山口恵以子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
太物問屋巴屋のおけいは母親から疎まれ妹だけを溺愛して、おけいに理不尽につらく当たる。それでも負けないで頑張るおけいを隣の小間物問屋の放蕩息子の仙太郎がやさしくしてくれるので彼を慕っている。
ある日、仙太郎が家を出て行くという時に追いかけて行ったおけいは仙太郎から螺鈿細工の櫛をもらう。そして、その時仙太郎がいくら放蕩をしてもいい店にして待っているから必ず帰って来てと子どもながらに約束をして見送る。
辛い事苦しい事理不尽な事に負けないおけいはどんどんその才能を伸ばし父の突然の死後も店を取り仕切って大店へと巴屋を導いていく。それもこれも仙太郎が帰ってくることを信じて櫛を見ながら頑張っていった結果で、 -
Posted by ブクログ
元・人気占い師だった玉坂恵が営むおでん屋「めぐみ食堂」を舞台にした、連作短編ヒューマンファンタジー。シリーズ13作目。
◇
ゴールデンウィーク明け。
初夏の訪れを実感しながら暖簾を上げると間もなく、最初の客が入ってきた。織部豊・杏奈夫妻で、顔を見るのは3ヶ月ぶりだ。
2人とも独身時代からの常連だったこともあり、結婚後も毎月1〜2回のペースで来てくれていたので、これだけご無沙汰なのは珍しい。
とりあえず飲み物を聞いたところ、豊は生ビールと答えたが、杏奈の注文は意外にもウーロン茶。いつもスパークリングワインなのにと思って恵ははっと気がついた。
「あのう、もしか -
Posted by ブクログ
タイトルと装丁に惹かれて購入した作品。
装丁も内容もとても素敵でした!!
パウンドケーキ作りが大好きで得意な母 茜と
その娘 七は
医師の父(夫)から離婚を突きつけられてしまう。
そこで意気消沈していた茜の元へ
パウンドケーキをお店に置きたいと依頼が来る。
そこから茜と七の人生が好転する物語。
浮気をした夫には腹を立てたものの、
好きなことを仕事にする茜の姿と
それを一生懸命に支える七を見ていると
読んでいる私も頑張ろうと力をもらえた!
なによりバナナケーキとダークフルーツケーキが
とても美味しそうで読みながらお腹すきました。笑
そしてなんとレシピ付き!!!
茜が一生懸命作っていたパウン -
Posted by ブクログ
一二三(にのまえ ふみ)と姑の一一子(にのまえ いちこ)が、従業員の皐(さつき)と三人で営む「はじめ食堂」のシリーズ、第18弾。
正月から初夏までの、年前半編。
季節。季節がとても大事。
異常気象なのかなんなのか、気候がおかしい中、旬の食材を使って料理で季節感をアピールしたり、イベントで盛り上げたり。
日本の四季は消えていくのか・・・?・・・四季は消えつつあっても行事は残るのではないか?
世界遺産に認定された日本料理ですが・・・これを伝えていく事はできるのだろうか。
料理とお酒のマリアージュに力を入れている印象。
常連さんはたくさんいるけれど、辰浪康平(たつなみ こうへい)と菊川瑠美(きくか