あらすじ
見合いの席で一目惚れ、没落華族の元に嫁いだ、豪商の娘・菊乃。しかしそこは地獄だった。妾の存在、隠し子、財産横領、やっと授かった我が子の流産――。菊乃は、欲と快楽を貪る旧弊な家の中で、自立することを決意すると、高慢な女中頭に暇を出し、傾いた財政を立て直す。激動の明治に鮮やかに華開く女の一生。
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Posted by ブクログ
菊乃の人生がどう転がっていくのか気になりすぎて、あっという間に読み終えてしまった。菊乃にとって不都合な人間があっさりといなくなっていくのはややご都合主義かもしれないが、読み手にも飽きがこない展開だった。
菊乃の考えや思いには一本筋が通っていて、過酷な状況下でもめげない彼女の有り様に心が打たれた。
後半は菊乃とは別の人物を軸に話が展開するが、陰には菊乃の姿がある。ひとりの時代を生きた女性の人生譚として、非常に面白い作品であった。