山口恵以子のレビュー一覧
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安定の「はじめ食堂」、安定の常連さんたちがベース。
その常連さんたちと集まって美味しいものを食べながら行事を楽しむ場面は、毎回一度はあり、賑やかで彩りも感じられ、読んでいて気持ちも華やぐ。
今回は、隅田川の花火大会だった。
巣鴨を訪れるお婆さん、長らく遠ざかっていた故郷に里帰りした山下医師。
人は年を取ると、一番幸せだった時の記憶を思い返して反芻するようになる。
でも、今だって、美味しいものを食べていればいつでもちゃんと幸せでいられる。
『第一話 どっちの唐揚げ』
歳を重ねても輝き続ける女優であり続けるには。
『第二話 迷子の塩大福』
万里とはなたち若者のお散歩ガイドのようである。巣鴨に若者が増え始めているということを初めて知った。
『第三話 花火で寿司ざんまい』
常連客の三原のマンションに招かれての隅田川花火大会見物と、エレベーターに乗り合わせた老夫婦のこと。
『第四話 本屋のカレーパン』
山下医師が初めて少年時代を語る。読書とカレーパンはどちらも好きだけど、指の油が本につきそう・・・
『第五話 幸せのカツサンド』
新しい店と新しい提案、そして新しい命で幸せ気分いっぱいのエンド。 -
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私はカレーが大好きだ。シュークリームの方が好きだけど・・・。うちのカレーはドロドロカレーで、作り方や具材の量によって、各家庭で異なる。ドロドロカレーなので、一日置くと母はヨーグルト状の牛乳を足してくれていた。「えっ、ちょっと待って、おかあさ〜ん、それ腐った牛乳だよ。」と妹が指摘していたが、私は食べていた。というわけで、我が家は腐った牛乳にも耐えられる体に育った。
巻末のカレーのレシピを見ていると、美味しそうで自分でも作ってみたくなる。スープカレーも好物だ。ただ、カレーうどんは少し苦手だ。
東京オリンピックの件は、利権のために夏に行われたと書かれているが、私利私欲に溺れるものはいつか破綻するものだ。五輪ほどではないが、国際的になってきたはじめ食堂のメニューも変化して面白い。カレーはエスニックではなく、日本の文化だと思うのだが。インドで食べたカレーと日本のカレーは全然違う。ラーメンも日本でできたものだし、餃子も日本だけ焼き餃子でニンニクが入っているときいたことがある。
いずれにしても、老若男女、カレーは好きな人が多いのは間違いない。
牛すじカレーも美味しそう。丁寧な下準備があるからこそ、料理が活きてくる。牛すじがほたほたになってとろけるくらいなのがいいなぁ。今夜はカレーにしよう。 -
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「この先の明治大学の側に、一昨年開業したホテルがあります。山の上ホテルというこぢんまりしたホテルなんですが、とても評判が良いんですよ。そこのバーが落ち着いていて雰囲気が良いそうなんで、是非ご一緒してください」
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「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」で人気の
著者が渾身の力で描く愛と復讐のサスペンス!
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国立大学を卒業し、名門私立女子校で
英語教師として働いていた十希子は、
突然、母の死を知らされる。
商社の男と心中したというのだ。
男は資金課長。
鉄鋼会社との架空取引に関与したとして、
検察に召喚される寸前だった。
昭和30年、神武景気が始まり、
社会が沸くなか、前年の造船疑獄など、
汚職事件が頻発していた。
母は事件に巻き込まれたのではないか。
死の謎を解くため、十希子は母の勤めていた
高級料亭で仲居として働き始める。
代議士やブローカーなど、謎多き客たちが
繰り広げるのは「料亭政治」そのもの。
彼らに探りを入れるうち見えてきた、
衝撃の真相とは――。 -
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はじめ食堂の一子、二三、万里は健在だったが、はじめ食堂にとっては危機が訪れる。変化があるのは刺激的た。近所にできたパン屋の姉弟とバー月紅のマスター真辺の関係は?
悪意のありそうなキャリアウーマン風の女性の本性は?と展開がある。ネットの怖さも描写されている。
いつの時代も腹いせに他人を悪く言う淺ましい人はいるものだ。みをつくし料理帖にも近い内容の場面があった。そういった点で目新しさは無いが、ホッとする。
食堂のおばちゃんシリーズも温かい気持ちにさせられる。料理の表現も絶妙だ。
ミステリーや少し重い小説を読んでいると気が滅入ることもあるが、このシリーズは心温まり、気軽に読めるので好きな作品だ。 -
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東京都中央区佃。
江戸時代から庶民の町として栄え、現代でも旧佃島地域は昔ながらの人情と風情のある古い街並みで知られている。
そんな佃で2人のおばちゃんが営む食堂兼居酒屋を舞台にしたグルメ&ヒューマンドラマ。『食堂のおばちゃん』シリーズ14作目。
◇
「ササミの梅和え素麺、セットでね!」
「俺、鰯のカレー揚げ!」
はじめ食堂のランチタイム。常連さんで今日も盛況だ。9月も末だというのにまだまだ暑いせいか、素麺やカレー味という夏メニューの注文が多い。
帰り際のサラリーマン男性が「おばちゃんとこ、ラーメンはやらないの?」と尋ねてきた。言葉を濁した二三だが、仕込の大変さを考えると正直なところ腰が引ける。それにラーメン専門店も多く、需要があるとも思えない。
客が引けた頃にやってきた常連客の三原と梓にそんなことを零したところ、「やってみる価値はあるのでは」と言われて驚く二三。さらに皐まで乗り気になっている。
3人は、専門店のように気張ったものを作る必要はなく、むしろシンプルなラーメンの方を喜ぶ客が多いと言う。二三と一子も前向きに検討する気になって、ランチ営業は終了した。
ところがラーメン談義が呼び水になったのか、はじめ食堂の並びにラーメン屋が開業するという話を聞いたのは、一子たちが賄いを食べ終わったときだった。 ( 第1話「ラーメンで、こんにちは」) ※全5話。
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シリーズ14作目となる本作は、相良千歳のラーメン店開業秘話が中心テーマです。
物語は、はじめ食堂のランチ風景といういつものオープニングのあと、「鳥千」を営む串田さんが店を畳むことにしましたと挨拶に訪れたところから始まります。
鳥千ははじめ食堂の並びにある焼鳥屋さんで、一子たちにとって串田さんは昔からの商売仲間です。
でも串田夫婦も寄る年波には勝てず、息子夫婦が西麻布でイタリアンレストランをやることになったため、廃業を決意したという話でした。
その鳥千の空き店舗を居抜きで借りることになったのが、相良千歳なのです。
人気の大手ラーメン店で調理場を任されていた千歳は、数々のレシピも考案した腕利きの料理人です。まだ30歳と若いですが、思い切って独立しようと手頃な物件を探していて鳥千を見つけたということでした。
数日後、はじめ食堂に挨拶に訪れた千歳の為人に接した一子たちは、すぐに千歳を気に入ります。
折り目正しい態度。はきはきした口調。明快でまっすぐな受け答え。芯の強さがよくわかります。さらにショートカットを通り越した超短髪にも、覚悟のほどが伺えます。
協力できることは何でもするからと一子たちに受け容れられ、順風満帆で開業を迎えたかに見えた千歳だったのですが……。
本巻を通して、千歳はヒロインとして登場します。彼女は確かに魅力的な女性で、人間としてもプロの料理人としても素敵です。
さらに「ラーメン界の綾波レイ」と言われたビジュアルを持ち、おまけに健啖家でお酒にも強い。
極めつけはナイトとなる男性が千歳の前に現れます ( わりと早い段階です ) 。 読者もよく知るその男性とのロマンスも本巻の見どころとなっていて、まさにヒロイン!
最終話は、おなじみ忘年会。
千歳と彼氏、康平と瑠美の確定カップルのほか、山下先生と桃田はなも何となくいい感じ。何か婚活食堂めいた雰囲気です。
そして、シリーズを左右する大本命カップルになるのではないかと私が密かに思っている2人、万里と要にはまだその兆候はないものの、浮かれた気分で読み終えることができました。満足度の高い作品です。