山口恵以子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
書店での紹介が推理小説であるかのような説明だったのでそういうのを期待して読んだが、そういう話ではなく人間ドラマを描いた小説だった。
昭和30年頃の料亭の雰囲気、人間模様は興味をそそる内容で、令和の日本に比べて貴賤の差がはっきりとあるような時代においてそれぞれの人が、自分に正直になってどのように生きていたのか慮ることができる。
主人公の十希子が最後まで何を大事にして生きていこうとしているのか明らかにされなかったと感じたのは自分だけだろうか。
十希子が母親の仇をうつことに邁進したように見えたこの物語の本質はもう少し違うところにあったように思う。