佃にあるはじめ食堂に、今回は外国の波が訪れる。
イスラム教で食べるものに厳格なルールのある外国人のお客さんが何組か来店。いや、町の食堂にそんな難しいオーダーしないでよ・・・と読者が思うのをよそに、どんなオーダーにも応える一子、二三、万里。
昔のバイト先(もんじゃ屋)で、ベジタリアンの外国人が来店して、肉もシーフードも食べられない、卵もだめ、と言うのをキッチンに伝えたとき、アルバイト仲間の中国人が若干キレ気味に「じゃあこれしかねーぞ?!」と千切りキャベツを私に渡したことを思い出したわ。
なんか、今回登場する客、一子のこと「日本人で一番美しい」とか、褒めすぎでしょ笑。どんな美人でも見られる仕事をしていない高齢者がそんなにきれいでいられるものなのだろうか?
佃のナントカ、と呼ばれた美人だというのは承知しているのですが、書かれすぎると疑いたくなってしまうわ。
この本のお話が書かれたのは2019年頃だけど、今年2024年の大きなニュースとして、あの爆弾事件の指名手配犯が発見されたということがありましたね。
このお話の中では、彼は生きて逮捕されましたが、現実では・・・。
ずっと身を隠して生きる人生ってどんなものだろう、というはじめ食堂の人々の言葉は、今年多くの日本人が思ったことでしょう。
あの彼にも、好きな食べ物があったり、美味しい、また食べたいと思うこともあったんだろう。事件がおこったときまだ生まれてすらいない私にも、大きな今年のニュースだったなぁ。
万里には、桃田はなという20歳の被服学校生との新しい恋の予感もあり。
調理師免許をとることへの万里の葛藤は、資格取ればいいじゃないと私も思うけど、自分の人生決まってしまうのが嫌っていうのが、一昔前の若者って感じだよね。今の若い子は、むしろ取れるもんなら取ろうと即決する気がする(そして取ったとしても、嫌になったらすぐ辞めちゃう気がする)。
新キャラ登場で、登場人物の平均年齢が若干若返ったかな。これからも、のんびりと読み進めていきます。