あらすじ
渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪異な現象に頭を悩ますお客さんがやって来る。身の回りの物が消え失せてゆくサラリーマン、ポルターガイスト現象に苛立つキャリアウーマン、写真を撮ったら背後に霊が写った学生、そしてドッペルゲンガーに悩む主婦。そんな彼らの相談に応えて占い師が口にするのは、三度狐や水溶霊など、奇天烈な霊や妖怪の名前ばかり。それらは全部インチキだが、しかし彼の「ご託宣」はいつも見事に怪異の裏に隠された真実を突く。始終寝ている占い師・辰寅叔父と、巫女役をつとめる美衣子の心優しき推理の日々を描いた安楽椅子探偵連作集。/解説=青井夏海
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猫丸先輩と並んで好きな探偵役の辰寅おじさん。どっちも職業らしい職業についてないふらふらしてばっかりの人ですが洞察力と粋な采配は最高です。インチキ占い師の叔父とバイトで巫女やる姪の謎解き短編集。叔父と姪だからこそのいい感じもあるんですがこれ血つながってなきゃいいのにと思わず思うくらいいいコンビです(笑)
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渋谷のおんぼろビルの三階にある『霊感占い所』の霊感は全く無いが推理力抜群の昼寝大好きなインチキ冷媒師の叔父・辰寅と謎への好奇心が旺盛な姪の美衣子が怪異に悩む相談者達の隠された謎を解決していくユーモアミステリーで、普段『駄猫』と言われる辰寅が鮮やかな推理を披露するシーンや彼と美衣子のコミカルなやり取りが面白かった。また辰寅がまるで猫丸先輩を彷彿とさせるキャラ造詣なのも良かった。
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これから、失礼なことを書きますが(^ ^;
一読後の正直な感想は、
「なるほど、これが天野頌子さんの『陰陽屋』シリーズの
『元ネタ』なのだな」と(^ ^;
いや、本当のところは分かりませんが、それほど
・ぐうたらでインチキな占い師
・真面目で「巻き込まれ型」の助手
・するどい観察眼で事件は解決する
という基本設定が全く同じで(^ ^;
こちらの方が...って同じ土俵で比べるのも何ですが、
妖狐などは出てこないので「ファンタジー色」はなく、
登場人物も大人が中心で問題も生臭い(^ ^;
からりとした文体は読みやすく、
そこここに散りばめられたギャグのセンスも良い(^ ^
言葉選びのセンスが私の趣味に合うというか(^ ^
基本形がミステリなので、細かくは書けませんが、
気楽に読めて、深読みすると示唆に富んでいて、
ナイスな衝動買いでした(^ ^
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てっきり猫丸先輩シリーズだと思って、幻獣…と前後を間違えないように出版年を確認して読んだのに、違うシリーズだったー!借りるときは了解してたのに忘れてたよ。まぁ同じような軽いミステリー。インチキ占い師が主役の連作短編集。ほんと、こんなのんきな占い師なら騙されてもいいかなー。語り手の姪がまぁ若いからしょうがないけど、こまっしゃくれてるというか、常識ぶっててあんま好きじゃないわ。まぁでもおじさんのような人ばかりじゃ社会は回らないからなぁ。
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連作短編集
日常系ミステリー
5話目がベスト。ワーストは6話目の入道のやつ。
ドラマ化しても耐えられるキャラクター達。
美依子は女子高生でもよかったのではないか。
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『三度狐』
『水溶霊』
『写りたがりの幽霊』
『ゆきだるまのロンド』
『占い師は外出中』
『壁抜け大入道』
2009年2月19日購入
2009年4月22日初読
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猫丸先輩じゃなかったー。でも面白かったです。やっぱり叔父さんも猫なんですね。
やっぱりこれもあちこちでひっかかりはするんだけど、そこから解決には至らないという…答え聞いてあーってなります。悔しい。
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ユーモアミステリー。連作短編集。全6話。
占い師というキナ臭い仕事をする叔父をもつ主人公。この叔父のところにもちこまれる怪奇現象。彼は『狐が憑いている』など、舌先三寸で相手を言いくるめる。しかし、なぜか彼の口から出任せのはずのご託宣によって、依頼人の抱える問題はすべて解決されてしまう。怪奇現象の裏に潜む真実を見事に言い当てる。そう、彼は安楽椅子探偵なのです!!
おもしろ〜い(^―^)おじさんのキャラ最高です。飄々としてて脱力系キャラ♪たまんないです。占いに使うグッズだって、『霊水』と言いつつ単なる水道水使ってたりするし(笑)年がら年中まともに仕事もせずに惰眠をむさぼっており、依頼人が来たら来たで、適当な作り話をして、自分が創作した魔物のせいにするのです(笑)
占い師のくせに『霊感なんかな〜い』『幽霊なんかいるわけね〜』葬式に出た後帰宅しても『塩なんかまかなくていいよ〜めんどくさい』なんてことを言ったりして(笑)
この叔父と主人公である姪の掛け合いもおもしろいし、依頼人を前にしかつめらしい話をする主人公の鉄面皮ぶりが笑いを誘います♪
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雰囲気は猫丸先輩と同じですが、今度の探偵役は占い師の辰寅おじさん。日常のほのぼのとした雰囲気の中、飄々と、しかし的確な推理で隠された謎を解き明かす…「隠された謎」は言い過ぎか。猫丸先輩が癒し系探偵なら、辰寅おじさんは脱力系探偵と言ったところですかね。私はこういう話は好きですね。
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大事件ではないけれど、「どういうこと?」って謎を解き明かしていくスタイルは、倉知淳さんのお得意と言ってしまっていいのでしょうか? 猫丸先輩と違うのは、こちらの辰寅おじさんは真性の安楽椅子探偵(いえ、占い師ですが)ってことです。そんなおじさんの側で色々考える美衣子も、好きです。
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大学進学と共に上京した美衣子は、叔父の辰寅の「霊感占い所」で押しかけアルバイトをしている。お客もほとんど来ない占い所で、すぐに横になる叔父を縦にするのが美衣子の仕事だった。
白装束にぼさぼさの髪という怪しげな風体で、それらしい祈禱とお祓いを行う叔父だったが、依頼人の悩みの本質を見抜いてしまう不思議な能力があって。
なぜか読み始めると眠くなる、なにか仕掛けられているのではと思うほど。
読むのに時間がかかったー。
ほぼオンボロビルにある「占い所」が舞台の安楽椅子探偵もの。
相談に訪れる人々に謎を話すわけではなく、美衣子だけに語られる真相がほろ苦かったり、にやりとしたり。
身の回りのものが紛失する会社員
キャリアウーマンの自宅で起きるポルターガイスト
大学生の彼の心霊写真
ドッペルゲンガーに困惑する主婦
工場から消えた200万円と大入道
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霊感占い所を開業している占い師と、助手を務めるその姪が、依頼人が持ち込む不可思議な出来事を解明する、安楽椅子探偵ものの連作短編集です。
掴み所がなくとぼけた味わいがある、探偵役のキャラクターがしっかり作られているし、シリーズ化してもきっと面白いと思います。
なのに発表されたのは、今のところこの一冊のみ。
もったいないですよね。
舞台が霊感占い所なだけに、ポルターガイストやドッペルゲンガー等、一見、怪奇色濃厚な依頼ばかりですが、怖さはそれほどではありません。
程よく効かせたユーモアと、探偵役のキャラクターのせいか、どこかほのぼのとした雰囲気を感じました。
以前に読んだ、猫丸先輩もそうですが、倉知さんが描く探偵役のキャラクターは、不思議な魅力があり印象に残りますね。
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面白かったです。倉知淳さんは初めて読みました。
軽く読めるミステリでした。
叔父さんは安楽椅子探偵が過ぎると思いましたが、話聞いただけで謎を解く安楽椅子探偵はやはりすごいな。。
持ち込まれるお悩みがオカルトチックなもので、そこも好きでした。
シリーズに出来そうなのに、この1冊だけのようです。さびしい。
Posted by ブクログ
インチキぐうたら占い師が客の悩みから推理を働かせ、悩みを解決させる助言を行う。
ミステリーとはいえ殺人みたいな血なまぐさい話はなく、どちらかというと緩い雰囲気で進む話。
基本的に主人公が自室で推理する安楽椅子的な話なので動きは少なく、姪の女の子がいいアクセント。
本格ミステリー好きには物足りないだろうが、気軽に読むにはいい話。
ちょっと主人公の推理力がエスパーレベルな気もするけど…
Posted by ブクログ
占い師に持ち込まれる事件を、心理学的に解き明かす安楽椅子探偵ものです。
全体的に緩い雰囲気で、日常の謎を煙に巻くような推理が楽しいです。それなりの巧さや面白さはあるものの、予定調和な真相ばかりだったのでやや物足りなかったです。
Posted by ブクログ
寝てばかりいるというのは羨ましいけれども
それが冷房も暖房もない部屋だと言われると
このごろ、蒸し暑くて眠りが浅くなりがちで
睡眠不足気味なので
ちょっと違うような気がする
Posted by ブクログ
いんちき霊感占いをしているおじさんが、怪異の裏の真実を暴きだす。
短編らしいすっきりした内容で、連作もののおもしろさもあります。
ただ、主人公の美衣子ちゃんが、いまひとつなんだよね~。
辰寅おじさんは好きなんだけど。
キャラから入るタイプなので、今いち感情移入ができず、読むのに時間がかかりました。
Posted by ブクログ
渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には今日も怪異な現象に悩むお客様がやってくる。
彼らの相談に応えて占い師の口から飛び出す言葉は、三度狐に水溶霊など珍奇な妖怪の名前ばかり。
それもその筈、全ては彼の口から出た戯言・・・。
しかし彼の「御神託」はいつも怪異の裏に隠された真実をついていたのだ。
霊感は無いが推理は鋭い辰寅おじさんの昼寝と謎解きの日常を描いた、心優しき安楽椅子探偵連作集。
氏の描く探偵像を見ると親近感が沸きます。
何故か?
きっと氏は大の猫好きに違いない( ̄∀ ̄*)
他人の事はお構いなし、自分の興味にはまっしぐら。
猫の動を地で行く猫丸先輩。
そしてこの作品に描かれる定職の占い師を盾にしながらも、お客は要らない、冷暖房も勿体ない、閑古鳥すらも寝溜めができると公然と言う無精者。
語り手・美代子ちゃんのぐうたらおじさん辰寅おじさん。
こちらはぶぅ猫そのままで( ̄∀ ̄*) ♡
手がかかるけど憎めない人柄の辰寅おじさんのぶぅ猫ぶり、覗いてみませんか?
Posted by ブクログ
渋谷のど真ん中のビルに「霊感占い所」なるあやしげな事務所を構える辰寅叔父さんと、姪っ子兼助手が織りなす物語。
残忍な犯行や密室殺人とは無縁だけれど、それでも日常はこんなにもミステリに溢れているのですね。
「霊のしわざですよ!」とおっかなびっくり訪れる依頼者たち。
その口から語られる怪奇現象の裏に見えるささいな手がかりから、偶然の重なりを見事に導き出す観察眼。
なんていうか、北村先生の日常ミステリに通じるものがありますね。
宮部先生の江戸モノなんかも同じ系列になるんでしょう。
主人公に据えられている叔父さんが魅力的。いかにも駄猫な描写が微笑ましくさえあります。倉知先生、猫がお好きなんでしょうかね?
解決の仕方も実に人情に溢れていて、人は恐いけれど、でも優しいんだな、と思わせてくれる一冊。
この続き、ないんでしょうか。いいと思うのですが、シリーズにしても。
猫丸先輩のシリーズがもともと好きで、それ以外をちょっと敬遠していたところがあったのですが。
この人、何をかかせても上手い!!!
なんていうか柔らかい感じがします。
高田先生のタタルには、力を感じるんですよね。
タタルは間違いなく京極堂に通ずるものがあると思うのですが。
猫丸先輩にしても辰寅叔父にしても、この人の書く登場人物はみんないい意味で力が抜けていて、なんていうかこう、カリカリしても仕方ないじゃん? みたいな気持ちになってしまうんですよ。
読後、じんわりと温かくなりたいと思ったら是非どうぞ。オススメします。
Posted by ブクログ
「年取った駄猫のように」寝てばかりの占い師(霊媒師?)が相談者の奇妙な悩みを推理し、解決する様子をアルバイト巫女の姪の目を通して語る安楽椅子探偵的短編集。
軽く読めるからいいです。印象に残るというほどではないけど。