山口恵以子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
一二三(にのまえ ふみ)と姑の一子(いちこ)が、手伝いの皐と三人で営む「はじめ食堂」のシリーズ、第17弾。
月島もタワマンがどんどん建って変わっている最中、なんとか再開発の波を逃れ、昔変わらぬ姿を保っている懐かしい感じの食堂である。
ラーメン屋が店主の産休中、期間限定で、永野つばさの『サンドイッチつばさ』もオープンした。
サンドイッチの売り上げは上々だが、周辺にじわじわ忍び寄るオーバーツーリズム?
迷惑な外国人観光客もいれば、日本酒好きの貿易商、ケン・マーフィーが食堂の常連になって、新しい人間関係もできた。
皐が厨房で腕を振るう機会も増え、新しい味が登場もするが、しっかりした子なので、お客さん -
Posted by ブクログ
居酒屋にやって来る客とそこで提供される料理にまつわる短編集。
どの短編も同じフォーマットで書かれている。
それを安心感ととらえるか、同じでつまらないととらえるか。
奇をてらわない話だからこそ、本全体が安心感であふれる、穏やかな作品だと思う。
提供される料理も自分でも作れるような物だけど、ひと工夫されていて食べてみたくなる。
やって来る客は誰も何かしら問題を抱えていてそれを居酒屋の女将が解決のヒントを提示する。
毎話そうなのだが、その解決方法も大げさではなく、チョットしたきっかけ作り。
あの世とこの世という事を感じるような感じないような。
現世にはその後の人々がつどっているのもいいな。 -
Posted by ブクログ
元・人気占い師だった玉坂恵が営むおでん屋「めぐみ食堂」を舞台にした、連作短編ヒューマンファンタジー。シリーズ11作目。
◇
その日、恵が訪れのは、東京メトロ新宿3丁目駅から5分ほど歩いた路地にある雑居ビルだ。縦に長細いビルの1階には理髪店が、3階以上の各階には小さなオフィスが、それぞれ入っている。恵の目的の店はその2階にあった。
狭い階段を上った先には「蕎麦居酒屋ひなた」と書かれた看板が上がっており、その脇に胡蝶蘭の祝い鉢が1つ置かれている。鉢には「丸真トラスト」という名札が添えられていた。
「こんにちは」と言いながらドアを開けた恵に、「いらっしゃい」と元気