倉知淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレたまたま書店で見かけた倉知淳さんの新刊。その内容は、約2年前に刊行された『死体で遊ぶな大人たち』を思い出す。固定ファン以外は思い出さないだろう。
フリーライターの折本と久世が「非正規雇用捜査官」に採用された。現実の事件について現職刑事から説明を受け、レポートにまとめるのが2人の仕事。現場も案内されるし関係者にも会うし、民間人にそこまでするのか? という疑問はさて置き。
『死体で遊ぶな大人たち』は、死体を有効活用した作品集という触れ込みだった。本作は、全4編とも被害者の死体が切断されているのだが、わざわざ切断した理由は不明。警察が悩む中、久世のひらめきが合理的に謎を解明するという趣向である。
最初の表題作で切られるのは首。殺人現場の家に、犯人の首が置かれていた。次に切られるのは腕。交通事故死した被害者の死体に、切られた腕が乗せられていた。次に切られるのは脚。切られた脚は、被害者のズボンの中に戻されていた。
そして最後は、遺体が10のパーツに切断されていた。ホワイダニットに重きを置いた作品集なのだが…タイトルを『死体で遊ぶな大人たち2』にした方がよかったのではないか? ある意味、本作の方が、お遊びが過ぎて被害者が浮かばれない。
死体切断の合理性というテーマは目新しくはないが、本格作家・倉知淳の作品としては、合理性・納得性は低いと言わざるを得ない。脚切断だけはやや異質な話だが。久世の長広舌と斜め上の発想を面白いと感じるかどうかで、評価は割れるだろう。
猟奇殺人を扱いながら、ユーモア本格ミステリなどと帯には書かれている。近年、ガチ本格よりバカミス寄りな傾向は感じるが、そういう路線だと東川篤哉さんとバッティングし、分が悪い気がする。どうしたら売れるかを模索しているのだろうけど。
前作『猫の耳に甘い唄を』でがっかりした分、そこそこ楽しめたとは思う。続編が出るかどうかは、本作の売り上げ次第か。どうか重版かかってくれ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる途中から、あれ?これって星園が犯人なのが一番自然じゃないかなと深く考えずに感じていました。
なので真相には納得したものの、ではあのエラリー・クイーンの読者への挑戦状みたいなト書きは?と思って再確認してみると、確かに嘘は書いていませんでした。
その作業が終わった後にだまされた快感を感じました。
閉ざされた雪山とそれぞれキャラのたった人物たち。教科書のような設定なんですが、なんでこんなにワクワクして読んじゃうんですかね。
ただやはり年代が古いです。
スマホがないとかいうのはどうでもいい。
主人公からして好きになれなかったんですけど、確かにあの時代は正義感から上司を殴るような、すぐに隣にいる女の子を好きになるような、無鉄砲で女好きの熱血漢が好かれていたような気がします。
他の登場人物も全員小説というより少年ジャンプのキャラクターみたいです。
そんなことからあとがきにとても納得させられたのですが、プロ作家によるファンアートの傑作版みたいに捉えると一番しっくりきます。
ネタだけを楽しんで動機や登場人物とかは記号でいいんですよね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレPRのため山荘に集められたメンバーは超個性的な面々。UFO研究家に恋愛小説作家にスターウッチャー。
山荘で殺人事件が起こり、大雪のため閉じ込められてしまう。外部との連絡が取れるまでに犯人を見つけようとするが。
登場人物がそれぞれ個性が際立っててマイペース。殺人事件が起こった恐ろしさよりも、ドタバタ感があって楽しかった。
なんだかとっても人間くさい。
途中途中で挟まれる作者のヒントを頼りに読み進めましたが、やはりと言うか自力では犯人は分からず、正体に驚かされました。
星園さんの言っていた過去の事件の謎解きや、嵯峨島さんやあかね先生のスピンオフがあっても面白そう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレやられた〜!気持ちよくやられた!
なんでシークエンスの最初に謎に四角で囲ったコメントみたいなのがあるんだ?ネタバレっぽくて嫌なんだけど?って思ってたら、それにまんまとやられた!
絶対犯人じゃない人として除外しちゃいますよね。
まぁ除外してなかったとしても真犯人には辿り着けなかったと思うけども…
こけしって軽いイメージだからそんなんで殺せるん?ってところに変に引っかかってて、あんまりこけしについて深く考えられなかった。
紐を結べるかどうかの部分で、火傷してるUFO先生とネイルが長い女子大生は無理だなと思えたくらい。
推理のために解かないといけない謎が少なめでシンプル。だけど絶対騙される(これ騙されない人いたらすごすぎる)から他の人にもおすすめしたい! -
Posted by ブクログ
ネタバレうっそりとした死神のような風貌の乙姫警部と、ハンサムな部下・鈴木刑事。倒叙モノの醍醐味はなんと言ってもジリジリと追い詰められる焦燥感。このシリーズは特に、恐ろしい見た目の乙姫警部が主人公なのでその不気味さたるや。
乙姫警部は意外にも博識(というより聴取の前に情報を収集しているのかもしれないが)で、なんとBLのことまで知っている。
読み進めるにつれ、うっそりと佇む乙姫警部がもはや可愛く思えてしまうようになる。
警部を形容する言葉のレパートリーの豊富さがあまりにも面白い。
「この風貌で映画館の席に座っていたら、周りの子供達が泣き出しやしないだろうか」
「大量虐殺した人類の数を頭の中でカウントしている悪魔のごとく」
「一族郎党全員が打ち首獄門に遭った直後みたいな辛気くさい顔つき」
「地獄の獄卒の呪術で蘇った亡霊みたい」
「身内に三ヶ月連続で不幸があったみたいに沈み込んだ陰気な顔つき」
「日本中の怨念と怨嗟と恨みをかき集めて凝縮したみたいな、重々しく陰気な目」
「冥界で蠢く亡者の群れがおしくら饅頭をする際に立てる擦過音みたいな陰気な声」
「煉獄の底を正体不明の不気味な軟体生物が這いずる粘着音みたいな湿っぽい陰気な口調」