山口恵以子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書店での紹介が推理小説であるかのような説明だったのでそういうのを期待して読んだが、そういう話ではなく人間ドラマを描いた小説だった。
昭和30年頃の料亭の雰囲気、人間模様は興味をそそる内容で、令和の日本に比べて貴賤の差がはっきりとあるような時代においてそれぞれの人が、自分に正直になってどのように生きていたのか慮ることができる。
主人公の十希子が最後まで何を大事にして生きていこうとしているのか明らかにされなかったと感じたのは自分だけだろうか。
十希子が母親の仇をうつことに邁進したように見えたこの物語の本質はもう少し違うところにあったように思う。 -
Posted by ブクログ
今回はいつもと逆にさくら整骨院を尋ねたら…ってパターンが目新しかった。
そしてさくら整骨院の由来があとがきにあって、成る程そうだったのかと。
毎回何かしら新たな知識をいただくのですが、今回は宗教や地域と食材の関係について。
その様な事を考えたことが無かった。言われてみると成る程そうだよねと思わされる。
そして今回も美味しそうな料理ばかりだし、人情噺もいい。
とうとう最新作に追いついてしまい、これからは新作を待って読むのが楽しみです。
私事ですが、著者のお兄様と同じ様な理由でなかなか外出が難しい身なので、この本から美味しい物成分を読む事で摂取させて頂いています。これからも末永くつづけて欲しいシリ