こるたびに発見される電波系怪文書。被害者を繋ぐミッシング・リンクとは。巧みにはり巡らされた伏線と規格外の推理が冴える、第1回本格ミステリ大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
平穏な町で起きた連続通り魔殺人。
まだ、前半だけあって犯人の影も形も見えてこないが、ここからどう展開していくかとても期待している。
今の時点で純粋に読み物として楽しく読めてます。
Posted by ブクログ
上下巻読んでの感想
本格ミステリ大賞受賞作ということで読んでみた。
ん~っ・・・悪い作品ではもちろんないし、それなりに力作だとは思うのだけれど本格か?という疑問が残る。
日常的な描写が続く中に飛び込んできた事件。
電波系怪文書のインパクトは大きかった。怪文書の文に込められた謎に迫っていく過程にも伏線はしっかりと張られていた。
どことは指摘できないけれど、もう少し短くできたのでは?とも感じた。
本格ミステリと気負わずに読めば面白い。
ゆる~い感じで進んでいく雰囲気も嫌いではなかったし、ある種のこだわりを持つ人たちへの考え方も興味深かった。
「壺中の天国」というタイトル。
読み始めたときはよくわからなかったけれど、その意味は物語の中で明かされる。
なるほど・・・と。タイトルに込められた意図にようやくそこで気づかされる。
軽い描写の中に「!!!!?」という箇所もあり、読み終わってみれば面白かった。
それにしても「電波系」って言葉、最近聞かないなぁ。
Posted by ブクログ
「殺人が起こるたびに撒かれる電波系怪文書!?」
理由の分からない殺人が起こり始め、のどかな町が一転、出歩くのも恐ろしいゴーストタウンのようになってしまう…と想像するのだけど、この上巻では殺人は起こるものの、主人公達にとってはまだ他人事。それほど緊迫感はありません。
のどかな町、それに伴う日常といった描写が多いので、あまりミステリを読んでいるという感じがせず、主人公が盆栽好きのシングルマザーということもあって、「人が殺されたんですって。怖いわねえ」という雰囲気の中、話は展開していきます。
人が殺されるたびに、大変読みにくい怪文書が撒かれます。どうやら犯人はある種の妄想に取り憑かれているようだけど、真意のほどは如何に。殺される人に共通するものは何なのか?いわゆる「ミッシング・リンク」ミステリですが、どんな風に解決するのか楽しみです。
ちょっと下巻への引きが弱いかな、と感じますが、平凡な日常をのんびりと読むのもいいものですね。